世 界 銀 行 年 次 報 告 2004 Volume 1 THE WORLD BANK 一年を振り返って 2004年度の活動概要 本年次報告は、2003年7月1 IBRD (単位:100万ドル) 日から2004年6月30日までの 2004年度 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 活動を対象に、国際復興開 承認額 11,045  11,231 11,452 10,487 10,919 うち構造調整融資 4,453  4,187 7,384 3,937 4,426 発銀行(IBRD)と国際開発 プロジェクト数 87 99 96 91 97 協会(IDA)の理事が、それ うち構造調整融資 18 21 21 15 14 ぞれの機関の定款に従って 実行総額 10,109 11,921 11,256 11,784 13,332 うち構造調整融資 4,348 5,484 4,673 4,393 4,924 作成したものです。IBRDと 元本返済額 IDAの総裁および理事会議 (前納分を含む) 18,479 19,877 12,025 9,635 10,398 長 を 兼 務 するジェームズ・ 実行純額 (8,370) (7,956) (769) 2,149 2,934 D・ウォルフェンソンは、本年 融資残高 109,610 116,240 121,589 118,866 120,104 次報告、運営予算、および 未実行額 32,128  33,031 36,353 37,934 44,754 監査済み財務諸表を総務会 配分可能な純益 1,675 3,050 1,831 989 1,582 に提出しました。 利用可能資本および準備金 31,332 30,027 26,901 24,909 25,067 資本/貸出比率 29.4% 26.6% 22.9% 21.5% 21.3% 国際金融公社(IFC)、多数 IDA 国間投資保証機関(MIGA)、 (単位:100万ドル) 2004年度 2003年度 2002年度 2001年度 2000年度 および投資紛争解決国際セ 承認額 9,035 7,282 8,068  6,764  4,358 ンター(ICSID)の年次報告 うち構造調整融資 1,698 1,831 2,443  1,826  682 は別途刊行されます。 プロジェクト数 158 141 133  134  126  うち構造調整融資 23 24 23 15 9 実行総額 6,936 7,019 6,612 5,492 5,177 うち構造調整融資 1,685  2,795  2,172  1,280 860 元本返済額 1,398 1,369 1,063 997 920 実行純額 5,538 5,651 5,549 4,495 4,257 融資残高 115,743 106,877 96,372 86,572 86,643 未実行額(融資) 23,998 22,429 22,510 20,442 20,833 未実行額(グラント) 2,358 1,316 148 — — 開発グラント供与額 1,697  1,016  154 — — 世 界 銀 行 年 次 報 告 2004 Volume 1 一年を振り返って 写真 (右上) 目次 ワシン トンDCにある世界銀行本部のロビー に飾られているこのブロンズ像は、 かつてはア 総裁兼理事会議長からのメッセージ 2 フリカ大陸の随所で見られた光景をモチーフと 理事会 5 しています。当時、 アフリカ大陸では川辺で繁 世界銀行グループ 8 殖するブユが媒介する寄生虫症 「回旋糸状虫 第1章 開発アジェンダ 10 症」( 河川盲目症ともいう) が猛威をふるい、多 くの成人が視力を失いま した。 第2章 地域別展望 24 今でも、 アフリカ大陸のセネガルからエチオ アフリカ地域 28 ピア、 アンゴラからモザンビークにかけての一帯 東アジア・大洋州地域 32 では、数百万人がこの疾病に感染しています。 南アジア地域 37 しかし、 その数は1970年代初頭の半分にすぎ ヨーロッパ・中央アジア地域 41 ません。 これは「西アフリカ回旋糸状虫症撲滅 ラテンアメリカ・カリブ海地域 46 計画」 や、「回旋糸状虫症撲滅のためのアフ リカ 中東・北アフリカ地域 51 計画」 が密接に連携し て抑制に取り組み、 また 治療薬の登場によっ て、感染者の症状を緩和し、 第3章 テーマ別展望 56 新たな感染を防ぐこ とが可能になったためです。 貧困削減と経済管理 58 人々への投資 61 このブロンズ像は、 盲目の大人を連れた子供 持続可能な開発 65 という 、以前はどこにでも見られた光景を過去の インフラ支援 69 ものと した取り組みを記念し て制作されました。 民間セクター開発支援 72 健全な金融システムの構築 76 表紙 法制度の整備 79 途上国の水セクターへの投資は、年間約 600億ドルに上ると推定されます。このうちの 第4章 開発の有効性 82 約90%は国内資金でまかなわれています。世 銀の融資は外部調達資金の約50% (年間30 第5章 2004年度の活動概要 96 億ドル) で、世銀の融資全体の約15%を占め ています。 第6章 世界銀行について 115 総務および総務代理 118 安全な飲料水への安定したアクセスを持た 理事・理事代理および議決権 121 ない人々の割合を2015年までに半減するとい 幹部職員 123 うミ レニアム開発目標を達成するためには、 これ 世銀職員について 124 からも無数の課題を乗り越えていかなければな 現地事務所の所在地 126 りません。2003年2月、世銀はこの目標に取り パートI・パートII IDA加盟国リスト 135 組む途上国によ り効果的な支援を提供するこ と 表 136 を目指し て、新たな水資源戦略を採択しま した。 開発委員会コミュニケ 2004年度 186 (注) 囲み、図および表のリスト 192 本年次報告の内容はインターネッ トでも見ること 略語 193 ができます。www.worldbank.or.jp 索引 194 本書中のドル表記はすべて、特に断りがない限 り、現在の米ドルを意味します。 ウォルフェンソン世界銀行総裁兼理事会議長からの メッセージ 米国カリフォルニア州サノゼ高等学院の生徒と意見を交換するウォルフェンソン総裁。 この1年は希望と進展の兆しが見えた年であると同 リカ・カリブ海地域、およびヨーロッパ・中央アジア地 時に、世界的な貧困との戦いの前途に暗影が投げか 域では貧困層の絶対数は上昇しています。 けられた年でもありました。 今年は世銀と国際通貨基金(IMF)の年次総会が、 2004年の最新のデータによると、貧困層の数は減 初めて中東地域で開催されました。紛争と人命喪失 少を続けています。これは喜ばしいことです。1日1ド が暗い影を落とす中、中東のドバイで開かれたこの ル未満で生活する人々の割合は、1981年は世界人口 総会で、私は現在の世界は均衡を失っていると申し の40%を占めていましたが、2001年は21%に下がりま 上げました。現在、世界では60億人の人々が生活し した。成長の基盤を整えた国では、開発関連の指標 ていますが、世界の国内総生産の80%は富裕国で暮 がはっきりと上向き始めています。たとえば、ヨーロッ らす10億人が生み出しており、残る50億人がその他 パではスロベニアが世銀の融資対象から卒業し、9つ 20%を生み出しているにすぎません。富裕国は年間 の世銀加盟国と共に欧州連合 に加盟しました。 7000億ドルを国防に費やし、3250億ドルを国内農業 (EU) しかし、すべての地域が一様の進展を遂げている の保護に当てていますが、開発援助にはわずか680 わけではありません。成長著しい東アジア地域では、 億ドルを振り向けているにすぎません。 1981年から2001年の間に5億人が1日1ドル未満の生 こうした世界規模の不均衡は、各地で貧困層の日々 活から脱却しました。これほど劇的ではないものの、 の生活を脅かしています。現在、世界では20億人が 南アジア地域と中東・北アフリカ地域でも、貧困層の 清潔な水を利用できない状況にあり、1億1500万人の 数は減少しました。しかし、アフリカ地域、ラテンアメ 子供が一度も学校に行くことがなく、約3800万人の 2 世界銀行 年次報告 2004 (若者・開発・平和会議) パリで開催されたYDP2003 の参加者とウォルフェンソン総裁。 HIV感染者(そのうちの95%以上は途上国の人々)が、 万人にすぎません。圧倒的多数が子供時代を貧困の 治療の機会をほとんど与えられていません。 中で過ごすことになるはずです。そうした人々は必然 今からわずか4年前の2000年、世界の指導者たち 的に、世界は不公平で不条理な場所だと考え、幻滅 はニューヨークで開催されたミレニアム・サミットに集 することになるでしょう。テロリズムは多くの場合、若 まり、2015年までに貧困を半減することを誓いました。 年人口の増加が著しく、かつ若者たちが希望を持つ そして、保健・医療、教育、女性、および環境に関す ことのできない国で醸成されます。 るミレニアム開発目標(MDGs)が採択されたのです。 若年層は今、無視することのできない力を持ち始 世銀は今年の春の総会で、第1回の「グローバル・モ めています。2004年度、私は北京の清華大学やマサ ニタリング・レポート」を発表し、これらの目標を達成 チューセッツ州のブランダイス大学などで、世界中の するために、すべての国が取るべき政策と行動を明 若者たちと意見を交わす機会を得ました。若者は未 らかにしました。世銀とIMFが共同で作成したこの報 来であると同時に、今を代表する存在でもあります。 告書は、このままではほとんどの途上国がMDGsの大 世界人口の約半数は24歳未満の若者ですが、その10 部分を達成できないとして、国際社会に警鐘を鳴らし 人に9人は途上国で暮らしています。このうちの10億 ています。 人は10年以内に職を求めるようになるでしょう。職を 今、世界は一つの大きな選択を迫られています。 求めて故郷を離れる若者の数は、今後さらに増えて もし、国際社会がMDGsの達成にさらなる熱意で取 いくはずです。 り組むことがなければ、鳴り物入りで掲げられた目 われわれはこうした現実を直視し、特に3つの問題 標は達成されず、貧困層はこれまで以上に取り残さ について、行動を起こす必要があります。 れ、将来の世代に大きな課題を残すことになるで 1つ目は、貿易交渉を進展させることです。貿易交 しょう。 渉によって農業保護主義が緩和されれば、途上国の 世界人口は今後25年で約20億人増えるといわれて 貧困は削減されます。2015年までに3250億ドル近く いますが、富裕国に生を受けるのはこのうちの5000 が途上国にもたらされ、1億4000万人が貧困から抜け 世界銀行 年次報告 2004 3 出すことができるでしょう。 標 に 向 け て、大きく前 進しました 。現 在 、2 7 カ 国 2つ目は、先進国が約束した援助額を大幅に引き上 (HIPC適格国の3分の2)が債務救済の適用を受けて げ、より効果的に利用することです。ここ数年、援助 おり、すべての債権者による債務削減総額は520億ド 額は増加傾向にありますが、MDGsを達成するために ルを超えると予測されています。世銀はパートナーと は、現在の開発援助水準を約2倍に引き上げる必要 共に、債務救済から持続可能な債務への移行を進め があります。最貧国への援助で大きな成果を上げて ています。 きた国際開発協会(IDA)の増資に、すべてのドナー エイズに関しては、国連児童基金(UNICEF)、世界 国が参加することは不可欠です。 エイズ・結核・マラリア対策基金(GFATM)、および 3つ目は、追加援助の大部分を融資ではなく、グラ クリントン財団と共に、途上国がジェネリック薬を通 ントとして提供し、最貧国の債務負担をさらに軽減す 常よりも大幅に安い価格で入手できるようにする計画 ることです。 に着手しました。また、パートナーと協力しながら、 こうした取り組みが功を奏するためには、2002年の HIV/エイズ感染リスクの高い国で予防プログラムの モンテレー会議で富裕国と貧困国の間で交わされた 構築に取り組んでいます。 取り決めが、確実に実施される必要があります。すな 2004年度の特記事項としては、上海にて中国政府 わち、途上国は経済改革と汚職の撲滅をさらに進め、 と共同で開催した国際貧困撲滅会議があります。9カ 先進国は援助資金を増額することによって、途上国の 月間の開発学習を経て開催されたこの会議は、途上 改革を支援しなければなりません。 国の指導者たちが開発プロジェクトの成功と失敗を 世銀は世界的な貧困との戦いにおいて中心的な役 共有する機会となりました。われわれは個々のプロ 割を果たしています―そして、それは世銀の務めでも ジェクトの成功に満足するのではなく、開発努力をさ あります。世銀の戦略は引き続き、貧困削減の2つの らに していかなければならないことを学びま 「拡大」 し 柱である「人々のエンパワーメント」と「投資環境の改 た。われわれが建てようとしているのは10の学校では 善」に焦点を当てたものとなっています。この2つの柱 なく、1万の学校です。5つの橋ではなく、5000の橋で は世銀の国別援助戦略(CAS)の基盤となっているだ す。われわれが支援しようとしているのは何千ではな けでなく、貧困国の貧困削減戦略文書(PRSP)や、富 く、何十億の人々なのです。 裕国の開発戦略にも反映されています。世銀は2004 不利な立場に置かれている人々は慈善の対象では 年度も引き続き、途上国主導のアプローチを推進し、 なく、貧困との戦いにおける貴重な財産である―世 IDAの融資対象である低所得国においてはPRSPの作 界銀行ではそう認識しています。また、道徳、社会、 (国際復興開発銀行) 成を支援し、IBRD の融資対象 経済、そして安全保障の面においても、貧困を克服 である中所得国においては、その国のニーズに合っ することは急務であると確信しています。われわれは た融資手段の提供に努めました。また、政策・制度環 今後もこの信念を力強く訴えていくと共に、ミレニアム 境が脆弱で、多くの場合は内紛を抱えている国々に 開発目標の達成に取り組んでいるすべての人々に、 (切迫した状況にある低所得国) おいても、LICUS イ 惜しみない支援を提供していく所存です。 ニシアティブを通して支援を継続しています。援助を 成功させるためには、ドナーとのパートナーシップも 不可欠です。 重債務貧困国(HIPC)イニシアティブは今年、貧困 国の債務を管理可能な水準まで引き下げるという目 ジェームズ・D・ウォルフェンソン 4 世界銀行 年次報告 2004 理事会 左から右へ: (起立) Per Kurowski, Terrence O Brien, Otaviano Canuto, Paolo Fernando Gomes, Nuno Mota Pinto, Pierre Duquesne, Thorsteinn Ingolfsson, Tanwir Ali Agha, Tom Scholar, Kurt Richard Bayer, Eckhard Karl Deutscher, Alexey G. Kvasov, 大矢俊雄, Louis A. Kasekende, Yahya A. Alyahya, Rapee Asumpinpong (着席) Guangyao Zhu, Pietro Veglio, Carole Brookins, Mahdy Ismail Aljazzaf, Gobind Ganga, Tamara Solyanyk, Alieto A. Guadagni 理事会は世銀業務全般の運営に責任を負ってお 性、効率性、および有効性について、理事会に独立 り、総務会から委任された権限に基づいてその任務 した助言を提供します。OEDは理事会に直接説明責 を遂行します。世銀協定の規定により、24名の理事の 任を負っている独立の評価部門であり、理事会が承 うち5名は5大出資国が任命し、残りの理事はその他 認した政策、戦略、および業務プログラムに沿って評 の加盟国から成る複数の理事選出母体(2年ごとに選 価を実施します。 によ 出) り選任されます。 理事会はその職務を遂行するために、世銀本部で 理事会は総裁が提出するIBRDの融資・保証案件 定期的に会合を開いています。こうした会合には公式 や、IDAの融資・グラント・保証案件を検討・承認す の全体委員会と非公式のものがあります。各理事は5 るほか、世銀の業務全般に対する方針も決定します。 つの常任委員会―監査委員会、予算委員会、開発効 また、理事会は年次総会の場で総務会に会計監査報 果委員会(CODE)、統 治・理 事 行 政 管 理 委 員 会 告書、運営予算、世銀の活動や政策などをまとめた (COGAM)、および人事委員会―のうち、いずれか1 年次報告(本報告書)、および総務会への提出が義務 つ以上の委員も務めています。理事会は常任委員会 づけられている諸事項を提出する任を負っています。 の支援を得て、世銀の政策と慣行を詳細に検討し、 理事会は世銀の業務方針と方向性を定める上でも重 その監督責任を果たします。常任委員会が理事会に 要な役割を担っています。その際、世銀グループの 代わって意思決定を行うことはありません。 戦略や業務に対する加盟国の認識の変化も考慮され 2004年度、監査委員会はガバナンスと監督に関す ます。この過程で重要な役割を果たすのが業務評価 る最新のベストプラクティスや、多国籍機関という世 局(OED)です。OEDは世銀業務の妥当性、持続可能 銀グループの特殊性を考慮して、自らの委任事項を改 世界銀行 年次報告 2004 5 訂しました。現在進められている世銀グループのガバ 心としたものとなりました。世銀の執行部は2004 – 06 ナンスと管理フレームワークの改革は、改訂された委 年度の世銀グループの戦略的方向性をまとめた文書 を理事会に提出しま 任事項に基づいて実施されています。予算委員会は (中期戦略や財務文書を含む) し 世銀の予算編成に理事会が早期から関与することを た。理事会はこれらの文書を検討し、MDGsの達成 求め、執行部の確約を得ました。今後は執行部と協 に向けて、引き続き実施状況と結果、融資対象の精 力して、複数年にわたる包括的なフレームワークの構 選、トレードオフ、再関与、および効率化に重点を置 築に取り組む予定です。CODEは世銀が進めている くという執行部の提案を強く支持しました。 手続きの簡素化・調和化努力の一環として、世銀融資 の支出基準を討議しました。COGAMでは理事の行 貧困削減における世銀の役割 動規範が改訂されたほか、引き続き理事会の有効性 2004年度の理事会においても、ミレニアム開発目標 とブレトンウッズ機関における途上国・移行経済国の (MDGs)に対する世銀の役割と取り組みが審議の中 発言権と参加の問題が議論されました。人事委員会 心となりました。理事会は第1回の「グローバル・モニ は労働力の柔軟な利用を目的とした新しい雇用方針 タリング・レポート」 「MDGs達成のための資 のほか、 を提言し、理事会の承認を得ました。 金モダリティ進捗報告書」「健全な政策に対する十分 、 理事と理事代理は定期的に借入国を訪問し、援助 かつ適切な支援:国レベルでのモンテレー合意の実 の実施状況を視察しています。視察の際はプロジェ 施」といった文書を検討しました。また、貧困削減に クト・マネージャー、受益者、政府関係者のほか、シ 関する報告書「貧困削減戦略文書:実施状況と現状 ビルソサエテ 開発パー ィ組織や企業の代表者、 も検討されま トナー、 分析」 した。このほか、12件の貧困削減 金融機関、現地事務所の世銀職員など、さまざまな関 戦略文書 と20件のPRSP進捗状況報告書が検 (PRSP) 係者との会談が行われます。2004年度の視察先はボ 討されました。 スニア・ヘルツェゴビナ、セルビア・モンテネグロ、コ 重債務貧困国(HIPC)の債務削減問題については、 ソボ、ベトナム、ラオス人民民主共和国、およびサモ 拡充HIPCイニシアティブが審議の中心となりました。 アでした。 2004年度の理事会では6件のHIPC完了時点文書が検 「世銀・IMF合同開 理事会は半年ごとに開催される 討されました(完了時点とは、決定時点で合意された 発委員会」のアジェンダや課題文書の作成においても 債務救済額の未実行部分を、すべての債権者が無条 重要な役割を果たしています。開発委員会では、2004 件で実行した時点のこと。決定時点とは、国際社会 年度も引き続き貧困削減の進捗状況をモニタリング が当該国の債務救済額について合意し、債務救済が するための戦略や、国際社会が合意し、ミレニアム宣言 始まった時点のこと。完了時点に到達したと見なさ に盛り込まれた目標を達成するための戦略が議論され れるためには、PRSPに記載された主要な改革や政策 ました。その一環として、開発委員会はミレニアム開発 が 実 施 されて いる必 要 が ある)。また 、理 事 会 は 目標 に関する第1回の進捗報告書 (MDGs) 「グローバ HIPCイニシアティブに関する多数の世銀・IMF合同文 ル・モニタリング・レポー を検討しま ト」 (第4章および した 書も検討しました。ここには毎年発行されるHIPC進 第6章/添付CD‑ROMの「開発委員会コミュニケ」 。 捗状況報告書のほか、HIPCサンセッ 参照) ト条項(まだ決定 時点に到達していないHIPCが、IDAやIMFの支援を 得て、構造調整・改革プログラムを実施しなければ 戦略的課題 ならない期限)や、トッピングアップの枠組みに関する 2004年度に理事会が重点的に取り組んだ分野は次 文書も含まれています。トッピングアップとは、外部要 の通りです。 因によってHIPCの経済環境が大きく変化した場合に、 当該HIPCが完了時点に到達した際、例外的にさらな 戦略フレームワーク る債務救済を適用することです。理事会はまた、低所 2004年度の理事会の活動は、2002年度に再確認・ 得国の長期的債務持続性について新たにIMFとの共 改訂された戦略フレームワークの継続的な実施を中 同取り組みを始めることを検討しました。 6 世界銀行 年次報告 2004 国別プログラム スの実施に関する情報提供、両機関が共同で取り組 2004年度においても、国別援助戦略 と、包 (CAS) んでいる国別プログラムとコンディショナリティの強化 括的な開発フレームワークおよびPRSPの原則が世銀 などの分野でも協力が行われました。また、理事会は グループの国レベル業務の基軸となりました。理事会 グローバル・プログラムやパートナーシップの進捗状 は引き続き、CASとPRSPプロセスの連携を強化し、 況、および多国籍機関同士の協力をモニタリングする 現実的で測定可能、かつ結果重視の、モニタリング可 フレームワークの構築状況も検討しました。 能なフレームワークに基づいてCASを策定することを 訴えま (う した。2004年度の理事会では、38件のCAS 監督責任と受託者責任 とCAS関連文書が検討され ち6件は結果重視型CAS) ました。理事会はパートナーシップを活用することに 理事会は世銀の株主に代わり、監督責任と受託者 より、CASをより焦点を絞った、精選したものとする 責任を果たしています。その一部は監査委員会を通 必要性を強調しました。また、実施状況、キャパシ じて遂行されています。監査委員会は管理環境全体 ティ・ビルディング、およびリスクにより留意する必要性 を強化し、世銀の財務方針や方向性に関する理事会 も強調されました。 の意思決定を支援するために、財務管理をはじめと する広範なガバナンス問題について理事会に助言を グローバル・プログラムとパートナーシップ 提供しています。 2004年度においても、世銀は国際社会の要請に応 えて、IMF、国際開発金融機関(MDBs)、国連機関、 運営予算 二国間ドナー、およびシビルソサエティと共に、グ ローバル・パートナーシップを構築し、国際イニシア 2004年度の運営予算総額は18億6520万ドルでした ティブを支援しました。世銀とIMFの執行部は「共同 (返済金額を除く)。ここには開発グラント・ファシリ 実施委員会」の役割を拡大し、低所得国と中所得国 ティに対する1億7820万ドルの予算も含まれています。 の両方に関係する問題を扱うこととしました。具体的 純運営予算は14億3830万ドルとなり、前年度予算か な協力分野としては、中所得国支援の拡大、低所得 らの実質増加率は2.5%、名目増加率は6%でした。 国の債務持続可能性の改善などがあります。このほ 2004年6月、理事会は2005年度の運営予算として20億 か、マネーロンダリング対策活動の支援、テロ資金供 30万ドル を承認しま (返済金額を除く) した。 与の根絶、国際金融構造の強化、PRSP・HIPCプロセ 世界銀行 年次報告 2004 7 世界銀行グループ 世界銀行(世銀)グループ 国際復興開発銀行(IBRD) 国際開発協会(IDA) は、途上国の貧困を削減し、 1945年設立■184加盟国 1960年設立■165加盟国 累積融資額:3940億ドル 累積承認額:1510億ドル 人々の生活水準を高めるこ 2004年度融資額:33カ国の87件の 2004年度承認額:62カ国の158件の 新規プロジェク トに対して110億ドル 新規プロジェク トに対して90億ドル とを使命とする国際開発機 関です。世銀グループは融 資、政策助言、技術支援、 および知識共有サービスを 提供しています。世銀を構 成する国際復興開発銀行 と国 際 開 発 協 会 (IBRD) の株主は加盟国であ (IDA) 2002年の総裁優秀賞は、東ティモールの復 マダガスカルの高原で村人が稲を刈り取って 興を支援する包括的なプログラムに贈られま います。大規模な森林伐採とそれに伴う土壌 り、加盟国が最終的な意思 した。 浸食の結果、マダガスカルでは米不足が発生 し、不足分をアジア諸国からの輸入米でまか 決定権を有しています。現 なっています。 在、世銀グループは相互に IBRDは中所得国および信用力のあ 世銀はIDA加盟国の拠出金を原資と る貧困国に融資、保証、および分 して、81の最貧国 (総人口25億人) に 密接な関係にある5つの機 析・助言サービスなどの非融資業務 年間約60〜90億ドルの譲許的融資 を提供し、持続可能な開発を推進す を行っています。これらの国々は市 関で構成されています。 ることで、 これらの国の貧困を削減 場の条件で借入を行うことはほとん することを目指しています。過去の融 ど、 もしくはまったくできないため、 資から得られた利益は、開発活動の 無利子で提供されるIDAの融資がき 原資になるだけでなく、IBRDの財務 わめて大きな役割を果たしています。 の健全性を示す指標となり、IBRD 多くの最貧国では住民のほとんどが が資本市場から低利で資金を調達 1日2ドル 未 満 で 生 活して います。 し、借入国に緩やかな条件で融資 IDAの資金は借入国が推進する貧困 を提供することを可能にしています。 削減戦略の重要政策分野にあてられ IBRDの理事会は184の加盟国を代 ています (生産性の向上、責任ある 表する24名の理事で構成されていま ガバナンス、民間投資環境の整備、 す。このうち5名は任命理事、19名は 教育と医療に対する貧困層のアクセ 選任理事です。 スの改善など) 。 8 世界銀行 年次報告 2004 国際金融公社(IFC) 多数国間投資保証機関(MIGA) (ICSID) 投資紛争解決国際センター 1956年設立■176加盟国 1988年設立■164加盟国 1966年設立■140加盟国 承認済ポー トフォリオ:235億ドル(協調 累積保証額1:135億ドル 合計申し立て案件:159件 融資分の55億ドルを含む) 2004年度保証額:11億ドル 2004年度申し立て案件:30件 2004年度承認額:65カ国の217件の プロジェク トに対して48億ドル IFCはウズベキスタンのアサカ銀行に投資を MIGAはウガンダのコーヒー加工工場のプロ 現在、ICSIDに申し立てが行われている案件 行いました。これにより、 ウズベキスタンで ジェクトを保証しました。この工場は費用効 の3分の1はエネルギー・プロジェクトに関す はより多くの民間企業 (中小企業を含む)が 率の高い加工技術を導入しており、原料とな るものです。 中・長期金融を利用できるようになりました。 るコーヒーの大部分は小規模農家から買い 取っています。 IFCは民間セク ターを通じて途上国 MIGAは投資家が途上国に投資を行 ICSIDは国際投資紛争の調停と仲裁 の経済発展を支援しています。IFC う際の非商業リスク (収用、通貨の を行う場を提供することで、外国投 は政府保証を取りつけることなく、 兌換停止・送金制限、戦争や内乱、 資の促進に貢献しています。ICSID 民間パー トナーと共に、途上国の持 契約不履行など) を保証することで、 の存在は、国家と外国投資家が信頼 続可能な民間企業に投資を行って 途上国に対する外国直接投資を促 関係を育む一助となっています。国 います。これらの企業には投資、長 進しています。MIGAの客観的仲介 際投資協定の多くはICSIDを仲裁機 期融資、 ストラクチャー ド・ファイナン 機能と投資紛争解決に及ぼす影響 関に指定しています。ICSIDは紛争 スのほか、 リスク管理サービスや助 力は、 こうしたリスクに対する投資家 解決や外国投資法に関する出版物 言サービスが提供されます。IFCの の不安を減じ、投資プロジェク トに も発行しています。 援助対象となるのは、資本の確保が 対する信頼を高める一助となってい 困難な地域・国の企業です。IFCは ます。また、MIGAは途上国が外国 リスクが高いと民間投資家が考える 投資を誘致・確保し、諸外国の企業 ような市場に投資し、現地企業に に投資情報を提供することができる コーポレー ト ・ガバナンスや環境・社 ように、技術支援や各種の助言サー 会分野の専門知識を提供すること ビスも提供しています。 で、現地プロジェク トの投資価値を 高めています。 1. 協調保険引受プログラムを通して保証し た金額を含む。 世界銀行 年次報告 2004 9 1946年9月27日、第1回のIBRD・IMF合同年次総会が開催 されました。右から3人目がユージン・マイヤー総裁。 初代の世銀総裁 ユージン・マイヤー。 1946年。 ジョン・J・マクロイ世銀総裁 (中央)。1947–1949年。 ユージン・マイヤー(1946) 年代 1942 1944 1945 1946 国連通貨金融会議が 29カ国の政府が 3月、世銀と国際通貨基金 ブレトンウッズで開催され、 ワシン トンDCにて の総務会就任式が 世銀協定が作成される。 世銀協定を批准。 開催される。 会議参加国は44。 1940 戦後のフランスでは工業投資が盛んに行われました。 開発アジェンダ 1 IBRD理事会でのジョン・J・マクロイ議長。1949年5月、 ワシン トンDC。 世銀の融資はフランスの戦後 復興に貢献しました。 ジョン・J・マクロイ(1947–1949) ユージン・R・ブラック(1949 –1963) 1947 1948 1949 最初の融資が行われる 最初の開発融資が 世銀の技術支援 (フランス、2億5000万ドル)。 行われる プログラムがスタート。 。 (チリ、1350万ドル) 2004年度の概観 ■ 2004年5月に上海で開催された 国際貧困撲滅会議 に の価格で提供されることになります。この治療薬は世 は、世界中からさまざまな開発関係者が集まり、開発 界保健機関(WHO)の品質認定を受けたものです(第3 アジェンダの実施を加速するための具体的な行動を話 章参照)。 し合いました。参加者は約100件の事例研究をもとに、 貧困削減の成功モデルと、それを他国にも拡大する方 ■ 2004年3月17日、スロベニアが世銀の財政・技術支援 法について意見を交換しました(第1章囲み1.1および から し、第14次増資でIDAドナーとなる意向を表 「卒業」 。 第5章参照) 明しました。2004年4月には世銀報告書「スロベニア: ユーゴスラビアから欧州連合へ」が刊行されました。 ■ 2004年度、IBRDは33カ国の87件のプロジェクトに対 2004年5月、スロベニアは9つの世銀加盟国(キプロ し、110億ドルの 融資を承認 しました。IDAは62カ国 ス、チェコ共和国、エストニア、ハンガリー、ラトビア、 の158件のプロジェクトに対し、90億ドルの 融資を承 リトアニア、マルタ、ポーランド、およびスロバキア共 認しました(第5章参照) 。 と共に、欧州連合に加盟しました。世銀は1990 和国) 年以降、この10カ国に総額106億ドルの融資を行って ■ 2 0 0 4 年 5月、第 1 6 回 世 界 銀 行 開 発 経 済 年 次 会 議 います 。 (第2章参照) (ABCDE)がワシントンDCとヨーロッパで開催されま した。ワシントン会議(5月3–4日)ではノーベル賞受 ■ 2004年6月、第1回の「グローバル・モニタリング・レ 賞者のヴァーノン・スミス氏と世銀のフランソワ・ブル ポート 」が発表されました。これは世銀とIMFが他の ギニヨン上級副総裁兼チーフエコノミストが基調講演 パートナー機関と密接に連携しながら共同で作成した を行いました。この会議のテーマは「過去の経験から もので、ミレニアム開発目標を達成するために、途上 学ぶ」でした。2005年度には会議の模様をまとめた報 国、先進国、および開発機関が進めている政策と行動 告書が刊行される予定です。 ヨーロッパ会議(5月 の進捗状況を評価しています 。 (第4章参照) 10 – 11日)には約350人の政策決定者、学術関係者、 ジャーナリスト、およびユース団体とシビルソサエティ ■ 世銀は結果重視アプローチを強化するための行動計 組織の代表者が出席し、 「ドーハ、モンテレー、および 画の一環として、統計能力育成プログラム を策定し、 ヨハネスブルグ:その後の進捗状況」をテーマに意見 その実施に乗り出しました。この計画の目的は途上国 を交換しました。 の統計システム、制度能力、および計画立案能力を強 化することです。 ■ 2004年4月、世銀のジェームズ・D・ウォルフェンソン総 裁はニューヨークで開催された国連安全保障理事会に ■ 2004年度、世銀は従来の 中所得国 支援を見直し、中 出席し、エイズとの戦いを呼びかけました。総裁はエ 所得国に対するサービスを改善するための行動計画を イズが途上国、特にアフリカ諸国に与えている深刻な 承認しました。世界の貧困層の70%近くは中所得国で 打撃に言及し、エイズは開発の時計を逆戻りさせ、経 暮らしていることから、世銀がこの分野で大きな役割 済・社会発展に対する人々の希望を打ち砕こうとして を果たすことが求められています。この計画に基づい いると警告しました。アフリカではすでに1300万人が た具体的な活動は2004年度に始まりました(第1章参 エイズによって死亡し、その結果、1000万人の子供た 照)。 ちが孤児となっています。 ■ 世銀は途上国が世銀の融資をスムーズに受けることが ■ 2004年4月、世銀は世界エイズ・結核・マラリア対策 できるように、融資方針と手続きの簡素化・近代化 に 基金(GFATM)、国連児童基金(UNICEF)、および 取り組みました。また、借入国の便宜をはかるために、 クリントン財団と共に、100カ国以上の貧困国にHIV/ 開発パートナーと共に手続きの調和化にも取り組みま エイズのジェネリック薬を提供する計画を発表しまし した 。 (第4章参照) た。この計画により、治療薬は市場最安値の約3分の1 から2分の1の価格で、診断検査は市場価格の5分の1 ■ 国連と協力して合同イラクニーズ・アセスメントを実 12 世界銀行 年次報告 2004 施し、イラクの復興開発ニーズを特定し、復興に必要 界65カ国183人の出場者が、開発課題を解決するため な資金を概算しました。世銀と国連はドナー資金の受 の革新的なソリューションを発表しました。入賞を果 け皿となる信託基金を設置し、ドナーの支援を調整し たすのは貧困削減の画期的なアイディアです。今年は ました 。 (第5章参照) 保健・医療サービスと医薬品へのアクセスを拡大する プロジェクト(モザンビーク)、埋め立てによるごみ処 ■ 現在、世銀の 紛争後基金 は36カ国に提供されていま 理管理を改善するプロジェクトやヤシの殻を再利用し す。今年はイラクにおける人的開発、水、および電力 て絶滅危惧植物種を保全するプロジェクト(ブラジル) 分野の知識共有プロジェクトに3つのグラントが提供さ をはじめとする多彩なプロジェクトが入賞しました。 れました。その他の資金受入国としては、コートジボ 1998年以来、DMは約370件のプロジェクトに合計 ワール、ハイチ、リベリア、ソマリアなどがあります。 2 4 0 0 万ド ル 以 上 の グ ラ ントを 提 供 して い ま す 本基金は1998年から2005年の間に合計6100万ドルを (www.developmentmarketplace.org)。 超えるグラントを承認しました。最も多くの資金を得 ているのはアフリカ地域です 。 (第3章参照) ■ 2003年9月、世銀はカンクンでWTO閣僚会議が開催さ 「世界経済の展望2004: れる直前に、 ドーハ開発ア ■ 世銀は LICUS(切迫した状況にある低所得国)に焦 ジェンダの実現に向けて(仮訳)」を発表しました。本 点を絞った信託基金 を新たに設置しまし (2500万ドル) 報告書には世界経済の現状に関する詳細な報告のほ た。本基金の支援対象となるのはガバナンス改革と か、世界貿易問題、特にドーハ開発アジェンダに関連 社会サービスです 。 (第1章参照) した問題についての分析が掲載されています。 ■ 2004年2月、ドナーおよび借入国の代表がパリに集ま ■ 2003年9月、ウォルフェンソン総裁とマンペーラ・ラン り、IDA第14次増資 に関する初会合を開きました。 ペーレ専務理事は、パリで開催された「若者・開発・平 2015年のミレニアム開発目標達成を目指す途上国に 和会議」に出席し、世界のユース団体の代表者と意見 とって、IDA14は特に大きな意味を持つことになります を交換しました。参加者の多くは母国の開発プログラ 。 (第5章参照) ムに積極的に参加している若者です。総裁はこの会合 で、若者が世銀の活動に参加する機会を拡大すること ■ 2003年12月、ディベロップメント・マーケットプレー を確約しました。この会議は世銀、欧州ユースフォー ス(DM)の世界大会が開かれ、事前に選抜された世 ラム、および世界スカウト機構が共同で開催したもの です 。 (第3章参照) ■ 2003年9月、ウォルフェンソン総裁はドバイで開催され た年次総会でスピーチを行い、富裕層と貧困層の間に は不公平と不均衡が存在し、それはどちらも世界の安 定を損なうものであり、容認できないと述べました。総 裁は各国の政府や組織に対し、ミレニアム開発目標の 達成に向けて、さらなる努力するよう求めました。 ■ 2003年7月、世銀はインフラ行動計画に着手しました。 この計画の目的は、バランスの取れた官民アプローチ を取り入れ、複数の資金源を確保することによって、 インフラサービスを確実に提供するための素地を整え ることです 。 (第3章参照) 2003年12月3– 4日、ワシントンDCでディベロップメント・マーケッ トプレースの世界大会が開催されました。 第1章 開発アジェンダ 13 第1章 開発アジェンダ 世銀を構成する国際復興開発銀行 と国際開発協会 (IBRD) は、世界の貧困と戦うことを使命とする国 (IDA) 際金融機関です。世銀は持てる資源を活用し、開発機関やシビルソサエティ組織などの関係諸機関と密接に 連携しながら、借入国の持続可能な開発を支援しています。 途上国はこの数十年間で大きな進歩を遂げました。 の基盤を整えた国では、社会開発指数が改善されつ 世界的に見ると、平均寿命は過去40年間で20年伸び、 つあります。ブラジル、タイ、およびウガンダでは大規 成人の非識字率は過去30年間で半分になりました。貧 模な保健・医療プログラムにより、HIV/エイズ(ヒト免疫 困率も下がり、世界人口に占める極貧層の割合は1981 不全ウィ の蔓延が抑制さ ルス/後天性免疫不全症候群) 年の40%弱から、2001年には21%になりました。成長 れています。タイでは年間の新規エイズ感染者数が、 1990年代初頭から2001年の間に14万人から3万人に 極度の貧困と飢餓の撲滅 激減しました。 こうした数々の成功事例は、良好な政策とパートナー の支援があれば進歩が可能であることを証明してい ます。しかし、進歩の速度は一様ではありません。多く の途上国では引き続き、低成長、不十分な教育、内紛、 および保健・医療環境の未整備が成長の阻害要因と なっています。2003年末のHIV/エイズ感染者数は世界 全体で約3800万人 でしたが、 (子供を含む) その95% 以上が途上国、70%がアフリカ諸国の人々でした。南 アジア地域と東アジア地域では約100万人が新たに HIV/エイズに感染し、現在の感染者数は合計700万人 を超えています。 開発アジェンダの実施を加速するために、国際社会 はミレニアム開発目標 を採択しま (MDGs) した。MDGs の8つの目標は、国際社会が共通で取り組むべき課題 であり、2015年までに貧困や飢餓などを削減し、持 続可能な開発を促進するための具体的なターゲットが 定められています。2000年9月、189カ国がミレニアム宣 言を採択しました。 開発アジェンダの達成はまだ遠く、課題は山積みで す。途上国では今も、人口の半数以上に相当する約28 億人が1日2ドル未満で生活しており、このうちの11億人 は1日1ドル未満の生活を余儀なくされています。世界人 14 世界銀行 年次報告 2004 初等教育の完全普及 ミレニアム開発目標(MDGs) 1 極度の貧困と飢餓の撲滅 2015年までに極度の貧困状態にある人々と飢餓に苦しむ 人々の数を半減させる。 2 初等教育の完全普及 2015年までにすべての子供が初等教育を修了できるように する。 3 ジェンダーの平等と女性のエンパワーメント 2005年までに初等・中等教育におけるジェンダー格差を解 口が増え続けていることを考えると、こうした人々が貧 消し、2015年までにすべての教育現場におけるジェンダー 困から抜け出し、豊かな生活を送ることができるように 格差を解消する。 するためには、今後も大変な努力が求められることにな 4 り (図1.1は1990年以降の地域別貧困率) ます 。 子供の死亡率の削減 2015年までに5歳未満の子供の死亡率を3分の2削減する。 進歩のモニタリング 5 妊産婦の健康の改善 ミレニアム開発目標 に合意した国際社会は、 (MDGs) 2015年までに妊産婦の死亡率を4分の3削減する ドーハ、モンテレー、およびヨハネスブルグで開催され た貿易、開発資金、および持続可能な開発に関する会 6 HIV/エイズ、マラリアなどの疾病の蔓延防止 議で共通の開発戦略を策定しました。モンテレー会議 2015年までにHIV/エイズ、マラリアなどの深刻な疾病の拡 大を食い止め、減少に転じさせる。 では、各国の首脳が先進国と途上国の相互責任につ いて合意を形成しました。この合意は途上国には政策 7 とガバナンスの改善を、先進国には援助の増額、援助 持続可能な環境作り の質的向上、およびさらなる市場開放によって、支援を 2015年までに安全な飲料水への安定したアクセスを持た ない人々の割合を半減させる。 拡大することを呼びかけるものでした。 2004年6月に発表された第1回の「グローバル・モニタ 8 グローバルな開発パートナーシップの構築 リング・レポート」は、MDGsの達成状況、阻害要因、お ルールに基づいた、開放的で公正かつ予測可能な貿易・金 よび約束された支援の実施状況を評価したものです。 融制度を構築する。 この報告書は世銀と国際通貨基金 がパー (IMF) トナー 機関と密接に連携しながら共同で作成したもので、 MDGsとその関連成果を達成するための政策と行動が 分析されています。分析の結果、貧困を半減するという 第1の目標が達成される可能性は高いものの、このまま ではほとんどの途上国において、大部分のMDGsが達 成されないという厳しい結論が下されました。援助を大 幅かつ迅速に増額し、国際社会が一丸となってその 達成に取り組まない限り、最終的な結果はMDGsには 第1章 開発アジェンダ 15 るかに及ばないものとなるでしょう(第4章「MDGs進 あります。適切な政策を導入した国が、MDGsの達成 捗状況のグローバル・モニタリング」参照)。 に向けた歩みを加速できるようにするためには、開発援 貧困の削減とMDGsの達成にひたむきに取り組んで 助の量と質を引き上げることが不可欠であり、また急務 いる途上国が、資金不足によって目標を達成する機会 となっ (図1.2参照) ています 。 を奪われることがあってはなりません。しかし、それが MDGsが依然として困難な目標であること、また国際 現在の状況です。ドナーが追加支援を約束したモンテ 社会が今後、その達成に向けて懸命な努力を強いられ レー会議以降、開発援助は増額されましたが、その増 ることに疑いの余地はありません。世銀はこれらの課題 加分は主に債務救済と技術協力グラントによるもので に挑み、新たな開発構造の中で自らに期待されている重 す。どの試算に照らしても、ドナーが約束している援助 要な役割を果たすために、全力を尽くしていく所存です。 額と、MDGsを達成するために必要な金額にはずれが 図1.1 1日1ドル未満、2ドル未満で生活する人々の割合(%) アフリカ地域  東アジア・大洋州地域  50 44.6 50 42.3 46.5 29.6 25 22.3 25 14.8 15.6 2.3 0 0 1990 2001 2015 1990 2001 2015 南アジア地域  ヨーロッパ・中央アジア地域  50 50 41.3 31.1 25 20.6 25 19.7 12.3 10.3 16.4 3.7 0.5 1.3 0 0 0.3 1990 2001 2015 1990 2001 2015 ラテンアメリカ・カリブ海地域  中東・北アフリカ地域  50 50 28.4 24.5 23.2 25 20.5 25 21.4 11.3 9.5 10.2 7.6 2.3 2.4 1.2 5.6 1.2 0 0 1990 2001 2015 1990 2001 2015 1日1ドル未満で生活する人口の割合(実際値)   予想推移(1日1   ドル未満) 1日2ドル未満で生活する人口の割合(実際値)   予想推移(1日2   ドル未満) MDGsに定められた目標の達成に必要な推移  注:アフリカ地域、 東アジア・大洋州地域、および南アジア地域のグ ラフには「1日2ドル未満で生活する人口の割合 」 (実際値) に関するデータは記載さ   れていない。 出典:世銀、 2004年、 、 「世界経済・社会統計2004」 ワシントンDC。  16 世界銀行 年次報告 2004 囲み1.1 開発経験の共有 貧困削減 途上国が主体的に策定し、 最も有効な開発戦略とは、 2004年5月、上海で貧困削減をテーマにしたユニー リーダーシップを持って取り組むもの、経済成長を促す クな会議「国際貧困撲滅会議」が開催されました。この もの、貧困層が参加し、かつ受益者となるものです。貧 会議には世界中から1000人を超える参加者が集まり、 困削減の成否を決める要因にはさまざまなものがありま 本会議と事前に行われた9カ月間の学習活動を通して、 すが、特に重要なのは開発を促す環境を整えること、 開発プロジェクトの成否を決める要因を分析し、成功 そしてあらゆる利害関係者の参加を促すこ (囲み とです モデルをその他の地域・国にも拡大する方法を模索し 。 1.1参照) この2つの柱は世銀戦略の基盤を成すもの ました。 であり、2001年に発表された世銀の戦略フレームワーク 会議には途上国と先進国の双方から、国家元首、シ にも盛り込まれています。 ビルソサエティの代表者、民間セクターの代表者など、 さまざまな開発関係者が集まり、約100件の貧困削減プ 投資、雇用、持続可能な成長のための環境作り ロジェクトについて意見を交換しました。その結果、ミ 適切な環境がなければ、経済成長を促進する企業 レニアム開発目標 を達成するために、途上国 (MDGs) 家精神、投資、および民間セクターによる革新を育むこ が取り入れることのできる有効で持続性のある開発ソ とはできません。健全な経済環境は国内の経済活動を リューションが特定されました。本会議を通して、国際 刺激し、国内外の投資家を引きつけます。こうした環境 社会にはMDGsを達成するだけの知識と資金があるこ の特徴としては、健全なマクロ経済政策、開放的な貿 と、世界の貧困層の生活を改善するためには、現在よ 易、良好なガバナンスと制度、預金を生産的な活動に りもさらに努力を重ねる必要のあることが明らかにされ 振り向け、資金調達の機会を拡大する安定した金融市 ました。 場、重要な物的イ (運輸、 ンフラ 電力、通信) の整備な ミレニアム・サミットの成果が問われる2005年が目前 どがあります。世銀は途上国の政策・制度環境をさま に迫った今、10年後の2015年までにMDGsを達成する ざまな視点から、1から6の評点で評価する国別政策・ ためには、上海で得られた教訓を行動につなげること 制度評価 を実施しています。CPIAの結果、 (CPIA) が不可欠となっています(第5章「能力の拡大」参照)。 1999年以降、多くの途上国では民間ビジネスの環境が 改善されていることが分かりま (図1.3参照) した 。 このよ うに、ビジネス環境に関連した評価の平均値は上がっ 図1.3 途上国のビジネス環境は改善傾向 図1.2 援助額は増加傾向にあるが、必要額にははるかに満 (1から6までの評点で評価) たない(単位:10億ドル) 3.7 120 3.5 110 追加資金500億 ドル=2000年代後半のドナーの推定GNIの  3.3 100 0.35%(1990年代初頭と ほぼ同額)  3.1 90 80 2.9 2003年9月の開発委員会文書  70 >300億ドル  2.7 60 2.5 186億ドル  50 モンテレーで約束さ れた  2.3 追加資金  1999 2000 2001 2002 2003 40 1990 1992 1994 1996 1998 2000 2002 2004 2006 競争環境(低所得国)  要素・生産物市場(途上国全体)   注: GNI=国民総所得  競争環境(途上国全体)   所有権・ガバナンス(低所得国)  出典:経済協力開発機構 (OECD) 、2004年、 「開発協力報告書2003」 、パリ。   要素・生産物市場(低所得国)  所有権・ガバナンス(途上国全体)   開発委員会、 2003年、「Supporting Sound Policies with Adequate and Appropriate   Financing」、DC2003–0016、ワシン ト ンDC。   出典:世銀国別政策・制度評価(CPIA)の結果、2003年  第1章 開発アジェンダ 17 ていますが、相対的に低いことに変わりはなく、依然と 子供の死亡率の削減 して問題は残されています。世銀はCPIAのほかにも、 50以上の投資環境調査を実施し (第3章 ています 「民間 セクター開発支援」 。 参照) 貧しい人々への投資とエンパワーメントによる開発への 参加促進 貧しい人々が重要なサービスを利用し、地域社会に 参画できるようになれば、その能力は拡大されます。質 の高い教育や保健・医療が身近なものとなれば、貧困 層が自らの福祉を向上させる機会も増えます。社会的 保護を提供することも重要です―貧困層に重点を置い たセーフティネットは、弱い立場に置かれている貧しい 人々を、予期せぬ事象や改革に伴う混乱から守ること ができます。開発戦略が効果を上げるためには、貧し い人々が自らの生活に影響を与える意思決定に参画す 国別優先項目に対する行動 る仕組みを整えることも不可欠です。ここで重要となる のは、女性のエンパワーメントですが、これは、開発プ 国別援助戦略 は途上国支援の指針となる事 (CAS) ロセスへの全面参加を阻む障壁を取り払わなければ 業計画です。世銀は各国の個別のニーズに合わせて 実現は望めません。世銀のデータによると、1993年以 戦略をカスタマイズしています。世銀はさまざまな手法を 降、市民が政策決定に影響を与え、指導者に説明責 用 いて、低 所 得 国 、切 迫した 状 況にある低 所 得 国 (図1.4参照) 任を課す機会は拡大されています 。 、 (LICUS) および中所得国を支援しています。 国別援助戦略 CASは途上国が定めた開発ビジョンに沿って作成さ れます。CASには提案された政策に対する世銀の分析 ジェンダーの平等と女性のエンパワーメント 図1.4 途上国住民の参画機会は拡大傾向(%) 80 70 60 50 40 30 20 10 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 中所得国  切迫した状況にある低所得国  低所得国  注:値は複数政党制による選挙で75%未満の得票によ り選任さ れた国家元首の割合。   出典:ベッ ク他、 「New Tools and New Tests in Comparative Political   2000年、 、 Economy」 政策研究報告書2283、 世銀、 ワシン ト ンDC。   18 世界銀行 年次報告 2004 妊産婦の健康の改善 中または公開準備中です。 世銀はCASが結果重視のものとなるよう特に留意 しています。2003年度に作成されたスリランカのCASは、 結果重視型CASの初のパイロット・プロジェクトでした。 これに続いて、2004年度の理事会では6件のパイロット CASが議論されま (アルメ した ニア、ブラジル、カメルーン、 モザンビーク、ウクライナ、 。 およびザンビアのCAS) これ らのパイロット・プロジェクトはいずれも、スリランカCAS の結果を評価したCAS完了報告書を参考に作成され ま (完了報告書の分析は世銀の業務評価局が担当 した し 。 ています。第4章参照) 低所得国 低所得国の場合、貧困の削減はきわめて困難です。 というのも、貧困の発生率が高く、制度面の制約も深 結果と、途上国のビジョンを支援するための世銀プログ 刻だからです。また、投資環境は持続可能な成長を促 ラムの概略が盛り込まれています。結果重視志向に基 すものとはいえず、資金へのアクセスも限られています。 づき、CASの内容は政府、開発パートナー、シビルソサ 低所得国支援の要となるのは、1999年末に導入され エティ組織、およびその他の関係者との協議を経て策 定されます。CASは世銀の執行部と理事会が国別プロ グラムを検討・指導する際の主要なツールであり、世銀 HIV/エイズ、マラリアなどの疾病の蔓延防止 プログラムの影響を測定する手段でもあります。 2004年度、世銀はIDA融資国のCASとCAS進捗報 告書を、各国が策定した貧困削減戦略に沿って作成 しました(アルメニア、ベナン、ボリビア、カメルーン、 チャド、ガーナ、ケニア、マダガスカル、マリ、モンゴ ル、モザンビーク、パキスタン、ベトナム、およびザン ビア)。また、複数のIBRD借入国、ブレンド借入国に 関するCASとCAS進捗報告書も作成されました(アル ゼンチン、ブラジル、コスタリカ、ドミニカ共和国、イ ンドネシア、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国、メキ シコ、ナイジェリア、パラグアイ、スロバキア共和国、 チュニジア、トルコ、およびウクライナ)。 2004年度の理事会では、紛争後地域(コンゴ民主共 和国、コンゴ共和国、コソボ、セルビア・モンテネグロ、 およびヨルダン川西岸・ に関する6件の移行 ガザ地区) 支援戦略 と、 (TSS) コモロに関するTSSの進捗状況が 議論されました。また、理事会はイラクに対する暫定戦 略ノートを作成しました。切迫した状況にある低所得国 については、 (LICUS) 世銀はリベリアとスーダンに関す る国別再関与ノートを作成しました。2004年度にIFCと 共同で作成されたCASとCAS進捗報告書は15件でし た。2004年度に作成された38件のCASはすべて公開 第1章 開発アジェンダ 19 持続可能な環境作り (I‑PRSP) 銀は暫定PRSP を導入しました。これはPRSP のフォーマットを簡略化したもので、通常のPRSPよりも迅 速に作成することができます。 PRSPに基づいて低所得国に提供されるIDA援助の 1つに、貧困削減支援融資(PRSC)があります。PRSC は借入国自身が設定した貧困削減優先項目を支援する もので、政府のキャパシティ・ビルディングや制度環境の 整備 に重点が置か (特に貧困層に影響を及ぼすもの) れています。2004年度の理事会では8カ国に対する9件 のPRSCが承認されました。 IDA第14次増資(IDA14、 では、 2006–08年度) PRSP と開発結果を関連づけた新しい結果評価システムの 導入が提案されています。このシステムは総合的な開 発結果と、それに対するIDAの貢献の双方から、開発 結果を評価することを目指したものです。このシステム の狙いは、途上国が作成した貧困削減戦略の優先事 項を開発計画に反映すること、開発計画をMDGsと結 びつけること、IDA借入国全体の開発結果を明らかに すること、そして開発結果に対するIDAの貢献を評価 することです。 IDA14は低所得国がMDGsを達成する上で重要な 手段となるでしょう。IDAの資金は通常、約8年間で消 化されるため、2015年までにMDGsを達成するために は、IDA14の資金が重要な役割を果たすことになりま た貧困削減戦略文書 です。PRSPは国内外の (PRSP) す(第5章「IDAの原資」 。 参照) パートナーや関係者との広範な協議に基づいて、借入 国自身 が 作 成 する結 果 重 視 の 包 括 的な計 画 です。 切迫した状況にある低所得国(LICUS) PRSPは貧困を削減するための国内政策やセクター横断 切迫した状況にある低所得国 は、 (LICUS) 世界で最 プログラムの枠組みとなるもので、IDA融資を含む開発 も不安定な国々であり、貧弱な政策、制度、およびガバ 援助の基礎を形成しています。借入国は自国に固有の 状況やニーズを分析した上で、PRSPを作成します。世 銀は借入国がこのプロセスにおいて利害関係者の役 グローバルな開発パートナーシップの構築 割を強化するのを積極的に支援しています(第3章「貧 困削減と経済管理」 。 参照) また、MDGsを達成するた めにはセクターを越えた取り組みが不可欠であるという 視点から、世銀は借入国がPRSPにMDGsを盛り込むこ とを奨励し これはMDGsの達成に伴う痛みに、 ています。 国別戦略によって対応することを目指したものです。 PRSPの策定は複雑で、完成までにかなりの時間を 要する場合があります。これが原因で、低所得国がIDA の譲許的融資や重債務貧困国 を対象と (HIPC) した債 務救済を受けるタイミングを逸することがないように、世 20 世界銀行 年次報告 2004 え、融資返済が遅れているすべての国で、国内ミッショ ンが実施されました。また、世銀は低成長国のパフォー マンスをより正確に評価するために、国別政策・制度評 価 と紛争後進展指標 (CPIA) の改訂に取り組ん (PCPI) でいます。 2004年度はLICUSを担当する人員が増強されたほ か、2500万ドルの信託基金が設置されました。この基 金は通常のIDA融資を利用できない国々を対象に、初 期的な改革の実施を支援することになります。 LICUSプロジェクト ドナー を成功させるためには、 との パートナーシップが不可欠です。世銀は紛争後地域の 平和構築と復興支援(経済、社会、 を包 および制度面) 括的に進めるためのツールとして、結果重視型の移行 フレームワークを開発しました。現在、世銀は国連およ び二国間ドナーと協力して、このアプローチを中央アフ リカ共和国、ハイチ、リベリア、および東ティモールに導 入するプロジェクトに取り組んでいます。 また、経済協力開発機構 の開発援助委員 (OECD) 会 には、世銀をはじめ各ドナーの支援によっ (DAC) て、新たに学習・助言グループが設置されました。現 在、同グループはLICUSにおける援助の配分、提供方 法、およびドナー援助の調和化に関する強力な政策研 究プログラムに取り組んでいます。 ナンス、そして多くの場合は内紛という特徴を備えて 中所得国 います。その他の低所得国と比べると、子供の死亡 中所得国には貧困層が数億人暮らしています。そこ 率は2倍、マラリアによる死亡率は3倍に達しています。 ではいくつもの進歩がみられたものの、貧困や社会的課 LICUSは約5億人の極貧層を抱えていますが、その多 くは貧困を削減するために融資を効果的に利用する 方法を持ちません。 LICUSイニシアティブは、こうした国々での取り組 みのための新しい手法であり、徹底的な政治経済分 析を通して、LICUSの国内需要を喚起し、改革能力 を高め、初期の改革を支援し、社会サービス提供の 構造を強化します。 イニシアティブの導入が始まった2002年以降、世銀 の理事会は7件のLICUS国別戦略を議論しました。ま た、13のチームがLICUSに照準を合わせた革新的な国 別アプローチの開発に着手しました。その例としては、 石油収入管理の透明化(アンゴラ)、基本公共財の提 (ソマリ 供支援 、 ア)リーダーシッ (スーダン) プ能力の構築 などがあります。LICUSを対象とした分析サービスも増 第1章 開発アジェンダ 21 題は今も残されています。中所得国は多数の開発課題 も、開発金融の面でも、世銀が中所得国の最良のパー に直面しています。高度成長を持続させ、生産的雇用 トナーであるという認識を改めて確立すること、そし を創出することもその一つです。不均衡を是正し、貧 て中所得国の開発と貧困削減を支援するために、積極 困を削減すること、民間金融市場アクセスのボラティリ 的に他のパートナーと連携していくことです。この計 ティを軽減すること、その衝撃を吸収するセーフティネット 画は2005年度も実施される予定です。 を構築すること、有効な市場経済を支える制度・ガバナ 具体的な活動としては、二国間ドナーとの連携を強 ンス構造を強化することも必要です。このような分野の 化するこ 世銀内のプロセスを簡素化する と、 ことによって、 取り組みを支援することは、開発アジェンダ、特にMDGs 知識サービスと対応の質および即応性を高めること、国 の達成を大きく前進させるものとなります。 別援助戦略 の柔軟性を高め、 (CAS) 融資機会に迅速 中所得国に対する世銀の支援は、知識、融資、およ に対応すること、新しい融資手段の開発と普及に努め び金融サービスを組み合わせたものとなっています。支 ること 、 (現地通貨による融資など) IFCやMIGAと連携 援の内容は各国の個別のニーズと状況に合わせてカ し、相乗効果を引き出すこと(特に官民パートナーシッ スタマイズされます。世銀は各国の多様なニーズを国別 プによるイ などがあ ンフラ投資等への支援) ります。 援助戦略 に反映し、 (CAS) 融資プログラムの柔軟性を 高めることによって、サービスの価値向上に努めてい 他機関とのパートナーシップ ます。中所得国の政策・制度改革に対する世銀の支援 は、民間セクター投資や開発パートナーの誘致における 世銀はグローバル・プログラム、国別プログラムを問 触媒の役割も果たしています。 わず、重大な開発課題には常にパートナーと連携して 2004年度、世銀は中所得国の成長・貧困削減努力 取り組んでいます。世銀はIMF、国際開発金融機関 を支援する機会を大量に見逃している可能性があると (MDBs)、政府、国連とその関連機関、OECD開発援 いう認識に基づき、中所得国支援のレビューを実施しま 助委員会、二国間ドナー、世界貿易機関(WTO)、お (第5章 した 「融資の新しい形」参照)。世銀は中所得 よびシビルソサエティ組織とパートナーシップを結んで 国支援を強化するための行動計画を承認し、その実行 います。 に着手しました。この計画の目標は、開発知識の面で 世銀は国際開発機関として、さまざまな国の多様な 22 世界銀行 年次報告 2004 問題に対処しています。このため、規模と権限に限界 のある専門機関では果たすことのできない国際的かつ 戦略的な役割を担うことが少なくありません。他機関と のパートナーシップにおいて、世銀は必要に応じてさ (リ まざまな役割を演じています ーダー、メンバー、アドバ イザー、 。 補佐役など) 複数の国が関与する開発イニシアティブでは、開発 パートナーと密接に連携し、お互いの貧困削減活動を 統合することによって、援助の調和化に取り組んでいま す(第4章「政策・手続きの簡略化と調和化」参照)。 国別プロジェクトの場合は、これまで以上に開発結 果を重視するようになっています。共に「開発におけ るパー と題さ トナーシップ:貧困との戦いの進展2004」 れた最新の貧困報告書と冊子は、この点に焦点を当 てたものです。本報告書の目的は、途上国がMDGsと モンテレー合意に盛り込まれた貧困削減のビジョンを達 成するために、世銀がその他の機関とどう連携している のかを包括的に評価することです。本報告書は各国で に、世銀がどう対処しているのかを説明するものです。 の実際の事例を通して、成長を促進し、貧困を削減す ニジェールの事例は、パートナーとの連携を強化するこ るために、世銀が途上国で展開しているさまざまな活動 とで開発結果が高まったことを紹介しています。この を紹介しています。 冊子と報告書の内容は世銀のウェブサイトで公開されて たとえば、エジプト、エチオピア、およびシエラレオネ います( 冊 子 www.worldbank.org/progress、報 告 書 の事例は、幅広い関係者に支持される貧困削減戦略 www.worldbank.org/poverty)。 を作成するために、世銀が途上国にどのような支援を 提供しているのかを示しています。一方、ボリビア、コロ 情報の共有 ンビア、インド、ラトビア、ウガンダ、およびベトナムの事例 は、機会、発言権、および治安に関する具体的な問題 世銀の情報公開セン (PIC) ター では、開発関連の情 報や世銀のプロジェクト・調査に関する文書が一般に公 開されています。PICの目的は対話を促進し、人々が自 らの生活に影響を及ぼす事柄について、十分な情報を もとに意思決定を下すことができるようにすること、そし て自国の開発への参加を奨励することです。PICは現 地語での文書の作成を推進しており、現地語による ウェブサイトを構築・管理しています。世銀と各国の パートナーは公開講座、セミナー、ワークショップ、および インターネットを通して、経済・社会開発に関する情報を 広く提供しています。PICは約70の都市に、サテライトセ ンターは世界約80カ国60カ所以上にあります。2005 年には世銀が活動しているすべての国にPICが設置さ れる予定です。 第1章 開発アジェンダ 23 ユージン・R・ ブラック 世銀総裁 。 (1949 –1963) 1959年の年次総会。 写真左からユージン・R・ ブラック世銀総裁、 ロバート・ L・ガーナーIFC総裁、 ドワイト ・D・アイゼンハワー 米国大統領。 ユージン・R・ブラック 世銀総裁とエチオピアの ハイレ・セラシェ皇帝。 1952年、KLMロイヤル オランダ航空に航空機 購入費用の一部を融資。 ユージン・R・ブラック(1949–1963) 年代 1950 1951 1953 1952 国家開発銀行に対する 民間貸付機関との最初 最初の対日融資が 最初の融資が行われる の協調融資 (南アフリカ、 承認される (エチオピア開発銀行、 世銀が5000万ドル、 。 (総額4020万ドル) 。 200万ドル) 米国の8商業銀行が 。 3000万ドルを融資) 累計融資額が10億ドルに 1950 到達。 最初の融資完済 (フィン ランドとユーゴスラビ 。 ア、500万ドル) スウェーデンが世銀協定 を批准、50番目の世銀 加盟国となる。 1958年のナイジェリア鉄道建設プロジェク 蒸気機関車の整備補修が行われました トでは、 地域別展望 2 (写真はラゴスのエブテ・ メッテ工場)。 ユージン・R・ブラック世銀 総裁とインドのジャワハル ラール・ネール首相。 1957年、ペルーでは鉄道建設プロジェクト の一環と して、アンデス山岳地方の町 1957年のタイ水力発電プロジェクトでは、 タンボに鉄道の駅が建設されました。 ピン川にヤンヒーダムが建設されました。 1954 1956 1955 1957 1959 累計融資額が 世銀の関連機関と して 20億ドルに到達。 国際金融公社(IFC)が 設立される。設立時の 授権資本は1億ドル、 加盟国は31。 パキスタンのカラチに 最初の現地事務所を 開設。 世界銀行研究所の前身 となる経済開発研究所 がオープン。 世界銀行の地域区分、 現地事務所、および 融資適格国 現在、世界銀行は世界 100カ所以上に設置され た現地事務所を通して活 動しています。借入国に メキシコ  事務所を開設することで、 ベリーズ  ジャマイ カ  ハイチ  グアテマラ  ホンジュラス  エルサルバ ドル  (東アジア・  ニカラグア  借入国に対する理解が深 大洋州地域の一部)  コスタリカ  パナマ  ベネズエラ・ボリバ ガイアナ  ル共和国  スリナム  ラテンアメリカ・   コロンビア  まるだけでなく、借入国 カリブ海地域  キリバス  2004年度 新規融資承認額  エクアドル  IBRD:49億8160万 ドル  との協力関係が密にな IDA:3億3820万 ドル  サモア  プロジェ クトのポー トフォ リオ:   ペルー  ブラジル  193億ドル  り、これまで以上に迅速 トンガ  ボリビア  フィジー  にサービスを提供するこ パラグアイ  ドミニカ  とができるようになって 共和国  ウルグアイ  アンティグア・バーブーダ  チリ  アルゼンチン  います。世銀の貸付残高 この地図は世銀の地図設計部門が作成 したものです。  セントクリストファー・ ネーヴィス    この地図に示さ れている国境、色、名称 ドミニカ国  などの情報は、 それぞれの地域の法的地 位に対する世銀グループの意見や、 こう セントルシア  の4分の3はワシントンDC した国境に対する支持あるいは承認を示 すものではあり ません。  セントビンセントおよび  グレナディーン諸島  グレナダ  の本部ではなく、現地の トリニダード・トバゴ  ベネズエラ・ボリバル共和国  国別担当局長が管理して IBRD融資のみの適格国  います。現在は職員の IBRDとIDA融資の適格国(ブレンド国)  IDA融資のみの適格国  30%以上が現地事務所 融資が行われたことのないIDA融資適格国  世銀現地事務所  で活動しています。 国別担当局長が駐在する現地事務所  IBRD 32613R  中東・北アフリカ地域  ヨーロッパ・中央アジア地域  2004年8月  2004年度 新規融資承認額  2004年度 新規融資承認額  IBRD:9億4600万 ドル  IBRD:30億1290万 ドル  IDA:1億4500万 ドル  IDA:5億4620万 ドル  プロジェ クトのポート フォリオ:  プロジェ クトのポー トフォ リオ:   52億2000万ドル  146億ドル  エストニア  ロシア  ラトビア  ロシア連邦  連邦  リトアニア  ポーラン ド  ベラルーシ  ウクライナ  モルドバ  カザフスタン  モンゴル  ルーマニア  ブルガリア  グルジア  アゼルバイジャン  ウズベキスタン  アルメ ニア  キルギス共和国  トルクメニスタン  トルコ  タジキスタン  チュニジア  レバノン  シリア・アラブ 共和国  イラン・イスラム 共和国  アフガニスタン  中国  大韓民国  東アジア・大洋州地域  ヨルダン川西岸・ガザ地区  モロッコ  ヨルダン  イラク  パキスタン  2004年度 新規融資承認額  アルジェリア  ブータン  エジプト・  ネパール  IBRD:16億6550万 ドル  アラブ共和国  バングラデシュ  IDA:9億720万 ドル  ラオス人 インド  プロジェ クトのポー トフォリオ:   ミャンマー  民民主 モーリタニア  共和国  212億ドル  カーボヴェルデ  マリ  ニジェール    エリトリア  セネガル  チャド  イエメン共和国  タイ  ベトナム  ブルキナ スーダン  ガンビア  ファソ  カンボジア  ナイジェリア  ジブチ  フィリピン  ギニアビサウ  ギニア  ミクロネシア連邦  ベナン  マーシャル諸島  コート  ガーナ  スリランカ  シエラレオネ  ジボワール  エチオピア  中央アフリカ  カメルーン  共和国  マレーシア  パラオ  リベリア  トーゴ  ソマリア  赤道ギニア  ウガンダ  モルディブ  コンゴ ケニア  キリバス  サントメ・プリンシペ  ルワンダ  ガボン  コンゴ民主共和国  ブルンジ  セーシェル    ソロモン諸島  タンザニア  コモロ  インドネシア  パプアニューギニア  東ティモール  アンゴラ  マラウイ  ザンビア  バヌアツ  フィジー  ジンバブエ  モザンビーク  南アジア地域  マダガスカル  モーリシャス  ナミビア  ボツワナ  2004年度 新規融資承認額  IBRD:4億3950万 ドル  スワジランド  IDA:29億8210万 ドル  ポーランド  南アフリカ  レソト  プロジェ クトのポー トフォ リオ:  チェコ共和国  ウクライナ  182億ドル  スロバキア共和国  ハンガリー  スロベニア  ルーマニア  アフリカ地域  クロアチア  ボスニア・  セルビア・  2004年度 新規融資承認額  ヘルツェゴビナ  モンテネグロ  IBRD:0  ブルガリア  IDA:41億1590万 ドル  アルバニア  マケドニア旧 プロジェ クトのポー ト フォリオ:  ユーゴスラビ 166億 ドル  ア共和国  世銀事務所および世銀融資適格国の一覧は第6章/添付CD‑ROMに掲載さ   れています。 第2章 地域別展望 27 世銀融資適格国 アンゴラ ウガンダ エチオピア エリトリア アフリカ地域 「アフリカ支援のための戦略 盤となっているのは、 ガーナ と フレームワーク」「アフリカは21世紀に生き残れる カーボヴェルデ ここ数年、アフリカ地域では複数の国が目覚ま か」の分析結果です。世銀は「アフリカのための戦 ガボン カメルーン しい進歩を遂げました。しかし、ミレニアム開発目 略的パートナーシップ」の議長でもあります。2003 ガンビア 標 を達成するためには、 (MDGs) この地域は今後 年9月には他機関と共に、東京で「第3回アフリカ開 ギニア ギニアビサウ も無数の課題に取り組んでいかなければなりませ 発会議(TICAD III)」を開催しました。TICAD10周 ケニア ん。世界で最も貧しい48カ国のうち、32カ国はア 年の節目の年に開催されたこの画期的な会議は、 コートジボワール コモロ フリカにあり、総人口に占める貧困層の割合は増 アフリカ地域の開発がNEPADのアプローチと一致 コンゴ共和国 え続けています。 コンゴ民主共和国 サントメ・ さまざまな意味で、アフリカはグローバリゼー プリンシペ ザンビア ションの流れの中で今も周縁に位置しています。 シエラレオネ 世界輸出に占めるアフリカの割合は1970年の3.5% 囲み2.1 HIV/エイズと戦うアフリカ ジンバブエ スーダン 以上から、2002年末は約1.4%に収縮しました。こ スワジラン ド れは毎年1600億ドルずつ所得が減少していること アフリカ地域は依然として、世界で最もHIV/エイズ セーシェル 赤道ギニア を意味します。世界人口の11%を擁しているにも の影響を受けている地域です。2003年のHIV/エイズ セネガル 関わらず、アフリカ地域の国内総生産(GDP)は世 感染者数は推定2500万人、そのうちの300万人は新 ソマリア タンザニア 界全体の約1%、外国直接投資の受入額は世界全 規感染者でした。2003年、アフリカ地域では約220 チャド 体の0.6%、インターネットの利用者数は世界全体の 万人がエイズによって死亡しました。 中央アフリカ 共和国 1%にすぎません。アフリカの人口が年平均3%で 2000年終盤以降、世銀は「アフリカのための多国 トーゴ 増えていることを考えると、貧困層が増加しないよ 間エイズ・ (MAP) プログラム 」を通して、28カ国と2つ ナイジェリア ナミビア う 年5%のGDP成長率が必要です。 にするだけでも、 の準地域のプロジェクトに、合計10億ドルを超える支 ニジェール ブルキナファソ しかし、HIV/エイズの蔓延をはじめとする数々の 援を提供しました。HIV/エイズ関連のグラントを受け ブルンジ 問題により、それだけの経済成長率を達成するこ 取ったシビルソサエティ組織と地域社会の準プロ ベナン ボツワナ とは困難となっています(囲み2.1参照)。 ジェクトの数は2万7000件に上ります。さまざまな マダガスカル 世銀はアフリカ地域に対する最大の開発援助機 キャパシティ・ビルディング活動に8000万ドル以上が マラウイ マリ 関であり、経済成長とMDGsの達成に寄与するよう 提供され、公衆衛生局には約1億5000万ドルの支援 南アフリカ なプロジェクトを支援しています。この地域におけ が約束されました。2004年6月、世銀は6000万ドル モーリシャス モーリタニア る世銀の戦略目標は、アフリカ諸国の政府が貧困 の「治療加速プログラム」を承認しました。2004年9 モザンビーク 削減戦略文書(PRSP)の策定過程で明らかにした 月から始まる試行期間では、ブルキナファソ、ガーナ、 リベリア ルワンダ 優先項目 (アフ と一致しています。世銀はNEPAD およびモザンビークで政府、民間、およびシビルソサ レソト リカ開発のための新パー に参加する トナーシップ) エティが進めている革新的なエイズ治療パートナー アフリカ諸国の元首が掲げたビジョンをふまえて、 シップにグラントが提供される予定です。 各国と連携しながら活動を進めています。その基 28 世界銀行 年次報告 2004 アフリカ地域の概要 総人口 7億人 人口増加率: 2.1% した形で進められているか、地域の優先項目が十分 平均寿命: 46歳 に反映されているかを再確認するものでした。 乳幼児死亡率 : (出生1000件当たり) 103件 2004年6月現在、世銀が融資を提供しているアフリ 若い女性の識字率: 77% 2003年の一人当たり国民総所得 :490ドル (GNI) カ地域のプロジェクトは334件、融資承認額の純額は エイズ感染者数 2520万人 166億ドルでした。これはIDAの融資承認総額の41% 注:平均寿命と乳幼児死亡率 は2002年、若い女性の非識字率は (出生1000件当たり) に相当します。世銀は中長期目標として、IDAの新規 2002年(最新)、その他の指標は2003年の「世界経済・社会統計」 データベースの数字 融資承認額の50%をアフリカに向けることを決定して です。現在は国民総生産 (GNP)の代わりに国民総所得 (GNI)が使用されています。 います。2004年度はIDAの新規融資承認額の45%が 2004年度の 2004年度の アフリカ地域に対するものでした。 新規融資承認額 融資実行額 IBRD:0 IBRD:4280万ドル IDA:41億1590万ドル IDA:32億9250万ドル 投資環境の構築 2004年6月30日現在において実施中のプロジェクトのポート アフリカ諸国が成長を維持し、規模の経済を達成 フォ リオ:166億ドル するためには、域内市場と世界市場の双方に参入す る必要があります。 (経済協力開発機 しかし、OECD 構)諸国の貿易障壁と補助金がこの地域の成長を阻 んでいます。アフリカの最大の比較優位は農業分野 にありますが、OECD諸国が国内の農家に多額の補 助金を与えているために、アフリカ諸国の市場競争力 は弱められています。こうした補助金は年間3250億ド ル に上り、西アフリ (アフリカ諸国のGDP合計に匹敵) カの綿農家から年間約2億5000万ドルの所得機会を 奪っています。 世銀はアフリカ経済の成長と多様性を維持するた めに、さまざまなイニシアティブを推進しています。世 銀が支援しているのは、アフリカ地域の投資環境を改 善し、アフリカをビジネス活動に適した場にするため の政策・制度改革です。世銀は地域組織と協力して、 域内貿易の自由化、マクロ経済政策の調和化、地域 組織のキャパシティ・ビルディング、資本市場の拡大、 および地域規模のインフラ構築 を推進 (輸送網など) 1960年頃。ケニアは世銀の融資をもとに、近代的な土地所有制度を するための地域統合戦略を策定しました。その結果、 導入しました。それ以前は、 土地は部族の共有財産であり、農民のも アフリカ地域には莫大な需要が存在することが確認 のではありませんでした。 されました。インフラ分野だけでも、年間約180億ドル のニーズが存在すると推定されています。 アフリカ地域において、世銀は37件の教育プロ ジェクトに合計150万ドルの資金を提供しています。そ の大半は2015年までに、男子だけでなく女子も対象 開発への参加促進 とした初等教育の完全普及を達成することを目指すも 貧困を削減するためには、人々への投資―つまり、 のですが、中等・高等教育の普及を念頭に置いたも 教育と保健・医療サービスを普及させ、社会的介入 のもあります。しかし、アフリカ地域の中等学校就学 によって、弱い立場に置かれた人々に便益を提供す 率 を、途上国平均の約60%まで引き上げるた (25%) ることが不可欠です。 めには、今後もさらなる努力が必要です。 第2章 地域別展望 29 オムデュルマン(スーダン)のウン・ベッダ給水施設。 このほか、年金制度改革や就労年齢の男女に対す め、世銀は資源収入管理の強化にも取り組んでいま る技能研修など、人的資本の保護に対する支援も拡 す。このように、世銀は紛争後復興と平和の定着だけ 大されました。 でなく、紛争の予防にも努めています。 ガバナンスの強化と紛争の解決 債務削減と開発援助 内戦は一人当たりGDPを平均年2.2%減少させ、国 2004年度、世銀は債務救済を加速させました。重 防や安全保障の名目で、希少な開発資源を浪費して 債務貧困国(HIPC)の政府に対しては、救済され、利 (HIV/エイ います。従って、紛争を減らすことは成長を促進し、 用可能となった資金を貧困削減プログラム 貧困を緩和するという世銀の目標とも一致していま に活用することを奨励しました。2004 ズ対策を含む) す。2004年度、世銀は紛争からの脱却あるいは復興 年度においては、アフリカ地域では1カ国がHIPCイニ を目指すアフリカ諸国に対する支援を拡大しました。 シアティブの決定時点(債務削減額が決定され、救済 この中には、アフリカで最も貧しい10カ国のうちの8 に到達し、3カ国が完了時 プロセスが始まった時点) カ国が含まれています。 点(ドナーが決定時点で約束された債務救済をすべ 現在、世銀は7つの紛争後諸国の44件のプロジェク に到達しま て実行した時点) した。HIPCイニシアティ トを支援しています。世銀の紛争後基金が、この7カ ブによって削減される債務の総額(正味現在価値)は 国に提供したグラントの総額は4億9000万ドルに上り 40億ドル近くに達する見込みです。その結果、これら ます。紛争後地域で世銀が支援しているのは、紛争 の国では債務返済額の対GDP比率が1998年の3.4% の引き金となる重大な政治・経済問題に対処するプ から2004年には1.7%に下がる予定です。 ロジェクトです。アフリカ地域では石油やダイヤモンド などの資源収入が紛争の資金源となることが多いた 30 世界銀行 年次報告 2004 表2.1 アフリカ地域に対するテーマ別、セクター別融資 1995–2004年度(単位:100万ドル) 1995–97 1998–99 年度 年度 (年平均) (年平均) 2000 2001 2002 2003 2004 テーマ 経済管理 134.4 165.0 78.2 138.5 138.7 37.8 67.8 環境・天然資源管理 272.9 156.0 172.4 110.0 159.9 227.0 195.3 金融・民間セクター開発 543.4 509.0 466.7 625.8 780.7 383.6 810.9 人的開発 216.6 267.7 208.5 399.4 739.0 811.4 618.2 公共セクター運営 270.7 291.7 495.3 429.6 851.9 432.4 818.5 法規 40.1 21.0 26.7 34.0 22.5 34.5 28.3 農村開発 189.2 393.6 151.8 296.3 329.2 384.1 360.7 社会開発・ジェンダー・参加 153.4 167.6 210.5 491.8 347.4 420.0 374.3 社会的保護・リスク管理 77.8 117.2 140.5 376.4 98.3 543.7 209.2 貿易・統合 152.0 120.5 53.7 261.5 46.4 37.2 371.5 都市開発 201.1 253.8 154.9 206.1 279.6 425.5 261.2 テーマ総額 2,251.5 2,463.2 2,159.1 3,369.6 3,793.5 3,737.2 4,115.9 セクター 農業・漁業・林業 157.2 170.0 111.5 212.0 210.4 303.4 268.5 教育 161.6 304.4 189.8 209.5 472.6 423.6 362.9 エネルギー ・鉱業 209.5 244.0 176.3 198.0 490.3 324.4 365.8 金融 125.6 48.8 118.4 200.1 192.8 67.2 165.8 保健・その他の社会サービス 263.7 273.6 183.1 889.9 616.6 775.9 723.1 産業・貿易 334.7 94.3 104.7 170.6 266.7 92.7 95.4 情報・通信 6.9 36.7 17.3 21.1 33.8 41.4 52.9 法律・司法・行政 542.0 615.8 838.2 880.8 906.9 721.8 1,004.1 運輸 266.8 533.5 263.9 229.8 491.1 690.5 716.6 給水・衛生・治水 183.6 142.0 155.9 357.8 112.2 296.3 360.8 セクター総額 2,251.5 2,463.2 2,159.1 3,369.6 3,793.5 3,737.2 4,115.9 うち、IBRD融資額 45.6 31.2 97.7 0.0 41.8 15.0 0.0 IDA融資額 2,206.0 2,432.0 2,061.4 3,369.6 3,751.6 3,722.2 4,115.9 注:プロジェクトの分類が変更されたことに伴い、2003年度の年次報告に記載されたテーマ別融資の数字を一部変更した。具体的には、法律・司法・行政セクターの下 に公共医療金融サブセクターを新設し、一部のプロジェクトを遡及的にこのサブセクターに分類したことにより、 法律・司法・行政セクターと金融セクターの数字に変更 が生じた。端数を四捨五入したため、合計額が合わないことがある。 図2.1 アフリカ地域:IBRDとIDAのテーマ別融資  図2.2 アフリカ地域:IBRDとIDAのセクター別融資 2004年度 2004年度 総融資額41億ドルに占める割合 総融資額41億ドルに占める割合 都市開発 6% 経済管理 2% 給水・衛生・治水   農業・漁業・林業 7% 9% 貿易・統合 9% 環境・天然資源管理  5% 社会的保護・   教育 9% リスク管理  運輸 17% 5% エネルギー・   金融・民間  社会開発・   鉱業 9% セクター開発  ジェンダー・  19% 参加 9% 金融 4% 人的開発  法律・司法・行政  農村開発 9% 15% 24% 保健・その他の  社会サービス   18% 法規 1% 公共セクター運営 20% 情報・通信 1% 産業・貿易 2% 第2章 地域別展望 31 世銀融資適格国 イン ドネシア カンボジア キリバス サモア 東アジア・大洋州地域 世銀の援助 ソロモン諸島 タイ 統合の進む東アジア・大洋州地域では、地域経 東アジア・大洋州地域の多様性をふまえ、世銀 大韓民国 中国 済は堅調に推移しており、19億人の地域住民はよ は各国の状況に合わせた援助アプローチを採用 トンガ りよい経済機会を手にするようになっています。 すると共に、5つの地域目標を掲げて、その達成に バヌアツ パプアニュ ーギニア 輸出の拡大、低金利、および中国、タイ、ベトナ 取り組んでいます。 パラオ ムに対する投資の拡大により、東アジア地域では 東ティモール フィ ジー 2004年のGDP成長率が7%を超えると見込まれて ■ 高成長の達成 フィ リピン います。これは世界経済が失速を始めた2000年初 ■ 世界統合と域内統合の促進 ベトナム マーシャル諸島 頭以来、最も高い数字です。4900万人ともいわれ ■ 社会の安定化 マレーシア ミクロネシア連邦 るこの地域の貧困層にとって、こうした力強い回復 ■ 貧困の削減、健康の増進、および教育の普及 ミャンマー はよい兆しであり、貧困層の収入は1日2ドルの貧 ■ 汚職の削減とガバナンスの強化 モンゴル ラオス人民民主 困ラインを上回ると予測されています。 共和国 2003年は中国の輸出が40%拡大し、地域経済の 2004年度はこれらの目標に対して、合計25億 重要な牽引役となりました。2002年以降、東アジ 7000万ドルの融資が提供されました(IDA融資が9 ア地域では域内貿易が途上国の輸出成長の約 億700万ドル、IBRD融資が16億7000万ドル)。良好 70%を占めています。しかし、中国の急成長が鈍 なガバナンス(汚職の削減、財政管理の強化、実 化すれば、この傾向は緩和されるはずです。 効力のある法律・司法制度の確立、天然資源の不 東アジアの急成長は、それ以外の地域でも注目 適切な開発の阻止、企業統治の促進)は引き続き を集めるようになっています。東アジア地域に対 大きな課題となっており、世銀はプロジェクト、研 する外国直接投資は増え続けており、2003年は、 究活動、および助言サービスを通して、この課題に 危機を経験した5カ国(インドネシア、韓国、マレー 取り組んでいます。インドネシアとモンゴルに対し シア、フィリピン、タイ)への投資流入額の純額も約 ては、新しい国別援助戦略(CAS)が作成されまし 330億ドルに上ったと予測されています。現在、東 た。モンゴルのCASは同国が策定した貧困削減戦 アジアの途上国の純外貨準備高は1兆ドルを超え 略に沿ったものとなっています。ベトナムのCASも ています。 改訂されました。 この地域では急成長、構造変換、および人口構 造の変化により、天然資源の需要が高まっていま 投資環境の構築 す。生活の質を高め、将来の世代が経済発展の利 益を享受できるようにするためには、資源を持続可 インドネシアの新しい国別援助戦略(CAS)は、 能な形で管理していく必要があります。 世銀が東アジア地域で投資環境の構築にどう取り 組んでいるか、開発の進展を妨げているガバナン スの問題にどう対処しているかをよく表していま 32 世界銀行 年次報告 2004 東アジア・大洋州地域の概要 総人口: 19億人 人口増加率: 0.8% す。世銀はインドネシアが経済を安定させ、金融・民 平均寿命: 69歳 間セクターを強化し、インフラを整備し、貧困世帯と 乳幼児死亡率 : (出生1000件当たり) 32件 農民に所得創出の機会を提供できるよう支援していま 若い女性の識字率: 98% 2003年の一人当たり国民総所得 :1080ドル (GNI) す。投資を促進し、サービスの質を高めるためには、 エイズ感染者数 230万人 ガバナンスの改革が不可欠です。このため、インドネ 注:平均寿命と乳幼児死亡率 は2002年、若い女性の非識字率は (出生1000件当たり) シアに対する世銀のプログラムはいずれも、公的機 2000年(最新)、その他の指標は2003年の「世界経済・社会統計」 データベースの数字 関の質、即応性、および説明責任の強化に重点を置 です。現在は国民総生産 (GNP)の代わりに国民総所得 (GNI)が使用されています。 き、透明で効率的な慣行の導入に前向きに取り組ん 2004年度の 2004年度の でいる地方政府を優先するものとなっています。 新規融資承認額 融資実行額 東アジアの開発では、インフラが中心的な役割を IBRD:16億6550万ドル IBRD:17億2060万ドル 果たしてきました。日本、香港、韓国、シンガポール、 IDA:9億720万ドル IDA:8億5660万ドル 台湾、中国、そして最近では中国本土とベトナムがよ 2004年6月30日現在において実施中のプロジェクトのポート い例です。東アジア諸国の貧困削減に初期の成功を フォ リオ:212億ドル もたらしたのは、健全な経済政策と、電力、運輸、給 水、通信、教育、および保健・医療サービスへの投資 でした。2004年度、世銀、アジア開発銀行(ADB)、 および国際協力銀行(JBIC)は、東アジア地域のイン フラニーズを分析し、インフラ投資環境を、特に民間 セクターを活用することで再構築する方法を探る研究 に着手しました。 企業セク 「ガバナンスに関するヒル ターに関しては、 ズ・ と協力して、企業経営のベス プログラム」 トプラク ティスの普及に取り組んでいます。同プログラムはマ ニラとソウルにヒルズ・センターを設立し、提言、研究、 およびトレーニングを通して、良好な企業ガバナンス の普及に取り組んでいます。都市の居住性を高める ことは投資と開発のどちらにとっても重要です。 サイクロン「ヘタ」により多大な被害を被ったサモア に対して、道路、橋、および海岸地帯を再建・強化し、 自然環境と建造物の台風対策を強化するための緊急 グラントが承認されました。 貧しい人々のエンパワーメント インドネシアのケカマタン開発プロジェクトでは、地 域社会に資金を直接提供することによって、道路、学 校、診療所、および飲料水設備がきわめて効果的に 1970年頃。シンガポール港で貨物船に積み込まれるゴム。シンガ 建設されました。このプロジェクトの結果、2万8000の ポールは1500万ドルの世銀融資をもとに新たな大水深バースを作 村と約3500万人の貧しい農民に便益が提供されただ り、プラントヤード、工場、および貨物処理施設を建設しました。 けでなく、地域社会が自らのニーズを分析し、行動計 画を立て、技術支援を要求し、十分な情報に基づい た。2004年度に承認された第3次プロジェクトは、複 て貴重な資源の活用方法を決定できるようになりまし 数の地方政府にプログラム資金の獲得を競わせるこ 第2章 地域別展望 33 フィリピン・イノベーション・デーの会場。参加者がバリアフリー 推進プロジェクトのブースで説明を受けています。 とによって、地方政府のガバナンスを促進するものと なっています。フィリピンではこのモデルを採用した 囲み2.2 カントリー・イノベーション・デー KALAHIプロジェクト(1億ドル)が6つの地域社会で試 験的に実施されたのち、67市町村の1300以上の地域 2004年度、世銀のディベロップメント・マーケットプ 社会に拡大されました。こうしたプロジェクトは地域 レースはシビルソサエティ組織の地域社会活動を支援 社会の能力を拡大するだけでなく、地域社会の自信 するために、フィリピンとベトナムで「イノベーション・ を育み、住民が地方政府のガバナンスに影響を与え デー」を開催しました。フィリピンのイノベーション・ ることができるよう支援するものとなっています。カン マーケットプレース「新たなアプローチ」は、多くの人で ボジアでは「農村投資・地方政府ガバナンス・プロ にぎわうフィリピン最大のショッピングモールで開催さ ジェクト」が、セイラ・プログラムを通して、地域社会 れ、117の選抜チームが120万ドル以上の賞金獲得を目 のサービスとモニタリングを強化しています。 指して、貧困層に役立つサービスを実現するための革 世銀の低所得国戦略の1つの柱は、政府の貧困削 新的なアイディアを発表しました。このコンテストは10 減戦略の策定を支援することです。2004年度はラオ 以上のドナー組織と企業の支援を得て開催されたもの ス人民民主共和国とモンゴルがPRSPを完成させまし で、コラソン・C・アキノ元大統領が基調講演を行いま 「第3次貧困削減戦略融資」 た。ベトナムに対しては、 した。入賞アイディアの一つ「戦争廃棄物の平和的な再 を通して政府の戦略を支援しています。 利用」は、使用済みの弾丸やミサイルのケーシングを再 開発を成功させるためには、人々の能力を高め発 利用して、平和を象徴する工芸品 を製作する (鈴や鐘) 言権を拡大する必要があります。インドネシアでは「貧 というものでした。このプロジェクトは紛争廃棄物の処 困層のための正義イニシアティブ」が、住民の権利意 理に役立つだけでなく、学校に通っていない若者に雇 識の向上と、地域の紛争調停機能の強化に一役買っ 用を提供するものとなります。 ています。世銀は中国語、クメール語、およびベトナム 語のウェブサイトを立ち上げたほか、さまざまな文書 をバハサ語、ラオス語、モンゴル語、テトゥン語、タイ 語などに翻訳しました。中国では中国語のニューズレ ターを発行しています。カンボジアではクメール語で 34 世界銀行 年次報告 2004 書かれたニューズレターの記事が、しばしば現地のマ が発生した場合も、速やかに警告・対応できる体制 スコミで取り上げられています。現在、この地域では を整えることです。ベトナムに対しては、鳥インフルエ (PIC) 11の現地事務所に情報公開センター が設置され ンザ対策を強化するための緊急援助プログラムの設 ています。中国、インドネシア、フィリピン、およびベト 計に取り組んでいます。中国に対しては、英国国際開 ナムには16の地域情報センターが設置され、その数は 発省と共に「第2次結核抑制プロジェクト」のスポン 今後さらに増えていく予定です。現地のスタッフは世 サーを務めています。2004年7月にバンコクで開催さ 銀の業務や政策に関する研修を受けています。 れた第15回国際エイズ会議では、東アジア・大洋州 2004年度、世銀と日本政府は「東京開発ラーニング 地域における世銀の新しいHIV/エイズ戦略が発表さ センター」を開設しました。日本政府の資金で運営さ れました。 れている「日本/世銀ディスタンスラーニング・パート ナーシップ・プロジェクト(東京プロジェクト)」は、この 貿易の促進と地域統合 東京ラーニングセンターを東アジア・大洋州地域の 2004年度に発表された世銀の主要報告書「東アジ キャパシティ・ビルディングのリソース拠点とすること アの統合」は、貿易政策だけでなく、開発の成果や社 により、知的側面から、この地域の開発に大きく貢献 会の安定との関わりにも重点を置くよう政策立案者に することを目指しています。2004年度末には20の 呼びかけています。世銀とボアオ・アジア・フォーラ (グローバル・ディベロップメン GDLN ト・ラーニング・ ムは共同会合の場で、3カ年の経済研究プログラムに ネットワーク)センターが東アジア・大洋州地域に設置 着手し、アジアの経済協力・経済統合に関する専門 される予定です(主要援助国には1つ以上設置)。こ 家ネットワークを推進することを決定しました。 れらの センターは 地 域 の 統 合 を 推 進 すると共 に 、 世銀は中国と共に、世界貿易機関(WTO)への加 (東南アジア諸国連合) ASEAN (アジア太平 やAPEC 盟と、それが金融セクターに与える影響を分析してい といった地域組織との知識共有を 洋経済協力会議) ます。カンボジアとラオス人民民主共和国では、貿易 促すものとなる予定です(囲み2.2参照)。 統合の影響を分析し、政府が成長と貧困削減を促進 する貿易政策を導入できるよう支援しています。ベト ナムに対しては、WTO加盟に関する助言を提供する 国際優先項目への対応 と共に、加盟に必要な改革分野の特定に取り組んで 世銀の東アジア・大洋州地域局は、下記の国際優 います。同様の活動はラオス人民民主共和国に対し 先項目に重点を置いています。 ても行われており、インドネシアでは貿易と統合に関 する研究が進んでいます。 伝染病対策 重症急性呼吸器症候群(SARS) と鳥インフルエン 環境の改善 ザが流行した際には、中国とベトナムに速やかに支援 アジアの都市は世界有数の大気汚染地域です。世 を提供しました。中国では「SARS・伝染病対策プロ 銀は市政府、企業、ドナー、およびシビルソサエティ グラム」を実施し、政府の取り組みを支援しました。 組織と共に、 「アジア都市のための大気汚染改善イニ このプログラムの目的は、中国の公衆衛生基盤を強 シアティブ」を通して、アジア都市の大気を浄化する 化し、伝染病を予防できるようにすること、緊急事態 ための革新的な活動に取り組んでいます。 第2章 地域別展望 35 表2.2 東アジア・大洋州地域に対するテーマ別、セクター別融資 1995–2004年度(単位:100万ドル) 1995–97 1998–99 年度 年度 (年平均) (年平均) 2000 2001 2002 2003 2004 テーマ 経済管理 39.5 280.0 0.0 0.0 4.8 29.7 0.0 環境・天然資源管理 1,009.7 932.4 880.4 399.3 102.3 232.3 432.2 金融・民間セクター開発 1,287.7 4,441.8 627.6 310.9 512.8 458.8 553.9 人的開発 433.1 406.1 81.1 52.6 226.4 152.7 164.6 公共セクター運営 258.7 543.1 556.2 65.1 127.4 341.5 299.0 法規 70.4 19.2 9.3 3.8 20.3 7.3 67.3 農村開発 991.7 855.6 430.3 341.6 360.9 411.7 400.9 社会開発・ジェンダー・参加 172.8 273.5 72.1 248.0 173.0 143.7 167.2 社会的保護・リスク管理 169.6 708.4 55.2 239.4 138.7 161.5 5.5 貿易・統合 136.5 333.2 36.2 40.0 43.3 138.0 82.9 都市開発 757.0 900.8 230.6 433.1 63.6 233.6 399.2 テーマ総額 5,326.6 9,694.2 2,979.1 2,133.8 1,773.6 2,310.8 2,572.7 セクター 農業・漁業・林業 359.0 803.8 118.4 109.7 151.2 106.7 290.4 教育 447.1 411.6 84.4 14.8 134.6 225.7 118.6 エネルギー ・鉱業 1,659.2 517.0 640.5 142.2 314.5 254.3 67.2 金融 230.8 3,163.7 34.4 87.5 219.2 22.7 49.0 保健・その他の社会サービス 261.1 581.6 118.4 217.3 243.8 184.1 84.3 産業・貿易 260.4 1,569.8 28.8 151.8 9.4 32.5 78.7 情報・通信 117.4 51.9 20.0 12.5 11.1 6.6 0.0 法律・司法・行政 375.2 1,083.6 592.2 257.4 115.2 385.1 257.5 運輸 1,034.2 1,133.3 584.4 729.7 540.2 684.3 1,209.9 給水・衛生・治水 582.1 377.9 757.7 410.8 34.4 408.7 417.1 セクター総額 5,326.6 9,694.2 2,979.1 2,133.8 1,773.6 2,310.8 2,572.7 うち、IBRD融資額 4,306.4 8,800.9 2,495.3 1,136.1 982.4 1,767.1 1,665.5 IDA融資額 1,020.2 893.3 483.8 997.7 791.2 543.7 907.2 注:プロジェクトの分類が変更されたことに伴い、2003年度の年次報告に記載されたテーマ別融資の数字を一部変更した。具体的には、法律・司法・行政セクターの下 に公共医療金融サブセクターを新設し、一部のプロジェクトを遡及的にこのサブセクターに分類したことにより、 法律・司法・行政セクターと金融セクターの数字に変更 が生じた。端数を四捨五入したため、合計額が合わないことがある。 図2.3 東アジア・大洋州地域:IBRDとIDAの 図2.4 東アジア・大洋州地域:IBRDとIDAの テーマ別融資 2004年度 セクター別融資 2004年度 総融資額26億ドルに占める割合 総融資額26億ドルに占める割合 都市開発 16% 環境・天然資源管理  給水・衛生・治水  農業・漁業・林業 11% 17% 16% 教育 5% 貿易・統合 3% エネルギー・鉱業  3% 社会的保護・   リスク管理<1% 金融 2% 金融・民間  セクター開発  保健・その他の  社会開発・   21% 社会サービス  ジェンダー・    3% 参加 6% 産業・貿易 3% 農村開発 16% 人的開発 6% 法律・司法・行政  法規 3% 公共セクター運営 12% 運輸 47% 10% 36 世界銀行 年次報告 2004 世銀融資適格国 アフガニスタン インド 南アジア地域 動的であり、ネパールでは不安定な治安・政治情 スリランカ ネパール 勢が開発の進展を阻んでいます。 パキスタン 南アジアの開発は今、重要な分岐点にさしか バングラデシュ ブータン かっています。地域経済は比較的堅調なペースで モルディブ 世銀の援助 推移しているものの、人的開発の水準は国内にお いても、また国家間においてもばらつきがあります。 2004年度、世銀は南アジア地域に合計34億ドル 非識字率は世界最高の45%に達し、世界の妊産婦 の融資を提供しました。この地域の投資環境を改 死亡件数の3分の1はこの地域でのものです。膨大 (研 善するために、世銀はさまざまな分析サービス な人口を抱える南アジア地域が貧困を削減してミ 究、ワークショップ、政策ノー を ト、政策対話など) レニアム開発目標 を達成することが、世界 (MDGs) 通して、各国の政策改革を支援しています。また、 全体のMDGs達成にとってきわめて重要となります。 インフラ投資と民間セクター投資を促進し、保健・ 東アジアと同様に、南アジアが世界の景気回復 医療、エネルギー、給水、および衛生関連サービ において果たす役割はますます大きくなってきて スの普及に努めることによって、各国がミレニアム います。2003年の国内総生産(GDP)成長率は6% 開発目標を達成できるよう支援しています。 を超えており、今後も継続的な成長が見込まれて ネパールに関しては、 (CAS) 新しい国別援助戦略 います。この地域のGDPの77%を生み出している が議論されました。新しいCASはネパールの国内 インドでは、2003年のGDP成長率が6.8%でした。 情勢が引き続き流動的であることを認めつつも、政 これは農産物の生産高が増えたこと、サービス産 府が改革プログラムを推進していることを評価し、 業によって生産性が高まったことによるものです。 改革の進捗に応じて援助を提供するとしています。 バングラデシュ、パキスタン、およびスリランカの また、貧困削減戦略の実施を支援するために、7000 GDP成長率は約5.5%でした。 万ドルの貧困削減支援融資(PRSC)が承認されまし 2004年1月に各国が自由貿易協定に調印したこ た。世銀の理事会では、パキスタンCASの進捗報 とにより、南アジア地域では新たな経済統合が進 告書が検討され、同国が最初のPRSPに記載された みつつあります。しかし、国内・国際インフラが整 財政再建を実現するために、積極的な努力を続け 備されておらず、規制やサービスの提供状況も流 ていることが確認されました 。 (囲み2.3) 動的であるため、民間セクターは新しい貿易環境 南アジア地域に対する世銀の援助戦略は、セク を十分に活用できていません。 ター横断的な政策介入に重点を置いたものとなっ インドとパキスタンが歩み寄りを見せていること ています。パキスタンのパンジャブ州の教育関連 は、この地域に新しい希望をもたらしました。この プロジェクトに対する1億ドルの融資はその一例で 変化は経済にプラスの影響を与えるでしょう。しか す。世銀はパキスタン政府の行政能力強化プロ し、暴力行為によって開発の進展が妨げられる可 ジェクトにも5500万ドルを提供しています。このプ 能性は、域内の随所に色濃く残されています。た ロジェクトは同国が現在進めている経済改革を支 とえば、アフガニスタンの治安情勢は依然として流 援するものとなる予定です。 第2章 地域別展望 37 南アジア地域の概要 総人口: 14億人 人口増加率: 1.7% 平均寿命: 63歳 もう一つは関税・輸送規制を合理化することで、貿易 乳幼児死亡率 : (出生1000件当たり) 68件 収入を増大させる3100万ドルの融資です。 若い女性の識字率: 62% 南アジア地域では、道路やその他の輸送インフラ 2003年の一人当たり国民総所得 :510ドル (GNI) を改善することが、世銀の活動の大きな柱となってい エイズ感染者数 520万人 ます。輸送コストを下げ、貧しい人々が市場、教育、 注:平均寿命と乳幼児死亡率 は2002年、若い女性の非識字率は (出生1000件当たり) 2000年(最新)、その他の指標は2003年の「世界経済・社会統計」 データベースの数字 および保健・医療サービスを利用できるようにするこ です。現在は国民総生産 (GNP)の代わりに国民総所得 (GNI)が使用されています。 とで、世銀は南アジア地域の貧困削減に大きく貢献 してきました。パキスタンに対しては、市場競争力を 2004年度の 2004年度の 新規融資承認額 融資実行額 強化するために、国道網の再建費用として2億ドルの IBRD:4億3950万ドル IBRD:8億9180万ドル 融資を承認しました。インドは2億4000万ドルの世銀 IDA:29億8210万ドル IDA:18億3500万ドル 融資をもとにバイパスを建設し、交通のボトルネックと なっているウッタル・プラデシュ州の古都アラハバード 2004年6月30日現在において実施中のプロジェクトのポート の混雑の解消に取り組む予定です。 フォ リオ:182億ドル ネ パ ール で は 、金 融 セクター 改 革 プ ロジェクト (7550万ドル)によって、脆弱な銀行制度が近代化さ れる予定です。イン 「第2次アン ドに対しては、 ドラ・プ (2億2000万ドル) ラデシュ州経済改革融資」 が承認さ れました。インド第5の州であるアンドラ・プラデシュ 州はこの融資をもとに、健全で持続可能な財政を構 築し、行政能力を強化し、サービスの提供範囲を拡 大し、民間セクター開発を促進し、改革の加速に必 要な基盤を整える予定です。 開発への参加促進 南アジア地域に対する世銀戦略の中核を成してい 「南アジア地域の最大の資産は人間である」 るのは、 という認識です。世銀の融資では、社会全体の生活 1959年頃。インド鉄道は世界有数規模の鉄道近代化・拡大計画を実 水準を引き上げること、住民の開発参加や利益の公 施しました。世銀の融資は近代的な電気機関車の購入費用にあてられ ました。 平な配分を阻んでいる要因を排除することに重点が 置かれています。融資以外の分野では、たとえば福 祉サービスの効果的な提供方法を関係者と十分に協 投資環境の構築 議するといった、画期的な取り組みも行われています。 調査の結果、バングラデシュ、ブータン、インド、パ 2004年度は小口融資、農村部の水と衛生、灌漑、 キスタン、およびスリランカでは、インフラの未整備が 教育、および保健・医療分野に対する支援が拡大され 投資環境にマイナスの影響を与えていることが分かり 「貧困緩和基金」 ました。パキスタンに対しては、 (パ ました。官僚主義、過度の規制、硬直した労働市場は キスタン政府が設立した独立組織)に2億3800万ドル もとより、民間セクターが長期資金を借り入れる機会 を融資し、同基金の初期の活動を支援しました。ネ を持たないことも投資のボトルネックとなっています。 パールでも同様のイニシアティブが進んでおり、貧し アフガニスタンでは、世銀は2件の融資を通して政 い農村部の住民にも融資を受ける機会が開かれる予 府のインフラ再建努力を支援しています。一つは電 定です。その他の承認済み融資としては、インドのマ 話事業と郵便事業の再建を目指す2200万ドルの融資、 ハラシュトラ州の貧困層に飲料水と衛生サービスを持 38 世界銀行 年次報告 2004 囲み2.3 PRSPプロセスの効果 南アジア地域では、貧困削減戦略文書(PRSP)の策 定が大きく進展し、PRSPが国家計画の策定や重要な意 思決定に役立つことが認識されるようになっています。 世銀と国際通貨基金はネパール、パキスタン、およびス リランカが作成した正式PRSPを議論しました。この3 カ国には貧困削減支援融資 も提供されました。 (PRSC) PRSCを導入し、プログラム的アプローチを採用し 多くの途上国では、住民の大半が依然として清潔な水を利用できない たことにより、IDAをはじめとするドナーの援助を、各国 状況にあります。スリランカの農村部では、水の安全性と衛生に関す る世銀プロジェクトを通して、地域住民が清潔で安全な水を利用でき のPRSPに詳述されたセクター別優先項目と一致させ るようになりました。 ることが容易になりました。PRSCによる援助では、結 果重視のアプローチが促進され、国家の投資計画全体 が恩恵を受けることになります(PRSCでは公共支出の 監視能力も強化されます)。PRSPプロセスはドナー融 計と生活の質の向上に役立てられています。 資の調和化にも役立っています。 インドに対しては、ラジャスタン州の保健制度プロ ジェクトに8900万ドルの融資が提供されました。スリ ランカ政府は6000億ドルの融資をもとに、保健・医療 セクター戦略に取り組む予定です。 続可能な形で提供するプロジェクト(1億8100万ドル)、 スリランカの北東地域に基本的な社会・経済インフラ 国際優先項目への対応 サービスを提供するプロジェクト(6470万ドル)、安全 な水をアフガニスタンの農村部に提供するプロジェク 現在、南アジアでは500万人以上がHIV/エイズに (4000万ドル) ト 、 およびネパール農村部の給水と衛生 感染しています。一般人口の間でのHIV/エイズ感染 を支援するプロジェクト(2530万ドル)があります。 率は全般に低いと考えられていますが、感染リスクの 教育分野では、インドが初等教育の完全普及(すべ 高い行動をとっている集団の間では、感染率ははる を達成できるよう、5 ての就学年齢児童の入学と修了) かに高くなっています。インドでは総人口に占める感 億ドルの融資を提供しました。世銀がインドでセク 染者の割合は低いものの、感染者の絶対数では世界 ターワイド・プログラムを実施するのはこれが初めて 有数のエイズ感染国となっています。世銀は高リスク です。また、世銀はバングラデシュの初等教育を支援 集団、若年層、および一般人口の間の感染拡大を防 するために、1億5000万ドルの融資を提供しました。 ぐ国家プログラムへの支援を拡大しました。また、国 この革新的なセクターワイド・プロジェクトには、ド 家間の対話を促進することによって、各国がエイズ対 ナーの支援を一元化するために、アジア開発銀行、 策の教訓や優れた介入手法を共有できるよう支援し 世銀、およびその他の8ドナーが共同で5億400万ドル ています。 を拠出しています。ブータンに対しては、初等・中等 社会的一体性と市民の参加がなければ、南アジア 教育へのアクセスを改善する費用として3100万ドルの の開発は達成されないという認識に基づき、世銀は 融資が承認されました。 アフガニスタン、ネパール、およびパキスタンでジェン アフガニスタンは9500万ドルの世銀融資をもとに、 ダー評価を実施しました。同様の評価はその他の国 (NSP) 「国家連帯プログラム 」を強化しています。NSP でも進行中です。評価の際は、ジェンダーの平等を促 は地方政府のガバナンスを強化し、地域社会に復 進する開発政策について、具体的な分析と話し合い 興・開発資金を提供するプログラムです。スリランカ が行われています。 には5100万ドルの融資が提供され、貧しい農民の生 第2章 地域別展望 39 表2.3 南アジア地域に対するテーマ別、セクター別融資 1995–2004年度(単位:100万ドル) 1995–97 1998–99 年度 年度 (年平均) (年平均) 2000 2001 2002 2003 2004 テーマ 経済管理 2.5 85.3 35.2 47.4 232.5 123.5 7.7 環境・天然資源管理 454.6 266.8 80.8 587.8 295.2 94.2 94.8 金融・民間セクター開発 614.7 639.2 265.4 865.9 381.6 689.1 689.9 人的開発 316.4 627.5 276.2 124.8 30.2 546.9 760.6 公共セクター運営 29.7 254.9 212.7 261.0 678.0 467.3 669.8 法規 33.7 89.1 56.5 36.1 59.3 12.5 2.9 農村開発 395.1 377.0 426.1 379.5 417.2 403.7 314.1 社会開発・ジェンダー・参加 407.7 328.9 261.5 240.5 414.2 197.3 642.8 社会的保護・リスク管理 119.8 162.8 168.0 118.4 164.0 184.4 98.6 貿易・統合 0.0 84.5 29.4 398.3 70.0 197.3 52.7 都市開発 275.7 297.1 300.7 186.8 766.2 2.6 87.8 テーマ総額 2,649.9 3,213.2 2,112.4 3,246.6 3,508.4 2,918.7 3,421.6 セクター 農業・漁業・林業 318.4 534.4 65.0 116.1 328.1 212.6 251.9 教育 279.3 385.1 171.4 206.4 95.9 364.6 665.8 エネルギー ・鉱業 411.8 545.9 277.8 746.2 504.8 150.6 130.8 金融 314.0 168.2 46.0 209.7 310.0 185.8 331.4 保健・その他の社会サービス 447.7 589.3 393.3 188.1 278.7 369.0 334.6 産業・貿易 10.0 68.3 85.3 34.0 443.1 144.9 46.1 情報・通信 7.9 35.3 54.6 17.7 12.4 11.5 16.9 法律・司法・行政 277.7 436.3 407.0 377.4 632.5 372.3 925.5 運輸 227.9 354.1 590.6 1,294.3 758.1 1,067.6 444.8 給水・衛生・治水 355.4 96.4 21.4 56.8 144.9 40.0 273.7 セクター総額 2,649.9 3,213.2 2,112.4 3,246.6 3,508.4 2,918.7 3,421.6 うち、IBRD融資額 1,124.3 1,034.0 934.3 2,035.0 893.0 836.0 439.5 IDA融資額 1,525.6 2,179.2 1,178.1 1,211.6 2,615.4 2,082.7 2,982.1 注:プロジェクトの分類が変更されたことに伴い、2003年度の年次報告に記載されたテーマ別融資の数字を一部変更した。具体的には、法律・司法・行政セクターの下 に公共医療金融サブセクターを新設し、一部のプロジェクトを遡及的にこのサブセクターに分類したことにより、 法律・司法・行政セクターと金融セクターの数字に変更 が生じた。端数を四捨五入したため、合計額が合わないことがある。 図2.5 南アジア地域:IBRDとIDAのテーマ別融資  図2.6 南アジア地域:IBRDとIDAのセクター別融資 2004年度 2004年度 総融資額34億ドルに占める割合 総融資額34億ドルに占める割合 都市開発 3% 経済管理<1% 給水・衛生・治水 8% 農業・漁業・林業 7% 貿易・統合 2% 環境・   天然資源管理 3% 社会的保護・   リスク管理 3% 運輸 13% 教育 19% 金融・民間  社会開発・   セクター開発  ジェンダー・参加   20% 19% エネルギー・   法律・司法・   鉱業 4% 行政 28% 農村開発 9% 金融 10% 人的開発  保健・その他の  公共セクター運営   21% 社会サービス 10% 20% 情報・通信<1% 産業・貿易 1% 40 世界銀行 年次報告 2004 世銀融資適格国 アゼルバイジャン アルバニア ヨーロッパ・中央アジア とロシア経済の動向が成長の重要な牽引役になる アルメニア ウクライナ 可能性があります。 地域 ウズベキスタン エス トニア カザフスタン ヨーロッパ・中央アジア地域には、貧困、人的開 キルギス共和国 世銀の援助 発の水準、およびミレニアム開発目標(MDGs)の達 グルジア クロアチア 成可能性の面で、依然として大きな格差が存在し ヨーロッパ・中央アジア地域に対する2004年度 スロバキア共和国 セルビア・ ます。たとえば、域内の世銀加盟国のうち10カ国 の融資総額は36億ドルでした(IBRD融資が30億ド モンテネグロ (チェコ共和国、キプロス、エストニア、ハンガリー、 ル、IDA融資が5億4600万ドル)。分析・助言サー タジキスタン チェコ共和国 ラトビア、リトアニア、マルタ、ポーランド、スロバキ ビスの分野では、186件の報告書が作成され、58 トルクメニスタン ア共和国、スロベニア)は、2004年5月1日に欧州連 件の技術支援活動が実施されました。この地域で トルコ ハンガリー 合(EU)への加盟を果たしました。そのうちの4カ は各国の改革をより効果的に支援するために、プ ブルガリア 国とトルコは経済協力開発機構(OECD)の加盟国 ログラム的、セクター横断的な手段が用いられるよ ベラルーシ ボスニア・ です。スロベニアは2004年3月17日に世銀の融資対 うになりました。IBRD諸国の場合はプログラム的 ヘルツェゴビナ 象国からドナー国になりました。 調整融資、IDA諸国の場合は貧困削減支援融資 ポーラン ド マケ ドニア旧ユーゴ 一方、一部の独立国家共同体(CIS)諸国では人 (PRSC)がこれに当たります。 スラビア共和国 口の半数以上が貧困にあえいでいます。これは地 モルドバ ラトビア 理的に隔絶されていること、世界経済と切り離さ リトアニア ルーマニア れていることなどが原因です。 囲み2.4 非融資活動に対する世銀のプログラム ロシア連邦 2003年、ヨーロッパ・中央アジア地域は力強く成 的アプローチ スロベニアは2004 (国内総生産) 長し、GDP 成長率は平均6.5%に達 年度に世銀の融資 しました。EU加盟候補国は3.9%、南東ヨーロッパ ヨーロッパ・中央アジア地域では、世銀は融資以 対象国を卒業した。 は4.3%、CIS諸国は7.9%でした。5%以上の増加 外の活動にもプログラム的アプローチを導入するよ ※この項ではコソ 率を記録した国は12カ国に上り、前年比マイナス うになっています。ロシア連邦では、政府高官と英 ボ、セルビア・モン テネグロについても 成長となった国はありませんでした。 国の国際開発省と共に、貧困に関する複数年プロ 報告する。 ヨーロッパの統合がさらに進めば、EU加盟候補 グラム(分析調査とキャパシティ・ビルディング)に取 国と南東ヨーロッパ諸国の改革に弾みのつく可能 り組んでいます。このプログラムは2段階で実施さ 性があります。南東ヨーロッパにはEU加盟交渉を れますが、成果物はロシア政府と世銀の要請に応じ 進めている国(ブルガリア、ルーマニア)、加盟候 て、随時提出されます。2003年12月に完了した第1 補国と加盟審査中の国(トルコ、クロアチア)、およ 段階では、調査と政策分析の能力が著しく向上しま び長期目標として加盟に取り組んでいる国(西バ した。世帯調査の結果と、結果を改善するための具 ルカン諸国)があります。CIS諸国は引き続き、市 体的な提言も公開されました。2004年には「貧困評 場経済のための制度構築と経済の多様化に取り 価報告書」が発表される予定です(www.worldbank. 組んでいます。CIS諸国の場合は、天然資源開発 org/eca/knowledgefair参照)。 第2章 地域別展望 41 ヨーロッパ・中央アジア地域の概要 総人口: 5億人 人口増加率: 0.1% 平均寿命: 69歳 反映されています。貧しいCIS諸国の場合は、健全な 乳幼児死亡率 : (出生1000件当たり) 31件 経済管理と民間セクター主導の成長、人的開発と公 若い女性の識字率: 99% 平性の推進、およびガバナンスの強化がCASの中心 2003年の一人当たり国民総所得 :2570ドル (GNI) となっています。EU加盟候補国のCASでは、加盟の エイズ感染者数 130万人 効果を高めるような投資と知識サービスに重点が置 注:平均寿命と乳幼児死亡率 は2002年、若い女性の非識字率は (出生1000件当たり) 2000年(最新)、その他の指標は2003年の「世界経済・社会統計」 データベースの数字 かれています。南東ヨーロッパとCISの大規模国(カ です。現在は国民総生産 (GNP)の代わりに国民総所得 (GNI)が使用されています。 ザフスタン、ロシア連邦、ウクライナ)のCASは、公平 な成長とガバナンスの強化を重視したものとなってい 2004年度の 2004年度の 新規融資承認額 融資実行額 ます。これは部分的にEUのアジェンダとも一致してい IBRD:30億1290万ドル IBRD:20億500万ドル ます。伝染病、水資源、貿易・投資制度、エネルギー IDA:5億4620万ドル IDA:4億4610万ドル 市場、規制フレームワークのように、影響が複数国に 及ぶ問題については、世銀は国家横断的なアプロー 2004年6月30日現在において実施中のプロジェクトのポート チを採用しています。 フォ リオ:146億ドル 投資環境の構築 近年の経済成長は、この地域のビジネス環境が改 善されたことを物語っています。これについては企業 調査の結果によっても裏付けられています。域内の数 カ国では1999年以降、汚職がビジネスの阻害要因に なっているという回答が大幅に減りました。しかし、 その他7カ国の投資家は依然として汚職を重要な問 題と認識しており、2カ国ではそうした認識が著しく高 まっています。 投資環境に対してどのような支援が提供されるか は、相手国のニーズによって異なります。たとえば、 2003年、ロマ族の統合をテーマとする会議が開催されました。この会 議には各国の政府高官だけでなく、 ロマ族コミュニティの指導者も参加 ウクライナに対する「第2次プログラム的調整融資」は、 しました。その結果、「ロマ族統合のための10年:2005–2015年」 規制改革に重点を置き、財産権の確立・保護と、公 と「ロマ族教育基金」の2つのイニシアティブが誕生しました。 共セクターの説明責任の強化を促進するものとなって います。一方、トルコに対する「第2次輸出金融仲介融 プログラム的アプローチは、融資以外の活動にも 資」は、輸出の拡大に必要な運転資本を提供しつつ、 導入されました(41頁の囲み2.4参照)。世銀はアルメ 民間金融機関の融資の質、安全性、および利用可能 ニア、リトアニア、マケドニア、スロバキア共和国、トル 性を改善するものとなっています。この融資に先行し コ、およびウクライナの国別援助戦略 を作成し (CAS) た第1次融資では、銀行と輸出企業に中長期資金を ました。コソボとセルビア・モンテネグロについては、 提供することにより、プロジェクト期間中に輸出が年間 移行支援戦略(TSS)が作成されました。アルメニアと 11〜40%増大しました。 セルビア・モンテネグロの戦略は、各国の貧困削減 世銀は融資以外の方法でも、投資環境の改善を支 戦略文書(PRSP)に沿って作成されています。また、 援しています。たとえば、キルギス共和国、モルドバ、 アルバニア、アゼルバイジャン、キルギス共和国、お ポーランド、ウズベキスタン、およびタジキスタンでは よびタジキスタンについてはPRSP進捗報告書が提出 投資環境評価を実施しました。アゼルバイジャン、マ されました。 ケドニア、およびルーマニアでは、 (IMF) 国際通貨基金 各CASには、準地域レベルのさまざまなニーズが と共同で実施している「金融セクター評価プログラム」 42 世界銀行 年次報告 2004 増加に転じま 持費の急激な減少が食い止められ、 した。 「キルギス村落改善プロジェク と ト」「第2次コソボ地域 開発資金プロジェクト」は、地域社会を対象としたエン パワーメントによって、地域社会自身がサービスの提供 状況の改善を求め、変化の過程を支援できるようにす るものです。世銀はロマ族の貧困と人的開発に対する 意識の向上にも努めました。ロマ族は中央・東ヨーロッ パで最も弱い立場に置かれている、この地域最大の少 (www.worldbank.org/eca/ecshd参照) 数民族です 。 国際優先項目への対応 ヨーロッパ・中央アジア地域においては、世銀は次 のような国際優先項目に重点を置いています。 万人のための教育(EFA) この地域でEFAファースト・トラック・イニシアティブ の適格国となっているのはアルバニアのみです。 (FTI) 世銀はモルドバ、タジキスタンなどの数カ国について も、FTIの適格条件を満たせるよう支援してきました。 しかし、これらの国が資金を獲得できるかどうかは不 明です。ヨーロッパ・中央アジア地域には、EFAを達 ヨーロッパ・中央アジア地域では、 HIV/エイズが他の地域よりも急速 に拡大しています。2003年は約3万人がエイズによって死亡し、 新 成するために支援を必要としている国が、アルバニア 規感染者は推定23万人でした。この地域の現在のHIV/エイズ感染者 以外にも8カ国あると見られています。 数は推定150万人です。 が継続されました。ラトビア、ポーランド、およびトル HIV/エイズ コでは知識経済に関する分析調査を実施しました。 ヨーロッパ・中央アジア地域では、世銀はパート ナーと連携しながら、積極的にHIV/エイズに関する 意識の向上に努め、各国の対策を支援してきました。 開発への参加促進 ポーランドとバルト諸国、南東ヨーロッパ、および中央 ヨーロッパ・中央アジア地域では、人的開発に関す アジアに対しては地域支援戦略と準地域調査を実施 る指標はおおむね高い水準を維持していますが、公 し、グルジアについては政策ノートを作成しました。 共サービスの質は悪化しています。このため、この地 国連合同エイズ計画 と協力して (UNAIDS) 「HIV/エイ 域(特に貧困国)ではミレニアム開発目標(MDGs)の ズプログラムのための技術・管理資源ディレクトリ」 多くが達成されない可能性があります。 を構築し、 (www.cee-trd.unaids.org) この地域でHIV/ この問題に対処するために、世銀は公共サービス エイズ関連のプログラムに取り組んでいる人々が、プ の改善に焦点を当てたプロジェクトを実施しています。 ログラムの運営に関わる実際的な助言を得ることが アルバニアの「第2次貧困削減戦略融資」は、同国の教 できるようにしました。西バルト諸国ではHIV/エイズ 育と保健・医療サービスの適用範囲を拡大し、サービ 調査、中央アジアでは複数国が参加するHIV/エイズ スの質を改善することを目的としたものです。この融 対策プロジェクトが進行中です。モルドバ、ロシア連 資に先行した第1次融資では、教科書関連の政策が改 邦、およびウクライナでは、世銀が支援するプロジェ 善されたほか、設備劣化の一因となっていた運営・維 クトが実施段階に入りました。 第2章 地域別展望 43 1956年頃。南イタリアのカターニア平原では、南部開発公庫のプロジェクトにより、 排水路を利用した給水量管理が可能になりました。 このプロジェクトでは排水路のほか、 灌漑、道路、電力・産業、および住居が対象となりました。 給水と衛生 環境保護 ヨーロッパ・中央アジア地域では、給水や衛生関連 2004年度、世銀はミレニアム開発目標(MDGs)の環 の設備は比較的普及しているものの、管理が十分で 境関連目標を定義・測定する分析活動に着手しまし はないために、サービスの質と信頼性が損なわれて た。また、クロアチア、モルドバ、およびセルビア・モ いる場合が少なくありません。このため、世銀は給 ンテネグロではエネルギー効率を高めるプロジェク 水・衛生設備の持続可能性を高めるようなプロジェク ト、トルコでは再生可能エネルギーの開発プロジェク トを実施しています。インフラサービスの提供に関す ト、ルーマニアでは灌漑設備の再建プロジェクトが始 る新しい戦略は、準地域の多様な政策課題に取り組 まりました。 むものとなっています。 44 世界銀行 年次報告 2004 表2.4 ヨーロッパ・中央アジア地域に対するテーマ別、セクター別融資 1995–2004年度(単位:100万ドル) 1995–97 1998–99 年度 年度 (年平均) (年平均) 2000 2001 2002 2003 2004 テーマ 経済管理 464.6 723.2 98.6 127.4 636.1 19.5 242.0 環境・天然資源管理 344.1 404.3 301.7 161.3 157.5 122.7 309.4 金融・民間セクター開発 1,847.7 1,908.0 890.7 1,074.0 2,210.8 483.3 950.2 人的開発 268.8 219.3 278.9 51.1 138.3 550.4 297.1 公共セクター運営 437.4 546.0 227.8 95.6 1,313.7 317.7 895.1 法規 44.1 80.1 160.2 77.4 106.6 289.8 132.3 農村開発 239.2 331.5 213.4 137.6 309.9 194.9 117.4 社会開発・ジェンダー・参加 45.5 126.9 43.6 65.1 188.8 55.9 33.9 社会的保護・リスク管理 288.6 575.6 530.1 381.2 363.9 288.5 305.3 貿易・統合 261.5 91.6 143.5 138.4 32.5 130.6 182.6 都市開発 352.0 248.9 153.6 383.9 65.4 216.7 93.6 テーマ総額 4,593.5 5,255.1 3,042.2 2,693.1 5,523.6 2,670.0 3,559.1 セクター 農業・漁業・林業 205.9 114.5 317.8 139.0 470.4 335.4 168.6 教育 92.8 299.2 22.7 62.5 83.2 395.0 164.0 エネルギー ・鉱業 915.6 849.2 398.6 336.6 218.0 262.9 352.2 金融 552.8 468.2 175.8 802.3 1,284.9 195.8 836.9 保健・その他の社会サービス 390.6 359.3 277.8 281.9 524.7 415.3 244.3 産業・貿易 775.7 817.4 604.7 296.5 552.1 269.0 126.3 情報・通信 1.6 4.5 151.9 8.7 9.6 1.0 7.0 法律・司法・行政 948.5 1,584.7 797.2 446.4 2,181.9 698.9 1,176.8 運輸 576.0 533.1 207.1 118.3 67.1 30.6 321.2 給水・衛生・治水 134.0 225.0 88.5 200.7 131.7 66.3 162.0 セクター総額 4,593.5 5,255.1 3,042.2 2,693.1 5,523.6 2,670.0 3,559.1 うち、IBRD融資額 4,088.4 4,406.3 2,733.1 2,154.0 4,894.7 2,089.2 3,012.9 IDA融資額 505.1 848.8 309.1 539.0 628.9 580.8 546.2 注:プロジェクトの分類が変更されたことに伴い、2003年度の年次報告に記載されたテーマ別融資の数字を一部変更した。具体的には、法律・司法・行政セクターの下 に公共医療金融サブセクターを新設し、一部のプロジェクトを遡及的にこのサブセクターに分類したことにより、 法律・司法・行政セクターと金融セクターの数字に変更 が生じた。端数を四捨五入したため、合計額が合わないことがある。 図2.7 ヨーロッパ・中央アジア地域:IBRDとIDAの 図2.8 ヨーロッパ・中央アジア地域:IBRDとIDAの テーマ別融資 2004年度 セクター別融資 2004年度 総融資額36億ドルに占める割合 総融資額36億ドルに占める割合 都市開発 3% 経済管理 7% 給水・衛生・治水 5% 農業・漁業・林業 5% 貿易・統合 5% 環境・   教育 5% 社会的保護・   運輸 9% リスク管理 9% 天然資源管理  9% エネルギー・   社会開発・   鉱業 10% ジェンダー・  参加 1% 法律・司法・行政  32% 農村開発 3% 金融 23% 法規 4% 金融・民間  セクター開発  26% 情報・通信<1% 保健・その他の  産業・貿易 4% 社会サービス 7% 公共セクター運営 25% 人的開発 8% 第2章 地域別展望 45 世銀融資適格国 アルゼンチン アンティグア・ バーブーダ ウルグアイ ラテンアメリカ・カリブ海 定360億ドルでした(ピーク時の1999年は880億ド ル)。この地域の輸出は9.2%伸び(2002年は2.2% エクアドル エルサルバドル 地域 増)、経常赤字はGDPの4.5%(1998年)から0.5% ガイアナ グアテマラ 世銀はラテンアメリカ・カリブ海地域の30カ国に に下がりました。観光収入と海外労働者からの送 グレナダ 支援を提供しています。5億2500万人が暮らすこの 金も上昇し、商品市況はおおむね安定を維持しま コスタリカ コロンビア 地域は驚くほどの多様性を持ち、スペイン語、ポ した。 ジャマイカ ルトガル語、英語、フランス語をはじめ、約400種 このように成長と投資の面では改善が見られた スリナム セントクリス トファー ・ 類もの言語が使われています。人口の4分の3は都 ものの、この地域には依然として貧困が蔓延して ネーヴ ィス 市またはその周辺部で暮らしており、開発途上地 います。貧困率は地域全体では横ばいでしたが、 セントビンセン ト およびグレナ 域の中では最も都市化の進んだ地域となっていま アルゼンチン、ウルグアイ、およびベネズエラ・ボリ ディーン諸島 セントルシア す。しかし、地域経済を支えているのは天然資源 バル共和国では著しく上昇しました。2003年に発 チリ と農業です。この地域は豊かな資源と活気ある社 表された世銀報告書「ラテンアメリカにおける貧富 ドミニカ共和国 ドミニカ国 会に恵まれているにも関わらず、深刻な貧困と大 の差(仮訳)」は、この地域には収入、財産、参加、 トリニダー ド・ トバゴ きな格差は今も解消されていません。 およびアクセス(基本的サービス、教育、機会)の ニカラグア ハイチ 2003年、ラテンアメリカ・カリブ海地域の経済は 面で大きな格差があるため、経済成長が貧困削減 パナマ (国内総生産) に十分に生かされていないと指摘しています。 ささやかながらも上昇に転じ、GDP パラグアイ ブラジル 成長率は平均1.3%となりました(2002年の成長率 ベネズエラ ・ はマイナス0.8%)。アルゼンチンは2001年の深刻 ボリバル共和国 世銀の援助 ベリーズ な危機から急速に回復しています。ブラジル、メキ ペルー シコ、およびウルグアイも経済回復の一翼を担いま 世銀は最貧地域に焦点を絞り、疎外された集団 ボリビア ホンジュラス した。中央アメリカ諸国のGDP成長率は平均3.1% を対象としたエンパワーメントの施策を支援するこ メキシコ でした。アンデス諸国も順調に成長し、チリ、コロ とによって、この地域の不均衡の是正に取り組ん ンビア、およびペルーは3%以上の成長率を達成し でいます。この地域ではさまざまな援助アプロー ました。しかし、その他の国の状況は芳しくないも チが用いられています。具体的には、チリの繰延 のでした。政情不安が続くベネズエラ・ボリバル 引出オプションや、メキシコの現地通貨建て融資 共和国では、2003年前半に経済状況がさらに悪化 といった革新的な融資方法などが挙げられます。 しました。カリブ諸国では財政難の継続と外部要 アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、コスタリカ、メ 因によって、成長率は地域平均を下回りました。 キシコ、およびパラグアイに対する新しい国別援助 2003年、ラテンアメリカ・カリブ海地域の外部環 戦略(CAS)は、この地域に対する世銀の支援が変 境は大幅に改善されました。投資家は自信を取り 化しつつあることを示しています。新しいCASでは 戻し、国内状況の好転を受けて、2003年の民間資 援助の内容と途上国のニーズや開発優先項目との 金流入額は前年比40%増となりました。しかし、外 連携が強化されているほか、融資手段が柔軟にな 国直接投資の純額は減り続けており、2003年は推 り、結果重視志向が強化されました。 46 世界銀行 年次報告 2004 ラテンアメリカ・カリブ海地域の概要 総人口: 5億人 人口増加率: 1.7% ラテンアメリカ・カリブ海地域に対する2004年度の 平均寿命: 71歳 融資総額は53億ドルでした(IBRD融資が50億ドル、 乳幼児死亡率 : (出生1000件当たり) 28件 IDA融資が3億3800万ドル)。融資プロジェクトの例と 若い女性の識字率: 95% 2003年の一人当たり国民総所得 :3260ドル (GNI) しては、社会的保護と持続可能で公平な成長に焦点 エイズ感染者数 210万人 を当てたブラジルのプロジェクト(10億ドル)、妊産婦 注:平均寿命と乳幼児死亡率 は2002年、若い女性の非識字率は (出生1000件当たり) と子供の健康の増進を目指すアルゼンチンのプロ 2000年(最新)、その他の指標は2003年の「世界経済・社会統計」 データベースの数字 ジェクト(7億5000万ドル)、メキシコの包括的な灌漑近 です。現在は国民総生産 (GNP)の代わりに国民総所得 (GNI)が使用されています。 代化プロジェクト などがあり (3億300万ドル) ます。 2004年度の 2004年度の 分析・助言サービスの分野では、貿易関連の調査 新規融資承認額 融資実行額 と革新的手法 に関する研究が一部 (知的資本の蓄積) IBRD:49億8160万ドル IBRD:49億520万ドル の国で実施されました。また、コロンビアの公務員を IDA:3億3820万ドル IDA:3億2300万ドル 対象とした都市管理研修など、さまざまな技術支援プ 2004年6月30日現在において実施中のプロジェクトのポート ロジェクトも実施されました。メキシコでは南部州に フォ リオ:193億ドル 対する新しい開発戦略が提案されました。カリブ諸国 に対しては、若年層の人的開発に関する報告書が作 成されたほか、ジャマイカ政府には持続可能な成長 を実現するための政策助言が提供されました。また、 ラテンアメリカの諸都市を対象に、都市型の犯罪や暴 力行為の防止プログラムを導入するための指針がま とめられました。 (重債 2004年度はニカラグアとガイアナが拡充HIPC 務貧困国)イニシアティブの完了時点(6頁参照)に到 達し、ニカラグアでは約33億ドル、ガイアナでは3億 3500万ドル(いずれも正味現在価値)の債務が削減さ れました。 投資環境の構築 ラテンアメリカ・カリブ海地域では、世銀は投資環 世銀と米州開発銀行が共同で実施した農村道路プロジェクトでは、 約 境を改善し、成長を促進し、競争力を強化するような 400の小規模企業が設立されました。そのうちの一社は、貧しい農民 取り組みを支援しています。ブラジルでは5億500万ド を雇用して、ペルー山岳地帯の農村道路を定期的に保守・整備してい ます。 ルのプログラム的融資を通して、新政府の経済改革 を支援しています。この改革の目的は、輸送コストを 削減し、ビジネス環境を改善すること、また金融セク して、政府の貧困削減戦略を支援しています。この融 ターの効率化、アクセス、および健全性を高め、技術 資は人的資本の蓄積、公共機関の設立、成長の促進、 面での進歩と革新を促進することです。 および競争力の強化に用いられる予定です。 ペルーに対しては、政府の地方分権・競争力強化 このほか、ペルーとホンジュラスでは貿易の促進と プログラムに1億5000万ドルを融資しました。この融 生産性の向上を、パラグアイでは水へのアクセスの改 資をもとに、ペルーでは港湾や道路などのインフラが 善を、ブラジルでは運輸セクターの規制強化を支援し 近代化され、外国投資と経済成長が促進される予定 ています。ラテンアメリカ・カリブ海地域に対する世銀 です。 の融資の一覧は、第6章/添付CD‑ROMの「表6.12 ニカラグアに対しては、7000万ドルのIDA融資を通 2004年度に承認された融資」に記載されています。 第2章 地域別展望 47 囲み2.5 ホンジュラスの小さな農村を支援する道路 分析・調査活動の一環として、世銀は投資環境評 プロジェクト 価を実施し、各国が優先的に取り組むべき改革分野 の特定を支援しています。すでにブラジル、チリ、エ ホンジュラスの道路プロジェクトは、小さな農村に生 クアドル、エルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラス、 産的雇用を生み出す助けとなっているだけでなく、国家 およびニカラグアでは評価が完了または完了間近と のインフラ保守にも貢献しています。このプロジェクト なっており、グレナダ、ジャマイカ、メキシコ、および は6650万ドルのIDA融資をもとに、50の小規模企業を パラグアイでは評価が開始されました。 設立し、従業員に道路の補修、崖崩れの後処理、そし て路肩、信号、橋梁を整備する方法を教えました。こ 開発への参加促進 の50社が管理する道路の総距離は2300キロメートル で、ホンジュラスの舗装道路の80%に及んでいます。 ラテンアメリカ・カリブ海地域では、世銀は基本的 IDA融資が終了する2004年には、政府はこのプログラ サービスを貧困層に提供する取り組みや、疎外され ムを公共組織に転換し、対象をすべての道路に拡大す た集団の参加を促進する取り組みを支援しています。 る予定です。 パラグアイでは、教育改革プロジェクトに2400万ドル これらの小規模企業は約700人の小さな事業主に を融資し、農村部の貧困世帯の子供たちが中等学校 よって所有されており、約4160人の成人と子供に直接 に入学できるよう支援しています。ペルーのリマでは 便益を提供しています。従業員の82%は家を所有して 4500万ドルの融資を通して、公共輸送網の効率化と いるか建設中です。教育省との合意に基づいて、成人 信頼性の向上、および障害を持つ人々への対応を支 従業員の多くが子供と共に学校に通い、読み書きがで 援しています。ペルーとホンジュラスでは小規模な道 きるようになりました。 路整備会社の設立を支援しています(囲み2.5参照)。 アルゼンチンに対しては、経済復興と成長を促進 する活動に5億ドルを融資し、政府の金融・公益事業 改革、行政の透明化、および民間セクターの競争力強 化を支援しています。コロンビアに対しては、労働改 革と社会的開発に2億ドルを融資しました。ブラジル とチリでは政府の社会的保護プログラムを支援して います。その一環として、ブラジルでは最貧困世帯を 対象とする「家族基金」に、用途の限定されないプロ グラム融資 を提供し、 (5億7200万ドル) チリでは「チ リ連帯イニシアティブ」に2億ドルの繰延引出オプショ ン付き構造調整融資と、1100万ドルの付帯的な技術 支援融資を提供しました。 世銀は3000万人の域内先住民族(その約80%は貧 を対象と 困層) したイニシアティブにも資金を提供して います。2004年度はホンジュラスに対し、2500万ドル の土地管理融資を提供しました。この融資は先住民 族とアフリカ系住民の便益をはかるために用いられ る予定です。メキシコでは、約200の先住民族コミュ ニティとエヒ (共有農地) ドス を対象とした、森林資源 の管理・保全強化プロジェクトに2130万ドルを提供し 1955年頃。メキシコの太平洋鉄道で、作業員が陸橋の修復、路線の ました。 連結、 枕木の交換、および補強作業に取り組んでいます。世銀は鉄道 株の購入資金も融資しました。 48 世界銀行 年次報告 2004 サルバドル・デ・バイア(ブラジル)にあるリベリア・アズールの川で遊ぶ3人の少年。 世銀は都市貧困層の生活環境を改善する取り組みを支援しています。 国際優先項目 海地域のHIV/エイズ予防・抑制プログラムに提供し ラテンアメリカ・カリブ海地域は、ミレニアム開発目 てきました。2004年度はエイズ・イニシアティブの一 標の多くを達成できる可能性があります。世銀はこの 環として、カリブ共同体とガイアナにグラントを承認し 地域がさらなる進歩を達成できるよう、ブラジル、グ たほか、セントルシアとセントビンセントおよびグレナ アテマラ、メキシコ、およびウルグアイでは基礎教育 ディーン諸島のプロジェクトの立案を支援しました。 に、アルゼンチン、ブラジル、およびパラグアイでは子 現在、世銀はラテンアメリカ・カリブ海地域で64件 供と妊産婦の健康に投資を行いました。2004年度は の環境保護プロジェクト を支援して (合計約34億ドル) 保険に加入していない貧しい母子の保健・医療ニー います。プロジェクトの例としては、ボリビアの「生物 ズを充足するために、アルゼンチンに1億3600万ドル 多様性保護プロジェクト」「ラテンア 、 メリカ諸都市のた の融資を提供しました。 めの大気汚染改善イニシアティブ」「メソア 、 メリカ生物 HIV/エイズはカリブ諸国に深刻な課題をつきつけ 回廊」、および「ブラジル熱帯雨林保護パイロット・プ ています。アフリカ地域を除くと、カリブ諸国は成人 ログラム」があります。また、2004年度はブラジルのト のHIV感染率が世界で最も高い地域です。世銀はこ カンティンス州の持続可能な地域開発を支援するため れまでに5億5000万ドル以上をラテンアメリカ・カリブ に、6000万ドルを融資しました。 第2章 地域別展望 49 表2.5 ラテンアメリカ・カリブ海地域に対するテーマ別、セクター別融資 1995–2004年度(単位:100万ドル) 1995–97 1998–99 年度 年度 (年平均) (年平均) 2000 2001 2002 2003 2004 テーマ 経済管理 435.8 694.0 587.6 570.1 391.0 567.2 111.2 環境・天然資源管理 403.2 164.8 270.8 68.8 187.4 240.3 159.1 金融・民間セクター開発 1,229.3 1,626.9 1,056.1 985.4 965.4 819.8 912.4 人的開発 569.8 786.9 157.7 471.2 560.4 1,171.7 1,046.7 公共セクター運営 531.4 825.2 519.9 1,099.7 1,182.8 798.6 672.0 法規 63.6 94.1 111.7 202.2 15.5 138.8 270.9 農村開発 471.4 613.3 103.0 580.8 168.3 415.9 249.6 社会開発・ジェンダー・参加 244.8 359.1 141.5 371.7 248.9 123.1 268.9 社会的保護・リスク管理 559.3 1,002.4 901.2 530.0 310.4 1,050.3 926.9 貿易・統合 91.9 144.6 160.7 218.3 83.9 59.6 364.6 都市開発 419.7 576.9 53.3 202.0 251.9 435.2 337.6 テーマ総額 5,020.2 6,888.3 4,063.5 5,300.1 4,365.8 5,820.5 5,319.8 セクター 農業・漁業・林業 228.4 326.4 104.1 72.3 85.0 58.4 379.6 教育 536.2 659.8 62.8 529.1 560.4 785.5 218.3 エネルギー ・鉱業 239.2 98.1 79.3 107.6 445.6 96.2 50.5 金融 666.6 1,004.7 1,191.8 946.7 593.5 973.0 405.1 保健・その他の社会サービス 588.5 1,150.5 360.2 904.7 660.5 1,574.1 1,558.9 産業・貿易 93.6 204.2 165.3 38.3 51.4 183.4 428.0 情報・通信 16.9 17.2 28.7 97.8 16.5 52.4 14.0 法律・司法・行政 1,246.0 2,293.8 1,791.0 1,726.7 1,440.0 1,564.9 1,521.3 運輸 927.5 875.6 11.6 650.3 463.1 146.4 675.7 給水・衛生・治水 477.3 258.0 268.7 226.6 49.8 386.2 68.4 セクター総額 5,020.2 6,888.3 4,063.5 5,300.1 4,365.8 5,820.5 5,319.8 うち、IBRD融資額 4,733.3 6,406.4 3,898.1 4,806.7 4,188.1 5,667.8 4,981.6 IDA融資額 286.9 481.9 165.4 493.4 177.8 152.7 338.2 注:プロジェクトの分類が変更されたことに伴い、2003年度の年次報告に記載されたテーマ別融資の数字を一部変更した。具体的には、法律・司法・行政セクターの下 に公共医療金融サブセクターを新設し、一部のプロジェクトを遡及的にこのサブセクターに分類したことにより、 法律・司法・行政セクターと金融セクターの数字に変更 が生じた。端数を四捨五入したため、合計額が合わないことがある。 図2.9 ラテンアメリカ・カリブ海地域:IBRDとIDAの 図2.10 ラテンアメリカ・カリブ海地域:IBRDとIDAの テーマ別融資 2004年度 セクター別融資 2004年度 総融資額53億ドルに占める割合 総融資額53億ドルに占める割合 都市開発 6% 経済管理 2% 給水・衛生・治水 1% 農業・漁業・林業 7% 貿易・統合 7% 環境・天然資源  教育 4% 管理 3% 運輸 13% エネルギー・鉱業  1% 社会的保護・   金融・民間  金融 8% リスク管理 17% セクター開発 17% 法律・司法・   行政 29% 社会開発・   ジェンダー・  保健・その他の  参加 5% 人的開発  社会サービス  20% 29% 農村開発 5% 法規 5% 公共セクター運営 13% 情報・通信<1% 産業・貿易 8% 50 世界銀行 年次報告 2004 世銀融資適格国 アルジェリア イエメン共和国 中東・北アフリカ地域 2004年度は8カ国の15件のプロジェクトに対し、 イラク イラン・イスラム 総額11億ドルの融資が行われました。これらのプ 共和国 中東・北アフリカ地域は経済的に多様な地域で ロジェクトは、弱い立場に置かれている人々に基本 エジプト・アラブ 共和国 あり、過去四半世紀のほとんどを通して、石油価 的な社会サービスを提供し、農業への投資、公共 シリア・アラブ 格と国家の経済政策・経済構造にほんろうされて 事業の拡大、教育改革に取り組み、大規模インフ 共和国 ジブチ きました。一握りの輸出市場と輸出品に大きく依 ラの開発や天然資源の管理を促進するものでした。 チュニジア モロッコ 存しているために、景気変動に対する脆弱性がき 変化と政策改革を促すために、世銀は融資だけ ヨルダン わめて高いのがこの地域の特徴です。この地域が でなく、幅広い知識サービスも提供しています。た レバノン 持続可能な高成長を維持するためには、現在の経 とえば、経済・セクター調査(ESW)報告書では、 ※この項ではヨル 済環境を抜本的に見直し、より開放的で、多様で、 水管理、教育、公共支出管理、年金、および貧困 ダン川西岸・ガザ 地区についても報 民間セクターに活躍の場が与えられるような経済に に関する問題に焦点が当てられました。ジェンダー 告する。 移行する必要があります。 評価も数カ国で進行中です。また、同地域で知識 この地域の平均失業率は15%を超えており、特 移転に対するニーズが高まっていることを受けて、 に若年層、高学歴者、および女性の状況は深刻で 世銀はフランスのマルセイユに「知識ハブ」を設立 す。現在の失業者と新たな労働人口を吸収するた しました。この施設は地域内外との知識共有や学 めには、今後20年で1億近い雇用を創出しなけれ 習活動を促進するものとなる予定です。 ばなりません。これはこの地域に存在する雇用の 所得が基準値を超えているために世銀融資の適 数を、現在の2倍以上に増やすことを意味します。 格国と見なされていない湾岸諸国に対しては、約 30年にわたって技術支援プログラムを有償で提供 しています。サウジアラビアに対しては、公共セク 世銀の援助 ター改革、民営化、および中小企業開発に関する この地域が抱えている深刻な雇用問題に対処 政策助言を提供しています。クウェートに対しては、 するために、世銀は雇用創出を地域戦略の柱に据 教育改革、雇用創出、透明性の向上、および汚職 えました。2004年度はこの地域のガバナンス、貿 の撲滅に関する政策助言を提供しています。バー 易、ジェンダー、および雇用をテーマとする4つの レーンについてはプログラムの範囲が拡大され、 主要報告書が発表されました。これらの報告書は、 現在は2010年に予定されている湾岸諸国の通貨 経済の主体を公共セクターから民間セクターに移 統合に向けて、財政構造改革が進められています。 し、閉鎖的な経済から開放的な経済へ、石油に支 紛争の影響を受けている地域では、世銀は緊 配された不安定な市場から、多様で安定した経済 急ニーズに対応する一方で、長期的な開発に必要 へ移行することを呼びかけています。そのために な制度基盤の構築を支援しています。イラクでは は、ガバナンスを強化し(参加機会の拡大、説明責 国連と協力して合同ニーズアセスメントを実施し、 任の強化を含む)、公的機関における女性の役割 14のセクターで復興・開発ニーズを特定しました。 を拡大し、教育の質を高める必要があります。 また、両機関はドナー資金の受け皿となる「復興 第2章 地域別展望 51 中東・北アフリカ地域の概要 総人口: 3億人 人口増加率: 1.9% 平均寿命: 69歳 基金ファシリティ」を設置し、イラク復興に対するド 乳幼児死亡率 : (出生1000件当たり) 44件 ナーの支援を調整しています。このファシリティは世 若い女性の識字率: 82% 銀と国連が管理する信託基金からなり、世銀管理分 2003年の一人当たり国民総所得 :2210ドル (GNI) の資金はイラクの行政能力の向上、教育、地域に密 エイズ感染者数 10万人 着した農村インフラ、およびインフラ再建に関するプ 注:平均寿命と乳幼児死亡率 は2002年、若い女性の非識字率は (出生1000件当たり) 2001年(最新)、その他の指標は2003年の「世界経済・社会統計」 データベースの数字 ロジェクトに提供されています。 です。現在は国民総生産 (GNP)の代わりに国民総所得 (GNI)が使用されています。 ヨルダン川西岸・ガザ地区では、世銀は緊急活動 と中期開発プロジェクトの両方をバランスを取りなが 2004年度の 2004年度の 新規融資承認額 融資実行額 ら進めています(囲み2.6参照)。パレスチナ自治政府 IBRD:9億4600万ドル IBRD:5億4360万ドル には2000年9月以降、合計約3億2900万ドルが提供さ IDA:1億4500万ドル IDA:1億8320万ドル れました。2004年度はパレスチナ自治政府を維持し、 この地域の経済・社会指標の悪化を食い止めるため 2004年6月30日現在において実施中のプロジェクトのポート に多額の資金が提供されました。現在、世銀はヨル フォ リオ:52億2000万ドル ダン川西岸・ガザ地区で15件のプロジェクトを実施し ています(教育、保健・医療、および社会サービスを 維持するための緊急サービス支援プロジェクトなど)。 国際ドナーの要請で2004年に設立された一般予算支 援ファシリティ「改革基金」にも2000万ドルを拠出しま した。 世銀は自然災害の被害を被った国々に対しても、 支援の手を差し伸べています。2003年12月のバム地 震では、イラン政府の要請に応じて調査チームを派遣 し、経済的被害の調査と復興計画の策定に取り組み ました。 投資環境の構築 世銀グループはクウェート、サウジアラビア、および アラブ首長国連邦で「ビジネス・ロードショー」を開催 し、域内投資を推進し、新しいビジネス活動を刺激 する方法について、民間セクターの代表者と意見を 交換しました。また、マルセイユでは「第2回開発知識 年次会議」を開催しました。この会議の目的は、各国 が知識集約型経済を構築することによって、競争力を 高め、貿易を促進できるよう支援することです。 エジプト・アラブ共和国に対しては、空港インフラ の構築費として3億3500万ドルを融資しました。これは この地域最大のプロジェクトの一つであり、観光産業 によって外貨収入が増大することが期待されていま す。また、民間セクターの競争力を強化するために、 エジプトの労働者のスキルを高め、今日の市場に対応 教育は貧しい人々の機会を拡大します。 できるようにするプロジェクトにも融資を提供しました。 52 世界銀行 年次報告 2004 中東・北アフリカ地域で、世銀は民間投資を拡大し、雇用を創出する 活動を支援しています。 囲み2.6 CSOと協力してヨルダン川西岸・ガザ地区 に雇用を創出する 公共セクターの効率化に関しては、地方政府の収 2000年12月、世銀はシビルソサエティ組織 を (CSO) 入管理権限を拡大し、地方分権化を促進するイエメ 通してヨルダン川西岸・ガザ地区に雇用を創出する ン政府の野心的なプログラムを支援しています。この 「CSO雇用創出プログラム」 「緊急対応プロジェク に、 ト」 プロジェクトによって、イエメンの地方都市では生産 から2300万ドルを拠出しました。このプロジェクトに 的投資と経済成長が促進される予定です。 よって、2003年末までに16万2500の雇用機会が創出さ レバノンではグッドガバナンスを促進するために、 れました。西岸・ガザ地区では刺繍会社が設立され、 内戦で崩壊した土地登記制度の再建を目指すプロ 青少年センター、幼稚園、サッカー場、井戸、および貧 ジェクトを実施しています。 困世帯の住居が再建され、心理カウンセラーの雇用・ 訓練が行われました。2004年、福祉協会連合が管理す る「パレスチナCSOプロジェクト」は、相当額の協調融 開発への参加促進 資をもとに、雇用創出プロジェクト(特に社会サービス この地域の社会経済的現実をふまえ、世銀は貧困 提供分野の雇用を創出するもの)に合計500万ドルを提 層の機会を拡大することを、地域戦略の重点分野とし 供しました。 ています。そのためには、貧しい人々が開発にとって 重要な分野―すなわち、よりよい教育、保健・医療 サービス、社会的保護、そしてインフラにアクセスで きるようにする必要があります。たとえば、教育強化 戦略の一環として、チュニジアで実施されている第2 次教育改善プロジェクトは、学校教育と雇用市場の ニーズを一致させることを目指すものです。人口の半 第2章 地域別展望 53 分が貧困ラインを下回る生活を送っているイエメン共 い水準を維持しています。しかし、世銀報告書「中 「第3次開発社会基金プロジェク 和国では、 ト」を通し 東・北アフリカにおけるHIV/エイズ:放置の代償(仮 て、女性や子供など、弱い立場に置かれている人口 訳)」は、現在の状況に対して何の手も打たなかった 集団に教育、水、保健・医療、社会的保護などの基 場合、この地域が2005年までに被る損失は、現在の 本的サービスを提供しています。 GDPの3分の1に匹敵する可能性があると指摘してい ヨルダン川西岸・ガザ地区では、世界銀行信託基 ます。この報告書は、感染率が低い今のうちに監視 金の資金を得た「緊急水プロジェクト」によって、西岸 を強化することを政策決定者に強く要請しています。 地区の給配水設備が再建され、清潔な水をいつでも この地域ではすでに数カ国が行動を起こしました。 低価格で利用できるようになる予定です。市町村を対 チュニジアは若年層に教育、カウンセリング、および 象にした調査の結果、地域社会では水とアクセスが エイズ検査の機会を提供する試験的なプロジェクトを 最大の優先項目となっていることが分かりました。モ 実施しました。イラン・イスラム共和国は針交換プロ ロッコで実施されている世銀の農村インフラプロジェ グラムを策定し、モロッコは性感染症の治療設備を近 クトは、この調査結果をふまえたものです。先行した 代化する大がかりな計画に着手しました。 プロジェクトでは、飲料水を確保できる農村人口が全 この地域では、25歳以下の若者が人口の半分以上 体の18%から40%に拡大されました。今回のプロ を占めています。紛争や不況、また都市移住者が増 ジェクトでは、僻地の村々がモロッコの農村道路網と えたことにより、この地域では児童や青年が学校を中 接続される予定です。 退し、麻薬に手を染める危険性が増しています。こう 中東・北アフリカ地域の最貧国の一つであるジブ した問題に対処するために、世銀はすべての世銀プ シビルソサエテ チでは、 ィ組織と密接に協議しながら、 ロジェクトに児童と青年に対する配慮を盛り込んでい 政府が初の貧困削減戦略文書 を策定できるよ (PRSP) ます。たとえば、イエメン共和国の「第2次基礎教育プ う支援しました。 ロジェク は、 ト」 就労児童が所得機会を逸することなく、 学習に参加できる機会を提供しています。エジプトに 対する「児童労働防止グラント」は、貧困世帯を支援 国際優先項目への対応 し、危機的状況に置かれた子供たちが学校に通える (HIV/エイズと子 2004年度は、2つの国際優先項目 ようにすることで、児童労働の防止に貢献するものと に重点が置かれま 供・若年層) した。 なる予定です。 この地域のHIV感染率は0.3%であり、引き続き低 54 世界銀行 年次報告 2004 表2.6 中東・北アフリカ海地域に対するテーマ別、セクター別融資 1995–2004年度(単位:100万ドル) 1995–97 1998–99 年度 年度 (年平均) (年平均) 2000 2001 2002 2003 2004 テーマ 経済管理 52.4 5.2 0.0 11.9 5.0 0.0 0.0 環境・天然資源管理 131.9 94.2 123.3 27.5 21.7 186.0 113.8 金融・民間セクター開発 354.1 361.1 61.8 78.8 204.1 48.3 259.3 人的開発 83.9 179.0 187.9 35.7 61.9 140.9 192.1 公共セクター運営 118.1 89.8 130.6 102.6 93.3 106.6 19.6 法規 22.6 59.5 9.3 56.5 49.1 48.0 1.7 農村開発 131.8 175.3 89.2 86.4 14.5 100.6 65.1 社会開発・ジェンダー・参加 78.6 64.5 71.6 52.5 13.4 63.1 70.7 社会的保護・リスク管理 73.8 87.4 100.0 5.6 11.0 96.1 31.6 貿易・統合 33.0 38.8 3.0 3.4 24.8 3.6 158.3 都市開発 84.9 125.9 143.5 46.7 55.8 262.7 178.7 テーマ総額 1,165.1 1,280.8 920.0 507.5 554.5 1,056.0 1,091.0 セクター 農業・漁業・林業 126.0 147.9 120.6 46.5 2.9 196.7 27.2 教育 116.2 94.2 197.1 72.3 38.0 154.3 154.9 エネルギー ・鉱業 24.6 56.8 0.0 0.0 1.3 0.0 0.0 金融 179.7 176.4 5.3 0.0 110.5 1.9 20.8 保健・その他の社会サービス 101.6 159.8 158.9 39.3 41.7 124.2 52.0 産業・貿易 187.0 168.6 47.9 27.0 71.7 74.3 23.4 情報・通信 1.3 33.8 1.3 59.2 69.9 2.3 0.0 法律・司法・行政 153.9 250.5 108.9 161.5 74.7 213.6 93.6 運輸 153.7 81.7 59.6 82.8 70.9 107.9 409.6 給水・衛生・治水 121.2 110.9 220.5 19.0 73.1 180.9 309.5 セクター総額 1,165.1 1,280.8 920.0 507.5 554.5 1,056.0 1,091.0 うち、IBRD融資額 990.6 955.5 760.2 355.2 451.8 855.6 946.0 IDA融資額 174.5 325.3 159.8 152.3 102.7 200.4 145.0 注:プロジェクトの分類が変更されたことに伴い、2003年度の年次報告に記載されたテーマ別融資の数字を一部変更した。具体的には、法律・司法・行政セクターの下 に公共医療金融サブセクターを新設し、一部のプロジェクトを遡及的にこのサブセクターに分類したことにより、 法律・司法・行政セクターと金融セクターの数字に変更 が生じた。端数を四捨五入したため、合計額が合わないことがある。 図2.11 中東・北アフリカ地域:IBRDとIDAの 図2.12 中東・北アフリカ地域:IBRDとIDAの テーマ別融資 2004年度 セクター別融資 2004年度 総融資額11億ドルに占める割合 総融資額11億ドルに占める割合 都市開発 16% 環境・天然資源  給水・衛生・治水  農業・漁業・林業 2% 管理 10% 28% 教育 14% 金融 2% 貿易・統合 15% 保健・その他の  金融・民間  社会サービス  セクター開発 24% 5% 産業・貿易 2% 社会的保護・   リスク管理 3% 法律・司法・   運輸 38% 行政 9% 社会開発・ ジェンダー・  人的開発 18% 参加 6% 農村開発 6% 法規<1% 公共セクター運営 2% 第2章 地域別展望 55 世銀のユージン・R・ ブラック総裁と ジョージ・D・ウッズ総裁。頭上の肖像画 は世銀のユージン・マイヤー総裁と ジョン・J・マクロイ総裁。 1961年、IDAは最初の 開発融資と して、 ホンジュ ラスの高速道路建設プロ ジェク トに900万ドルを 融資しました。 1962年、IDAは教育分野 に対する最初の融資と し て、 チュニジアの学校建 設プロジェク トに500万 ドルを融資しました。 1961年、世銀は 日本の 「新幹線」 プロジェク トに 8000万ドルを 融資しました。 ユージン・R・ブラック(1949–1963) ジョージ・D・ウッズ(1963–1968) 年代 1960 1961 1962 1963 1964 世銀の関連機関と し 最初のIDA融資が行 教育分野に 人材養成プログラム 最初のIDA増資 て国際開発協会 (ホンジュラス われる 対する最初の 「ジュニア・ プロフェッ が行われる。 (IDA)が設立される。 の高速道路建設) 。 融資が行わ ショナル」 拠出総額は9億 設立時の授権資本は (チュニ れる (現在のヤング・ プロ 7600万ドル。 中国に対する最初の 13億9000万ドル。 ジア)。 フェッショナル・プログ 融資が行われる 1960 ラム)がスタート。 パキスタン、インド、 (港湾浚渫プロジェ および世銀がインダ ク 。 ト) ギニアがIBRD協定に ス水利条約を締結。 署名。100番目の世銀 加盟国となる。 1968年の通信プロジェクトでは、パプアニューギニアの テーマ別展望 3 ラエに近いチンガル山 (標高9000フィート)の頂上に、 マイ クロ波中継局が建設されました。 1963年秋の年次総会 で講演を行う米国の ジョン・F・ケネディ 大統領。 1967年のシンガポー ル通信プロジェク トで 建設された自動構内交 換機を操作する電話 交換手たち。 ロバート・S・マクナマラ(1968–1981) 1965 1966 1967 1968 1969 世銀の融資承認額が 投資紛争解決国際 フランス、 ドイツ、日本、 IDA第2次増資が 初めて10億ドルを (ICSID) センター 英国、 および米国の 行われる。 超える。 を設立。 5カ国が、財務大臣・ 拠出総額は 中央銀行総裁会議を 14億ドル。 開催するG5を形成。 1976年にイ タリア、 カナダが加入しG7に なる。その後、 ロシア 連邦が加入し、 現在はG8。 貧困削減と経済管理 世銀の「貧困削減・経済管理ネットワーク」は、貧困 層に恩恵をもたらすような経済成長を実現するために、 さまざまな知識サービスを通して、途上国の政策形成 を支援し、良好な国際環境の構築に努めています。 貧困削減戦略文書(PRSP)と関連活動 現在、世界では総人口の5分の1に当たる約11億 人が1日1ドル未満で生活しています。低所得国にお ける世銀の貧困削減戦略の基盤となっているのは、 貧困削減戦略文書(PRSP)アプローチです( www. worldbank.org/prsp参照)。このアプローチは貧困削 減アジェンダに対する途上国の主体性を高め、関係者 の参加を促進しました。2004年度の世銀理事会では、 1966年頃。以前は乾燥地だった土地で、農民が現代的な刈取機を使っ 借入国が主体的に作成した12件の正式PRSPと2件の てサトウモロコシを刈り取っています。 世銀の灌漑プロジェクトにより、 暫定PRSP (I‑PRSP)が検討されました。これにより、 イランでは1万2000人の農民が原始的な生活から解放されました。 PRSPの総数は42件となりました。このほか、14カ国が I‑PRSPの作成を完了しており、23カ国は少なくとも1件 困層や弱い立場に置かれた人々の福祉に与える影響 の進捗報告書を作成しています(www.povertynet.org を分析し、40件以上の「貧困・社会影響分析(PSIA)」 参照)。 を実施しました。世銀の職員や借入国を対象とした PRSPプロセスは対話を促進し、貧困削減活動の透 研修プログラムも増強され、PSIAを実施するための 明性を高めました。貧困層の利益に配慮した支出も 新しいガイドラインが作成されました。また、PSIAを 増加傾向にあります。しかし、参加型プロセスの確立、 円滑に実施するために、その他のドナーとの連携を 的を絞った戦略の構築と優先順位の明確化、ドナー 強化したほか、PSIAのウェブサイトも拡充しました 支援と借入国の優先項目の整合性など、いくつかの (www.worldbank.org/poverty/psia参照)。 分野ではまだ課題が残されています。 世銀の貧困削減活動の基軸となっているのは、貧 ガバナンスと公共セクター改革 困層に恩恵をもたらす経済成長、貧困・社会影響分 析、およびエンパワーメントです。2004年度はこの3つ 2004年度、世銀は貧困削減の要となるガバナンス、 のすべてにおいて大きな進展が見られました。 公共セクター改革、および法規の分野で、合計39億ド 貧困削減に成長は不可欠ですが、長期にわたって ルの融資を承認しました。ガバナンス関連の学習・支 貧困削減を成功させるためには、貧困層が成長に参 援プログラムも拡充され、地方の社会セクターのガバ 加し、その利益を享受できるようにする必要がありま ナンスと説明責任、政府の再構築、価値観と倫理、司 す。2004年度はそのためにさまざまな取り組みが行 法改革などをテーマとするセミナーと研修が約50回に われました( www.worldbank.org/poverty/inequal 参 わたって開催されました。 照)。世銀は貧困層に配慮した成長を定義・測定し、 世銀と国際通貨基金(IMF)は支出追跡イニシア 貧困削減政策と成長政策のトレードオフを分析するフ テ (重債務貧困国) ィブを通して、HIPC の公共支出に レームワーク文書を作成しました。 目を光らせています。世銀とIMFは途上国と密接に 2004年度、世銀は50カ国において、政策改革が貧 連携しながら、政府の財政制度を見直し、行動計画 58 世界銀行 年次報告 2004 の進捗状況を調べ、新しい行動計画を策定していま す。また、世銀は財政の管理に関する分析・助言活 動を拡大し、パートナーと協力して、途上国の財政制 度を分析する評価フレームワークと、政府主導のキャ パシティ・ビルディング活動を支援する分析アプロー チを開発しました。 2004年度、 「開発合意融資」 世銀は の導入を支援し、 国内資源を動員する重要性を強調すると共に、税制 改革に関する国際機関と途上国政府の関係強化に努 めま (経済協力開発機構) した。世銀、IMF、OECD は 国際租税対話の開始に向けた合意文書を交わしまし た(www.worldbank.org/publicsector参照)。 ジェンダーと開発 現在、ジェンダーの平等はほとんどの国別援助戦略 に組み込まれています。途上国が作成する貧 (CAS) 困削減戦略文書(PRSP)でも、ジェンダーに対する配 慮は強化されています。ジェンダー問題は世銀の融資 プロジェクト、特に教育、保健・医療、および社会的 保護に関するプロジェクトでも重視されています。 ドーハ開発ラウンドの結果は、世界の貧困層に大きな影響を及ぼしま ジェンダーの平等は、世銀が支援する多数のプロ す。特に農業分野の貿易障壁が削減されれば、各国で貿易が促進され、 ジェクトで推進されており、チャド、エリトリア、ケニア、 所得水準が高まり、長期的には世界の貧困が大幅に削減されることに なるでしょう。 およびシエラレオネの教育関連プロジェクト、ブラジ ルの「幼児育成プロジェクト」、ジブチの「HIV/エイズ、 マラリア、および結核抑制プロジェクト」、インドの「農 関するワークショップを開催し、どの目標を達成する 村女性開発・エンパワーメントプロジェクト」、および ためにもジェンダーの平等は不可欠であることを訴え、 ラオス人民民主共和国の「土地所有プロジェクト」は ジェンダーに配慮した行動を促すための戦略を明ら その一例です。 かにしました(www.worldbank.org/gender参照)。 オランダ政府とノルウェー政府の資金をもとに設置 された世銀の「ジェンダー主流化信託基金」は、ホン 貿易 ジュラスの女性先住民族のキャパシティ・ビルディン グ、タジキスタンの女性企業家の機会拡大、およびア 貿易が生産性を高め、生産性の向上が成長を促進 フリカにおけるジェンダーとHIV/エイズ関連の活動を することは、研究の結果からも明らかです。世銀は経 支援しています。経済政策イニシアティブでは、貿易、 済発展を促進し、途上国にグローバルな機会をもたら 公共セク 競争力、 (囲み3.1参照) ターの縮小といったテーマについて、 す貿易体制の構築に取り組んでいます 。 多数の分析活動が進められています。 約2年前に設置された世銀の国際貿易グループは、 世銀は地方自治体、地域、および国レベルで、ジェ ドーハ開発ラウンドの成功を支援すると共に、国際機 ンダーの平等と女性のエンパワーメントを促進する 関とのパートナーシップを強化して、貿易改革に対す パートナーシップに参加しています。2003年11月、世 るドナー支援の調整と整合性の向上に努めています。 銀は国連機関、国際開発金融機関、および二国間ド 2004年度、世銀の研究部門は貿易の自由化が貧困 ナーと共に、ジェンダーの平等とミレニアム開発目標に に与える影響、開発を促進する多国間・地域貿易協 第3章 テーマ別展望 59 囲み3.1 貿易:国レベルの成果 ていることは、世銀の融資プロジェクトにも反映され ています。たとえば、世銀は「貿易促進イニシアティ 地域レベルの貿易促進活動を補完しているのが、世 ブ」を通して、60カ国以上の130件を超える貿易関連 銀の国別援助活動です。国レベルの活動では、後発開 プロジェクトに参加しています。2003年9月、世銀はメ 発途上国が世界経済に参加する機会を拡大する「統合 キシコのカンクンで開催されたWTO閣僚会議で、新 フレームワーク(IF)イニシアティブ」が重要な役割を しいプログラムを発表しました。これは貿易交渉がも 担っています。ブルンジ、カンボジア、ジブチ、エチオ たらす新しい機会を途上国が確実に捉えることがで ピア、ギニア、レソト、マダガスカル、マラウイ、マリ、 きるように、途上国の貿易関連制度を改革し、貿易障 モーリタニア、ネパール、セネガル、およびイエメン共 壁となっている港湾、道路、税関手続きを改善するこ 和国では、貿易セクターの現状分析が実施されました とを目指したものです。 (マリは完了間近)。また、国内各地でIFワークショップ また、世銀は貿易ロジスティクスの改革と貿易円滑 も開催されました。モーリタニアでは2002年11月、セ 化に向けた機運を高めるために、150以上の国際 ネガルでは2003年6月、ネパールでは2003年11月、マ パー 「輸送と貿易のためのグローバル トナーと共に、 ダガスカルでは2004年1月にドナー会合が開催されまし 貿 易 円 滑 化 パ ートナ ーシップ 」に 参 加して います た。ロシアのWTO (世界貿易機関)加盟の影響を分析 (www.worldbank.org/research/trade参照)。 するいくつかの大規模な研究も最近完了しました。 世銀は独立国家共同体の最貧国を対象に、CIS‑7貿 経済政策 易イニシアティブを実施しています。このイニシアティ ブは貿易、統合、および競争力に重点を置き、輸出と 2004年度の世銀の経済政策活動の中心となったの 投資を促進するための技術支援を提供するものです。 は、いずれも成長に関するテーマでした―具体的に 重要な分析活動は中央アメリカ (中央アメリカ自由貿易 いえば、経済成長と雇用戦略、経済成長を促進する 協定の参加国)、カリブ諸国、ドミニカ共和国、ケニア、 技術革新、財政改革が成長と雇用に与える影響、成 ナイジェリア、パキスタン、タジキスタン、およびウクラ 長の持続可能性と債務・ボラティリティ問題、地方自 イナでも進められており、その他の国でも間もなく開始 治体の財政と成長と雇用、そして統合政策分析とマ される予定です。 クロ経済分析ツールです。 世銀の経済政策グループは、財政の持続可能性、 租税支出、ボラティリティと危機の管理、および地方自 定、国際規格が貿易の量とパターンに与える影響、 治体の財政改革に関するハンドブックを作成したほか、 (通信、港湾施設、国際輸送 およびインフラサービス 官民交流と技術革新、賃金と雇用と成長、貿易特区 など)の自由化とその影響を分析しました。貿易関連 と成長、競争力と成長、および財政改革と成長に関す の報告書も作成されま 「農業とWTO」 した。 「貧困層 、 る報告書を発表しました(www.worldbank.org/poverty の知識:途上国の知的財産の促進」はその一例であ 。 参照) り、このほかにも地域レベル、または地域横断的な貿 「開発政策レビュー」や「カントリー・エコノミック・メ 易問題に関する報告書が作成されました。 モランダム」といった現状分析報告書も、引き続き途 世界銀行研究所はキャパシティ・ビルディング活動 上国の開発努力を支援しています。こうした報告書に の一環として、規格、貿易円滑化、およびサービスに は各国の開発優先項目や、セクターと貧困削減の関連 関するコースを新設しました。世銀はベトナムのWTO 性が包括的にまとめられています。2004年度はカーボ (世界貿易機関)加盟、ドーハ交渉、およびアフリカ諸 ヴェルデ、エクアドル、インドネシア、マレーシア、ネ 国の貿易政策の立案を支援したほか、アフリカ地域 パール、フィリピン、セーシェル、スリランカ、チュニジ に対するプログラムを継続し、この地域の研究者を支 ア、およびウガンダで「開発政策レビュー」が実施され 援しました。 ました。 途上国の開発アジェンダで貿易の重要性が高まっ 60 世界銀行 年次報告 2004 人々への投資 インドネシアの農村部では、教育プロジェクトの結果、貧困世帯の子供たちが学校に通うことができるようになりました。 世界では今、サービスに投資をし、貧困層が「貧困の させるという目標に向けて、各国の取り組みに弾みをつ サイク を抜け出す機会を提供する ル」 ことが、かつてない けるために設置されたのが (万人のための教育) 「EFA ほど重要となっています。世銀は保健・医療や教育をはじ ファースト・トラック・イニシアティブ 」 (FTI) です。スター めとする主要サービスに投資をした途上国が、高い投資 トから20カ月で、FTIは政策改革を加速させ、ドナーの 効果を手に入れられるよう、最大限の支援を提供してい 協調を促進し、追加資金を動員して、最初の7対象国に ます。また、児童と青年、障害者、危機的状況にある 対する援助資金を倍増させました。しかし、最も重要 人々など、弱い立場に置かれた人々を保護するサービス なのは、EFAの過程で発生する問題を解決するための の強化にも努めています。ミレニアム開発目標 の (MDGs) グローバルなフレームワークが構築されたことです。 達成を加速する国際パートナーシップから、地域社会と家 2003年11月にはオスロでFTI会合が開催され、世銀、ド 庭に恩恵をもたらす国別プログラムまで、世銀はどの活動 ナー、および借入国の代表者が集まり、FTIの対象を条 においても人間を第一義に考えています。 「触媒基 件を満たすすべての低所得国に拡大すること、 金」を設置し、世銀の管理下に置くことで合意しました。 この基金(当初の資金は2億5000万ドル)は十分なド 教育 ナー支援を得ることのできない途上国に、適切な政策 途上国が教育制度を確立し、貧困を削減し、21世紀 を導入するための初期資金を提供する予定です。 の知識経済に対応できるよう支援することは、世銀の基本 世銀は初等教育の完全普及の達成を加速させるだけ 的目標の一つです。2015年までに初等教育を完全普及 でな(こ く こにはHIV/エイズが途上国の教育制度に与えて 第3章 テーマ別展望 61 HIV/エイズ対策 兼スポンサーとして、その他の国連機関と密接に連携しながら、 国、地域、および世界レベルのHIV/エイズ活動の強化に取り HIV/エイズの流行が始まって以来、世界では6000万人以上 組んでいます。国レベルでは政策対話に積極的に参加すると がHIVに感染し、2000万人以上がエイズによって死亡しました。 共に、各国が債務削減によってHIV/エイズ対策の資金を確保 2003年の新規感染者数は世界全体で500万人に上ると見ら できるよう、 (貧困削減戦略文書) PRSP (重債 プロセスとHIPC れ、 (成人と子供の合計) 現在の感染者数 は3800万人に達して 務貧困国) イ ニシアティブへの参加を促進しています。 います。感染者の95%以上は途上国の人々であり、子供を除く 一方、世銀の「グローバルHIV/エイ は、 ズプログラム」 世銀の と新規感染者の約半数は15歳から24歳の若者です。 HIV/エイズ対策をセクター横断的な立場から支援すると共に、 エイズは幸福な暮らし、社会経済の進歩、社会の一体性を 「グローバル・サポートチーム」 を通して、UNAIDSパートナーのモ 損なうだけでなく、国家の安全保障をも脅かしています。多くの ニタリング・評価活動をリードしています。このチームは途上国や 途上国では、エイズの流行によって過去数十年の開発成果が さまざまなドナーと協力しながら、各国のモニタリング・評価能 水泡に帰し、数百万人の子供たちが孤児となりました。世銀は 力の向上に努め、同一国内に複数の報告システムが乱立する HIVの蔓延が開発に深刻な影響を与えていることをふまえ、 ことがないよう、ドナー間の調整をはかっています。 HIV/エイズを開発アジェンダの中心に据えました。 世銀は主立った関係者と協力して、抗レトロウィルス療法の 世銀はHIV/エイズの予防、ケア、治療、および蔓延抑制活 普及にも取り組んでいます。その一環としてこのほどテクニカル 動に対する世界最大の資金供給団体の一つであり、国、地域、 ガイド「HIV/エイズとの戦い:意思決定者のための医薬品と補 および準地域レベルでさまざまなプログラムを実施しています。 給品の調達ガイ を完成させ、 ド」 国連諸機関の承認を得ました。 1990年以来、世銀はHIV/エイズと戦うために、世界中のエイズ また、 「治療加速プロジェクト」に6000万ドルのグラントを提供し 関連プログラムに合計24億ドル以上のグラントと融資を承認し ました。このグラントをもとに、ブルキナファソ、ガーナ、およびモ ました。最貧国にはIDAグラントを提供し、政府がHIV/エイズプ ザンビークでは包括的なエイズ治療を普及させるための、画期 ロジェクトの費用を借入資金ではなく、グラントでまかなうことが 的な官・民・シビルソサエティパートナーシップが試行される予 できるよう配慮しています。2004年度は9つの国、1つの地域、 定です。 および2つの準地域に対して、合計12件のHIV/エイズプロジェ 世銀は途上国が質の高いエイズ治療薬を低価格で購入でき クトが承認されま (HIV/エイ した ズ関連のコンポーネントを持つプ るように、 (UNICEF) 国連児童基金 、 世界エイズ・結核・マラリ ロジェクト 。承認総額は3億8100万 を含む) ドルでした。なお、こ ア対策基金、およびクリントン財団とパートナーシップを結びま のうちの12件はIDAグラントでした。アフリカ地域とカリブ海地 した。この医薬品協定により、患者一人につき年間150ドルか 域は2001年以来、国または準地域レベルのHIV/エイズ活動の ら400ドルを節約でき、より多くの患者に治療の機会が開かれ 実施費用とし 「多国間エイズ・プログラム て、 」 (MAP)から約12 る予定です。また、診断検査についても、協定に基づいて最大 億ドルを受け取っています。アフリカ地域では現在、MAPの基 80%の値引きが可能になる予定です。 準を満たしているすべての国がMAPの支援を受けているか、支 世銀のHIV/エイズ活動は、これまでにないほど目覚ましい成 援を申請中です。カリブ海地域では2004年度末時点で7カ国と 果を上げ始めています。HIV/エイズはすでに世銀の開発アジェ 1地域のプログラムがMAPの支援を受けています。 ンダの一部となっており、エイズ関連の活動は保健・医療以外 世銀は資金面だけでなく、プロジェクトの実施面でも主要な のセクタープロジェクト(教育、インフラ、輸送、 に 水と衛生など) 援助提供団体となっており、 (特に受託者責 途上国に専門知識 も組み込まれるようになっています。国際社会では、世銀はHIV/ 任に関する を提供したり もの) 、グッドプラクティスと教訓の共有 エイズ分野の代表的な援助団体として、またエイズ対策の新し を促進したり、国レベルの学習活動に資金を提供したりしてい い潮流を生み出す存在として、重要な役割を果たしています ます。世銀は国連合同エイズ計画 の共同設立機関 (www.worldbank.org/aids参照) (UNAIDS) 。 いる打撃に対応することも含まれます) 、 途上国が国際競 世銀の援助は分析・助言活動、または融資という形で 争力を高めることができるよう、高度なスキルの習得も支 提供されています。2004年度は分析・助言活動が前年比 援しています。 20%で増加し、融資総額は16億8000万ドルに達しました。 62 世界銀行 年次報告 2004 「総合農村開発プロジェクト」 1974年頃。マリのキタ地区に近い村では、 の一環として、読み書きを教える野外学級が開催されました。 このうちの5億1500万ドルは50件の非教育プロジェクトの 心的なテーマとなりました。この分野の新規プロジェクトに 教育関連コンポーネントに対して提供されたものです。こ 対する融資総額は5億4600万ドルでした。子供の保健・ の種の統合型プロジェクトが着々と増えていることは、途 医療、栄養、および人口と、性と生殖に関する健康につい 上国の貧困削減プログラムや、脆弱性、保健・医療、民 てのプログラムには6億3000万ドル以上の支援が提供さ 間セクター開発、および公共セクターガバナンスに関するプ れ、HIV/エイズなどの伝染病対策には3億7900万ドルが ロジェクトに、教育の視点が確実に組み込まれていること 提供されました。世銀は傷害や非伝染性の疾病が保健 を示しています。 と経済に与える影響も重視しており、この分野に対する新 世銀は改革意識の高い政府を積極的に支援していま 規融資総額は3億1500万ドルに上りました。 す。たと 「イ えば、 ンド初等教育プロジェクト」では5億ドル ドナー 2004年1月、 と借入国はジュネーブで開催された のIDA融資がわずか9カ月間で消化され、セクターワイドア 世銀と世界保健機関 (WHO) のハイレベルフォーラムに参 プローチを導入したことにより、蓄積したドナー資金を共 加し、保健・医療関連のMDGsの達成を加速する方法 同で管理したり、報告・モニタリングの方法をドナー間で (MDGsと貧困削減戦略文書の連携強化など) について 共通化したりすることが可能となりま (www.worldbank. した 意見を交換しました。たと 「第2次タ えば、 ンザニア保健・ 。 org/education参照) 医療セクタープロジェクト」では、国レベルのプログラムと セクターレベルのプログラムで、同じ保健・医療指標が用 いられています。また、このプロジェクトはその他の重要な 保健・医療、栄養、および人口 阻害要因―たとえば、HIV/エイズと移住による人材の喪 保健・医療、栄養、および人口分野の活動の中心と 失と流出、未開発地域に保健・医療従事者を派遣する問 なっているのは、疾病、栄養不良、および多産による貧困 題などにも取り組んでいます。 の拡大を阻止することです。グッドプラクティスを導入し、 世銀は保健・医療サービスを貧困層に確実に提供する 効果的な保健・医療サービスを提供することは、途上国 ために、アフリカ、東ヨーロッパ、およびラテンアメリカで実 が貧困の悪循環から抜け出すための条件であると同時 施された数十件の介入事例を検証し、ベストプラクティス に、一部のMDGsにとっては、その核心を成すものです。 を探りました。その結果、貧困層を対象としたイニシア また、健康の増進と栄養状態の改善は、生産性の向上、 ティブ(一次医療の改善、医療従事者の立ち会いのもとで 所得の増加、そして経済成長につながります。 の多く の出産など) は目的を達成できていないものの、そ 保健制度の有効性は、2004年度においても世銀の中 の他のイニシアティブは良好な成果を上げていることが分 第3章 テーマ別展望 63 囲み3.2 根本的問題としての障害 保護政策は、投資環境を改善し、経済成長、所得、およ び貧困にプラスの影響をもたらします。ソーシャル・セーフ 現在、途上国では約4億人の障害者が生活しています。 ティネット 保健 は貧困を緩和し、 ・医療と教育を促進します。 障害者の数がこれほど多い理由としては、栄養不良、危険 世銀が支援する社会基金と公共事業プログラムは、途上 な労働・生活環境、適切な医療を受ける機会の不足、不 国の道路、学校、および保健・医療施設の改善に貢献し 衛生、障害の原因に関する情報の不足、戦争、紛争、自 ました。高齢者、障害者、孤児、過酷な労働を強いられ 然災害などが考えられます。障害は教育や公共サービスの ている児童など、弱い立場に置かれている集団を保護す 利用を妨げ、所得を得る機会を奪うことで貧困を悪化させ るための介入も行われま (囲み3.2参照) した 。2004年度は ます。こうした悪循環は障害者本人のみならず、その家族や 社会的保護分野のプロジェクトに対し、16億ドルの新規融 地域社会全体にも影響を及ぼすことが少なくありません。 資が承認されました。そのうちの77%はリスクの予防と緩 世銀は障害者に開発関連のトレーニングを提供し、彼ら 和を目的とする (年金、 もの 失業保険、 、 社会基金) 残りの が他の障害者や家族のエンパワーメントに貢献できるように 23%は貧困世帯の危機対応能力を高めるもの (ソーシャ するインドのプロジェクトを支援しています。このプロジェクト ル・セーフティネット で の運営) した。 の目的は、障害者が利用できるサービスを拡大し、障害予 2004年度も複数の国で、リスク、脆弱性、およびソー 防活動を促進する制度を構築することで、障害者に対する シャル・セーフティネットに関する評価が実施され、貧困評 偏見を減らし、障害者の社会的、経済的地位を高めること 価に脆弱性に関する視点が盛り込まれるようになりました。 です。世銀はすべての融資プロジェクトにおいて、調達やプ こうした分析活動では途上国が直面している主要なリス ロジェクトの設計段階から、障害者のニーズに配慮すること クと、そうしたリスクを管理するために政府が導入している を決定しています (www.worldbank.org/disability参照) 。 政策手段を比較することによって、起こり得る危機を予 防・緩和できない、またはそうした点に十分配慮していな かりました。たとえば、ガーナとザンビアでははしかの予防 いプログラムが特定されました。こうした情報は政府介入 接種キャンペーンが高い効果を上げ、カンボジアの農村 の有効性を高めるために利用されています。たとえば、エ 部では政府が保健・医療制度の運営をシビルソサエティ チオピア政府は国内の脆弱性を削減するために、世銀 組織に委託した結果、貧困層が利用しやすい医療サー をはじめ開発パートナーの援助を得ながら、緊急人道 ビスが提供されるようになりました。 援助に全面的に依存した体制から、生産的で保護的な アルゼンチンは「妊産婦と子供のための健康保険プロ セーフティネッ (www.worldbank. トへの移行を進めています グラ を通し ム」 て、貧しい母子の緊急ニーズに対応してい 。 org/sp参照) ます。この融資は革新的なマッチングメカニズムを用いて、 9つの最貧困州の先住民族に連邦予算からグラントを提 児童と若者に対する取り組み 供するものです。また、財団や二国間ドナーと協力して、ナ イジェリアとパキスタンにはポリオの予防費用を、中国には 2004年度の世銀の優先項目の一つは、児童と若者が 結核の予防・治療費用を低金利で融資する革新的なプロ 国際開発課題に関する政策対話に参加し、国家や地域 ジェクトも実施されました 。 社会の意思決定に参画する機会を提供する (www.worldbank.org/hnp 参照) ことでした。 国別援助戦略 、 (CAS) (PRSP) 貧困削減戦略文書 、 およ びその他のプロジェクトに関する話し合いの場で、若者が 弱い立場にある人々の保護 意見を述べることができるよう、世銀は開発活動に若者を 自然災害、人為災害を問わず、危機は貧しい人々から 「新しい声イ 直接参加させる ニシアティ を立ち上げま ブ」 し 安全、財産、および収入を奪い、貧困世帯に破壊的な影 た。2003年9月にパリで開催された「若者・開発・平和 響を及ぼします。貧困世帯の脆弱性を緩和するために には、 会議」 世銀とユース団体の代表者が集まり、若者の は、個人、家族、および地域社会のリスク管理能力を高 参画を拡大するための5つの重要分野として、教育、雇用、 め、慢性的な貧困に陥っている人々に社会的保護施策を 高リスク行動とHIV/エイズ、紛争と平和、そして参加とエ 提供することが不可欠です。持続可能で的を射た社会的 ンパワーメントを選択しました。 64 世界銀行 年次報告 2004 持続可能な開発 持続可能な開発は貧困削減の中核を成すもので 農業と農村開発 す。世銀の政策は環境的、社会的に統合されたアプ ローチに基づいて策定されており、農業セクターと貧 2004年度の農村開発融資の約45%は南アジアとア 困層の70%が暮らす農村部は、重点分野の一つと フリカ地域に対するものでした。南アジア地域には約 なっています。 4億9000万人の貧しい人々が暮らしています。2004年 世銀報告書「新世紀に向けた責任ある成長:社会、 度は農業関連の融資が増えました。今後2年間は農 生態系、および経済の統合」には、技術革新、天然資 業、森林、および農村給水に対する融資が大幅に増 源管理、社会的均衡といった将来の課題に対する世 加する見込みです。 銀の長期戦略がまとめられています。この戦略を推進 農村開発戦略文書「農村部の貧困層への対応」は、 するために、世銀は途上国が地球規模の問題に適切 農村部における世銀の活動に大きな影響を与えまし な方法で対処できるよう、水不足、気候変動、農村成 た。この戦略は農村開発をセクター横断的な活動と位 長、社会開発といった課題に関して、各国の状況に合 置づけており、世銀職員は部門の枠を超えて、途上国 わせたアプローチを導入しています(www.worldbank. の農村開発に取り組んでいます( www.worldbank. org/sustainabledevelopment参照)。 org/ruralstrategy参照)。 途上国では、農村部の貧困層が国家の農村開発戦 略の策定に参画するようになっています。これまでに 11カ国が参加型プロセスを用いて人間本位の国家農 スリランカの村で、太陽光発電によって店に明かりがともりました。 第3章 テーマ別展望 65 環境 今年、世銀の環境戦略は3年目を迎えました。世銀 は生活の質の向上、成長の質の改善、地域および世 界の共有物の保護という重要目標に向けて、着々と 歩みを進めています。世銀はミレニアム開発目標の環 境 関 連目標 の 達 成 にも献 身 的 に 取り組 んで おり、 2002年の「持続可能な開発に関する世界サミット (WSSD)」で確認された国際合意を遵守しています (www.worldbank.org/environmentstrategy参照)。 貧困と環境 世銀は貧困削減と環境の関係に取り組んだ政策・ こう 制度改革を支援しています。 したプロジェクトには、 長期的な改革計画を支援するために開発された、新 しいプログラム的融資手段が活用されています。た とえば、ウガンダでは「第3次貧困削減支援プロジェク ト」を通して、水と衛生サービスの質が高まり、多くの 貧困層がこうしたサービスを利用できるようになりまし た。環境目標は貧困削減戦略文書 と国別援 (PRSP) 助戦略(CAS)にも盛り込まれています。これは開発 援助や途上国の行動が環境に影響を及ぼしているこ (ケニア) 1965年頃。ラガティ の農園で農民が茶葉を摘んでいます。 ケニアでは2件の世銀融資と3件のIDA融資により、茶葉栽培地域の農 とをふまえ、そのプラスの影響を拡大することを目指 業開発と道路整備が進みました。 したものです。 村開発戦略を完成させました。現在は世銀の支援を 分析活動とセクター横断的な活動 得ながら、約10カ国(バングラデシュ、エチオピア、 途上国政府との環境対話を促進するために、世銀 インド、ケニア、フィリピンなど)が水資源援助戦略の はさまざまな分析活動を行っています。2004年度は 策定に取り組んでいます。 (例:バングラデシュ、 「国別環境分析」 コロンビア、エ 世銀の農村融資の3分の1を占めているのは農村イ チオピア)「戦略的環境評価」 、 (例:マリの「マクロ経 ンフラに対する融資です。インフラは農業セクター活 済に対する気候の影響の分析」)「環境モニター」 、 性化の要となるものであり、農業の生産性を高めるこ (例:カンボジア、タイ)、および「エネルギー環境レ とは、農村部の経済成長を促す条件でもあります。世 (例:ルワンダ、 ビュー」 を実施しま トルコ) した。途上 銀は国際農業研究協議グループ との協調 (CGIAR) 国の政府はセクター横断的な活動に主体的に取り組 関係を強化し、最新の適応技術を取り入れて、農業 むようになっており、水と衛生、運輸、都市、エネル 生産性の向上に努めています(www.cgiar.org参照)。 ギー、農村開発といったセクターでは、セクター間の 先進工業国と途上国の政府に対しては、より開放的 関連性が強まっています。 な農業貿易体制を構築し、貿易歪曲的な農業補助金 を削減するよう、引き続き働きかけています( www. 環境融資 worldbank.org/rural参照)。 2004年度は新たに67件の環境関連プロジェクトが 承認されました。融資総額は新規融資全体の約6.5% に相当する13億ドルでした(2002年は4.7%、2003年 66 世界銀行 年次報告 2004 は6%)。環境関連融資の例としては、ブラジルの「第 囲み3.3 開発におけるカーボン・ファイナンスの有 1次プログラム的環境保護改革融資」とイランの「給 効性 水・衛生プロジェクト」があります。 気候変動を緩和するクリーン技術投資の分野では、 環境効果 カーボン・ファイナンスの有効性に注目が集まっていま 世銀の国別プロジェクトとグローバル・プロジェクト す。途上国は質の高い炭素排出削減と引き換えに、開 は、環境分野で相乗効果を発揮しつつあります。世 発資金、技術ノウハウ、および持続可能な開発を実現 銀は地球環境ファシリティ 、 (www.gefweb.org) モントリ するためのクリーン技術を手に入れることができます。 オール議定書、および世銀のカーボン・ファイナンス事 世銀は「実地学習」と的を絞った技術支援を通して、途 業 を通して、地球規模の環境問題に貢 (囲み3.3参照) 上国が排出権取引という新しい市場に参加できるよう 献しています。世銀はGEFの実施機関であり、土壌劣 支援しています(www.carbonfinance.org参照)。 化と残留性有機汚染物質という2つの新分野でプロ カーボン・ファイナンス事業には多数の民間企業も ジェクトの立案に取り組んでいます。また、世銀は生 参入しています。民間企業の参加は再生可能エネル 物多様性プロジェクトに対する最大の資金提供機関の ギー投資を促進するだけでなく、世銀の融資がおおむ 一つでもあり、2003年9には に参加し、 「世界公園会議」 ね終了した後に、途上国が収益源を確保し、活動を長 他の参加機関と共に、保護地域の管理に現地住民を 期にわたって維持する助けとなります。 「生物多様性条約」 統合し、 を遵守することの重要性を カーボン・ファイナンス関連の基金としては、政府と 訴えました( www.worldbank.org/montrealprotocol 民間の資金をもとに設置された「プロトタイプ炭素基金 。 参照) (PCF)」、規模の小さい貧困国を対象とした「コミュニ ティ開発炭素基金」、植林や土壌に関するプロジェクト 世銀内部の環境対策 に適用される「バイオ炭素基金」、および民間セクター 世銀は「環境・社会・持続可能性イニシアティブ」 からも出資を募って、オランダやイタリアなどの先進工 を通して、社会的責任の遂行に取り組んでいます。こ 業国が提供している基金があります。これらの基金が管 のイニシアティブの目的は、世銀の施設や管理・業務 理している資金の総額は4億2000万ドルに上り、承認 部門の調達活動が環境に与える影響を改善すること 済みまたは準備中のプロジェクトに提供されている資 で す( www.worldbank.org/ess; www.worldbank.org/ 金は約3億5000万ドルに達しています。 environment参照)。 の内容に関する協議が世界規模で進められています。 社会開発 2004年度は地域社会主導型開発の拡大に重点が置 社会開発はミレニアム開発目標を達成するための基 かれました。国別プログラムには地域社会主導型開 本条件です。世銀報告書「世銀プロジェクトにおける 発のアプローチが統合されるようになり、プログラム (業務評価局) 社会開発:OED レビュー」は、社会的側 の設計と影響に関する分析調査がすべての地域で実 面に配慮したプロジェクトは、そうでないプロジェクト 施されました。現在は地方のガバナンス、特に地方 よりも開発効果が高く、持続可能性に優れ、効果的な 政府と地域社会組織の連携の強化に重点が置かれて 制度を構築できる可能性が高いと述べています。世 います。 銀はこの報告書の提言をもとに、戦略文書「世界銀行 世銀は「紛争分析フレームワーク」を開発し、世銀 の業務における社会開発:成果と今後」の草案を作 が融資するプロジェクトの紛争対応能力を高めていま 成し、今後の優先項目を明らかにしました。この文書 す。世銀は紛争の影響を受けた地域のシビルソサエ は世銀が融資するプロジェクトやプログラムに社会的 ティと協力する方法も開発しています。また、紛争と 持続可能性の原則 をよ (統合力、結合力、説明責任) 天然資源管理の関連性を分析し、紛争地域に地域社 りよく取り入れる方法を提案しています。現在は草案 会主導型開発のアプローチを取り入れ、紛争後ニー 第3章 テーマ別展望 67 ズを分析するためのガイドラインを作成しています。 セーフガードに関するレビューとクリアランスのプロセ 紛争の影響を受けた国に対しては、貧困削減を効果 スを世銀の業務に取り入れるために、環境や社会に 的に進めるために、貧困削減戦略の策定過程で紛争 与える影響とリスクが中程度、または低いプロジェク (www.worldbank.org/caf参照) 分析を実施しています 。 トの地域レビュー手順を変更しました。また、セーフ 2004年度、世銀の「紛争後基金」は紛争の影響を受 ガードに関する大規模なキャパシティ・ビルディング活 けた国々を支援するために、850万ドル以上のグラン 動を世銀職員と借入国を対象に実施したほか、開発 トを承認しました(www.worldbank.org/conflict参照)。 パートナーとの調和をさらに進めました。 世銀はパー 「貧困・社会影 トナーと連携しながら、 2004年度は「世界先住民族基金」が承認されました (PSIA) 響分析 の実施面と資金面をサポー 」 トしました。 (www.worldbank.org/indigenous参照)。この基金は 現在はオンライン・データベースを通して、各国の社 先住民族組織の開発関連活動に少額のグラントを直 会指標を確認できるようになっています。国レベルの 接提供するグラントファシリティを支援するものとなり 社会分析フレームワークは試験段階にあります。 ます。また、アンデス地域の先住民族の指導者を対 「社会的説明責任の実践コミ 2004年度には ュニティ」 象としたキャパシティ・ビルディングプログラムを実施 が誕生し、知識の共有、ネットワーキング、および世銀 「国連先住民族問題常設会議」 したほか、 の強化に取 プロジェクトにおける社会的説明責任の主流化をテー り組みました(www.worldbank.org/socialdevelopment マとしたワークショップと講座が開催されました。 参照)。 世銀の「質保証・コンプライアンス・ユニット」は、 68 世界銀行 年次報告 2004 インフラ支援 途上国が貧困を削減し、成長を促進し、ミレニアム 開発目標 を達成するためには、 (MDGs) インフラの整 備が不可欠です。しかし、途上国のインフラは貧弱で あることが多く、利用できる人も限られています。イ ンフラを整備するための資金も十分ではありません。 世銀は運輸、給水と衛生、都市サービス、通信、お よびエネルギーの分野でさまざまなインフラサービス を支援しています(第4章「外部評価」参照)。エネル ギーには電力だけでなく、石油、ガス、鉱業、その他 の採掘産業も含まれます。世銀は政策対話と設備投 資を通して、途上国におけるインフラサービスの提供、 改革、および制度構築を支援しています。世銀は技術 支援を補完するものとして、途上国が開発パートナー や民間セクターから資金やその他の援助を得ることが できるよう触媒の役割も果たしています。2004年度に は「インフラ行動計画」がスタートし、インフラ分野に おける世銀の活動はさらに強固なものとなりました。 貧困の緩和、MDGs、および成長 1990年代末にはインフラ投資により、低所得国では 実に2.1%、中所得国でも1.4%貧困が削減されたと推 定されています。給水や衛生などのインフラサービス を改善することは、ミレニアム開発目標(MDGs)に明 記されたターゲットです。また、住宅や情報通信技術 などのサービスを改善することも、明文化はされてい ないものの、潜在的なターゲットの一つです。インフ ラサービスは保健・医療、教育、およびジェンダー関 スリランカの村では、太陽光発電によって店に明かりがともりました。 連のMDGsにも影響を与えています。たとえば、途上 国では清潔な水へのアクセスが改善されたことによ り、子供の死亡率が全体で55%削減されました。道 約1%高まっていたとする研究もあります。ラテンアメ 路の舗装は女児の就学率を大幅に向上させ、2倍に リカに関する最近の研究は、1990年代にインフラ投資 なった国もあります。 が不足していたために、ラテンアメリカ諸国の長期成 インフラは経済成長とも密接に関連しています。開 長率は1〜3%鈍化したと試算しています。プロジェク 発の初期段階、つまりインフラがまだ希少で、基本的 トレベルでみても、世銀のインフラプロジェクトの経済 なネットワークが整っていない時期には、インフラ投 収益率は平均2%でしたが、近年は平均3%になって 資がその国の成長に大きな影響を及ぼします。1980 います。民間セクターが一貫してインフラの欠如を投 年代と1990年代のアフリカに東アジアと同等の通 資の重要な阻害要因に挙げていることを考えると、イ 信・発電インフラがあれば、アフリカの年間成長率は ンフラは投資環境を改善する上でも重要です。 第3章 テーマ別展望 69 アクセス、質、および資金ニーズ 途上国には依然として、インフラサービスへのアク セス、サービス品質、および資金の面で大きな需給 ギャップが存在します。低所得国の農村部では、住 民のわずか2%しか電気の供給を受けておらず、電話 線を引いているのは2%未満です。ほとんどの中所得 国と都市部にも、相当規模のインフラニーズが存在し ます。 アクセスの問題を悪化させているのが、サービス 品質の問題です。ベストプラクティスが導入されてい (経済協力開発機構) るOECD 諸国と比べると、低所 得国のエネルギー損失は2倍、水の損失は4倍、電話 回線の不具合は10倍に達しています。OECD諸国で は道路の80%が舗装されていますが、低所得国では 29%にすぎません。ラテンアメリカの7カ国で実施さ 1955年頃。急成長中の都市カリのライフラインを支えているのは、 803万ドルの世銀融資をもとに建設されたアニカヤダムと発電所です。 れた最近の研究は、公共インフラの質が低いために、 この7カ国ではインフラの効率が先進工業国の約74% にとどまっていると指摘しています。この結果、長期 3.4参照)。 運用コストは実質一人当たり国民所得の約40%に達 「インフラ行動計画」 世銀は の提言を着実に実行し、 することになります。 インフラ開発分野での活動を強化しています。たとえ インフラサービスの質とアクセスを改善するために ば、世銀は以前よりも柔軟なやり方でインフラサービ は、相当額の投資を中期にわたって行う必要があり スの提供を支援し、官民セクターの役割に関する指 ます。現在、途上国には国内総生産(GDP)の約7% 針を提供しています。世銀はこうした指針をインフラ に相当する資金ニーズがあると推定されています(新 サービスごとに作成しており、電力供給に関する指針 規インフラの建設費と、既存インフラの運用保守費の ノートには、電力セクターの改革、効率化、および成 両方を含む)。低所得国の場合、資金ニーズはGDP 長を進める上で、途上国と世銀職員が直面する可能 の9%にまで及ぶ可能性があります。現在、途上国は 性のある問題が、公共セクターに関するものから、民 GDPの平均約3.5%をインフラ投資と運用保守に振り 間セクターに関するものまで網羅してまとめられてい 向けていますが、この試算が正しければ、今後はこ ます(www.worldbank.org/infrastructure参照)。 の割合を2倍に引き上げる必要があります。 2004年度のインフラ分野では、融資と政策助言が 増え、ドナーとの調整も強化されました。また、途上 国に関する知識基盤を最新のものにするために、新 インフラ行動計画 しいインフラ研究「インフラ分野の経済開発に関する 2003年7月、世銀は「インフラ行動計画」に着手しま 最新調査」が実施されました。世銀は改革の成果を した。この計画の目的は、バランスのとれた官民アプ 正確に測定・モニタリングするために、インフラセク ローチを採用し、複数の資金源から資金を調達する ターのパフォーマンス分析を強化しました。さらに、 ことで、インフラサービスを効果的に提供するための その他の国際開発金融機関や二国間組織と協力し 素地を整えることです。この計画をもとに、世銀は途 て、共通の分析・政策プラットフォームを構築しました。 上国におけるインフラ需要の高まりに応え、既存イン 新たにセクター横断的な「インフラ経済・金融局」が フラの有効性と今後のニーズを分析し、世銀の支援 設置され、インフラ支援の手段とアプローチが強化さ 手段とアプローチを強化していくことになります(囲み れました。インフラ経済・金融局はインフラ金融の中 70 世界銀行 年次報告 2004 囲み3.4 インフラサービス提供の革新的なアプローチ カンボジアの「地方・都市周辺地区水・衛生プロジェクト」 は、貧困世帯に水を供給するために、結果ベースの援助ア 2004年度には、革新的なアプローチでインフラサービス プローチを採用しています。このプロジェクトでは、貧困ライン を提供するプロジェク 「南アフ トが誕生しました。たとえば、 を下回っていると認定された世帯に民間事業者が給水設備 リカ地域ガスプロジェクト(SASOL)」は、民間セクターから を提供すると、政府が(IDAグラントをもとに)一定額の補助金 調達した資金をもとに天然ガスを開発し、それをモザン を支払います。補助金は給水設備が実際に提供され、水が ビークから南アフリカに輸出することで、利益を生み出そう 安定して供給されることが確認された後に支払われます。 とするものです。SASOLは世銀グループのプロジェクトで 「南東ヨーロッパ貿易・運輸促進プログラム」は、域内8 あり、IBRDの部分的リスク保証、MIGAの保証、およびIFC カ国の貿易と統合を促進する地域イニシアティブです。そ の投資を得ています。MIGAの保証により、民間スポン のための施策として、このプログラムは貿易と運輸の非関 サーは妥当な条件で商業機関から資金を借り入れることが 税コストを削減し、国境検問所での密輸と汚職を削減し、 できます。IBRDにとって、SASOLは初めてのエンクレーブ 税関やその他の国境管理機関の強化・近代化に取り組んで 保証(IBRDの資金をIDA融資のみ適格の国で用いること) います。 であり、初めての現地通貨(ランド)建て保証でもあります。 心拠点として、リスク緩和手段を強化すると共に、国、 性化するだけでなく、社会・環境セーフガードを取り 州、および市レベルでインフラ開発を支援する方法を 入れ、インフラプロジェクトの質を維持しています。 模索しています。世銀はインフラ分野での活動を活 第3章 テーマ別展望 71 民間セクター開発支援 世銀の「民間セクター開発ネットワーク」の役割は、 活気ある投資環境の構築に必要な規制改革、政策、 および制度能力を明らかにすることです。貧しい人々 が暮らす地域の成長を促進するためには、活気ある 投資環境を構築することが不可欠です。また、研究結 果と経験のどちらに照らしても、成長が貧困削減の鍵 となることは間違いありません。 途上国は1980年代と1990年代に数々の重要な改革 を成し遂げました。しかし、ほとんどの国は成長を根 付かせることができませんでした。当時の改革の中心 となったのはマクロ経済の安定であり、企業の設立 や運営に関する規制の合理化といった、重要なミクロ 経済改革はなおざりにされていました。しかし、法規 制、公的機関、地域の慣行といったミクロ経済要因が、 起業や資金調達、雇用を難しくし、経済成長の可能 性を制限していることを考えると、ミクロ経済改革の 実行は不可欠です。 世銀はミクロ経済条件を改善し、民間セクターの投 資と成長を促すような第2世代の改革を起こすことを 「民間セク 目指しています。 ター開発ネットワーク」は、 最新の調査手法を使って質の高いデータを提供する ことで、このプロセスを支援しています。健全な投資 環境の要件を分析し、その結果を世銀の融資・助言 サービスに反映することができれば、途上国の改革を より効果的に支援することができます。その他の戦略 目標としては、責任ある商慣行と企業ガバナンスの促 進、中小・零細企業の支援、民営化の推進、企業が 商品やサービスを販売して利益をあげることのできる 競争市場の創出などがあります。 民間セクター開発は世銀のさまざまな部門にまたが モザンビークのシャイシャイ市場では、さまざまな農作物が売られて います。 る、セクター横断的なテーマです。民間セクター開発 は融資プロジェクトでも、経済・セクター調査でも重視 されており、国際金融公社 と密接に連携しな (IFC) 改革に関する政府と民間セクターの対話も促進してい がら、世銀グループ全体の民間セクタープログラムを ます。 「民間セク 調整しています。 ター開発ネットワーク」は最 新の調査手法を使って事業環境の制約要因を分析 研究と分析 し、その知識を途上国の政策・制度改革を支援する 国別プログラムに反映することで、世銀グループの民 世銀とIMFの共同報告書「事業環境分析プロジェ 間セクター戦略を推進しています。このネットワークは クト2004:規制の理解」は、5つの重要な指標(事業の 72 世界銀行 年次報告 2004 開始、雇用と解雇、契約の履行、融資の獲得、破産) 囲み3.5 事業環境分析プロジェクト2004 をもとに、133カ国のミクロ経済を分析しています(囲 み3.5参照)。この報告書は世界中で広く報道され、多 「事業環境分析プロジェクト2004:規制の理解」は、世 くの国で改革の機運を高めました。この研究によって、 銀とIFCが実施した画期的な共同研究の成果であり、複雑 規制の数と生産性の間には関連性があることが明ら な問題が一般の人々にも理解しやすいようにまとめられて かになりました(図3.1参照)。 います。この報告書には133カ国の事業環境に関する こうした事業環境分析は国レベルで行われている データが盛り込まれており、途上国の企業活動に影響を 投資環境調査を補完するものです。投資環境調査は 及ぼしている政府の官僚主義に対し、いくつかの重要な 過去3年間に52カ国で実施されており、2005年度には 疑問を投げかけています。たとえば、事業開始までの日数 さらに20件の調査が行われる予定です。事業環境分 を国家間で比較すると、オーストラリアは2日、プエルトリ 析は民間投資を阻害している政策、規制、および制 コは4日、シンガポールは8日ですが、ブラジルは152日、イ 度を特定し、それを企業の業績と関連づけることで、 ンドネシアは168日、アンゴラは210日です。一方、事業開 改革の優先分野を割り出します。調査結果はその他 始までのコストを比較すると、カナダでは一人当たり国民 「投資環境調査」 のデータと共に、 の基礎となります。 所得の1%にも満たないのに対し、カンボジアでは一人当 投資環境調査は事業環境に関する世銀の代表的な国 「事業環境分析プロ たり国民所得の5倍に及んでいます。 別報告書です。2004年度は約26件の投資環境調査が ジェクト2004」は、貧困国は悪い結果(政府の非効率化、 実施されました。調査結果は11カ国の国別援助戦略 汚職の増加、失業率の上昇、 に結びつく 投資の減退) よう (CAS)に影響を与え、アフリカ、東アジア・大洋州、 な規制を企業に課していると結論しています。さらに、この ラテンアメリカ・カリブ海、および南アジア地域では約 報告書は、ベストプラクティスは国境を越える―つまり、先 30件の新規融資プロジェクトの立案に貢献しました。 進工業国で成功した試みは、途上国でも成功する可能性 投資環境調査の結果と事業環境分析の指標は、貧困 があり、途上国で生まれた革新は、その他の地域でも活 削減戦略文書 にも取り入れられています。 (PRSP) 用することができると主張しています。 いくつかの貧困国では事業環境分析と投資環境調 「事業環境分析プロジェクト」は毎年発行されており、 査を機に、政府の合理化が進みました。オランダの経 (土地所有、 2005年版では3つ 企業ガバナンス、 、 営業許可) 済開発局、米国政府のミレニアム挑戦会計、米州サ 2006年版ではさらに3つ(税金、貿易、法と秩序)の指標 ミット、欧州復興開発銀行など、多くの国家機関およ が分析対象に加わる予定です(http://rru.worldbank. び国際機関が事業環境分析の指標を用いて、援助の 。 org/doingbusiness参照) 配分を決定したり、途上国の進捗状況をモニタリング したりしています。IDAは事業環境分析の指標に基づ 図3.1 規制と労働生産性の相関関係 (1000ドル/労働者一人当たり) いて、政策改革のターゲットを定め、これまでに10カ 40 国以上の途上国が有望な改革を成し遂げま 「世 した。 界開発報告2005:よりよい投資環境の構築(仮題)」で 30 は、規制改革にさらなる重点が置かれています。 (FIAS) 「外国投資助言サービス 」は世銀とIFCの共 20 同事業であり、外国直接投資を拡大するための分析 サービスと提言を途上国の政府に提供しています(図 10 3.2は途上国への資金流入額を示したもの)。2004年 度は、政策改革やキャパシティ・ビルディングの分野で 0 約60件の助言プロジェクトが実行されました。途上国 1 2 3 4 (少)  手続きの数  (多)  はFIASの政策提言の約70%を3年以内に導入、また 事業開始までの手続きの数で比較  は部分的に導入しています。たとえば、アルバニアは 出典:世界銀行事業環境分析データベース、 ワシントンDC、世界銀行、   2003。 政府の合理化と汚職の撲滅に関するFIAS提言を導入 、 「世界経済 ・ 社会統計2003」 ワシントンDC。  第3章 テーマ別展望 73 1961年頃。世銀はさまざまな民間産業の発展に寄与してきました。 写真はペルーのパカスマヨにあるセメント工場の様子です。 し、税関手続きの効率化などを進めています( www. 行われ、数々の途上国で政策対話、司法改革、およ fias.net参照)。 びキャパシティ・ビルディング活動の基盤となっていま 2004年度、世銀の「企業ガバナンスユニット」は10 す。エジプト・アラブ共和国はその一例であり、企業 カ国の証券法、企業法、 (経済 および商慣行がOECD ガバナンスに関する提言を取り入れて、上場規則を 協力開発機構)の企業ガバナンス原則に準拠している 制定し、企業役員のための教育機関を設立しました。 かどうかを分析しました。この調査はこれまでに28件 融資、技術支援、および助言サービス 図3.2 途上国への長期資金流入額(純額) 1993–2003年 2004年度、民間セクター開発分野では95件の新規 (単位:10億ドル) プロジェクトに支援が承認されました。承認総額は40 200 億ドルを超えています。こうした数字には、世銀が革 150 新的な融資を通して、投資環境の改革に積極的に取 り組んでいることを示しています。現在、世銀が支援 100 する民間セクター開発関連プロジェクトは488件、融資 総額は160億ドルを超えています。 50 IDAとIFCは複数のアフリカ諸国で先駆的なパイ 0 ロットプロジェクト を開始し、 (2億2500万ドル) 中小企 業の成長を阻んでいる主要な問題に取り組んでいま 250 a 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 す。世銀は投資環境調査の結果などをもとに、ブラジ 政府開発援助  外国からの直接投資  ルに5億500万ドルの構造調整融資を提供しました。 資本市場  このプロジェクトは通関や輸送のボトルネックを排除 a. 推定値。長期資金流入額 (純額)は1年を超える債務の純発生額、 あるいは債務の  当初の満期が1年を超える ものと定義されている。   することで、輸送コストを引き下げ、国内企業の競争 出典:世銀、 「世界開発金融2004」 2004年、 、 ワシントンDC。  力を強化することを目指しています。なお、進捗状況 74 世界銀行 年次報告 2004 の評価には事業環境分析の指標が用いられる予定で 民間セクター対話 す。ナイジェリアでは中小企業育成プロジェクトの設 計を支援しています。プロジェクトの成果は事業環境 投資環境改革が成功したケースでは、企業と政府 分析の指標と投資環境調査をもとにモニタリングされ の対話が重要な役割を果たしました。世銀はこうした る予定です。 対話を世界各地で積極的に推進しており、企業と政 民間セクターに関する研究は、助言サービスと技術 府が複雑な問題について率直に意見を交すことので 支援にも影響を与えています。世銀の「民間セクター きる開放的な環境作りに取り組んでいます。こうした 開発ネットワーク」は、IFCがドナーの支援を得ながら 場 で はし ばし ば 、事 業 環 境 分 析 、投 資 環 境 調 査 、 運営している「プロジェクト開発ファシリテ とも密接 ィ」 FIAS報告書、および企業ガバナンス報告書が配布さ に連携しています。現在は世界各地に10のファシリ れています。ブラジルでは事業環境分析会議をきっ ティが存在し、厳しい事業環境に置かれている小規 かけに、政府に改革を提案する民間セクター団体が 模企業やビジネス関連団体に、状況を好転させるた 誕生しました。新しいジェンダーイニシアティブのもと めの技術支援を提供しています。中国の成都では、 で開催された会議では、13カ国の女性ビジネス団体 世銀の事業環境分析チームが信用調査の国際的なベ の代表者が、規制が女性に与える影響について意見 ストプラクティスを市政府に提供し、この都市の小規 を交換しました。ナイジェリアでは投資環境調査を基 模企業がより多くの融資機会を得ることができるよう 礎に「ビジネス改善イニシアティブ」が始まり、重要な 「外国投資助言サービス 支援しました。 (FIAS)」は事 投資環境政策に関する官民の議論に弾みがつきまし 業環境分析チームとプロジェクト開発ファシリティの支 た。インドでは政策改革の進捗をモニタリングするた 援を得ながら、中国人民銀行と協力して、担保法を めに、民間セクター主導で投資環境の追跡調査アン 改革し、債権者の権利保護を強化するための提言を ケートが実施されました。ガーナ、セネガル、タンザ 作成しています。 ニア、およびウガンダでは、政府と企業の代表者で構 世銀の「民間セクター・ラピッド・レスポンス・ユニッ 成された投資家協議会が活動を開始しました。2004 ト」は、評価の高い知識管理ウェブサイトのリニューア 年にはFIASの援助をもとに、トルコに投資家協議会が ルを行いました。このウェブサイトは世銀の職員、政策 (経済協力開発機構) 設立されました。OECD と世銀 立案者、および改革担当者に政策議論の場と、最新の が設立した複数ドナー信託基金「企業ガバナンスに 研究、データベース、および民営化ツールキットを提供 関する国際会議」は、政策に関する官民の議論を促 しています。このウェブサイトの年間ヒット数はおよそ 進することで、緊急に改善が必要とされている分野の 100万に上っています 。 特定に貢献しています。 (http://rru.worldbank.org参照) 第3章 テーマ別展望 75 健全な金融システムの構築 世銀は長年にわたり、国家が貧困削減と経済成長 することができます( www.worldbank.org/finance )。 を達成するためには、有効で健全な金融システムが 2004年度、世銀はリスクを削減し、健全な金融市場 不可欠だと考えてきました。確固とした開発計画を持 を構築するための重要テーマ(金融セクターガバナン たず、透明性に欠け、適切な規制の存在しない金融 ス、リスク管理、企業の再構築、電子金融とセキュリ システムは、金融危機の影響を強く受ける傾向があり テ について、 ィなど) さまざまな分析調査を実施しまし ます。広範な調査の結果、こうした衝撃や危機の影響 た(囲み3.6参照)。 は貧困層に集中することが分かりました。また、途上 途上国では住民のほとんどが金融サービスを利用 国では金融システムが脆弱であるため、経済成長や できません。世銀は金融サービスの提供状況や、アク エンパワーメントの担い手となる個人や中小企業が金 セスの拡大を阻害している要因を分析するフレーム 融サービスを十分に利用できず、貧困をさらに悪化さ ワークを開発しました。ラテンアメリカ地域ではブラジ せる一因となっています。世銀は金融セクターの強化 ル、コロンビア、メキシコなどの国々を対象に、金融 に3つの方法(知識の形成と普及、国別分析サービス サービスが個人にも提供されているか、各種の金融 の提供、および融資と技術支援)で取り組んでいます。 機関(商業銀行、公庫、小口金融機関、非公式の金融 組織)がアクセスを拡大するためにどんな役割を果た また果たすべきかを分析する調査を実施しま し、 した。 知識の形成と普及 国レベルの調査結果はすでに公開されており、現在 世銀は外部の組織と協力して、金融セクターに関す は国家間の比較分析が進められています。調査は現 る最先端の研究を行い、現場の開発実践者や政府の 在、インドや南アフリカでも実施中です。こうした取り 政策決定者を支援しています。研究成果(報告書と 組みは政策決定者が金融サービスのアクセス阻害要 データ)の大半は世銀のウェブサイトからダウンロード 因を理解する一助となるはずです。 「金融セクター学習プログラム」は、途上国で進め られているさまざまな研究活動を補完するものです。 このプログラムは金融セクターの政策決定者、規制当 局、民間セクターの開発実践者、世銀職員、および学 術関係者に革新的な政策助言と、専門分野を越えた 意見交換の場を提供しています。今年はリスクウォー ターズとの提携をはじめ、数多くのプログラムが実施 されま (リス した。リスクウォーターズは金融サービス ク管理を含む)分野の情報を専門的に提供している 民間企業です。また、世銀は新しいバーゼル合意に 対応した強固なフレームワークの構築にも取り組みま した。新しい合意ではリスク管理の向上、監督機関 の強化、および情報の開示と銀行制度の透明化に重 点が置かれています。 世銀は危機的状況に置かれた国々への支援も拡大 しました。構造的財政問題に関する会議では、政策 1976年頃。バンガロールの時計工場で、熟練工が近代的な機械を整 決定者と学術関係者が過去の教訓を参考にしなが 備しています。この機械はインド工業開発銀行が世銀とIDAの融資を ら、当局のためのハンドブックを作成しました。世銀 もとに提供した外貨で購入されました。 はマレーシア、南アフリカ、チュニジアなどで開催さ 76 世界銀行 年次報告 2004 れた金融機関の債務超過に関する地域セミナーでも、 囲み3.6 電子金融のリスク 先導的な役割を果たしました。このセミナーはスイス のバーゼルで開催された「金融安定化の規制側面に 電子金融は金融取引や商取引のコストを削減する効 関するグローバルセミナー」の成果をふまえたもので、 果的な手段ですが、そこには新たなセキュリティリスク 参加者は中央銀行の法務部門の高官でした。2004年 も潜んでいます。世銀の金融セクター報告書「電子金融 度、世銀は「企業改革イニシアティブ」を立ち上げ、企 の安全性と健全性:新時代の金融セキュリティ」には、 業改革のベストプラクティスを討議するグローバルセ リスクを削減し、新興経済国がこうした新技術の恩恵に ミナーを開催しました。1990年代末の金融危機以来、 浴するための実用的な情報が掲載されています。世銀 企業改革と銀行改革にはつながりがあることが広く はこの報告書をさまざまな場で配布しました。2004年5 「金融セク 認識されるようになっています。 ター学習プ 月17–18日にシンガポールで開催された「電子金融サー ログラム」の 詳 細と今 後 の 活 動 予 定 に つ いては 、 ビスの安全性と健全性に関するアジア太平洋地域会 www.financelearning.orgをご覧ください。 議」はその一つです。この会議は規制当局や政策立案者 2004年度は国際送金の役割にさらなる注目が集ま が電子セキュリティのリスクを削減することができるよ りました。途上国では国外からの送金が重要な資金 う、安全で強固な電子金融プラットフォームを構築し、 源となっています。しかし、国内の金融インフラが脆 他国との連携を強化するための助言を政策立案者に提 弱で、国境を越えた金融取引が容易でないため、正 供しました。 式のチャネルは十分に活用されていません。母国に 送金を行う人の多くは、高い手数料を払って正式の チャネルを利用するか、非公式のチャネルを利用して おり、取引コストは毎年数十億ドルに上っています。 競争を促進し、正式な金融システムへのアクセスを拡 大し、決済インフラを整備することができれば、総コ ストは大幅に削減されます。適切な規制が適用され ている公式チャネルを通して資金が流れるようになれ ば、コストの削減になるだけでなく、透明性も高まり ます。また、こうした措置は途上国の金融セクターを 育み、金融サービスへのアクセスを改善し、国際問題 となっているマネーロンダリングとテロ資金供与に対 する世銀の取り組みを強化することにもつながります。 自然災害が途上国に与える影響は先進国よりも大 きく、また破壊的です。これは途上国のインフラの方 が脆弱で、建築基準が甘く、危機に対処するための ソマリアの両替市場の様子 。 (2002年) 資金や仕組みが十分でないことなどによるものです。 途上国では保険市場が発達していないため、リスクを 国際再保険市場に移転することができません。その 力を強化する一助となっています。世銀はその他の 結果、自然災害リスクの大部分を国内で抱えることに 途上国でも同様のスキームの構築を進め、自然災害 なっています。世銀はこうした問題に対処するために、 管理能力の強化を促進しています。インドでは災害リ トルコ政府と同国の保険業者、および国際再保険業 スク管理に関する包括的な報告書を作成し、インド政 「トルコ災害保険プール」 者と協力して、 を構築し、義 府に提供しました。この報告書は過去20年間に大災 務化しました。これはリスクファイナンスの資金源をあ 害にみまわれた経験のある4州で、地震、洪水、およ らかじめ確保することで、災害発生時に資金や流動 び台風が発生した場合の損失を試算することを主眼 資産にアクセスできるようにするもので、リスク管理能 としています。この報告書はインド政府に対し、災害 第3章 テーマ別展望 77 リスク管理センターを構築し、国・州レベルの災害対 のプロジェクトに対し、合計1500万ドルを提供してい 応・緩和能力を強化すること、このイニシアティブを ます。 機に、公式の臨時金融支援制度(偶発債務や近代的 世銀は安全な投資環境の構築を支援するために、 を整備することなどを なリスク移転の技術導入など) 国家や地域組織のマネーロンダリング防止・テロ資金 提言しました。インド政府は先日、自治省にリスク管 対策(AML/CFT)活動への技術支援を強化しました。 理を担当する部門を正式に設置し、現在は政府高官 こうした支援は世銀とIMFが国際的なAML/CFT基準 が世銀の報告書をもとに、国内の議論を喚起してい の導入状況を審査するために33カ国で実施したパイ ます。 ロットプログラムの結果をもとに実施されたものです。 支援内容としては、法律や規制の内容に関する助言、 金融システムのセキュリティ強化、評価担当者のト 国別分析活動 レーニングなどがありました。AML/CFTに関するウェ 世銀は国際コミュニティの一員として、国際金融構 ブサイトも開設されました。このウェブサイトには世銀 造を強化するための、さまざまなイニシアティブに参 のウェブサイト(www.worldbank.org)からアクセスする 加しています。国際金融構造とは、危機の管理・予防 ことができます。 を促進するフレームワークと制度環境の両方を指しま す。たとえば、1999年に世銀とIMFが共同で設置した 融資、政策助言、および技術支援 「金融セク (FSAP) ター評価プログラム 」は、金融シス テムの強みと脆弱性を明らかにし、危機が発生する 世銀は金融セクターの改革あるいは再構築に関心 可能性を低減することを目指すものです。2004年6月 を持っている途上国に、融資、助言、および技術支援 現在、86カ国が一次審査を受け、そのうちの66件が を提供しています。2004年度の金融セクター改革に 完了しました。現在は20カ国が一次審査の適用を正 対する融資総額は13億ドルでした。融資の対象は決 式に申請しています。 済システムから資本市場、金融セクターの再構築まで、 構造上重要な国、すなわち国内の金融危機が他国 多岐にわたりました。たとえば、西アフリカ地域では に波及する可能性のある国では、ほぼFSAPが完了し 地域金融市場の制度能力を高めるプロジェクトに融資 (途上国グループ) ています。ここにはG‑20 の半数以 が提供されました。世銀の技術支援とIDA融資をもと 上が含まれます。現在、FSAP対象国の中心となって に、このプロジェクトは規制フレームワークと地域組織 いるのは途上国の中でも特に貧しい小国と移行経済 の資本市場運営能力を強化しました。西アフリカ経 国です。一次審査は約17カ国で予定されていますが、 済通貨同盟諸国の統合を促進するプロジェクトにも中 今後は再審査とデータの改訂が中心となる予定です。 長期資金が提供されました。また、政治リスクを削減 また、世銀は複数のドナーと共に、FSAPやその他の する手法を開発し、西アフリカ諸国の中小規模のイン プログラムに技術支援のフォローアップを提供する フラプロジェクトが、商業銀行から長期融資を獲得す 「金融セクター改革強化イニシアティブ」を設置しまし ることができるよう支援しました。 た。このイニシアティブはこれまでに世界各地の89件 78 世界銀行 年次報告 2004 法制度の整備 貧困を緩和するためには、有効な法的フレーム の支援を拡大する一助となりました。また、世銀は ワークと法制度を整備することが不可欠です。この認 IMFおよび国連国際商取引法委員会と共に、債務超 識に基づき、世銀、借入国、国際金融機関、二国間ド 過と債権者の権利に関する統一基準の普及にも取り ナー、およびシビルソサエティ組織は法治の強化に高 組んでいます 。 (www.worldbank.org/gild参照) い優先順位をつけています。 世銀は2004年度も投資環境の改善と法治の強化に 世銀の法務担当副総裁室は、他の部局と密接に連 取り組み、さまざまな国の法律・司法セクター改革を 携しながら、法制度の近代化を目指す途上国への支 評価し、関連プロジェクトを実施しました(囲み3.7参 援を拡大しています。こうした取り組みを強化するた 照)。こうした評価は問題点を明らかにするだけでな めに、世銀は複数のドナーが参加するグラントファシ く、借入国との対話や、この分野におけるドナー支援 リティ「法律改革信託基金」の設置を検討しています。 の調和化を促進するものとなっています。通常、世銀 この信託基金は知識の共有と蓄積、研究、キャパシ とドナーは評価結果をもとに、健全な投資環境を構築 ティ・ビルディング、法律教育、および法律の近代化に するための法律・司法改革に支援を提供しています。 取り組んでいるシビルソサエティの活動を促進するも モロッコでは世銀が支援した法律・司法開発プロジェ のとなる予定です。法治を促進する法律・司法改革 クトによって、商業裁判所と登記所が強化され、多く 「制度構築基金」 は、 グラントの優先支援分野でもあり の近隣諸国の注目を集めました( www.worldbank. ます。 。 org/ljr参照) こうした取り組みの一環として、世銀は過去の教訓 を取り入れながら、法律セクターの近代化戦略を慎 貧困の緩和と法律 重に策定しています。この戦略の目的は、法制度を整 備することにより、途上国の開発を測定可能な形で進 世銀は司法セクターが貧困層に配慮しているかど 展させることです。 うかにも重点を置いています。インドネシアでは世銀 が支援した「貧困層のための正義プログラム」によっ て、地域社会主導の法改革戦略が作成されました。 法の強化による投資環境の改善 投資環境を改善するために、世銀は国際金融構造 の強化を支援しています。世銀は「債務超過と債権者 の権利に関する効果的なシステム構築のための原則」 この原則に沿って約25カ国を評価しま を作成し、 した。 この評価は世銀とIMFが共同で実施したもので、結果 は「国際基準の遵守状況に関する報告書(ROSC)」に まとめられています。世銀はこれらの評価をもとに、8 カ国に技術支援を提供しました。また、75カ国以上を 網羅したオンライン・データベース「債務超過に関する 世界の法律のデータベース」を構築し、知識分野の支 援を拡大しました。OECDをはじめとするパートナー と共同で開催した「債務超過に関するラテンアメリカ モーリタニア東部の村アイウン・エル・アトラスの女性たちが、イン 、韓国で開催した 会議」 「第3回債務超過改革に関する ターネットを見ながら、首都ヌアクショットの伐採業者から先住民族の 森林資産を守る権利について学んでいます。 といった地域レベルの会議も、知識分野 アジア会議」 第3章 テーマ別展望 79 囲み3.7 イラクの法環境の改善 この戦略のもとになったのは多数の事例研究です。こ うした事例研究は多くの人が差し迫った紛争を迅速 軍事紛争のさなかにある国や紛争後諸国では、良好 に、安価に、かつ円滑に解決するためには、正規の な投資・財政環境を構築することがきわめて困難です。 裁判所よりも非公式の村裁判所の方が有効だと考え 2004年度、世銀はさまざまな紛争後地域の業務、国際 ていることを示しています。多くの紛争には汚職が関 および制度に関する問題に法的支援を提供しま 法、 した。 わっています。村裁判所は少数の例外を除くと、ほと また、国際通貨基金(IMF)や国連と連携し、国連安全 んどの紛争を解決することができていません。これは 保障理事会、現行のイラク法、および連合国暫定当局 汚職に関与している人々が、住民よりもはるかに大き (CPA)の施策の枠内で、世銀がイラクの復興開発に果 な力を持っているためです。村裁判所が紛争を解決 たし得る役割を模索しました。その一環として、世銀は することができたのは、地域社会の指導者が住民の イラクの官民セクターのキャパシティ・ビルディングに取 声に耳を傾け、シビルソサエティと連携し、外部機関 り組んでおり、イラクの法律家に建設、ビジネス、およ から強力な支援を得ることができた場合だけでした。 び金融関連の契約書を作成・交渉する方法を教えてい こうした教訓は他国の司法セクターに対する援助戦略 ます。 にも活かされています。 たとえば、カンボジアの「第2次土地管理・運営プ ロジェクト」は、土地紛争で不利な立場に置かれてい る人々に法的援助を提供し、土地登記が明確なルー ルに基づいて行われるよう支援しています。世銀は ドイツ技術協力公社と共に本プロジェクトを支援して います。このプロジェクトは国土省が管轄する土地調 停委員会の調停システムを強化するもので、カンボジ アではこのシステムを通して、国家委員会が対立す る主張に最終決定を下しています。村裁判所に比べ ると、紛争当事者にとっても利用しやすい仕組みと なっています。 農村部の貧困層の多くは、自らの生活に関係する法 律文書を、理解できる形で入手することができません。 モーリタニアのあるパイロットプロジェク 「制度構 トは、 築基金」のグラントをもとに、この問題の解決に取り組 んでいます。このプロジェクトは法律の正文をアラビ ア語とフランス語に翻訳し、インターネット上に掲載し ています。最近では、放牧地や樹木などの天然資源 の所有権を、僻地の住民に返還することを定めた新 しい牧畜法の内容が掲載されました。インターネット にアクセスできる人々は、掲載された法律の要点を、 文字を読むことのできない住民に詩や絵文字を使っ て伝えています。こうした革新的なプロジェクトは、地 域住民が自分の生活に関係のある法律にアクセスで きるようにすることで、人々のエンパワーメントに貢献 しています。 ウルンジ(南アフリカ)近郊の部族法廷には、食糧不足の問題も持ち込 まれます。 80 世界銀行 年次報告 2004 よう、女性を対象とした法律関連の知識教育とトレー ジェンダーの平等への対応 ニングを実施しました。 2004年度、世銀はジェンダーの平等と公正に関する 助言・技術支援プログラムを立ち上げました。グアテ 不正と汚職の根絶 マラ、ホンジュラス、ペルー、およびベネズエラ・ボリ バル共和国では、ジェンダーの平等に関する国際標準 世銀は汚職の根絶に取り組む途上国を支援するか (国際条約に基づいて設定されたもの)への準拠状況 たわら、世銀業務(国別分析および融資決定)の健全 を審査しました。コスタリカ、グアテマラ、ホンジュラ 性を審査し、汚職を根絶するための国際的な取り組 ス、メキシコ、およびベネズエラ・ボリバル共和国で みに貢献しています。世銀の組織風紀局は、世銀グ はテレビ会議を実施し、女性に男性と同等の司法 ループの業務に関して不正や汚職の申し立てがあっ サービスを提供するための戦略を提案しました。この た場合に、その調査を担当する部門です。世銀の制 戦略はジェンダーに基づく暴力に重点を置いています 裁委員会はこの調査をもとに、関係者が不正や汚職に が、これは各国の優先項目とも一致しています。女性 関与したことを裏付ける十分な証拠があるかどうかを の人権の分野では、他の国際機関(国連人権高等弁 精査し、そうした事実がある場合は、しかるべき制裁 務官事務所、国連女性開発基金、国際労働機関、米 を下します(一定期間の世銀プロジェクトへの関与禁 州機構、ラテンアメリカ・カリブ海経済委員会、および 。現在、世銀は世銀が支援するプロジェク 止など) トの 汎アメ との連携を強化し、 リカ保健機構) ジェンダー関 不正や汚職に関して、関係者の情報提供を求めるプ 連条約の実施とモニタリングを改善するための準地域 ログラムの導入を検討しています( www.worldbank. イニシアティブを策定しま 「制度構築基 した。さらに、 。これが実現すれば、国際機関と org/integrity参照) し 金」グラントをチリ、ガーナ、ケニア、ナイジェリアと ては初の試みとなります。 いった国々に提供し、女性が自らの権利を行使できる 第3章 テーマ別展望 81 ザンビアを訪問中の ロバート・S・マクナマラ 世銀総裁。1972年 11月15–18日。 キングストン(ジャマイカ) のビクトリア・ ジュビリー病院で、出産を終え、 退院を控えた母親たちが家族 計画の講義を受けています。 1970年、世銀は家族計画 プロジェク トに対する最初の融資 を行いました。 ロバート・S・マクナマラ 世銀総裁。 1968–1981年。 チュニジアを訪問中の ロバート・S・マクナマラ 世銀総裁。1973年。 ロバート・S・マクナマラ(1968–1981) 年代 1971 1970 1972 1973 世銀グループの融 日本が世銀の5大出資 IDA第3次増資が行われ ロバート・S・マクナ 資承認額が初めて 国の1国となる。 る。拠出総額は29億ドル。 マラ総裁がナイロビ 20億ドルを超える。 で開催された年次総 国際農業研究協議 世銀の融資承認総額が 会で演説し、貧困の グループ(CGIAR)が 初めて30億ドルを超える。 緩和が初めて世銀ア 1970 設立される。 世銀職員組合が ジェンダの筆頭に位 設立される。 置付けられる。 運河の拡幅・増深を行うために、 土手から土砂を運び出す人々。 開発の有効性 4 1974年「スエズ運河改修 プロジェク 。 ト」 イエメンの 「サナア上 下水道プロジェク ト」 では、井戸と (1977年) 給水所が建設されたほ か、揚水器とパイプラ インが整備されました。 パキスタンの「タルベラダ ム・プロジェク (1974年) ト」 は、カナダ、フランス、 イ タリア、パキスタン、英国、 米国、および世銀が共同 で拠出した5億ドルの資金 によって実現しました。 カルカッタで子供の診察をする医師。 1973年「カルカッタ都市開発プロジェクト」。 1975 1976 1977 1978 1979 IBRDとIDAの農村開発 栄養プロジェクトに対す IDA第5次増資が 最初の 「世界開発 世銀の融資承認総額が プロジェク トに対する る最初の融資が行われ 行われる。拠出総 報告」 が発行され 初めて100億ドルを 単一年度の融資承認総額 (ブラジル、1900万ド る 額は77億ドル。 る(「世界開発報 超える。 が10億ドルに迫る。 ル)。 告:1950–75年の 保健・医療プロジェクト 総括」 )。 最初の環境融資が行わ に対する融資を開始。 (フィ れる ンランドの水質 汚染抑制プロジェクト)。 IDA第4次増資が行われ る。 拠出総額は45億ドル。 第4章 開発の有効性 世界が安定と繁栄を達成するためには、開発関係者 に次の3つの分野における行動が重視されています。 が測定可能な結果を達成することが不可欠です。それ はより多くの人々を貧困から救うことであり、高等教育 ■ 途上国―結果が達成される場所。結果重視マネ へのアクセスを改善することであり、乳幼児死亡率を引 ジメントを実現するための計画、統計、モニタリング、 き下げることです。よりよい政策決定を下し、効果的な および評価能力を高める。開発結果の説明責任 開発戦略を策定するためには、こうした望ましい結果の に対する国民の意識を喚起する。 達成に焦点を当てる必要があります。開発のための新 ■ 世銀―戦略、手段、インセンティブ、および報告シス たなパートナーシップは、ミレニアム開発目標 の (MDGs) テムの結果重視志向を強め、適切で効果的な 達成に向けた進捗状況を測定することを各国に提唱し パートナーとなる。 ています。2004年度、世銀は「結果アジェンダ」に着手 ■ すべての開発機関―アプローチの共通化を進め、 しました。これは開発機関としての世銀の有効性を高 途上国のキャパシティ・ビルディングを協調的に支援 めることを目的とした行動計画です。また、開発パート することによって、結果重視マネジメントのグローバ ナーと共に、第1回の「グローバル・モニタリング・レポー ル・パートナーシップを構築する。 を作成し、 ト」 MDGsを達成するために各国が進めてい る政策と行動の進捗状況を評価しました。 2004年度は3つの分野のすべてで進展が見られま した。 結果重視マネジメント 途上国のキャパシティ・ビルディング 結果重視マネジメント(適切なデータをもとに、途上国 結果重視マネジメントを実現するために、途上国には がよりよい意思決定を下し、明確に定義された目標に向 意欲と能力が求められます。結果に関する情報を要求 かって開発を進めることができるよう は、 にすること) 国 する政治的意思と、そうした情報を生成し、政策・経営 際的な開発アジェンダの中心を占めるものであり、世銀 判断に活用するための制度と専門知識がなければ、前 の戦略目標の中核を成すものでもあります。世銀は融資 に進むことは不可能です。しかし、多くの途上国には開 と非融資活動の質を改善し、援助の効果を高めること 発結果に関する基本的なデータも、モニタリング・評価 によって、結果重視マネジメントに貢献しています。2003 システムも、結果に関する情報を経営者や政策決定者 年度は結果重視マネジメントの概念フレームワークと世 に提供する制度構造もありません。 銀としての行動計画が策定され、この計画に基づく行 こうした課題に取り組む途上国を支援するために、 動は2004年度から始まりました。 世銀は政府の貧困削減戦略の結果重視志向の強化を このフレームワークはプロジェクトのあらゆる段階で結 支援し、国内の制度が結果重視マネジメントに対応した 果に重点を置くことを提唱しています―つまり、初期(戦 ものとなっているかどうかを評価し、的確な分析活動、 略的な計画立案とプログラム設計)、 (日々のプ 実施中 公共セクター改革、および財政管理の強化を通して、政 ロジェク 、 ト管理と設計の修正) および完了後(プロジェ 府機関が結果重視アプローチを導入できるよう支援して ク です。 トの評価と今後に向けた提言) この計画では特 います。2004年度の特記事項の一つは、途上国の統 84 世界銀行 年次報告 2004 計システム、制度能力、および計画立案を強化するため 囲み4.1 結果重視型CAS の包括的な融資プログラム「統計能力育成プログラム」 が構築され、適用が始まったことです。世銀は各国で (国別援助戦略) 結果重視型CAS は、世銀職員が最も の開発経験からベストプラクティスを抽出し、その普及 適切で効果的な援助プログラムを組み合わせて、途上国 に取り組んでいますが、こうした知識共有活動も途上国 を支援できるようにしたものです。結果重視型CASには次 の開発結果を高める一助となっています(第5章「知識 のような特徴があります。 共有と分析・助言サービス」 。 参照) ■ 支援対象となる活動が目指す結果、および世銀支 開発結果への貢献 援との関連性が明確に定義されている。 高い開発結果を達成することは世銀の普遍的な目標 ■ 世銀と対象国を合意された結果に導くことのできる、 です。しかし、成功を測る指標は時と共に変化してきま 強固なモニタリング・評価システムが導入されている。 した。たとえば、かつては援助の「量」が重要な指標と ■ 対象国の結果重視マネジメント能力の強化に重点 され、その後は個々の融資プロジェクトの「質」が問わ が置かれている。 れていました。しかし、ここ数年は開発結果をより広範 ■ 経験から学ぶ仕組みがある。次のCASと世銀の活 な視点から捉えることが求められるようになっています。 動の参考とするために、終了したCASは体系的に評 (分析活動、 これは世銀の報告書とサービス キャパシ 価される。 ティ・ビルディング、グローバル・プログラ が多様化 ムなど) し、個々のプロジェクトの結果から、国レベルの結果に 2003年度と2004年度は6件の結果重視型CASパイ 焦点が移されるようになったためです。 ロットプロジェクトが承認されました。初期のフィードバック 世銀は国別援助戦略とセクター戦略、融資手段、報 により、こうしたプロジェクトはセクター横断的な議論を喚 告システム、および世銀職員のインセンティブを、測定可 起し、適切な援助プログラムの選択に寄与していることが 能な結果を重視したものに作り替えることで、この新し 分かりました。途上国と世銀の対話も強化されています。 い指標に対応しようとしています。2004年度は世銀の報 パイロットプロジェクトに対する正式な評価は2005年度に 告書とサービスを国レベルの結果とよりよく結びつける 実施される予定です。今後は結果重視型CASが広範に ために、結果重視型CASのパイロットプログラムを導入 採用されていく予定です。 第4章 開発の有効性 85 開発機関との連携 開発結果を高めるためには、 途上国と開発機関の連携を強 化するだけでなく、開発機関同 士の連携も強化する必要があ ります。開発機関が援助対象 国に課している結果報告義務 は、対象国のモニタリング・評 価システムと一致したものでなけ ればなりません。また、途上国 の結果重視マネジメント能力を 強化するためには、各国の取り 組みに対して、開発機関が調和 の取れた支援を提供する必要 があります。 こうした問題に対処するため に、世銀は2004年度、結果重 しました(85頁の囲み4.1参照)。世銀のセクター委員 視マネジメントに焦点を当てた2つの公式パートナーシッ 会では、セクター/テーマ戦略の結果フレームワークと結 プの構築を支援し、積極的に参加しました。その一つ 果モニタリングが強化されました。結果志向を明確にし、 は多国間開発機関のパートナーシップ、もう一つは多国 世銀業務のモニタリングと評価を強化するという観点か 間開発機関と二国間開発機関のパートナーシップです。 ら、基本的な文書と手続きにも変更が加えられました。 世銀は他の機関と共に、結果重視マネジメントに関す また、結果重視アプローチの導入によってスキルの需要 る国際会議も開催しました。2004年2月にモロッコで開 が高まっていることを受けて、世銀職員と執行部がこう 催された「第2回結果重視マネジメントのための国際円 した需要に応えることができるよう、長期的な学習戦略 卓会議」はその一つです。こうしたパートナーシップや会 の策定も進んでいます。結果重視アプローチの重要性 議は、開発機関と途上国が結果重視マネジメントを促 はますます高まっており、世銀文化の一部と見なされる 進し、グッドプラクティスを共有し、お互いから学ぶ機会 ようになっています。 となっています。 世銀はIDA第14次増資(IDA14、対象期間2006–08 「第2回円卓会議」の主催者たちは、結果重視マネジ に備え 年) て、高度な結果測定システムを構築しました。 メントの中核原則、共同合意文書、および行動計画を このシステムは貧困削減戦略の優先項目との整合性 採択し、結果重視マネジメントの定義とそれを実現する や、ミレニアム開発目標との関連性に基づいて、プロ 広範な合意を形成しま ためのアプローチについて、 した。 ジェクトの成果を測定するものとなる予定です。このシス この円卓会議では各国の統計機関も、国際統計システ テムは開発結果の達成状況と、それに対するIDAの貢 (国際的な協力を含む) ム を強化するための中期的な 献に関する情報を総合的に提供するものとなります。 行動計画について合意しました。こうしたイニシアティブ 世銀全体を網羅した包括的な結果報告システムを構 を通して、世銀とその他の開発機関は調和の取れた結 築し、国、セクター、およびグローバルレベルの結果情報 果重視のアプローチと報告を実現するための基盤を を集めることは、結果アジェンダの重要な目標の一つで 整えつつあります。 す。しかし、このシステムは結果重視型CASや、結果志 向のプロジェクト/プログラムから得られる情報を必要と 政策・手続きの簡略化と調和化 するため、結果重視アプローチが世銀の業務全体に拡 大されるまでは、その効果は限られたものとなります。 途上国への援助を近代化・簡略化するために、世銀 86 世界銀行 年次報告 2004 は投資政策と構造調整融資政策の合理化と改訂を進 めています。その一環として、世銀は投資融資における 融資対象項目の拡大、支出・財政管理・調達メカニズ ムの近代化、受託者手続きとプロジェクトのセーフガード 評価の合理化、およびその他の開発機関との政策の 調和化を進めています。 開発資金と引き換えにドナーが課しているさまざまな 義務が、途上国の を高めているこ 「取引費用」 とは、国 際社会でも広く認知されるようになっています。この問題 に対処するために、多国間・二国間開発機関は政策、 手続き、および慣行の調和化を進めています。ドナー組 織は開発効果を高めるために、重複したプログラムや 援助の条件を撤廃し、各自が優位性を持つ分野で援 助を提供するようになっています。 世銀は経済協力開発機構 と共に、 (OECD) 財政管 理、調達、環境・社会セーフガード、分析活動といった 分野で調和化ツールキットの開発を進めています。世銀 は開発実践者が調和化関連の情報を入手するための 達成しました。しかし、アフリカは大幅に遅れを取って ウェブサイトや、過去の経験やベストプラクティスを共有 おり、この目標を達成する見込みがあるのは域内の8カ するための国レベルの追跡ツールの開発にも取り組ん 国(アフリ にすぎません。 カ人口の約15%) また、第1目 でいます。 標を達成できると見込まれている地域でも、一部の国々 世銀は各国の法律が世銀のセーフガード・ポリシーと は目標を達成できない可能性があります。中でも、切迫 一致したものとなっているかどうかを確認するために、メ した状況にある低所得国 は目標に遠く及ばな (LICUS) キシコ、ポーランド、スリランカ等で法律評価を実施し、 い可能性があります。LICUSの約半数はアフリカの 政府が適切な環境・社会管理フレームワークを設計で 国々です。 きるよう支援しています。 人的開発分野の目標、特に教育と保健・医療に関す る目標の進捗状況は、実行された介入の規模と有効性 によってばらつきがあります。また、この分野の目標の達 MDGs進捗状況のグローバル・モニタリング 成にはセクター横断的な複数の要因が関わっています。 2004年4月に発表された第1回の「グローバル・モニタ 教育関連の目標は、保健・医療関連の目標よりも達成さ リング・レポート」は、MDGsの達成可能性を世界規模 れる可能性が高いと見られています。現在の傾向が続 で概観するものとなっています。この報告書は楽観要因 くならば、複数の地域が初等教育の完全普及を達成す と共に、重大な懸念の存在を指摘しています。世界全 るか、達成に近づくことができるでしょう。しかし、ア 体で見ると、政策の改善とそれに伴う力強い経済成長 フリカはこの目標を達成できない可能性が高く、南アジ 「1990年から2015年の間に所得貧困を に助けられて、 アと中東・北アフリカ地域でも状況は芳しくありません。 というMDGsの第1目標は達成される可能性 半減する」 この3地域はジェンダー格差が最も深刻な地域でもあり が高いと見られています。東アジアはすでにこの目標を ます。初等・中等教育におけるジェンダーの平等は、 2004年の開発委員会春期会合では、第1回の 「グローバル・モニタリ ング・レポート」がアジェンダの中心を占めました。この会合は開発問題 に関する合意を形成するために、世銀と国際通貨基金 (IMF)が合同で開催しているものです。この報告書は世銀とIMFの職員が、パート ナー機関 (国際開発金融機関、OECD、国連、世界貿易機関) と密接に連携しながら作成しま した。この報告書は開発委員会がミレニアム開 発目標とその関連目標を達成するために定期的に実施している政策アジェンダの進捗モニタリ ングを補強し、主要な関係者(先進国、途上 国、多国間開発機関) の説明責任を強化するものとなる予定です。 第4章 開発の有効性 87 約半分にすぎず、ほとんどの地 域はこの目標を大幅に下回る と見られています。目標を達成 できるのは全体の約20%、低 所得国の場合は10カ国に1カ 国と見られています。 世界や地域レベルの数字か らは見えないものの、地域内、 時には国内にも深刻な格差が 存在します。東アジアはその典 型です。この地域の中所得国は MDGsのいくつかをすでに達成 しているか、達成間近となってい ますが、低所得国はアフリカの 多くの貧困国と同様に、こうした 目標を達成できる見込みはほと んどありません。こうしたばらつ 2005年が達成期限となっていますが、世界全体として きは国内にも見られ、特に広大な国土を持つ国では深 見ると、途上国の約3分の1は2015年になってもこの目標 刻です。 を達成できないと考えられています。 低所得国に比べると、中所得国の見通しは明るく、 保健・医療分野では、MDGsの達成が非常に危ぶま その多くはすでに目標を達成しているか、達成に向けて れています。子供と妊産婦の死亡率の削減という目標 確実に歩を進めています。しかし、こうした国にも数億 に着実に近づいているのは途上国のわずか15〜20% 人に上る貧困層が存在します。 にすぎません。現在の状況が改善されないならば、ほ とんどの地域はどちらの目標も達成することはできない 緊急の行動が求められている分野 でしょう。HIV/エイズ、マラリア、および結核の罹病率は こうした数字が意味しているところは明らかです― 上昇しており、感染の拡大を食い止め、減少方向に転 MDGsを達成するためには、途上国は大幅に、かつ迅 じさせるという目標を達成することは難しいと見られてい 速に開発の速度を加速させなければなりません。すべ ます。こうした疾病の蔓延は、子供と妊産婦の死亡率 ての開発関係者(途上国、先進国、多国間開発機関) を上昇させる一因となっており、途上国の経済と社会に は、2002年3月にモンテレーで合意された原則とパート 与える影響は甚大です。HIV/エイズの感染拡大を食 ナーシップに従って、努力を拡大する必要があります。 い止めるという目標が達成されない可能性はアフリカ地 MDGsを達成するためには、次の3つのポイントを政策 域で特に高く、それ以外の地域でも多くの国が相当の アジェンダに組み込む必要があります。 リスクを抱えています。 安全な飲料水と基本的衛生設備へのアクセスは大 ■ 改革を加速し、深めることで、より力強い経済成長 きく遅れており、これが保健・医療分野のMDGsの達 を達成する。経済成長は所得貧困の削減に直結 成をさらに難しいものとしています。最も深刻なのは、 するだけでなく、それ以外の目標に向けて資金を 飲料水がアフリカ、衛生設備は南アジアです。2015 増大させる。 年までに安全な飲料水と衛生設備を利用できない人 ■ 貧しい人々のエンパワーメントと便益に投資する。 口を半減するためには、さらに15億人に安全な飲料水 人的開発と関連主要サービスの提供状況を改善す を、20億人に衛生設備を提供しなければなりません。 る。教育と保健・医療サービス、および関連インフ しかし、現在の進捗速度は必要とされている速度の (水と衛生、 ラサービス を強化する。 農村道路など) 88 世界銀行 年次報告 2004 ■ モンテレー・パートナー シップに基づいた行動を 加速し、改革を加速させ た 途 上 国に 対 する先 進 国と国際機関の支援を 拡大する。途上国が輸出 を拡大し、成長を加速さ せるためには、先進国市 場へのアクセスを拡大す る必要がある。途上国は 開発プログラムを実施す るために、さらなる援助を 必要としている。 「グローバル・モニタリング・ レポート」は す べ ての 開 発 パートナーの政策と行動を総 合的に評価しています。この報告書は説明責任のフ で、先進国が支援を拡大することを定めています。先進 レームワークであり、各関係者がモンテレー会議で掲げ 国の政策は地球環境の保全といった、地球規模の行 た公約の実施状況をモニタリングすると共に、優先的な 動の結果にも大きな影響を与えています。このフレーム 行動が求められている分野に国際社会の注目を集める ワークは4つの分野(マクロ金融政策、貿易政策、援 ものとなっています。 助、 に重点を置いて、先進国の政 および地球公共財) このフレームワークは途上国の政策アジェンダを4つ 策をモニタリングしています(図4.2参照)。 の分野に分類してモニタリングしています:経済・財政 途上国がMDGsを達成するためには、国際金融機 政策、公共セクター運営、人的開発、および環境管理 関が重要な役割を果たします。このフレームワークは 。 (図4.1参照) 国際金融機関の貢献を4つの側面(国別プログラム、 モンテレー合意は、途上国の開発結果に直接的な グローバル・プログラム、パートナーシップ、および結 影響を及ぼす2つの重要分野、つまり「貿易」 と「援助」 果)から評価しています(図4.3参照)。 図4.1 モニタリング:途上国の政策 図4.2 モニタリング:先進国の政策 経済・財政政策  • マクロ  • 民間セクター  • 金融セク ター  マクロ金融政策 • 貿易    関連の規制と  • イ ンフラ  • 経済成長と安定した資本移動を    制度環境    促進する政策  人的開発  公共セクター運営  • 教育と保健・医療  • 公共支出と収入管理  貿易政策 援助 • 農業と製造  • 社会的保護  • 行政  • 援助の量と質  • サービス(労働者の  • 発言/参加  • 透明性、説明責任、    汚職管理  • 債務救済    一時的移動を含む)  • ジェンダー  • 貿易関連の援助  環境管理  地球公共財  • 政策と制度  • 環境  • その他  出典:世界銀行、2004年、 グローバル・モニタリング・レポート 2004 、ワシントンDC 出典:世界銀行、2004年、 グローバル・モニタリング・レポート 2004 、ワシントンDC 第4章 開発の有効性 89 表4.1 MDGs関連の世銀融資 2004年度 プロジェクトの件数 融資承認額(単位:100万ドル) IBRD IDA IBRD/IDA IBRD IDA IBRD/IDA プロジェク ト全体 87.0 158.0 245.0 11,045.4 9,034.6 20,080.1 MDGs関連のプロジェク ト 19.5 39.7 59.2 2,406.6 2,356.9 4,763.5 初等教育の完全普及 3.0 6.9 9.8 204.8 578.8 783.6 ジェンダーの平等と女性のエンパワーメン ト 0.3 3.3 3.6 24.4 343.8 368.2 子供の死亡率の削減 0.8 0.5 1.3 274.5 63.3 337.7 妊産婦の健康の改善 0.5 2.2 2.7 212.6 79.7 292.3 HIV/エイズ、マラリアなどの疾病の蔓延防止 0.3 8.7 9.0 25.0 354.2 379.2 持続可能な環境作り 9.1 12.7 21.8 788.4 516.2 1,304.6 グローバルな開発パー トナーシップの構築 5.6 5.4 11.0 876.9 420.9 1,297.8 注:第1目標「極度の貧困と飢餓の撲滅」に関するデータが掲載されていないのは、貧困の削減は世銀の活動を貫く使命であり、世銀の融資はすべてこの目標と関連し ているからである。プロジェクトの件数が一部、整数でないのは集計システムによるもの。このシステムは複数の目標に関連するプロジェクトを特定し、二重計算や 成果物の過大報告を防ぐように設計されている。数字は四捨五入されている。 MDGsを達成するための費用 を超えるでしょう。これはほとんどの試算において、 先進国と金融機関には援助の量と質を高めることが MDGsを達成するために途上国が必要とすると見なされ 求められています。その一方で、途上国はこうした援助 ている金額です。 を有効に活用できないのではないかという懸念もありま MDGs達成のための費用を予測することは容易では す。しかし、モンテレー会議以降に約束された追加援 ありません。一つには、MDGs達成の「値段」をはじき 助は、それが実際に提供されたとしても、途上国の国 だすためには、平均費用と限界費用を区別しなければ 民総所得 に占める割合で見れば、 (GNI) 1990年代初 ならないからです。教育を例にとると、子供を就学さ 頭の水準を下回っています。最近の世銀の研究により、 せるための限界費用は、平均費用よりも高くなる可能性 健全な政策と制度を持つ途上国は多額の追加資金を があります。これは学校に通っていない子供を学校に MDGs達成のために効果的に利用できることが分かり 通うよう説得するのは難しく、また家と学校が地理的に ました。こうした途上国が吸収できる援助資金は、控え 離れているケースも考えられるためです。もう一つの理 めに見積もっても年間300億ドル以上に達しています。 由は、ある目標の進捗が別の目標の進捗につながる 多くの途上国が政策とガバナンスを強化するようになれ からです。たとえば、安全な飲料水と衛生設備が提 ば、有効利用が期待できる援助資金は年間500億ドル 供されるよう 地域住民の健康も増進されます。 になれば、 どの目標にも複数の決定要因があり、そうした要因の及 図4.3 モニタリング:開発機関の支援 ぼす影響は複数のセクターにまたがっています。各目標 国別プログラム • 戦略的整合性 (貧困削減などMDGsを達成するために  は相互依存関係にあるため、目標を達成するための費   途上国が定めた優先項目 との整合性)   用を別々に見積もると、二重計算の恐れがあります。ま • プログラム設計の適切性と選択性  た、追加資金の効果はその国がしかるべき政策・制度 改革を実施したかどうかによっても変わってきます。 パー トナーシップ グローバル・プログラム • 政策と慣行の  • PRG/GPG関連の    調和化    国別キ ャパシティ・ ビル  MDGs関連の世銀融資 • 援助プログラムの    ディング支援    調整  • 主要PRG/GPG関連の  2004年度、世銀は承認された新規融資をMDGsごと   国際組織での活動   (中心的な役割)   に分析しました。表4.1は第2〜8目標に対する融資の内 訳を示したものです。 結果 • 質と結果の重視  • モニタリング、   報告、   および評価のシステム  活動の質的評価 注:GPG=地球公共財、 RPG=地域公共財  出典:世界銀行、2004年、 グローバル・モニタリング・レポート 2004 、ワシントンDC 世銀の質保証グループ の任務は、 (QAG) 世銀のプ 90 世界銀行 年次報告 2004 ロジェクトと分析業務の質をモニタリングすることです。 図4.4 実施中のプロジェクト(地域別) 2004年6月30日現在 QAGは世銀上層部の直轄部署ですが、評価結果をま 融資承認総額951億ドルに占める割合 (これらの報告 とめた報告書は理事会にも提出されます 南アジア 19% アフリカ 17% 。評価 書はwww.worldbank.orgで公開されています) には専門家パネルも参加してお このパネルには毎年、 り、 数百人に上る世銀上級職員に加えて、他の開発機関、 中東・北アフリカ   東アジア・   5% 大洋州 23% シンクタンク、大学、およびシビルソサエティ組織の経験 豊富な専門家が参加しています。専門家パネルを設置 することにより、評価の信頼性が確保されるだけでなく、 現場でプロジェクトを進めている職員に専門家の意見 ラテンアメ リカ・  ヨーロッパ・   を迅速に伝えることができます。 カリブ海 21% 中央アジア 15% QAGは新規プロジェクトの質を「リアルタイム」に評価 し、フィードバックをプロジェクトが承認された時点(承認 と実施中 時の質) に担当チームとそのマ (監督の質) ネージャーに即時に提供します。QAGは経済・セクター 図4.5 実施中のプロジェクト (テーマ別) 調査(ESW) と呼ばれる世銀の分析・助言サービスの評 2004年6月30日現在 融資承認総額951億ドルに占める割合 価も行っています。ESWの評価は、サービスが借入国 都市開発 12% 経済管理 1% に提供された直後に行われます。2004年度は国別担 貿易・統合  環境・天然  当局長の要請に応じて、国別融資ポートフォリオを評価 4% 資源管理13% するパイロットプロジェクトが始まりました。QAGの主要 社会的保護・   「ポー 報告書である トフォリオの成果に関する年次報告」 リスク管理 7% 金融・民間  セクター開発  は、実施中のプロジェクトの規模、構造、成果、および 社会開発・   17% ジェンダー・参加   質を分析したものです。このほか、QAGは世銀が直面 9% 人的開発  している主要な業務課題を一つないし二つ選び、分 13% 農村開発   析報告書を作成しています。 14% QAGの評価結果は、この数年で広範な改善が見ら 法規 2% 公共セクター運営 8% れたことを示し 「承認時の質」 ていますが、 はおよそ2年 にわたって停滞し 「承認時の質」 ています。 において満足 できるレベルにあると評価された世銀プロジェクトは、 2000 – 02年度は平均90%に上ったのに対し、2003年 度は85%でした。 においては、 「監督の質」 2002年度は 図4.6 実施中のプロジェクト (セクター別) 2004年6月30日現在 世銀業務の90%が満足できるレベルにあると評価され 融資承認総額951億ドルに占める割合 ました。ESWについては、92%が満足できるレベルに 給水・衛生・治水 10% 農業・漁業・林業 10% あると評価されました。2003年度の「ポートフォリオの成 果に関する年次報告」は、業務評価局 が実施し (OED) 教育 9% ているプロジェクト終了時の評価で、満足できる開発結 運輸 20% 果を達成したと評価されたプロジェクトの割合が下がっ エネルギー・   鉱業 9% たことに言及しています。これはプロジェクトの「監督の 質」評価が、開発結果の下降を食い止めるための警告 金融 6% 法律・司法・   行政 16% 手段とならなかったことを意味しています。こうした結果 保健・その他の  社会サービス 15% をふまえ、世銀執行部は開発結果を高め、プロジェクト の成果のモニタリングと報告の信頼性を強化するため 情報・通信 1% 産業・貿易 4% 第4章 開発の有効性 91 を通して構築していることを明らかにしました。本報告 書は持続可能な貧困削減を促進するような政策の導入 を世銀が効果的に支援できたかどうかを分析し、3つ の重要なポイントを指摘しました。 ■ この4年間で、途上国の3分の2は経済・社会政策 を改善しました。こうした国の成長率はそうでない (構造 国の2倍に達しています。世銀のプログラム 調整融資だけでなく、あらゆる形態の支援を含む) は多くのケースで政策の改善に寄与しました。 ■ OED評価では、評価対象となった国別プログラム の70%が満足できる結果を達成したと評価されま した。それ以外のプログラムが十分な結果を出す ことができなかった理由としては、対象国に関する 知識の不足、支援プログラムと対象国の政策決定 スタイルの不一致、債務の持続可能性に対する過 度の楽観、対象国の状況を無視した政策・制度の 転用などがあります。 ■ 2002年度はプロジェクトの79%が満足できる結果 を達成したと評価されました。これは戦略的に 重要として設定された75%という目標値を上回る ものでした。2003年度のプロジェクトに関しては、 の包括的なプログラムに着手しました。図4.4、4.5、お 約84%に対して評価が完了し、このうちの74%が よび4.6は世銀の実施中のプロジェクトを地域別、テー 満足できる結果を達成したと評価されました(図 マ別、およびセクター別に分類したものです。 4.7参照)。 世銀組織の評価 独立評価 世銀組織の評価は理事会の要請を受けて、あるい 業務評価局 は世銀理事会直属の独立評価部 (OED) 門です。OED評価の目的は、世銀業務の結果を判断 図4.7 プロジェクト結果の満足度 1974–2004年度 する客観的なデータを提供すること、世銀の目標達成状 (満足できる成果をあげたプロジェク トの割合) 況について、世銀が十分に説明責任を果たせるように 100 すること、そして世銀職員が過去の経験から学べるよう にすることです。OEDは過去のプロジェクトから教訓を 80 引き出し、評価結果に基づいた提言を行うことによって、 世銀業務の改善に貢献しています。 「開発効果に関する年次レ OEDの主要報告書である 60 ビュー」の最大の目標は、世銀の開発効果を理事会に 通知することです。2003年度の「開発効果に関する年 次レビュー:政策改革における世銀援助の有効性」は、 40 74 78 82 86 90 94 98 02 年度  世銀が貧困層に配慮した成長と広範で持続可能な貧 注:2003年度については、一部期間の案件しか含ま   れていない。 出典:世界銀行、 業務評価局(OED)   による計算。 困削減を促進するための環境を、政策改革と制度構築 92 世界銀行 年次報告 2004 は特定の懸念に対処するために実施されるものです。 同評価では、現在進められている世銀業務の総合的な 有効性、効率、および定められた目標との整合性が分 「包括的な開発フ 析されます。2004年度は レーム 、 ワーク」 「知識の共有:イノベーションと未解決の課題」等の評 価が実施されました。 「包括的開発フレームワーク」評価は、包括的開発フ レームワークが威力を発揮するためには、途上国が規 律ある予算プロセスを導入するこ ドナーが予算プロ と、 セスの強化に取り組む途上国を支援し、その国の開発 戦略に沿った援助を提供すること、そしてすべてのド ナー、特に世銀がセクター横断的なプログラムの設計・ 実施メカニズムの開発に率先して取り組むことが必要 も得られないことを考えると、世銀と中国は政策と手続 だと結論しています。 きを見直すことによって、世銀援助を最大限に活用して 「知識共有:イノベーションと未解決の課題」は、世 いかなければなりません。 銀の知識プロセスにはさらなる戦略的方向性と監督が クロアチアに対しては、新興企業が活動しやすい事 必要であり、ネットワークと地域局は知識共有活動を世 業環境を整備するなどして、民間セクター開発を推進し、 銀のコア業務と密接に関連づける必要があると指摘し 成長の促進、失業問題への対処、および債務の持続 ました。本報告書は世銀の包括的な知識イニシアティ 可能性の改善に重点を置く必要があります。ルワンダの ブは時宜を得た適切なものであり、世銀の知識はより IDA援助に対しては、ミレニアム開発目標の枠組みに 迅速かつ容易に提供されるようになっていると評価しつ 従って、貧困と不均衡の緩和に焦点を当てることが提 つも、監督、モニタリング、およびインセンティブをさらに 言されました。ルワンダの開発を成功させるためには、 強化していく必要があると述べています。 分析・助言活動とルワンダの状況に合わせたプロジェク トが不可欠です。イスラム開発銀行と共同で実施され 国別プログラムの評価結果 たチュニジアの評価では、政府が進めている民間投資 OEDの国別援助評価は、特定の途上国での世銀の 環境の改善、社会支出の効率化と質の向上、および 援助プログラムの有効性を、通常は過去4、5年の結果 農村セクターの制度とセーフティネットの強化を支援する に照らして評価します。国別援助評価は、開発の成果 ことが奨励されました。 と世銀の国別援助戦略の関連性を分析し、世銀戦略 の有効性を総合的に判断します。たとえば、2004年度 セクター、テーマ別プログラムの評価結果 に実施されたアルメニアの援助評価は、民間セクター開 OEDのセクター別、テーマ別評価は、融資セクターま 発のための環境を整備し、公共セクター改革の促進に たはセクター横断的なテーマにおける世銀の成果と経 重点を置くことを世銀に提言するものでした。この2つの 験を5年から10年単位で分析し、それが世銀の政策や 分野の進展は、成長を維持するために必要な雇用の グッドプラクティスとどれだけ一致しているか、世銀の目 創出と輸出の拡大につながります。ボスニア・ヘルツェ 標がどの程度達成されているかを概観するものです。 ゴビナの援助評価は、国際通貨基金や欧州連合との 「世銀業務における社会開発レビュー」は、社会開発分 連携を密にし、重要な改革に共通のアプローチで取り 野における世銀の活動と、開発効果に対する重要性を 組む必要性を明らかにしました。 分析し、開発効果をさらに高めるための助言を提供し 1990年以来、世銀は政策助言と制度構築を通して、 ました。OEDは世銀に対し、開発結果の改善につなが 中国の急成長を力強く支えてきました。2004年度の るような社会的テーマを見つけ出し、その分野の活動 OED評価は、世銀が中国での活動を継続することを提 を強化することを提言しました。また、戦略的計画は現 言しています。しかし、融資プログラムが減り、IDA融資 在のスキル、モニタリング、および評価に対応したもので 第4章 開発の有効性 93 なければならないと指摘しました。OED報告書「ガーナ 高めることを提言しました。 における基礎教育の改善」は、ガーナの基礎教育制度 に対するハード面での支援は、同国の就学率の向上と CAS完了報告書のOEDレビュー 学習結果の改善に大きな影響を与えたものの、今後は 2004年度の特記事項の一つは、CAS完了報告書の 不利な状況に置かれた学校への配慮をさらに強化して OEDレビューが始まったことです。CAS完了報告書は いく必要があると指摘しました。 世 銀 の 新しい 重 要な自己 評 価 手 段 であり、O E Dレ 「採掘産業と持続可能な開発」評価は、ガバナンスの ビューの任務はその妥当性を審査することです。こうし 問題に正面から取り組むこと、プロジェクトの実施を強 たOEDレビューは2005年度には主流となり、将来的に 化すること、そして世銀の統合力を活かして関係者に 年間20〜25件のレビューが行われる予定です。2004年 精力的に関与することを強調しています。また、持続可 度はブラジル、カメルーン、モザンビーク、ウクライナ、お 能な開発に対する採掘産業の貢献度をさらに高めるた よびザンビアのCAS完了報告書についてOEDレビュー めには、世銀グループはセクターおよび国レベルで、統 が行われました。 合戦略を策定し、実施する必要があると指摘しました。 「移行経済国」評価は、東ヨーロッパとソ連の旧社会主 査閲パネル 義国が経験した大規模な移行プロセスを世銀がどう支 援したかを明らかにするものでした。本報告書はガバナ 世銀理事会は1993年に独立調査機関である査察パ ンス、貧困の悪化、および民営化プロセスにもっと早い ネルを設置しました。査閲パネルの任務は、世銀プロ 段階から注目していれば、移行経済国をより効果的に支 ジェクトによって影響を受ける人々の懸念によりきめ細か 援することができたと指摘しています。OEDは世銀の援 く対応し、プロジェクトの計画、準備、および実施段階で 助はおおむね成功を収めていると結論づけつつも、 世銀の業務方針と手続きが遵守されているかどうかを 利害関係者の参加を促すプログラムをさらに拡大する 確認することです。世銀が支援するプロジェクトによって こと、国別援助戦略を利用して、途上国の改革能力を 悪影響をこうむる可能性があると考える人は、2人以上 94 世界銀行 年次報告 2004 集まれば査閲パネルに申し立てを起こし、業務方針と 外部評価 手続きの遵守状況を調査するよう求めることができます。 理事会はパネルの提言をもとに、調査を開始するか 2000年、世銀グループは に着手 「採掘産業レビュー」 どうかを決定します。査閲パネルは一般市民、特に貧 しました。このレビューの目的は、石油、ガス、および鉱 しい人々が世銀の最高機関である理事会に直接アク 業に対する世銀の支援が持続可能な開発の進展にど セスする手段を提供しています。この仕組みは世銀が んな効果を与えたかを分析すること、そしてこうした支援 支援するプロジェクトによって悪影響を受けた可能性の が今後果たすべき役割を明確にすることです。採掘産 ある人々に対するエンパワーメントとなり、発言の場を提 業に対する投資は、世銀の年間融資承認総額の約2% 供するものとなっています。 を占めています。多くの途上国は、高い開発結果を達 査閲パネルは遵守の問題に取り組む世銀メカニズム 成するためには世銀グループの資金援助が不可欠だと の一つであり、査閲パネルが設置されたことによって、 考えています。また、世銀グループの資金を得たプロ 世銀は外部の申し立てに耳を傾け、それに対するパネ ジェクトは、環境、社会、およびガバナンスのセーフガー ルの評価結果を検討し、貧困削減という使命に向けて、 ドの面で産業界のモデルとなることが少なくありません。 よりよい政策と業務方針を導入することができるようにな 「採掘産業レビュー」は世銀グループの執行部とは別 りました。 の独立したグループが実施した2つの評価で構成されて 2004年度は6件の調査請求が査閲パネルに提出され います。一つは世銀グループの業務評価ユニットとIFC・ ました。調査請求の対象となったのは、フィリピンの「第 MIGAの準拠アドバイザー・ (前述) オンブズマン によるも 2次マニラ下水道プロジェク 、 ト」 カメルーンの「石油開発 も の、う一つは利害関係者との協議に基づいたものです。 パイプラインプロジェクト」、メキシコの「先住民族・地 このレビューにより、採掘プロジェクトに対する世銀グ 域社会生物多様性プロジェク 、 ト」 コロンビアの「カルタ ループの関与は持続可能な開発にプラスの影響を与え ヘナ上下水道・環境管理プロジェク 、 ト」 およびインドの ているものの、その程度にはばらつきがあることが分か 「ムンバイ都市輸送プロジェク (2件) ト」 です。また、査閲 りました。特に利害関係者による報告書は、再生可能 パネルは第2回報告書「世銀における説明責任:査閲 エネルギー源、収入報告の透明化、地域社会の利害関 を発表し、 パネルの10年」 査閲パネルのこれまでの軌跡 プロジ 係者との協議の拡大、 ェクト情報の完全開示など、 を振り返り、過去の経験を総括しました。この報告書で 数多くの分野で改革の必要性を指摘しました。 は適格性の問題と、世銀の慣行と政策に査閲パネル 2004年6月18日、世銀グループ執行部は採掘産業に が与えた影響が検討されました。本報告書はフランス 対する支援活動の改革案を発表しました。この提案は 語、スペイン語、およびポルトガル語にも翻訳されました。 理事会の要請に基づいて公開され、30日にわたって一 査閲パネルの設置からこれまでの間に提出された調 般からのコメントを募集しました。これは理事会が世銀 査請求は33件に上ります。このうち10件はアフリカ地 としての公式の返答を承認する前に、幅広い関係者の 域、11件はラテンアメリカ・カリブ海地域、9件は南アジ 意見に耳を傾けることを目的としたものです。レビューに ア地域、3件は東アジア・大洋州地域から提出されたも 対する世銀内外からの反応への対応を反映した提案 のです。これら33件の調査請求はいずれも正式に受理 は、全 文 が 世 銀 のウェブサイトで 公 開されています され、査閲パネルはそのう 。採掘産業関連のその他の ち14件について調査の実施 (www.worldbank.org/ogmc) を提言しました。このうちの6件はパネルの活動方針に レビューはwww.ifc.org/oegおよびwww.caoombudsman. 修正条項が加えられた1999年4月より前に承認されたも org/ev.phpにも掲載されています。 の、8件はそれ以降に承認されたものです。 世銀が採掘産業を支援することについては、株主国 調査請求、パネルの提言、パネルの調査報告書、お からは引き続き、広範な支持が得られています。世銀は よび今年度に調査されたプロジェクトに対する執行部の 業界基準の強化と普及に取り組んでいるほか、公共セ 提 言は 世 銀 のウェブサイト( w w w. w o r l d b a n k . o r g / クター改革を支援し、技術的な助言とトレーニングを提 で公開されています。 inspectionpanel) 供し、環境保護と代替エネルギーに関する専門知識と 革新的な融資を提供しています。 第4章 開発の有効性 95 メキシコを訪問中のA・W・クローセン世銀総裁。 バーバー・B・コナブル 世銀総裁 1986–1991年 オールデン・W・ クローセン 世銀総裁 1981–1986年 1980年、経済復興と 構造調整の実行資金と して、 トルコに2億ドルの 融資を承認。 ロバート・S・マクナマラ(1968–1981) A・W・クローセン(1981–1986) 年代 1980 1981 1982 1983 初の構造調整融資を承認 IDA第6次増資により、 小規模なグラントプログラム 。 (トルコへ2億ドル) 120億ドルを調達。 を設置し、NGO、政府、学術 関係者、およびマスコミの 中華人民共和国を中国を アン・クルーガーが 連携を促進。 代表する政府と認定。 世銀初の女性副総裁に 1980 以降、同国は世銀最大の 任命される 借入国の一つとなる。 (経済・調査担当)。 ティモシー・タハネが アフリカ出身者として 初めて、世銀の副総裁に 任命される。 1984年、産業融資プロジェク 軽工業を振興 トを実施し、 (写真は金属工場の様子)。 中国の 2004年度の活動概要 5 1985年、ボゴタの給水設備を拡大する費用と して、 コロンビアに1億2900万ドルを融資。写真は契約書に 署名するベリサリオ・ベタンクール大統領 (中央)と、 世銀のA・W・ クローセン総裁(右端)。 トルコ南部の都市 メルシンの市場。 この市場は1981年に 青果プロジェク トの 一環として建設された もの。 バーバー・B・コナブル(1986–1991) 1984 1986 1987 1988 1989 シビルソサエティ と 大規模な機構改革を実行。 多数国間投資保証機関 世銀理事会が 開発問題についての 国別の部局が設置された (MIGA)を設立。 情報公開政策を グローバルな対話を ほか、初の環境局が誕生。 MIGAは最も新しい 承認。 目指して、NGOワーキング 世銀グループ機関。 グループを設立。 設立当時の加盟国数は29。 第5章 2004年度の活動概要 途上国全体としてみると、2003年の成長率は先進 上昇したことが、地域全体の成長率を押し上げる結 国をはるかに上回るものでしたが、国によって状況は 果となりました。 大きく異なりました。2003年の一人当たり国内総生産 ラテンアメリカ・カリブ海地域では、国によって成長 (GDP)の伸びは、高所得国の平均が1.6%だったのに 率にばらつきが見られたこともあって、回復は小幅な 対し、低・中所得国はその2倍以上に当たる3.5%とな ものにとどまりました。2002年のGDP成長率は0.6% りました。これは諸外国から途上国への投資が回復 のマイナス成長となりましたが、2003年は1.3%に上昇 し、設備投資が前年比2倍以上に当たる10.8%で増加 し、2004年は3.8%に達する見込みです(図5.1は したためです。 1993–2003年の一人当たりGDPの推移を地域別に示 2003年のヨーロッパ・中央アジア地域は、前年の したものです)。 4.6%を上回る5.5%の経済成長を達成しました。同地 途上国全体のGDP成長率は、2004年に過去20年間 域は2004年以降も大幅な成長を維持する見込みで で最も高い5.4%に達し、2005–2006年はやや下がっ す。南アジア地域では国内需要が成長のはずみとな て、5%程度に落ち着くと見られています。以上をふ り、2003年のGDP成長率は前年の4.3%を上回る まえ、世銀は引き続き、各国の個別のニーズに合わ 6.5%となりました。同地域のGDP成長率は2004年に せた融資・助言サービスを提供しています。 7.2%に達した後やや減速し、中程度の成長率を維持 すると予測されています。世界的な投資回復の中で 知識共有と分析・助言サービス も、好転の度合いが最も顕著だったのは東アジア・ 大洋州地域の途上国です。急成長を続ける中国に牽 世銀が蓄積している豊富な開発関連知識は、世銀 引されて、この地域の2004年のGDP成長率は7.4%に の援助活動において、常に重要な役割を果たしてき 達すると見込まれています。 ました。経済・セクター調査、技術援助、リサーチ・ このように、多くの開発途上地域が加速度的な成長 サービスなどの分析・助言サービス、借入国の情報 を遂げているのに対し、アフリカ地域のGDP成長率 アクセスを強化する能力拡大プロジェクトなどはその は2002年の3.3%から、2003年には2.4%に減速しまし 一例です。 た。向こう2年間の成長率は4%前後まで伸びるとみ られていますが、そのためには良好な気候、政情の 研究 安定、そして抜本的な構造改革が不可欠です。この 国別研究は世銀の知識基盤の中核を成すもので 地域では引き続き、疾病とインフラの未整備が大きな す。研究の成果は政策研究報告書、開発データ、開 課題となっています。 発見通し分析など、さまざまな開発関連文書にまとめ 中東・北アフリカ地域では、主にイラク紛争に起因 「世界開発報告」 られています。中でも は世銀が毎年 する深刻な混乱にもかかわらず、2003年のGDP成長 発表している主要報告書の1つであり、世銀の研究を 率は2002年の3.3%を大幅に上回る5.1%となりまし 総括するものです。研究の成果は世銀の活動の基盤 た。これは1991年以来最も高い数字です。域内の石 となると同時に、さらなる研究を促すものとなってい 油輸出国のGDP成長率が前年の3.6%から5.7%に急 ます。 98 世界銀行 年次報告 2004 ニカラグアのサン・ファン・デル・スル 図5.1 一人当たり国内総生産(GDP)指標 1993–2003年度 アフリカ地域  東アジア・大洋州地域  南アジア地域  200 200 200 174 145 150 150 150 108 100 100 100 100 100 100 50 50 50 1993 2003 1993 2003 1993 2003 ヨーロッパ・中央アジア地域  ラテンアメリカ・カリブ海地域  中東・北アフリカ地域  200 200 200 150 150 150 122 122 100 107 100 100 100 100 100 50 50 50 1993 2003 1993 2003 1993 2003 出典:世銀   「世界経済・社会統計データベース」 第5章 2004年度の活動概要 99 他国の参考にもなるものでした。 世銀の研究部門は2004年度に複数のインパクト評 価を実施しました。評価の対象となったのは、特定の 人口集団を対象とするプログレサ型の所得移転プロ (アルゼンチン、 グラム ブラジル、エクアドル、中国)、 地域社会主導の参加型開発(グルジア、インドネシア、 パキスタン、フィリピン)、農村道路投資(ベトナム)、 (バングラデシュ、 衛生プログラム インド)、教師・保 健業務従事者へのインセンティブ(アフリカ、アジア地 域の国々)、および新聞等を利用した広報活動(ウガ ンダ)です。 「世界開発報告2005:よりよい投資環境の構築(仮 題)」は、世銀戦略のもう1つの柱である「投資環境の に焦点を当てたもので、 構築」 投資環境は国によって、 また同じ国でも地域によって大きく異なるとしていま す。この報告書では、膨大なデータと各国の事例研 究をもとに、成長と貧困削減を促進する投資環境を 構築・運用するための施策が提案されています。本 報告書は政府が企業の意思決定に影響を与える4つ の分野として、事業コスト、機会の追求に伴うリスク、 機会の獲得を阻む直接的な障壁、および競争圧力を 挙げ、この4つは相関関係にあると指摘しています。 輸出用の食物とトルコの農民。 「世界開発報告2006:社会的平等と開発(仮題)」で は、途上国で生じている不均衡の実態と、それが経 「世界開発報告2004:貧困層向けにサービスを機能 済発展と貧困削減に与える影響が分析される予定で させる」は、世銀の開発戦略の1つの柱である「貧しい す。深刻な不均衡は貧困削減をさまざまな側面から 人々への投資とエンパワーメント」に焦点を当てたも 妨害し、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成をさらに ので、複数のインパクト評価の結果をもとに、保健・ 困難なものとします。本報告書では国内および国家間 医療、教育、およびインフラサービスを効果的に提供 の不均衡の現状と最新の動向を明らかにすると共に、 するための方法を考察しています。こうした体系的な こうした不均衡がもたらす影響の範囲と、不均衡を是 評価は、途上国の政策決定者がプログラムや政策の 正し、成長と経済効率を促進するための施策を考察 継続、変更、あるいは廃止を的確に判断し、希少な する予定です。 資源を有効に配分するための一助となっています。 「世界開発報告2004」にはメキシコのプログレサ・ 経済・セクター調査 プログラムの評価結果も掲載されました。プログレサ 世銀の融資活動を補完し、開発の有効性を高める は子供の就学や保健プログラムへの参加を条件に、 一助となっているのが、世銀の経済・セクター調査 貧困世帯に毎月現金を支給するプログラムです。メキ (ESW)です。ESWの報告書としては、国別援助戦略 シコ政府は世銀による厳正な独立評価の結果に基づ (CAS)や政策対話全般の基礎となる主要現状分析報 いて、プログレサの拡大を決定しました。現在はメキ 告書、特定のテーマに焦点を当てた国別・地域別助 シコ国民の20%がこのプログラムの恩恵に浴してい 言報告書などがあります。報告書以外の成果物とし ます。このインパクト評価によって得られた知識は、 ては、政策ノート、ワークショップ、および会議があり メキシコはもとより、同様のプログラムを実施している ます。近年のESWでは、借入国の主体性、参加プロ 100 世界銀行 年次報告 2004 セス、パートナーシップ、およびキャパシティ・ビル ディングに重点が置かれるようになっています。 2004年度は金融・民間セクター開発と公共セク ター・ガバナンスに関するESW報告書が最も多く作成 されました。人的開発、社会的保護、および農村開発 の分野でもさまざまな調査が実施され、プロジェクト 設計や国別計画策定の一助となりました。たとえば、 世銀がポーランドで実施した「投資環境調査」は、生 産性 に最も影響を与える投資 (特に貧困層の生産性) 環境の特徴を分析し、改革の優先分野を明らかにす るものでした。インドに対する政策ノートは、同国の 財政スタンスを改善するための緊急措置を当局に提 言するものでした。ジブチ、ウガンダといった国々で 「国別財務管理評価」 は、 を実施し、公共セクターの財 務管理制度の長短を分析することによって、財務管理 能力を強化するための施策を提案しました。また、国 別報告書を補完するものとして、貿易、保健・医療、 所得分配などに焦点を当てた地域別報告書が作成さ 世銀の環境ネットワークは、開発を促進し、貧困を削減するための れました。 行動が、環境破壊につながることのないよう万全を期しています 2004年度は借入国全体で 734件のESW成果物が作 成されました(表5.1参照)。このうち122件は主要現状 分析報告書でした。これらの報告書は国別援助戦略、 表5.1 経済・セクター調査 (ESW)の成果物 貧困削減支援融資、およびその他の構造調整融資の 2003–2004年度 基礎となるだけでなく、借入国との政策対話にも役立 成果物の数 てられました。ESWの成果は報告書以外の形でも提 報告書のタイプ 2003 2004 供されました。これは、世銀がキャパシティ・ビルディ ングを重視するようになったこと、借入国が短期間で 報告書 443 487 開発成果を出せるよう、分析データを「ジャスト・イ 主要現状分析報告書 119 122 報告書以外の成果物 283 247 ン・タイム」で提供するようになったことの表れです。 2004年度に作成されたESW成果物を地域別に見 ESW成果物の合計 726 734 ると、アフリカ地域に関するものが約30%、ヨーロッ 注:地域局、ネットワークが作成したものをすべて含む。 パ・中央アジア地域に関するものが21%でした。東ア ジア・大洋州地域と中東・北アフリカ地域では、プロ グラム的ESWの利用がさらに進みました。中東・北ア のニーズに合わせたプログラムに重点を置くようにな フリカ地域では引き続き、償還可能な技術協力プロ りました。また、昨年度に引き続き、遠隔学習システ グラムに重点が置かれました(世銀と二国間・多国間 ムを利用したグローバル学習や、各国の意思決定者 ドナーの連携についてはwww.countryanalyticwork. が共通の開発課題について話し合う非公式コミュニ net参照)。 ティの構築も推進されました。こうした「実践コミュニ ティ」は関係者の学習の場となるだけでなく、開発効 能力の拡大 果を高める一助となっています。また、実践コミュニ 2004年度より、世界銀行研究所(WBI)は新たな方 ティはメンバーが日々の業務で直面する問題や疑問を 針として、長期的な制度能力構築と、途上国の個別 解決する上でも役立っています。 第5章 2004年度の活動概要 101 囲み5.1 国別ニーズへの対応 世界銀行研究所(WBI)の「開発のための知識プログ ラム」は、中国 の生涯学習プロジェクトの一環として、 同国のさまざまな省庁の高官による視察研修を実施し ました。視察団はメキシコと米国の主立った教育機関 や民間企業を訪れ、品質管理・認定システム、遠隔教 育、および大規模な再教育の現場を視察しました。 マダガスカルでは同国大統領の要請を受けて、新政 府の上級政治・行政官僚を対象とした研修を準備・実 ワシントンDCの世銀本部にあるGDLNのスタジオ。アフガニスタン 施し、国家開発戦略の策定に貢献しました。また、各国 女性とテレビ会議が行われている様子。 の指導者と政策担当者からなる緊密な南南コミュニ ティを組織し、開発関係者が国境を越えて、投資環境や グローバル・ディベロップメント・ラーニング・ネット ガバナンスの改善について意見を交換できるようにし (GDLN) ワーク の北京、コロンボ、デリー、ハノイ、お ました。 よびパリの拠点を結んで開催されたテレビ会議はそ ナイジェリアでは「能力拡大ニーズ評価」を実施しま の1つです。この会議では、貧困削減プロジェクトの した。主要な利害関係者と密接に連携し、それぞれの 拡大に地域社会主導の開発を利用する方法が、約3 能力拡大ニーズを分析したほか、キャパシティ・ビルディ 時間にわたって議論されました。 ングの内容や手法について意見を求めました。また、す WBIは世銀の国別チームと緊密に連携することで、 べての利害集団がナイジェリアの将来と行動計画に対 能力拡大プロジェクトがすべての国別援助戦略に盛 して共通のビジョンを持つことができるよう支援しまし り込まれるよう配慮しています。これまでに、WBIは た。WBIの能力拡大ニーズ評価では、講座やセミナーと ブラジル、インド、ケニアなど19カ国の国別援助戦略 いった伝統的な手段と並んで、インターネット、実践コ に貢献しました。また、WBIは世銀の結果アジェンダ ミュニティ、利害関係者との対話、相互学習、マスコミ を尊重し、プロジェクトの途中経過に重点を置いたモ なども知識共有の有効な手段と見なされています。 ニタリング・評価を実施しています。2004年度には12 件の結果・インパクト評価が実施され、現在13件が進 行中です。 WBIは講座やセミナーを実施する傍ら、インター 2004年5月に上海で開催された国際貧困撲滅会議 ネット、実践コミュニティ、利害関係者との対話、相互 では、WBIの協力により、事前に約半年間にわたって、 学習、マスコミといった新しい知識共有手段も活用し 各国の開発関係者が共に学習し、知識を共有する機 ています。また、途上国が自国のガバナンス体制やグ 会が設けられました。上海会議には1200人を超える ローバル知識経済への対応状況を測定するための診 人々が出席し、約100件の事例研究をもとに、成功し 断・分析ツールも開発しました。 たプログラム、政策、およびプロジェクトの規模を拡 WBIは新しい国別アプローチの一環として、地域 大する方法を話し合い、貧困削減の成功モデルを模 の固有の知識を利用し、現地のドナーや学習組織と 索しました。会議には多数の途上国・先進国から主 の連携を強化するために、プログラムの分権化を進 要な意思決定者が出席し、経済・社会・組織体制の めています。最近では、中東・北アフリカ地域と共同 違いを越えて、成功例、失敗例、およびその理由につ でフランスのマルセイユに中東・北アフリカ地域のた いて意見を交換しました。 めの知識センターを開設しました。これは小規模の事 事例研究の発表者が発表内容に対するフィードバッ 務所ですが、域内外の専門家の交流を促し、都市開 クを事前に得ることができるように、WBIは会期前に 発、ガバナンス、教育等に関するプログラムの設計を 約20回の国際テレビ会議を催しました。2004年2月に 支援する場となる予定です。WBIの事務所はアルマ 102 世界銀行 年次報告 2004 トゥイ、北京、カイロ、モスクワ、パリ、および東京に 図5.2 IBRDとIDAの地域別融資 2004年度 合計201億ドルに占める割合 も設置されています(囲み5.1参照)。 2004年度、WBIは各国の研修施設と協力したり、 南アジア 17%  アフリカ 20%  グローバル・ディベロップメント・ラーニング・ネット (GDLN) ワーク の遠隔学習システムを利用したりする 中東・   北アフ リ カ  ことによって、約124カ国で7万8500人を対象に、 5%  東アジア・   大洋州 13%  1016件のトレーニングを実施しました(第1章の囲み 1.1参照)。 ラテンアメ リカ・   ヨーロッパ・   カリブ海 27%  中央アジア 18%  2004年度における世銀の融資 世銀は国際資本市場から資金を調達するIBRDと、 富裕な加盟国から直接拠出金を得るIDAで構成され ています。世銀はIBRDとIDAの資金を借入国の貧し い人々のために役立てています。 図5.3 IBRDとIDAのテーマ別融資 2004年度 世銀の国別融資には、ミレニアム開発目標(MDGs) 合計201億ドルに占める割合 の達成という世銀の目標が反映されています。融資 都市開発 7%  経済管理 2%  は借入国の個別のニーズに基づいて行われ、その手 貿易・統合 6%  環境・   段はますます柔軟なものとなっています。 天然資源管理 6%  一般に、IBRDの融資対象となるのは中所得国です 社会的保護・   リスク管理  が、IDAの原資には制約があるため、比較的規模が 8%  金融・   民間セクター開発  社会開発・   大きく、信用力がある国については、低所得国であっ ジェンダー・   20%  てもIBRDの融資適格国と見なされます。IBRDの融 参加 8%  人的開発  資は償還期間が長めで、融資条件も市場の条件に比 農村開発  15%  8%  べるとやや有利となっています。2004年度は33カ国 公共セクター運営  の87件のプロジェクトに対し、110億ドルの融資が行 法規 3%   17%  われました。 一方、IDAの融資対象となるのは特に貧しい国々 です。こうした国々は通常、市場ベースの条件では資 金を調達することができません。IDAはこうした国々 に対し、10年間の据置期間を設け、35年から40年と いう長い償還期間で無利子の譲許的融資を提供して 図5.4 IBRDとIDAのセクター別融資 2004年度 合計201億ドルに占める割合 います( と呼ばれます) 「開発融資」 。2004年度は62の 給水・衛生・治水 8%  農業・漁業・林業 7%  低所得国の158件のプロジェクトに対し、90億ドルの 融資が行われました。 教育 8%  IBRDとIDAはどちらも貧困削減を最重要目標に掲 運輸 19%  エネルギー・  鉱業 5%  げ、成長を促進し、基本的な公共サービスを改善す 金融 9%  るプロジェクトに融資を行っています。世銀は他機関 とのパートナーシップを通して資金を提供することも 法律・司法・   保健・その他の  あります。図5.2、5.3、および5.4はIBRDとIDAの2004 行政 25%  社会サービス 15%  年度の融資を地域、テーマ、およびセクター別で分類   したものです。また、表5.2はテーマ別、セクター別融 情報・通信 <1%  産業・貿易 4%  第5章 2004年度の活動概要 103 表5.2 世界銀行によるテーマ別、セクター別の融資 1995–2004年度(単位:100万ドル) 1995–97 1998–99 年度 年度 (年平均) (年平均) 2000 2001 2002 2003 2004 テーマ 経済管理 1,129.2 1,952.7 799.6 895.3 1,408.0 777.7 428.6 環境・天然資源管理 2,616.5 2,018.6 1,829.4 1,354.6 924.0 1,102.6 1,304.6 金融・民間セクター開発 5,876.9 9,486.0 3,368.4 3,940.9 5,055.4 2,882.9 4,176.6 人的開発 1,888.7 2,486.5 1,190.3 1,134.7 1,756.1 3,374.0 3,079.5 公共セクター運営 1,646.0 2,550.7 2,142.5 2,053.7 4,247.2 2,464.1 3,374.0 法規 274.4 362.9 373.6 410.0 273.2 530.9 503.4 農村開発 2,418.4 2,746.4 1,413.7 1,822.3 1,600.0 1,910.9 1,507.8 社会開発・ジェンダー・参加 1,102.7 1,320.5 800.8 1,469.7 1,385.7 1,003.1 1,557.8 社会的保護・リスク管理 1,288.9 2,653.9 1,895.0 1,651.0 1,086.4 2,324.5 1,577.0 貿易・統合 674.7 813.2 426.4 1,059.9 300.9 566.3 1,212.7 都市開発 2,090.4 2,403.3 1,036.6 1,458.6 1,482.4 1,576.3 1,358.1 テーマ総額 21,006.8 28,794.8 15,276.2 17,250.6 19,519.4 18,513.2 20,080.1 セクター 農業・漁業・林業 1,395.0 2,097.1 837.5 695.5 1,247.9 1,213.2 1,386.1 教育 1,633.2 2,154.3 728.1 1,094.7 1,384.6 2,348.7 1,684.5 エネルギー ・鉱業 3,459.9 2,311.0 1,572.4 1,530.7 1,974.6 1,088.4 966.5 金融 2,069.6 5,029.9 1,571.6 2,246.3 2,710.8 1,446.3 1,808.9 保健・その他の社会サービス 2,053.2 3,114.1 1,491.7 2,521.2 2,366.1 3,442.6 2,997.1 産業・貿易 1,661.3 2,922.7 1,036.7 718.3 1,394.5 796.7 797.9 情報・通信 152.0 179.4 273.8 216.9 153.2 115.3 90.9 法律・司法・行政 3,543.2 6,264.7 4,534.6 3,850.2 5,351.2 3,956.5 4,978.7 運輸 3,186.0 3,511.3 1,717.2 3,105.2 2,390.5 2,727.3 3,777.8 給水・衛生・治水 1,853.5 1,210.2 1,512.6 1,271.7 546.0 1,378.3 1,591.6 セクター総額 21,006.8 28,794.8 15,276.2 17,250.6 19,519.4 18,513.2 20,080.1 うち、IBRD融資額 15,288.5 21,634.3 10,918.6 10,487.0 11,451.8 11,230.7 11,045.4 IDA融資額 5,718.3 7,160.5 4,357.6 6,763.6 8,067.6 7,282.5 9,034.6 注:プロジェクトの分類が変更されたことに伴い、2003年度の年次報告に記載されたテーマ別融資の数字を一部変更した。具体的には、法律・司法・行政セクターの下 に公共医療金融サブセクターを新設し、一部のプロジェクトを遡及的にこのサブセクターに分類したことにより、 法律・司法・行政セクターと金融セクターの数字に変更 が生じた。端数を四捨五入したため、合計が合わないことがある。 資の一覧です。世銀融資に関する詳細は本報告書の 格があっても、信用力が低い場合はIBRDから融資を 第2巻に記載されています。 受けることはできません。また、信用力に関わらず、 一国に対するIBRDの融資残高が135億ドルを超える IBRDの役割 ことは認められていません。 2004年度は、一人当たり国民所得が5115ドルに満 1日1ドル未満で生活している人々の75%は、IBRD たない国々のうち、国際開発協会(IDA)からのみ融 の融資を受けている国で暮らしています。一般に、 資を受けている国を除いた国々がIBRDの融資適格 IBRD借入国は多少なりとも民間資本市場にアクセス 国でした。国民一人当たり所得が上記の金額を超え することのできる中所得国です。一人当たり国民所得 ている場合も、特定の条件下で、あるいは「卒業」戦 が低いためにIDA融資適格国となっている国でも、あ 略の一環としてIBRDの融資を受けることができます。 る程度の信用力があれば、IBRDからの融資が限定 ただし、IBRDが融資を行う金額は各国の信用力に 的に認められる場合があります。これらの国は「ブレ よって異なることに留意する必要があります。借入資 ンド借入国」と呼ばれています。ブレンド借入国に対 104 世界銀行 年次報告 2004 する融資を除いても、1日1ドル未満で生活している 図5.5 IBRDの地域別融資 2004年度 合計110億ドルに占める割合 人々のうち25%が、IBRDの融資を受けている国で暮 南アジア 4%  東アジア・大洋州  らしています。IBRDは、市場の平均よりも償還期間が 15%  中東・  長く、緩やかな条件かつ持続可能な形で多額の融資 北アフリ カ 9%  を行うことにより、世界の貧困削減に大きく貢献して います。 IBRDはト (AAA) リプルA の格付けを得ている国際 ヨーロッパ・   金融機関であり、他の金融機関にはないいくつかの ラテンアメ リカ・   中央アジア  カリブ海 45%  27%  特徴を備えています。たとえば、IBRDの株主は各国 政府です。IBRDの加盟国(借入国)は、IBRDの方針 に対する発言権を有しています。IBRD融資(および IDA融資)では通常、融資と平行して、融資の効果を 高めるための助言サービスが提供されます。また商 業銀行と異なり、IBRDの目的は利益の最大化ではな く、開発効果の最大化に置かれています。 図5.6 IBRDのテーマ別融資 2004年度 合計110億ドルに占める割合 IBRDの融資 都市開発 8%  経済管理 3%  2004年度のIBRDの新規融資承認額は、前年度の 環境・天然資源管理  水準に迫る110億ドルとなりました。融資全体に占め 7%  貿易・統合 7%  る構造調整融資の割合は、前年度よりもやや高くなり 社会的保護・   リスク管理  金融・   ました。 10%  民間セクター開発  融資承認額が最も多かったのはラテンアメリカ・カ 社会開発・   22%  ジェンダー・   リブ海地域で、全体の45%に相当する50億ドルの融 参加 4%  人的開発  資が行われました。次いで、ヨーロッパ・中央アジア 14%  農村開発 6%  地域が30億ドル、東アジア・大洋州地域が17億ドルで   した。2003年度に比べると、融資の対象国はやや絞 法規 4%  公共セクター運営 15%  られました。2003年度は5カ国で融資承認総額の約 49%を占めていたのに対し、2004年度はアルゼンチ ン、トルコ、ブラジル、および中国の4カ国だけで51% を占めました。 2003年度のIBRD融資をセクター別にみると、融資 図5.7 IBRDのセクター別融資 2004年度 承認額が最も多かったのは法律・司法・行政(27億ド 合計110億ドルに占める割合 ル)、次いで運輸(25億ドル)、保健・社会サービス 給水・衛生・治水 6%  農業・漁業・林業 6%  (18億ドル)でした。 教育 5%  テーマ別にみると、融資承認額が最も多かったの エネルギー・  は金融・民間セクター開発で、第2位が公共セクター 鉱業 3%  運輸 23%  金融 11%  運営、第3位が人的開発でした。図5.5、5.6、および 5.7はIBRDの融資を地域、テーマ、およびセクター別 で分類したものです。表5.3は2001–2004年度の世銀 保健・その他の  法律・司法・   社会サービス  の構造調整融資承認額の一覧です。 行政 24%  16%    情報・通信 <1%  産業・貿易 6%  第5章 2004年度の活動概要 105 表5.3 世界銀行による構造調整融資承認額 2001–2004年度 2001年度 2002年度 2003年度 2004年度 (百万ドル) (%) (百万ドル) (%) (百万ドル) (%) (百万ドル) (%) 地域別構造調整融資承認額 アフリカ 908 16 1,437 15 789 13 925 15 東アジア・大洋州 250 4 17 0 100 2 104 2 ヨーロッパ・中央アジア 1,132 20 4,743 48 710 12 1,620 26 ラテンアメリカ・カリブ海 2,788 48 2,517 26 3,639 60 3,022 49 中東・北アフリカ 185 3 263 3 165 3 0 0 南アジア 500 9 850 9 615 10 480 8 IBRDとIDAの構造調整融資 承認額 IBRD 3,937 68 7,383 75 4,187 70 4,453 72 IDA 1,826 32 2,443 25 1,831 30 1,698 28 構造調整融資合計 5,763 100 9,826 100 6,018 100 6,151 100 世銀の融資承認総額 IBRD 10,487 11,452 11,231 11,045 IDA 6,764 8,068 7,283 9,035 IBRDとIDAの合計 17,251 19,519 18,513 20,080 融資総額に占める 構造調整融資の割合 33 50 33 31 注:端数を四捨五入したため、合計が合わないことがある。 IBRDの原資 ドル、重債務貧困国(HIPC)信託基金に2億4000万ド 2004年度、IBRDは通常の資金調達の一環として、 ル、IDAからのみ融資を受けている国の債務削減 国際資本市場から130億ドルの中長期資金を調達し ファシリティに5000万ドルが移転されました。IBRDは ました。この額は2003年度の190億ドルを下回るもの 2004年度も流動性を適切な水準に保ち、その業務を でした。また、2004年度には多様な償還期間とストラ 遂行しました。2004年6月30日現在の流動資産は約 クチャーを持つ世銀債が10種類の通貨で発行されま 310億ドルとなっています。 した。世銀債の商品性が多様化したことにより、投資 家基盤が拡大し、途上国に融資を行う際の金利を引 図5.8 資産利益率(ROA)推移(%) き下げることが可能となりました。IBRDの健全な財 務体質は、株主国の支援と、国際金融市場で高い信 2.5 2.06 用力を維持するためにIBRDが採用している財務方針 とその運用によって支えられています。 1.34 1.29 健全な財務体質 0.78 1.18 2004年度のIBRDの営業利益は16億9600万ドル、純 利益は16億7500万ドルでした(純利益の一部は準備 金や開発活動に配分されます)。健全な財務体質を 0 a a a 長期にわたって維持し、その他の開発ニーズにも対 00年度  01年度 02年度 03年度 04年度 応するという方針に従い、IBRDは純利益のうち6億 a. IBRDは2001年度に米国財務会計基準書No.133および国際会計基準書No.39を 使用した。 その結果、 デリバテ ィブを時価で計上する必要性が生じた。 2001〜04年の各 8000万ドルを別途積立金に、4億500万ドルを余剰金 年度の資産利益率は過年度の数値と比較で きるよ うに、 これらの基準書を使用しない場 合の数値で示さ れている。これ らの基準書を使用した場合、 2001年度は0.87、2002年 勘定に繰り入れました。また、2004年度はIDAに3億 度は1.87、 2003年度は3.64、2004年度は–1.67となる。  106 世界銀行 年次報告 2004 図5.9 資本/貸出比率 2004年6月30日現在(%) 力の基本指標となる総資本に対する貸付残高の比率 30 は、世銀の財務・リスク見通しに基づいて厳格に管理 26.6 29.4 されています。図5.9は2004年6月30日現在の資本/貸 22.9 21.3 21.5 出比率を示したものです。 優れた金融仲介能力 IBRDは、株主である各国政府から資金拠出を受 けていること、また借入国から優先債権者と見なされ ていることなどから、資本市場できわめて高い評価を 0 (AAA) 得ています。IBRDはトリプルA という高い格 00年度  01年度  02年度  03年度  04年度  付けを得ているため、長期資金を有利な条件で調達 することができます。このため、新規借入コストは相 健全な財務体質の維持 対的に低く、多額の資金を低コストで調達することが IBRDは協同組織として、利益の最大化ではなく、 可能です。2004年度の借入コストはロンドン銀行間取 健全な財務体質を維持し、開発活動を継続するだけ 引金利 を平均で約38ベーシス・ポイン (LIBOR) ト(1 の資産利益率 を確保することを重視していま (ROA) ベーシス・ポイント=0.01%)下回るものでした。 す。IBRDは毎年、約1%の資産利益率を達成してい 2004年度の資本市場からの借入金残高(スワップ ます。2003年度は貸倒引当金が減少した結果、資産 後)は1030億ドルを超え、融資実行額と未実行残高の 利益率が2%を上回りましたが、2004年度は再び1% 合計は約1100億ドルとなりました。この借入額は世銀 となりました。図5.8は2000年度から2004年度にかけ の自己資本の約3倍にあたります。図5.10は2004年6 ての資産利益率の推移を示したものです。 月30日現在の世銀の借入と投資の状況を示したもの リスク管理 開発機関であるIBRDにとって、最大のリスクは途 表5.4 IBRDの財務データの概要(単位:100万ドル) 上国に融資や保証を提供することによるカントリーリス 2004 2003 クです。金利や為替レートの変動リスクは最小限に抑 年度 年度 えられています。世銀は途上国のニーズに合った融 会計年度a 資を、できる限り有利な条件で行うために、国際金融 融資収益 4,403 5,742 市場で活発に活動しています。世銀のリスク負担能 投資収益 304 418 借入費用 (2,789) (3,594) 管理費 (934) (882) その他 712 1,337 図5.10 借入金および投資額 2004年6月30日現在 (単位:10億ドル) 営業利益b 1,696 3,021 配分可能な純利益 1,675 3,050 114.0 111.5 111.2 103.0 103.3 融資承認額 11,045 11,231 融資実行額 10,109 11,921 年度末a 現金および流動性投資 31,126 26,620 31.1 融資金残高 109,610 116,240 24.3 24.4 25.1 26.6 借入金残高c 103,295 103,017 自己資本 35,463 37,918 00年度  01年度  02年度  03年度  04年度  a. 本年次報告の第2巻に示されている監査済み財務諸表からの抜粋 現金および流動性投資  b. 米国財務会計基準書No.133の調整を除く スワップ後借入金残高  c. スワップ後の借入金残高 第5章 2004年度の活動概要 107 図5.11 2004年度の純営業利益16億7500万ドルの配分案 手数料を減免したり、一部の適格国については融資 (単位:100万ドル) の約定利子を免除したりすることによって、借入国に 別途積立金 680 重債務貧困国 240 も利益の一部を定期的に還元しています。 健 全 な 財 務 基 盤と市 場 からの 高 い 信 用 により、 IBRDは世界の債券市場で自己資本の4倍の起債を行 IDA 300 うことが可能となっています。開発プロジェクトに対 するIBRDの融資能力は、こうした高い資金調達能力 によって支えられています。図5.11は世銀が理事会に IDAからのみ  融資を受けている  提出した純営業利益の配分案です。 国の債務削減 50 剰余金 405 注:理事会に対する提案  IDAの役割 IDAは最貧国に譲許的融資を行う世界最大の機関 です。表5.4は2003年度と2004年度におけるIBRDの です。IDAは経済・人的開発分野の基礎的なプロ 財務データの概要です。 ジェクトに投資を行っています。 IDA融資の適格国となるためには、相対的に貧困 IBRD純利益の獲得と配分 (一人当たり所得で比較) であること 、さらにIBRDの IBRDは融資収益(利息収入から借入費用を引いた 融資を得るだけの信用力を持たないことの2つの基 もの)、投資収益、および払込資本から収入を得てい 準を満たす必要があります。IDA融資適格国の基準 ます。予期せぬ信用危機が発生しない限り、ここから となる一人当たり国民所得の上限は、2004年度は865 貸倒準備金と一般管理費(職員退職金への引当金な ドルでした(ただし、IDAは経済規模の小さい諸島国 を差し引いたものが純利益となり ど) ます。 のように、IDA融資適格国の基準となる一人当たり国 IBRDの純利益は世銀業務に関わるさまざまな目的 民所得の上限は越えているが、IBRDから融資を受け に利用されています。純利益の一部は財務の健全性 るだけの信用力を持たない国についても例外的に融 を維持するために毎年留保されます。こうした留保利 資を行っています)。融資額は借入国の成長促進政 益により、IBRDは緩やかな条件で途上国に融資を行 策や貧困削減政策の質をもとに決定されます。評価 うことに伴う信用リスクを管理することができ、借入 は毎年実施されます。 国もその恩恵を享受することができます。また、留保 IDAから融資を受けている国々はMDGsの達成に 利益は融資の質が低下したり、資金需要が増加した 取り組んでいますが、その前には多くの複雑な問題 りした場合に、財務の健全性を維持する上でも役 が立ちはだかっています。政策面の優先課題として 立っています。 は、HIV/エイズやその他の伝染病の蔓延防止策の強 IDAへの支援は常に優先的に行われています。過 化、民間セクター投資の条件となる健全な投資環境 去5年間で、IBRDの純利益の約17%に当たる15億 の整備、ジェンダーの平等の促進、基礎教育の質の改 2200万ドルがIDAに移転されました。 善、貧しい人々が教育を受ける機会の拡大などがあ IBRDは重債務貧困国 イニシアテ (HIPC) ィブの支援 ります。 にも力を入れています。過去5年間でHIPC信託基金 IDAはこれまで、きわめて譲許的な融資を通して途 に移転された資金の総額は約10億7000万ドルに上り 上国を支援してきました。2003年度からはグラントの ます。この額はIBRDの年間純利益の約12%に相当し 適用範囲が拡大され、IDA国の中でも特に債務額の ます。 大きい最貧国の状況を緩和するためにグラント資金 IBRDの純利益は、その他の開発ニーズに対応する が提供されるようになりました。現在、IDAのグラント ためにも適宜利用されています。予期せぬ人道危機 はHIV/エイズ対策、自然災害復興、および紛争後復 に対応したり、有意義な目的に対してグラントやその 興の3分野を対象に提供されています。 他の支援を提供したりすることはその一つです。また、 IDAの活動資金は自己資金とドナー国からの拠出 108 世界銀行 年次報告 2004 金でまかなわれています。IDAドナーは3年ごとに会 図5.12 IDAの地域別融資承認額 2004年度 合計90億ドルに占める割合 議を開き、今後の融資プログラムへの新規拠出額を 決定すると共に、融資方針と優先分野を議論します。 南アジア 33%  アフリカ 45%  2001年からは借入国の高官もこうした増資協議に参 加するようになりました。 IDAドナーの拠出額は通常、各国の相対的経済力 や貧困国に対する支援方針に基づいて決定されま 中東・  す。従って、最大の拠出国は主要先進国となっていま 北アフリ カ 2%  すが、アルゼンチン、ブラジル、ハンガリー、韓国、ロ ラテンアメ リカ ・  カリブ海 4%  シア連邦、トルコといった途上国および移行経済国も ヨーロ ッパ・中央アジア  東アジア・   ドナー国に名を連ねています。この中には現在も 6%  大洋州 10%  IBRDから融資を受けている国や、IDAから融資を受 けた経験を持つ国も含まれています。IDAはドナー からの強力で安定した支援と過去の融資に対する返 済金によって健全な財務水準を維持しています(IDA に関する詳細はwww.worldbank.org参照)。 図5.13 IDAのテーマ別融資承認額 2004年度 合計90億ドルに占める割合 IDAの融資 都市開発 5%  経済管理 1%  2004年度、IDAは158件のプロジェクトに対し、総 貿易・統合 5%  環境・天然資源管理  額90億ドルの支援を承認しました。このうち73億ドル 6%  社会的保護・   は融資、17億ドルはグラントです。IDAはさらに7000 リスク管理  5%  金融・   万ドルの保証も提供しました。2004年度のIDA融資承 民間セクター開発  社会開発・   18%  ジェンダー・   認額は過去最高額となりました。 参加 13%  融資承認額が最も多かったのはアフリカ地域で、 人的開発  農村開発10%  17%  IDA融資承認総額の45%に相当する41億ドルの融資 が行われました。第2位は南アジア(30億ドル)、第3   法規 1%  公共セクター運営 19%  位は東アジア・大洋州(9億ドル)でした。国単位では バングラデシュ、コンゴ民主共和国、インド、パキスタ ン、およびベトナムがIDA融資の主要借入国となりま した。 2004年度は、IDA融資の約19%がグラントとして提 供されました。グラントの内訳は、最貧国に対するも 図5.14 IDAのセクター別融資承認額 2004年度 合計90億ドルに占める割合 のが2億6400万ドル、重債務国に対するものが5億 2900万ドル、紛争後諸国に対するものが5億3600万ド 給水・衛生・治水 10%  農業・漁業・林業 9%  ル、HIV/エイズおよびその関連プロジェクトに対する ものが3億8100万ドル、自然災害復興プロジェクトに対 運輸 14%  教育 13%  するものが200万ドルでした。 エネルギー・  セクター別にみると、融資承認額が最も多かったの 法律・司法・   鉱業 7%  行政 24%  は法律・司法・行政で、IDA融資全体の24%に相当 金融 6%  する23億ドルの融資が行われました。また、保健・社 保健・その他の  会サービスと運輸セクターでも、全体の14%に相当す 社会サービス 14%    る12億ドルの融資がそれぞれ行われました。 情報・通信 1%  産業・貿易 2%  第5章 2004年度の活動概要 109 図5.15 IDAの資金源(単位:10億ドル) (SDR)が供与されます。IDA 13の内訳は、ドナーか 12.7 12.7 (約130億ドル) らの新たな拠出金100億SDR 、IDAの 11.7 (約90億ドル) 自己資金73億SDR (過去の融資に対す 9.2 8.4 7.9 る元本返済金や投資収益など)、IBRD純利益から移 (約9億ドル) 転される7億SDR 、および過去の増資か らの少額の残余資金です。図5.15は過去3回のIDA増 1.2 0.9 0.9 資の内訳を示したものです。 IDA13のもとで、IDAは結果重視アプローチを強化 11次増資  12次増資  13次増資  97–99年度  00–02年度  03–05年度  する大規模なイニシアティブに着手しました。その一 a IDAの自己資金 環として、IDA援助の結果を測定・モニタリングし、 IBRDの純利益からの拠出  ドナー拠出金  IDAプログラムが借入国の開発結果に及ぼした影響 a. IDAの自己資金には元本返済金、手数料か   ら一般経費を引いたもの、 を分析するシステムが開発されました。図5.16はIDA および投資利益が含ま   れている。 が社会セクターへの支援を強化していることを示して います。 図5.16 社会セクターに対するIDA援助の増大 2004年2月、ドナーおよび借入国の代表がパリに集 実施中のプロジェクト:290件(10年前は212件) まり、IDA第14次増資に関する初会合を開きました。 実施中の  会合では債務の持続可能性、融資と開発結果の関連 プロジェクトの件数  300 付け、グラント部分の資金調達、借入国主導の開発に 59 関する最新のIDA独立評価の結果などが議論されま 55 した。 200 49 122 149 81 融資の新しい形 100 世銀の融資プロジェクトでは、開発効果を高めるた 82 93 81 めの施策として、セクターワイドアプローチ(SWAps) 0 が採用されるようになっています。こうしたプロジェク 1994年度  1999年度  2004年度  トのほとんどは特定のセク (例:教育) ター 、または大 教育  保健・栄養・人口  きなサブセク (例:初等教育) ター を対象としたもので 給水・衛生・治水  す。SWApsは1990年代半ばから、アフリカ地域の低 注:IDA融資のみ適格国と ブレンド国の両方のプロジェクトを含む。実施中の社会セク ター・プロジ ェクトに対するIDA融資承認額は1994年度が117億ドル、1999年度が144 所得国を中心に、プロジェクトを単体ではなく、包括 億ドル、 2004年度が154億ドル。端数を四捨五入したため、合計が合わないこ とがあ   る。 的な計画の一部として、借入国主導で進めるための 手段として採用されるようになりました。 テーマ別にみると、融資承認額が最も多かったのは この10年で、SWApsを採用した世銀プロジェクトは 公共セクター運営と金融・民間セクター開発で、それ 30件を超えました。その大半はアフリカ地域と南アジ ぞれ約19%でした。次いで人的開発が17%、社会開 ア地域の社会セクターを対象としたプロジェクトです。 発・ジェンダーが13%、農村開発が10%でした。図5.12、 世銀は他の開発パートナーと共に、共通の政策フ 5.13、および5.14 は2004年度におけるIDAの融資を地 レームワークと包括的なセクター計画(または投資計 域、テーマ、およびセクター別で分類したものです。 に沿って融資を提供する方法を模索してきま 画) した。 そうした活動の中心となったのが、開発機関の計画、 IDAの原資 モニタリング・評価、報告、監査、融資、および調達 IDA第13次増資(IDA 13)は、2003年度から2005年 システムの調和化です。政府と開発機関の資金を一 度に承認される融資の原資となるもので、IDA融資適 元管理するプロジェクトも増えました。低所得国は (約230億ドル) 格国に合計180億SDR の特別引出権 SWApsを採用することによって、ドナーの援助資金を 110 世界銀行 年次報告 2004 効率的に利用できるようになっています。中所得国で は、世銀の援助を自国の戦略や制度と一致した形で 受け入れ、プロジェクトを単独で実施した場合に発生 する取引コストを低減する手段として、SWApsが注目 されるようになっています。 この数年で、世銀は積極的にSWApsを採用するよ うになりました。これは開発援助において、借入国の 主体性、調和化、開発結果、そして途上国の制度や 手続との整合性が重んじられるようになったためで す。世銀の政策と手続きの簡素化・近代化がさらに 進めば、開発パートナーとより柔軟に連携できるように なり、SWApsをさらに効果的に導入できるようになり ます。現在、世銀が進めている監査方針、融資対象、 および調達ガイドラインの変更と、結果ベースの合理 的な融資への移行は、いずれも開発効果の向上と SWApsの促進を目的としたものです。 債務の救済と持続可能性 2004年度においても、世銀は重債務貧困国の債務 救済に取り組みました。また、低所得国がミレニアム 開発目標を達成できるように、債務の持続可能性の改 インドにおける幼児治療の現場。 善 に努めま (長期的な債務管理) した。 重債務貧困国(HIPC)イニシアティブは、包括的な http://www.worldbank.org/hipc参照)。現在、27カ国 開発戦略の一環として行われているもので、HIPCの (HIPC適格国の3分の2)が債務救済の適用を受けて 対外債務を管理可能な水準まで引き下げることによ おり、債権国による債務救済総額は520億ドルを超え り、HIPCに開発のスタートラインに立つ機会を与える ると予測されています。このうちの14カ国がすでに完 ことを目的 として いま す( H I P C に 関 する 詳 細 は 了時点(債権国が決定時点で約束した債務救済がす 図5.17 重債務貧困国(HIPC)に対する債務救済: 図5.18 重債務貧困国イニシアティブの実施前と実施後の 債務額の削減と債務返済比率の改善 貧困削減支出の推移   (%)  (10億ドル)  (100万ドル)  (%)  30 90 10,000 $9,104 10 輸出に占める  債務返済の割合  $69 9 貧困削減支出額   (左軸)   (左軸) 60 歳入に占める  $6,067 8%  債務返済の割合  8 貧困削減支出の 対GDP比率  15   (左軸) 5,000 決定時点での    (右軸) $28 7 30 債務額  21.8%  14.6%  14.5%    (右軸) 6.4%  9.8%  6 0 0 0 5 支援前  支援後  支援前  支援後  (1999年)  (2003年)  (1999年)  (2003年)  注: 2004年4月末時点で決定時点に達 していた27カ国の加重平均。  注:2004年4月末時点で決定時点に達していた27カ国の加重平均。   出典:重債務貧困国 (HIPC)イニシアテ ィブの実施状況 (世界銀行、 ワシントンDC、 出典:世界銀行、 2004年4月、 重債務貧困国 (HIPC)イニシアティブ最新統計値  2002年9月) ;重債務貧困国 (HIPC)イニシアティブ最新統計値 (世界銀行、 ワシントン (世界銀行、 ワシントンDC、 2004年4月)  DC、   2004年4月) 第5章 2004年度の活動概要 111 HIPCイニシアティブの結果、対象国の債務残高は 大幅に減少し(図5.17参照)、政府の社会支出が増加 しました(図5.18参照)。 世銀は貧困国の債務削減を進めるために、HIPCイ ニシアティブにとどまらず、債務の持続可能性という、 より長期的な課題にも取り組んでいます。低所得国に とって、債務を返済可能な範囲に収めつつ、ミレニア ム開発目標の達成に必要な資金を確保することは至 難の業です。 現在、世銀と国際通貨基金(IMF)は、HIPCイニシ アティブの適用を受けていない低所得国が返済を続 けることのできる債務額について、その算出方法を開 発しているところです。この方法を利用すれば、債務 国の個別の状況や、資金需要と債務返済能力のバラ ンスをふまえた上で、適切な融資判断を下すことがで きます。この方法には各国の政府高官、多国間・二国 間ドナー、学術関係者、およびシビルソサエティ組織 との広範な協議の結果が反映されています。 信託基金 綿を紡ぐバングラデシュの女性。 信託基金とは、世銀が外部ドナーと締結する財 に到達しています。2004年度に完 べて完了した段階) 務・管理面での協定です。信託基金はプロジェクト 了時点に到達したのはエチオピア、ガーナ、ガイアナ、 の立案、技術支援、助言サービス、債務救済、紛争 ニカラグア、ニジェール、およびセネガルでした。そ 後復興、協調融資といった幅広い開発ニーズに対し の他の8カ国(ベナン、ボリビア、ブルキナファソ、マ てグラントを供与します。信託基金は革新的なプロ リ、モーリタニア、モザンビーク、タンザニア、ウガンダ) ジェクト・アプローチを推進したり、開発協力の範囲 は2004年度以前に完了時点に到達しています。現在、 を拡大したりすることによって、世銀の使命である貧 13カ国が決定時点に到達し、債務救済の適用を受け 困の削減に貢献しています。信託基金には多数の先 ています。 進国、一部の大きな途上国、民間セクター、および財 しかし、HIPCイニシアティブは依然として深刻な課 団が参加しており、複数ドナーによる援助プログラム 題を抱えています。主な課題としては、イニシアティ に利用されています。こうしたプログラムは世銀の ブの適用を受けていない重債務国(その多くは紛争 パートナーシップの中心となるものです。また、単独 に、適用期限となる2004年末 の影響を受けている国) のドナーが提供するプログラム的な信託基金(日本の までに「決定時点(国際社会がHIPCの債務を管理可 「開発政策・人材育成基金」 も引き続き、開発 など) 能な水準まで引き下げるための債務削減額に合意 活動を支える重要な存在となっています(詳細は し、救済プロセスが始まる時点)」に到達するよう奨 www.worldbank.org参照)。 励すること、決定時点に到達した国に、完了時点到達 に必要な条件を早期に満たすよう促すこと、非パリク 拠出金 ラブ債権国、民間債権者、および小規模国際機関の 2004年度、世銀の信託基金プログラムはさらに拡 参加を促すこと、HIPC諸国が貧困層に配慮した成長 大しました。ドナー拠出金は2003年度よりも10%(4億 戦略を遂行できるよう支援することなどがあります。 6000万ドル)増加し、49億ドルとなりました。信託基金 112 世界銀行 年次報告 2004 の総資産は68億9000万ドルから25%増え、86億ドル 表5.5 信託基金ドナーの上位10カ国・機関 (単位:100万ドル) となりました。ここには重債務貧困国(HIPC)、地球環 境ファシリティ(GEF)、および世界エイズ・結核・マラ 03年度 04年度 リア対策基金 を除くすべての信託基金に (GFATM) 欧州共同体(EC) 241 880 現金で払い込まれた金額が反映されています。上記 米国 1,085 594 の3基金については、拠出金は発生ベースで計上され 英国 252 585 日本 500 508 ます。表5.5に記載された2004年度の上位10ドナーで 世銀グループ 329 466 拠出総額の86%を占めました。 オランダ 269 400 ドイツ 194 226 カナダ 151 198 実行状況 イタリア 132 187 ノルウェー 142 174 2004年の融資実行額は、2003年度よりも28%(7億 その他のドナー 1,148 686 2000万ドル)増加し、32億8000万ドルとなりました。融 拠出金総額 4,443 4,904 資実行額が最も多かったプログラムは、上位からHIPC (9億4100万ドル)、GFATM(4億2900万ドル) (3 、GEF 注:2004年度の各ドナー拠出額に基づいたランキング。 、 億9800万ドル) アフガニスタン復興信託基金(2億1800 、 万ドル) およびヨルダン川西岸・ガザ地区信託基金(1 億7000万ドル)でした。この5つで融資実行総額の66% 図5.19 信託基金に対する拠出額と融資実行額  2000–04年度(単位:100万ドル) を占めま (21億6000万ドル) した。信託基金の融資実行 5,000 4,904 額はいずれも現金ベースのものです。図5.19は信託基 4,443 4,500 金への拠出額とその実行額を示したものです。 4,000 3,500 収支と投資 3,000 2,719 総資産額は着実に増え続け、2004年度は86億ドル 2,613 2,500 に達しました。これは2000年度の倍以上にあたります。 2,000 1,769 資産総額が増えた大きな理由としては、複数のドナー 1,500 が参加する大規模でプログラム的な信託基金がいくつ 1,000 か創設されたことが挙げられます。 500 0 主な新規プログラム 2000 2001 2002 2003 2004 新たな開発課題に対処するために、ドナー・コミュ 世銀グループによる拠出  その他のドナーによる拠出  ニティは2004年度に複数の大規模な信託基金および 融資実行額  プログラムを創設し、世銀に管理を委託しました。主 な新規プログラムとしては、複数のドナーが参加する イラク復興信託基金(復興資金としてドナーが約4億ド 信託基金に関する最新情報 ルの拠出を承認)「万人のための教育」 、 ファースト・ト 下記は2004年度に世銀が管理を担当した信託基金 ラック・イニシアティブ信託基金(2004–2007年度の間 の一例です。 に2億5000万ドルを調達予定)「ヨルダン川西岸・ガ 、 (世銀が運営するパレスチ ザ地区財政改革信託基金」 ポリオ撲滅のための投資パートナーシップ ナ自治政府のための構造調整プログラムの協調融資 この信託基金は2003年度に世銀、ゲイツ財団、国 支援窓口:複数のドナーが最高1億8500万ドルの拠出 際ロータリー、および国連財団が設立したもので、世 などがあり を承認) ます。 銀が管理を担当しています。本信託基金の目的は、 2005年までにポリオを撲滅することです。この目的を 第5章 2004年度の活動概要 113 達成するために、本信託基金は目標の達成度に応じ 基金ファシリティ」の設立を批准しました。この基金は てインセンティブを供与するという斬新な資金調達メ 世銀と国連開発グループが管理する2つの信託基金 カニズムを採用しました。IDAの資金を使ってポリオ からなり、両基金は緊密な連携のもとで運営されてい の撲滅に取り組み、既定の目標が達成された場合は、 ます。2004年1月、世銀理事会は世銀がITFの管理機 IDA融資を信託基金で償却する―つまり、目標が達成 関となることを承認しました。2004年度末現在、世銀 された場合はIDA融資がグラントに転換されることに 信託基金への拠出金額は約4億ドルに上っています。 なります。2004年度末現在、この信託基金に対するド 当面は組織能力の構築と復興および経済移行の緊急 ナーの出資額は合計3900万ドルに上っています。本 ニーズへの対応が最優先課題となる予定です。ITFが プロジェクトは2003年12月に、他の2つのプロジェクト 支援したプロジェクトとしては、14のセクターを対象と と共に世銀総裁賞を受賞しました。 したプロジェクト管理訓練(360万ドル)があります。 緊急教科書配布プロジェクト(4000万ドル)は、2004年 気候変動のための後発開発途上国(LDC)基金 度にイラク国内の小中学校に教科書を配布することを この信託基金は固有の経済的・物理的特徴により、 目指すもので、この他に学校再建プロジェクト、民間 地球温暖化や気候変動の影響を受けやすい後発開発 セクター開発、インフラ整備、公衆衛生サービスの充 途上国(LDC)のニーズに対応することを目的に2002 実があります。 年9月に設置されました。当面は、国家適応行動計画 の策定支援が最優先課題となる予定です。基金の管 協調融資 理は地球環境ファシリティが担当し、世銀は受託機関 協調融資とは、世銀が支援する特定のプロジェクト となっています。2004年度末時点で、12のドナー国が に対して、二国間・多国間パートナー、輸出信用機関、 合計3300万ドルの拠出を約束しており、既に1700万 および民間投資家が共同で行う追加的な融資のこと ドルが支払われました。すでに43件の国別プロジェ です。協調融資を活用することにより、世銀は借入国 クトと2件の国際支援プロジェクトに対し、約900万ド にさらなる融資を、多くの場合緩やかな条件で提供 ルが拠出されており、その大半が実施段階に入って することができます。2004年度の主なパートナーは米 います。 (37億ドル) 州開発銀行 、 (6億4000万ドル) 欧州委員会 、 および英国国際開発省(6億1200万ドル)でした。協調 イラク信託基金(ITF) 融資の対象地域は上位からラテンアメリカ・カリブ海 2003年10月にマドリッドで開催されたドナー会議に 地域(40億ドル)、アフリカ地域(30ドル)、南アジア地 おいて、国際ドナー・コミュニティは「イラク復興信託 域(13ドル)でした。 114 世界銀行 年次報告 2004 「バングラデシュ人口プロジェクト」の一環として、 ダッカの患者を回る家族計画病院の職員。1991年頃。 乳児の体重と 栄養状況を チェックする医師。 1991年頃、 ウガンダの診療所 にて。 ルイス・T・プレス トン 世銀総裁。1991–1995年。 農村部の風景。1992年頃、ブータン。 トルコでは「セイハン川灌漑プロジェク ト」 が実施されました。写真は水を流すための 畝を整備している様子です。1991年頃。 バーバー・B・コナブル(1986–1991) ルイス・T・プレストン(1991–1995) 年代 1990 1991 1992 1993 1994 地球環境ファシリ イ ンドに代わり、 ロシア連邦および旧ソ 「査閲パネル」 最初の情報公 ティが設立される。 中国が最大の 連の12の共和国が を設置。査閲 開センターが IDA借入国とな IBRDとIDAに加盟。 パネルは外部 オープン(ワシ メキシコの債務救済 る。中国は の要請に基づ ン 。 トンDC) プロジェ クトに対し、 プレストン総裁がリオデ 1999/2000年に いて、世銀が支 13億ドルのIBRD融 ジャネイロで開催された 世銀の設立50 1990 IDAから 「卒業」 。 援するプロジェ 資を承認 (現在に至 「地球サミ ット」に出席。 周年。 クトの悪影響を るまで、 IBRD融資の 開発の促進と環境保護 調査する独立の 最高額) 。 は補完関係にあるこ とを 調査機関。 確認。 「世界開発報告」のテー マに環境が選ばれる。 太陽光発電がもたらした明かりで 勉強するスリランカの子供。 ウォルフェンソン総裁とユース団体の代表者たち。 2003年、パリ。 ジェームズ・D・ウォルフェンソン 世銀総裁。1995–現在。 ディベロップメント・マーケッ ト プレースの会場。2003年12月。 最初のディベロップメント・マーケットプレースが ワシントンDCで開催されました。1998年。 ジェームズ・D・ウォルフェンソン(1995–) 年代− 現在 1996 1997 1998 1999 2000 「質保証グループ 韓国をはじめ、金 を 「コソボ特別基金」 世界の第一 各国首脳が国際機関と 」 (QAG)を設置し、世銀 融危機の影響を 承認。 線で活躍し得 共に「ミレニアム開発目 業務の質に関する情報 受けた国々を対象 る優秀な障害 を採択。 標」 ロンドンで「信頼と 提供を開始。 に、投資家の信 者の採用と維 開発に関する世界 「貧しい人々の声」 が発 頼を回復し、危機 持を本格化。 ボスニア・ヘルツェゴビ 会議」が開催される。 行される。「世界開発報 の社会的損害を 1990 ナのための信託基金を 告」のテーマは「貧困との 最小化するための 新しい開発アイデ ィ 設置。 闘い」。 融資を承認。 アを求めて、「第1回 途上国の債務負担を軽 ディベロップメント・ パートナーと共に、 開発 減するために、 IMFおよ マーケットプレース」 に関するポータルサイ ト びドナーと共に 「重債務 を開催。 「ディベロッ プメント・ゲー 貧困国 イニシア (HIPC) トウ を設置。 ェイ」 「包括的な開発 ティ を設置。 ブ」 を フレームワーク」 ジェシカ・アインホーン 策定。 が世銀初の女性専務理 事に任命される。 2000年、世銀はHIV/エイズとの 戦いに5億ドルを追加拠出する ことを決定しました。 世界銀行について 6 非公式の初等教育施設で 石板に文字を書く少女。 1995年、バングラデシュ。 ジェームズ・D・ウォルフェンソン世銀総裁。 ドバイで開催された世銀年次総会にて 。 (2003年9月) 性産業に従事しているカンボジアの女性たちが、 HIV/エイズに関する説明を受けています。 2002 2003 2004 HIPCイニシアティブの対象国が 「開発資金国際会議」 3月、 が ジェームズ・D・ウォルフェンソン 100以上の貧困国にHIV/エイズの 決定。22カ国において 、340億 メキシコのモンテレーで開催 総裁がドバイで開催された世銀 ジェネ リック薬を提供するこ とを目 ドル以上の債務が削減さ れると される。開発のための新たな 年次総会で、 新たな世界的均 的と したパートナーシップに参加。 発表。 グローバル・パートナーシップ 衡と国家間のパー トナーシッ プ 若者が開発関連のアイデ ィ アを交 を構築することで合意。 を呼びかける。 世界で最も優れた知識管理を 換する場と して、インターネット上に 実践している5つの機関に世銀 8月、南アフ リカのヨハネスブ 世銀とパー トナー組織により、 を開設。 「Youthink」 が選ばれる。 ルグで 「持続可能な開発に 2005年までにポリオを撲滅する 中国の上海で「国際貧困撲滅会 関する世界サミ ット」が開催 こと を目指す革新的な融資プロ 満足の行く形で完了したプロ 議」が開催され、世界中の開発関 され、 10年前にリオデジャネ グラム 「ポリオ撲滅のための ジェクトの割合が約20年ぶり 係者が開発アジェ ンダの実施を加 イロで開催された 「地球サ 投資パー トナーシップ」が設立 (1996年は に75%に達する 速させるための行動を話し合う。 ミット」の成果が議論される。 される。 60%)。 「若者・開発・平和会議」 が開催 マンペーラ・ランペーレがアフ され、開発に関する対話に若者 リカ出身者と して初めて、世銀 が参加するようになる。 の専務理事に任命される。 総務および総務代理 2004年6月30日 加盟国 総務 総務代理 ア イスラン ド Halldor Asgrimsson Geir Hilmar Haarde ア イルラン ド Charlie McCreevy Tom Considine アゼルバイジャン Elman S. Rustamov Farhad Aliyev アフガニスタン Ashraf Ghani Anwar Ul-Haq Ahady アラブ首長国連邦 Hamdan bin Rashid Al-Maktoum Mohammed Khalfan Bin Khirbash アルジェリア Abdellatif Benachenhou Abdelhak Bedjaoui アルゼンチン Roberto Lavagna Alfonso de Prat-Gay アルバニア Arben Malaj Fatos Ibrahimi アルメニア Vahram Nercissiantz Karen Chshmarityan アンゴラ Ana Dias Lourenco Job Graca アンテ ィグア ・バーブーダ+ Errol Cort Asot A.Michael イエメ ン共和国 Ahmed Mohammed Sofan Mohammed Al-Sabbry イスラエル David Klein Yossi Bachar イ タリア Antonio Fazio Lorenzo Bini Smaghi イラク (空席) (空席) イラン ・ イスラム共和国 Safdar Hosseini Mohammad Khazaee Torshizi イン ド P. Chidambaram D. C. Gupta イン ドネシア Boediono Hartadi A. Sarwono ウガン ダ Gerald M. Ssendaula C. M. Kassami ウクラ イナ Mykola Azarov Mykola Derkatch ウズベキスタン Rustam S. Azimov (空席) ウルグア イ+ Isaac Alfie Ariel Davrieux 英国 Hilary Benn Gordon Brown エクア ドル Mauricio Yepez Najas Ramiro Galarza エジプト ・アラブ共和国 Medhat Hassanein Fayza Abulnaga エス トニア+ Taavi Veskimagi Renaldo Mandmets エチオピア Ahmed Sufian Mekonnen Manyazewal エリ トリア Berhane Abrehe Martha Woldegiorghis エルサルバドル Eduardo Zablah-Touche Guillermo Lopez-Suarez オース トラリア Peter Costello Chris Gallus オース トリア Karl-Heinz Grasser Thomas Wieser オマーン Ahmed Bin Abdulnabi Macki Mohammed bin Nasser Al-Khasibi オラン ダ Gerrit Zalm Agnes van Ardenne ガーナ Yaw Osafo-Maafo Anthony Akoto Osei カーボヴェルデ Joao Pinto Serra Victor A.G. Fidalgo ガイアナ Bharrat Jagdeo Saisnarine Kowlessar カザフスタン Grigoriy Aleksandrovich Marchenko Kayrat Nematovich Kelimbetov カタール+ Yousef Hussain Kamal Abdullah Bin Khalid Al-Attiyah カナダ Ralph Goodale Paul Thibault ガボン Casimir Oye-Mba Christian Bongo カ メルーン Martin Okouda Daniel Njankouo Lamere ガンビア Mousa G. Bala Gaye Karamo K. Bojang カンボジア Keat Chhon Ouk Rabun ギニア Madikaba Camara Eugene Camara ギニアビサウ Joao Aladje Mamadu Fadia Francisco Correia, Jr. キプロス Makis Keravnos Christos Patsalides ギリシャ George Alogoskoufis Plutarchos Sakellaris キリバス Nabuti Mwemwenikarawa Tebwe Ietaake キルギス共和国 Bolot E. Abildaev Kubat A. Kanimetov グアテマラ Maria Antonieta de Bonilla Lizardo Sosa Lopez クウェー ト Mahmoud Al-Nouri Bader Meshari Al-Humaidhi グルジア Zurab Nogaideli Irakli Rekhviashvili グレナダ Anthony Boatswain Timothy Antoine クロアチア Ivan Suker Martina Dalic ケニア David Mwiraria Joseph Mbui Magari コー トジボワール Bohoun Bouabre Boniface Britto コスタリカ Alberto Dent Zeledon Francisco de Paula Gutierrez コモロ Younoussa Imani Moindjie Saadi コロンビア Alberto Carrasquilla Santiago Montenegro Trujillo コンゴ共和国 Rigobert Roger Andely Pierre Moussa . 118 世界銀行 年次報告 2004 加盟国 総務 総務代理 コンゴ民主共和国 Andre-Philippe Futa Jean-Claude Masangu Mulongo サウジアラビア Ibrahim A. Al-Assaf Hamad Al-Sayari サモア Misa Telefoni Retzlaff Hinauri Petana サン トメ・プリ ンシペ Eugenio Lourenco Soares Genoveva Jose Da Costa ザンビア Ng’andu Peter Magande Situmbeko Musokotwane サンマリ ノ+ Claudio Felici Loris Francini シエラレオネ Joseph Bandabla Dauda Samura Kamara ジブチ Yacin Elmi Bouh Simon Mibrathu ジャマイカ+ Omar Lloyd Davies Wesley George Hughes シリア ・アラブ共和国 Ghassan El-Rifai Mohammad Hamandosh シンガポール Lim Hng Kiang Lim Siong Guan ジンバブエ Christopher T. Kuruneri Gideon Gono スイス Joseph Deiss Micheline Calmy-Rey スウェーデン Gunnar Lund Carin Jamtin スーダン El Zubair Ahmed El Hassan Abda Y. El Mahdi スペイン Pedro Solbes Mira David Vegara Figueras スリナム+ Humphrey S. Hildenberg Stanley B. Ramsaran スリランカ Sarath Leelananda Bandara Amunugama P. B. Jayasundera スロバキア共和国 Ivan Miklos Elena Kohutikova スロベニア Dusan Mramor Irena Sodin スワジラン ド Guduza Dlamini Musa D. Fakudze セーシェル+ Jeremie Bonnelame Sylvestre Radegonde 赤道ギニア Antonio Nve Nseng Miguel Edjang Angue セネガル Abdoulaye Diop Cheikh Hadjibou Soumare セルビア ・モンテネグロ Igor Luksic Mladjan Dinkic セントクリス トファー・ネーヴィス Denzil Douglas Wendell E. Lawrence セント ビンセン トおよび グレナデ ィーン諸島 Ralph E. Gonsalves Laura Anthony-Browne セントルシア Kenny D. Anthony Trevor Brathwaite ソマリア (空席) (空席) ソロモン諸島 Francis John Zama Shadrach Fanega タイ Somkid Jatusripitak Somchainuk Engtrakul 大韓民国 Hun-Jai Lee Seung Park タジキスタン Safarali Najmudinov Abdulaziz Sharipov タンザニア Abdallah Omar Kigoda Gray S. Mgonja チェコ共和国 Bohuslav Sobotka Oldrich Dedek チャド Mahamat Ali Hassan Mahamat Bahradine Oumar 中央アフリカ共和国 Daniel Nditifei-Boysembe Sonny Mpokomandji 中国 Jin Renqing Li Yong チュニジア Mohamed Nouri Jouini Abdelhamid Triki チリ Nicolas Eyzaguirre Mario Marcel デンマーク Per Stig Moller Carsten Staur ドイツ Heidemarie Wieczorek-Zeul Caio K. Koch-Weser トーゴ M’Ba Legzim Mewunesso Baliki Pini ドミニカ共和国 Jose Lois Malkun Carlos Despradel ドミニカ国 Swinburne Lestrade Ambrose M.J. Sylvester トリニダー ド・トバゴ Conrad Enill Alison Lewis トルク メニスタン+ Shekersoltan Muhammedova (空席) トルコ Ibrahim H. Canakci Aydin Karaoz トンガ Siosiua T.T. ‘Utoikamanu Meleseini Lomu ナイジェリア Ngozi N. Okonjo-Iweala Haruna Usman Sanusi ナミビア+ Immanuel Ngatjizeko Carl-Hermann G. Schlettwein ニカラグア Luis Eduardo Montiel Mario Alonso Icabalceta ニジェール Ali M. Lamine Zene Adamou Namata 日本 谷垣 禎一 福井 俊彦 ニュージーラン ド Michael Cullen John Whitehead ネパール Prakash Chandra Lohani Bhanu Prasad Acharya ノルウェー Hilde Frafjord Johnson Olav Kjorven バーレーン+ Abdulla Hassan Saif Zakaria Ahmed Hejres ハイチ Henri Bazin Raymond Magloire パキスタン Shaukat Aziz Waqar Masood Khan 第6章 世界銀行について 119 加盟国 総務 総務代理 パナマ Norberto Delgado Duran Domingo Latorraca バヌアツ Jimmy Nicklam Simeon Athy バハマ+ James H. Smith Ruth R.Millar パプアニューギニア Bart Philemon Koiari Tarata パラオ Casmir Remengesau Lawrence Alan Goddard パラグア イ Dionisio Borda Jose Ernesto Buttner Limprich バルバドス Owen S. Arthur Grantley W. Smith ハンガリー Tibor Draskovics Elemer Tertak バングラデシュ M. Saifur Rahman Mirza Tasadduq Hussain Beg 東テ ィモール Maria Madalena Brites Boavida Aicha Bassarewan フィジー Jone Yavala Kubuabola Tevita Banuve フィリ ピン Juanita D. Amatong Rafael B. Buenaventura フィンラン ド Antti Kalliomaki Paula Lehtomaki ブータン Lyonpo Wangdi Norbu (空席) ブラジル Antonio Palocci Filho Henrique de Campos Meirelles フランス Nicolas Sarkozy Jean-Pierre Jouyet ブルガリア+ Milen Veltchev Bojidar Lubenov Kabaktchiev ブルキナファソ Jean Baptiste Compaore Lene Sobgo ブルネイ ・ダルサラーム+ Haji Hassanal Bolkiah Yakub Abu Bakar ブルンジ Athanase Gahungu Leon Nimbona 米国 John W. Snow Alan P. Larson ベトナム Le Duc Thuy Phung Khac Ke ベナン Bruno Amoussou Fatiou Akplogan ベネズエラ ・ボリバル共和国+ Jorge Giordani Tobias Nobrega Suarez ベラルーシ+ Andrei V. Kobyakov Anatoly I. Sverzh ベリーズ Said W.Musa Hugh McSweaney ペルー Pedro Pablo Kuczynski Javier Silva Ruete ベルギー Didier Reynders Guy Quaden ポーラン ド Leszek Balcerowicz Jerzy Pruski ボスニア ・ヘルツ ェゴビナ Adnan Terzic Dragan Doko ボツワナ Baledzi Gaolathe Serwalo S.G. Tumelo ボリ ビア Horst Grebe Lopez Javier Cuevas Argote ポルトガル Manuela Ferreira Leite Francisco Esteves de Carvalho ホンジュラス Arturo Alvarado Maria Elena Mondragon de Villar マーシャル諸島 Brenson S.Wase Smith Michael マケ ドニア旧ユーゴスラビア共和国 Nikola Popovski Dimko Kokaroski マダガスカル Zaza Manitranja Ramandimbiarison Davida Rajaon マラウイ Goodall E. Gondwe David Faiti マリ Abou-Bakar Traore Marimantia Diarra マルタ+ Tonio Fenech Paul Zahra マレーシア Abdullah Ahmad Badawi Samsudin Hitam ミクロネシア連邦 Nick L. Andon Lorin Robert 南アフリカ Trevor Andrew Manuel Mandisi Bongani Mpahlwa ミャンマー Hla Tun Myo Nwe メキシコ Francisco Gil Diaz Alonso Pascual Garcia Tames モーリシャス Pravind Kumar Jugnauth Krishnanand Guptar モーリ タニア Abdallah Ould Cheikh-Sidia Mohamed Ould El Abed モザンビーク Adriano Afonso Maleiane Manuel Chang モルデ ィブ Fathulla Jameel Adam Maniku モルドバ Zinaida Grecianii Dumitru Ursu モロッコ Fathallah Oualalou Abderazzak El Mossadeq モンゴル Chultem Ulaan Ochirbat Chuluunbat ヨルダン Bassem I. Awadallah Tayseer Al-Smadi ラオス人民民主共和国 Chansy Phosikham Phouphet Khamphounvong ラトビア Oskars Spurdzins Juris Lujans リトアニア+ Algirdas Butkevicius Arvydas Kregzde リビア Mohamed Ali Elhuwej Ali Ramadan Shnebsh リベリア Christian D. Herbert Harry A. Greaves, Jr. ルーマニア+ Mihai Nicolae Tanasescu Emil Iota Ghizari ルクセンブルク Luc Frieden Jean Guill ルワン ダ Donald Kaberuka Celestin Kabanda レソト M.C. Mphutlane Moliehi Matabane レバノ ン Fuad A.B. Siniora Marwan Hemadeh ロシア連邦 Aleksei Kudrin German O. Gref (+印) IDA非加盟国 120 世界銀行 年次報告 2004 理事・理事代理および議決権 2004年6月30日 IBRD IDA 全体に 全体に 議決 占める 議決 占める 理事 理事代理 国名 権数 割合(%) 権数 割合(%) 任命理事 Carole Brookins Robert B. Holland, III 米国 265,219 16.39 2,019,309 14.28 (空席) a 大矢 俊雄 日本 127,250 7.87 1,541,960 10.90 Eckhard Deutscher Walter Hermann  ドイツ 72,649 4.49 989,929 7.00 Tom Scholar (空席) b 英国 69,647 4.30 715,264 5.06 Pierre Duquesne Anthony Requin フランス 69,647 4.30 611,024 4.32 選任理事 Kurt Bayer Gino Alzetta オーストリア 、ベラ ルーシc、ベルギー、 77,669 4.80 643,927 4.55 (オース ト リ ア) (ベルギー) チェコ共和国、 ハンガリー、 カザフス タン、 ルクセンブルク 、スロバ キア共和国、 ス ロベニア、トルコ Per Kurowski Maria Jesus Fernandez コスタリカ、エルサルバ ドル、 72,786 4.50 310,523 2.20 (ベネズエラ ・ボリバル共和国) (スペイ ン) グアテマラ、 ホンジュラス、メキシコ、 ニカラグア、スペイ ン、ベネズエラ・ ボリバル共和国c Ad Melkert Tamara Solyanyk アルメニア、ボスニア ・ヘルツェゴビナ、 72,208 4.46 513,805 3.63 (オラ ンダ) (ウ クラ イ ナ) ブルガリアc、 クロアチア、キプロス、 グルジア、イ スラエル、 マケドニア 旧ユーゴス ラビア共和国、 モルドバ、 オランダ、ルーマニアc、 ウクライナ Marcel Masse Gobind Ganga アンテ ィグア ・バーブーダc、 バハマc、 62,217 3.85 592,142 4.19 (カナ ダ) (ガ イ アナ) バルバ ドス、 ベリーズ、カナ ダ、 ドミニカ国、 グレナ ダ、ガイアナ、 アイルラ ンド、 ジャマイカc、セン ト クリストファ ー・ネーヴィス、セント ルシア、 セントビンセン トおよびグレナデ ィーン諸島 Otaviano Canuto Gil S. Beltran ブラ ジル、コロ ンビア 、 ド ミニカ共和国、 58,124 3.59 422,537 2.99 (ブラジル) (フ ィ リ ピン) エク アドル、 ハイ チ、パナマ、 フィリピン、 スリナ ムc、 トリニダー ド・トバゴ Biagio Bossone Nuno Mota Pinto アルバニア、ギリシャ、イタリア、マルタc、 56,705 3.50 503,819 3.56 (イ タ リ ア) (ポル トガル) ポルトガル、サンマリノc、東テ ィモール John Austin Terry O’Brien オーストラリア、カンボジア 、キリバス、 55,800 3.45 428,234 3.03 (ニュージーラ ンド) (オース トラリ ア) 大韓民国、 マーシャ ル諸島、 ミクロネシア連邦、 モンゴル、 ニュージーラ ンド、パラオ、 パプアニューギニア、 サモア、 ソロモン諸島、 バヌアツ Louis K. Kasekende J. Mills Jones アンゴラ、 ボツワナ、 ブルンジ、 55,190 3.41 557,120 3.94 (ウガン ダ) (リベリ ア) エリトリア、 エチオピア、 ガンビア、 ケニア、 レソト、 リベリ ア、マラウ イ、 モザンビーク 、ナミビアc、ナ イジェリア、 セーシェルc、 シエラレオネ、 南アフリカ、 スーダン、 スワジラ ンド、タ ンザニア、 ウガン ダ、ザンビア、 ジンバブエ Chander Mohan Vasudev Akbar Ali Khan バングラデシュ、ブータン、インド、 54,945 3.40 596,440 4.22 (イ ン ド) (バン グラデシュ) スリランカ 第6章 世界銀行について 121 IBRD IDA 全体に 全体に 議決 占める 議決 占める 理事 理事代理 国名 権数 割合(%) 権数 割合(%) Tanwir Ali Agha Sid Ahmed Dib アフガニス タン、アルジ ェリア 、ガーナ、 54,602 3.37 282,926 2.00 (パキスタ ン) (アルジ ェリ ア) イラン・イスラ ム共和国、 イラク 、 モロッコ、 パキスタ ン、チュニジア Thorsteinn Ingolfsson Inkeri Hirvensalo デンマーク 、エストニアc、フィンランド、 54,039 3.34 698,470 4.94 (ア イ ス ラ ン ド) (フ ィ ンラ ン ド) アイスランド、ラトビア、リトアニアc、 ノルウェー、 スウェーデン Pietro Veglio Jakub Karnowski アゼルバイ ジャン、キルギス共和国、 49,192 3.04 534,032 3.78 (スイ ス) (ポーラ ンド) ポーランド、セルビア ・モンテネグロ、 スイス、タジキスタン、トルクメニスタンc、 ウズベキスタン Zhu Guangyao Wu Jinkang 中国 45,049 2.78 273,252 1.93 (中国) (中国) Yahya Abdulla M.  Abdulrahman M.  サウジアラビア 45,045 2.78 502,122 3.55 Alyahya Almofadhi (サウジアラ ビア) (サウジアラ ビア) Alexey G. Kvasov Eugene Miagkov ロシア連邦 45,045 2.78 39,573 .28 (ロシア連邦) (ロシア連邦) Mahdy Ismail Aljazzaf Mohamed Kamel Amr バーレーンc、エジプ ト・アラブ共和国、 43,984 2.72 296,897 2.10 (ク ウェー ト) (エジプ ト・ アラブ共和国)ヨルダン、 ク ウェー ト、レバノ ン、 リビア、モルデ ィブ、 オマー ン、 カタールc、シリ ア・アラブ共和国、 アラブ首長国連邦、 イエメ ン共和国 Rapee Asumpinpong Hadiyanto ブルネイ・ダルサラームc、 フィジー、 41,096 2.54 389,830 2.76 (タ イ) (イ ン ドネシア) インドネシア、 ラオス人民民主 共和国、 マレーシア、 ミャンマー、 ネパール、 シンガポール、 タイ、 トンガ、ベト ナム Alieto Guadagni C. Veronica Querejazu アルゼンチン、ボリビア、チリ、 37,499 2.32 247,319 1.75 (アルゼンチン) Vidovic(ボリ ビア) パラグアイ、ペルー、ウルグアイc Paulo F. Gomes Louis Philippe Ong Seng ベナン、ブルキナフ ァソ、カ メルー ン、 32,252 1.99 432,337 3.06 (ギニアビサウ) (モー リ シャ ス) カーボヴェルデ、中央アフ リカ共和国、 チャド、コモロ、コ ンゴ民主共和国、 コンゴ共和国、 コー トジボワール、 ジブチ、赤道ギニア 、ガボン、 ギニア、 ギニアビサウ、 マダガスカル、 マリ、 モーリタニア、モー リシャ ス、 ニジェール、ルワ ンダ、 サン トメ・ プリンシペ、セネガル、 トーゴ 上記の理事および理事代理に加えて、下記の人物も2003年6月30日以降に理事または理事代理を務めた。 理事 任期終了日 理事 任期終了日 Amaury Bier(ブラジル) 2004年1月9日 (ドイツ) Eckhardt Biskup 2003年8月31日 原田 有造 (日本) 2004年6月15日 Dong‑Soo Chin(大韓民国) 2003年7月22日 (オース Neil F. Hyden ト ラリア) 2003年8月14日 (ポルトガル) Helena Cordeiro 2003年9月11日 Finn Jønck(デンマーク) 2003年10月7日 Emmanuel Moulin (フランス) 2003年7月22日 (イ Franco Passacancando タリア) 2003年9月25日 (ボリ Alfonso C. Revollo ビア) 2004年5月14日 (英国) Rosemary B. Stevenson 2004年5月14日 Sharon Weber(ジャマイカ) 2003年11月14日 吉田 正紀 (日本) 2003年7月11日 注:ソマリア (IBRD−802票、 IDA−10,506票) は2002年の定期理事選挙に参加しなかった。 a. 2004年7月6日より、 大久保良夫 (日本) が着任。 b. 2004年7月29日より、 (英国) Caroline Sergeant が着任。 c. IBRDのみに加盟。 122 世界銀行 年次報告 2004 幹部職員 2004年6月30日 総裁 James D.Wolfensohn 専務理事 Shengman Zhang 専務理事 兼 最高財務責任者 Jeffrey A. Goldstein 専務理事 Mamphela Ramphele 専務理事 Peter Woicke 上級副総裁 開発経済担当 兼チーフ ・エコノミスト François Bourguignon 上級副総裁 兼最高法律顧問 Roberto Dañino 上級副総裁 兼ネ ットワーク統括責任者 (人的開発) Jean-Louis Sarbib 副総裁 兼ネットワーク統括責任者 (業務ポリシー ・対借入国サービス) James W. Adams 副総裁 兼ネットワーク統括責任者 (金融セク ター) Cesare Calari 副総裁 兼経理担当 Fayezul H. Choudhury 副総裁 ラテンアメリカ ・ カリブ海地域 David de Ferranti 副総裁 対外関係、 コミ ュニケーション、 および国連担当 Ian A. Goldin 副総裁 兼ネットワーク統括責任者 (環境・社会・持続可能な開発) Ian Johnson 副総裁 東アジア・大洋州地域 Jemal-ud-din Kassum 副総裁 ヨーロッパ・ 中央アジア地域 勝 茂夫 副総裁 兼ネットワーク統括責任者 (民間セク ター開発) Michael U. Klein 副総裁 譲許的融資・ グローバル・パー トナーシップ Geoffrey B. Lamb 副総裁 世界銀行研究所 Frannie Leautier 副総裁 アフリカ地域 Callisto Madavo 副総裁 兼主席情報担当官 Mohamed Muhsin 副総裁 兼ネットワーク統括責任者 (貧困削減・経済管理) Gobind Nankani 副総裁 兼コーポレー ト ・セクレタリー W. Paatii Ofosu-Amaah 副総裁 南アジア地域 Praful Patel 副総裁 中東・北アフリカ地域 Christiaan Poortman 副総裁 対外関係(ヨーロッパ地域担当) Jean-François Rischard 副総裁 兼ネットワーク統括責任者 (インフラ) Nemat Shafik 副総裁 人事 Katherine Sierra 副総裁 兼トレジャラー Graeme Wheeler 副総裁 戦略・金融・ リスク管理 John Wilton 副総裁 兼駐日特別代表 吉村 幸雄 総局長 業務評価 Gregory Ingram 注:世銀の組織に関するさらに詳しい情報については、世銀ウェブサイト(www.worldbank.org)の「About Us」セクションをご覧ください。 第6章 世界銀行について 123 世銀職員について 「人を引きつけ、活力 世銀の重要な使命の一つは、 を与え、また耳を傾け、学ぶ姿勢を持った、多様で 世銀職員の勤務地 献身的かつ優れた職員を育てることのできる援助機 ■ 職員の55%は世界の6地域(世銀の定義による)で 関を目指す」ことです。IBRDとIDAの業務は、ワシン 働いています。 トンDC本部と世界各地の100を超える現地事務所で ■ 職員の15%は専門ネットワークやその他の業務ユ 働く約8800人の職員によって支えられています(囲み ニットの「アンカー・ユニット」で働いています。 参照)。現在では多くの世銀業務が、こうした現地事 ■ 職員の30%は財務、管理、およびコーポレート・ 務所で行われています。 ユニットで働いています。 職員の多様性は世銀が誇る大きな財産のひとつで ■ 職員の75%以上は少なくとも1つの専門ネットワー す。職員の国籍は164カ国以上に及び、パートII諸国 クに所属しています。 の出身者は全体の60%、管理職・上級専門職の37% ■ 国別担当局長の64%と職員の32%は現地事務所 を占めています。女性は全体の51%、管理職・上級 で働いており、職員の28%は現地事務所が採用し 専門職の25%、サハラ以南のアフリカとカリブ海諸国 た人々です。 の出身者は全体の16%、管理職・上級専門職の7% を占めています。31人の世銀幹部のうち、10人は パートII諸国の出身者、4人は女性、6 人はサハラ以 南のアフリカ諸国の出身者です(パートI・II加盟国と には、執行部のさらなる努力が必要であることも明ら 幹部職員のリストは第6章/添付CD‑ROM参照)。 かになりました。 世銀はさまざまな形で職員の功績に報いています。 たとえば、世銀のチームが借入国に提供したサービ 地域社会への貢献 スの中でも、特に傑出したものには「世銀総裁賞」が 贈られます。優れたリーダーシップと管理能力を発揮 世銀はワシントンDCとその近郊で暮らす人々の生 「職員組合が選ぶ優秀マネージャー賞」 活を改善するために、 した職員には、 「コミュニティ・アウトリーチ・プ が贈られます。2004年3月 「違い」 には、 を尊重し、そ ログラム」を実施しています。また、職員のボランティ の価値を称える行動を取った個人とチームに「第1回 多様性・参加リーダーシップ賞」が贈られました。こう した賞の受賞者は職員の推薦に基づいて決定されて います。 職員の意見は、世銀執行部にとっても重要な情報 源となっています。今年の「職員アンケー (職員の ト」 83%が回答)は好意的な結果となり、2002年と比較す ると、多くの分野で進捗が見られました(2002年の結 果も、世銀が1999年以降、長足の進歩を遂げたこと を示すものでした) 「総合的な満足度」 。たとえば、 は 85%に上昇し、職員の92%は世銀で働くことを誇りに 思うと回答しました。多くの職員が自分は評価されて いると感じ、勤労意欲は高く、世銀の方向性をよく理 解していると答えました。しかし、借入国と交流する 時間を増やし、出張時の安全性を高め、プログラムア 2004年3月、世銀グループは「第1回多様性・参加リーダーシップ賞」 の授賞式を開催しました。写真は障害・開発アドバイザーのジュディ ・ シスタントがチーム会議に参加できるようにするため ヒューマンとコンサルタントのピーター・アルトシュルです。 124 世界銀行 年次報告 2004 ア活動を奨励し、毎年グラント・プログラムを開催して 共に、革新的なプログラムを開始しました。これ いるほか、地域組織と協力して、地域社会の強化に取 は2つの高校の生徒が作成したビジネスプランに り組んでいます。最近の主な活動は次の通りです。 基づいて、世銀のオフィスにある余剰消耗品を近 隣の非営利組織にきわめて安い価格で販売する ■ 2003年、世銀と職員は「地域社会コネクション・ というものです(消耗品は世銀から寄付されま キャンペーン」を通して、200を超える非営利組織 す)。売却益は課外活動の資金として各校が留保 に65万ドル以上を寄付しました。 します。世銀はこうした環境保護活動を通して、 「公教育パー ■ 世銀職員は引き続き、 トナーシップ 社会的責任を遂行しています。 基金」に資金と人的支援を提供しました。この基 ■ 世銀職員は今年も、世界各地の被災地域に緊急 金はワシントンDCの公立学校の戦略的改革を支 支援金を提供しました。2003年、世銀職員と関 援するために、世銀が企業や地域組織と協力し 連基金はアルジェリア地震の被災者およびSARS て設立した非営利組織です。このプログラムは (重症急性呼吸器症候群)の影響を受けた中国の 高校生や恵まれない人々の雇用を促進する代表 人々に6万ドル以上の人道支援を提供しました。 的な取り組みとなっています(IFCの「雇用機会プ ログラム」を活用)。 雇用規模からいうと、世銀グループ(IBRD、IDA、 ■ 2003年、世銀は「コミュニティ・アウトリーチ・グラ IFC、MIGA、ICSID)はワシントンDC地区で3番目に大 ント」と「実践者支援プログラム」を通して、地域 きい組織です。職員の家族や退職者を含めると、ワ の85以上の非営利組織に資金を提供しました。 シントンDC首都圏には2万5000人以上の世銀関係者 援助の効果を高めるために、可能な場合は国際 が暮らしています。 通貨基金(IMF)や米州開発銀行とも連携してい 世銀職員は100を超える地域組織でボランティア活 ます。2003年はグラント・プログラムをさらに強化 動に取り組んでおり、こうした活動に費やされる時間 するために、地域の専門家の協力を得て、不況 は毎年何万時間にも上っています。世銀は「ボラン による影響の最も大きな地域に集中的にグラント ティア・デー」プログラムを実施し、職員が毎年1日の を提供しました。 休みを取って、地域のボランティア活動に参加するこ ■ 世銀は2つの学校(カルドーゾ高校とベル多文化 とを奨励しています。世銀は組織としても、さまざまな と協力して、若者と共に汚職の撲滅につい 高校) 『ワシン 貢献活動に取り組んでいます。 トン・ビジネス て考える革新的なグローバル遠隔学習プログラ ジャーナル』が実施した調査では、ワシントンDC地区 ムを構築・実施しました。両校の生徒はテレビ会 で最もフィ (社会貢献活動) ランソロピー に力を入れて 議を利用して、世界8カ国の高校生と意見を交換 いる組織の上位25位に、ふたたび世銀がランクインし しました。 ました。世銀は米国の首都の企業市民であることを ■ 余剰消耗品、家具、および設備を寄付する従来 誇りとし、地域社会のよき隣人であるよう努力してい のプログラムとは別に、ワシントンDCの公立高校 ます。 および全米企業家精神教育支援財団 と (NFTE) 第6章 世界銀行について 125 現地事務所の所在地 2004年6月30日 本部 ジュネーブ アフガニスタン 1818 H Street N.W. Mr. Joseph K. Ingram Mr. Jean Mazurelle Washington, D.C. 20433, U.S.A. The World Bank The World Bank Tel: (202) 473-1000 3, chemin Louis-Dunant Street No. 15, House No. 19 Fax: (202) 477-6391 Case Postale 66 opposite Palace #8 E-mail: Feedback@worldbank.org 1211 Geneva 20, Switzerland Wazir Akbar Khan Web: http://www.worldbank.org Tel: (41-22) 748 1000 Kabul, Afghanistan Fax: (41-22) 748 1030 Tel: (Cell) (93-70) 279234 ニューヨーク事務所 E-mail: Jingram@worldbank.org E-mail: Jmazurelle@worldbank.org Mr. Eduardo A. Doryan Web: http://www.worldbank.org/sar The World Bank, Office of the Special ロンドン Representative to the U.N. The World Bank アルジェリア 1 Dag Hammarskjold Plaza 15th Floor, New Zealand House Mr. Djamal Mostefai 885 2nd Avenue, 26th Floor Haymarket Banque Mondiale New York, N.Y. 10017, U.S.A. London SW1Y 4TE, England 19, rue Emile Marquis—Djennane Tel: (212) 355-5112 Tel: (44-20) 7930-8511 El Malik—Hydra 16035 Fax: (212) 355-4523 Fax: (44-20) 7930-8515 Algiers, Algeria E-mail: Edoryan@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/europe Tel: (213-21) 54.66.66 Fax: (213-21) 54.93.52 ヨーロッパ ローマ E-mail: Dmostefai@worldbank.org Mr. Jean-François Rischard The World Bank Web: http://www.worldbank.org/dz Vice President Via Labicana 110 Banque Mondiale 00184 Rome, Italy *アルゼンチン 66 avenue d’Iéna Tel: (39-06) 77 7101 Mr. Axel van Trotsenburg 75116 Paris, France Fax: (39-06) 70 96 046 Banco Mundial Tel: (33-1) 40 69 30 00 Web: http://www.worldbank.org/europe Edificio Bouchard Fax: (33-1) 40 69 30 64 Bouchard 547, 27th & 28th Floors E-mail: jrischard@worldbank.org 東京 C1106ABG Buenos Aires, Argentina Web: http://www.worldbank.org/europe 吉村 幸雄 Tel: (54-11) 4316-9700 副総裁兼駐日特別代表 Fax: (54-11) 4313-1233 ブリュッセル 〒100‑0011 E-mail: Avantrotsenburg@worldbank.org Ms. Haleh Bridi 東京都千代田区内幸町2‑2‑2 Web: http://www.worldbank.org/lac Special Representative to the European 富国生命ビル10階 Union Institutions 世界銀行東京事務所 アルバニア Banque Mondiale Tel: (81-3) 3597-6650 Mr. Nadir Mohammed Rue Montoyer 10, bte 16 Fax: (81-3) 3597-6695 The World Bank B-1000 Brussels, Belgium E-mail: Yyoshimura1@worldbank.org Deshmoret e 4 Shkurtit, No. 34 Tel: (32-2) 552 00 52 Web: http://www.worldbank.or.jp/ Tirana, Albania Fax: (32-2) 552 00 25 Tel: (355-4) 230 017, 240 587 E-mail: Hbridi@worldbank.org アゼルバイジャン Fax: (355-4) 240 590 Web: http://www.worldbank.org/eu Mr. Ahmed Jehani E-mail: nmohammed@worldbank.org The World Bank Web: http://www.worldbank.org/eca フランクフルト 91-95 Mirza Mansur Street Mr. Oltmann G. Siemens Icheri Sheher The World Bank Baku, 370004, Azerbaijan Bockenheimer Landstrasse 109 Tel: (994-12) 922586 60325 Frankfurt am Main, Germany Fax: (994-12) 921479 Tel: (49-69) 743-48230 E-mail: Ajehani@worldbank.org Fax: (49-69) 743-48239 Web: http://www.worldbank.org/eca (*印)国別担当局長が配置されている現地事務所。 126 世界銀行 年次報告 2004 アルメニア *インド ウズベキスタン Mr. Roger Robinson Mr. Michael F. Carter Mr. Martin Raiser The World Bank The World Bank The World Bank Republic Square 70 Lodi Estate International Business Center, 15th floor 9 V. Sargsyan Street New Delhi 110 003, India 107 B, Amir Timur str. Yerevan 375010, Armenia (postal address: P.O. Box 416, Tashkent, Uzbekistan 700084 Tel: (374-1) 527888 New Delhi 110 001) Tel: (998-71) 138 59 50 Fax: (374-1) 521787 Tel: (91-11) 2461 7241 Fax: (998-71) 138 59 51, 138 59 52 E-mail: Rrobinson@worldbank.org Fax: (91-11) 2461 9393 E-mail: mraiser@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/eca E-mail:Mcarter1@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org.uz Web: http://www.worldbank.org.in/ アンゴラ エクアドル Mr. Laurence C. Clarke *インドネシア Mr. McDonald P. Benjamin Banco Mundial Mr. Andrew Steer Banco Mundial Largo Albano Machado The World Bank Calle 12 de Octubre 1830 y Cordero N° 23-25 Jakarta Stock Exchange Building World Trade Center Caixa Postal 1331 Tower 2, 12th Floor Torre B, Piso 13 Luanda, Republica de Angola Sudirman Central Business District Quito, Ecuador Tel: (244-2) 394-877 (SCBD) Tel: (593-2) 222 0204 Fax: (244-2) 394-784 Jl. Jendral Sudirman Kav. 52-53 Fax: (593-2) 222 0205 E-mail: Lclarke@worldbank.org Jakarta 12190, Indonesia E-mail: Mbenjamin1@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr (postal address: P.O. Box 324/JKT) Web: http://www.worldbank.org/lac Tel: (62-21) 5299-3000 イエメン共和国 Fax: (62-21) 5299-3111 *エジプト・アラブ共和国 Mr. Robert E. Hindle E-mail: Asteer@worldbank.org Mr. Mahmood A. Ayub The World Bank Web: http://www.worldbank.or.id The World Bank Hadda Street No. 40 World Trade Center off Damascus Road ウガンダ 1191 Corniche El-Nil, 15th Floor Sana’a, Republic of Yemen Ms. Grace M. Yabrudy Boulaq (postal address: P.O. Box 18152) The World Bank Cairo, Arab Republic of Egypt, 11221 Tel: (967-1) 413 708 1 Lumumba Avenue Tel: (20-2) 574-1670 Fax: (967-1) 413 709 Rwenzori House, 4th Floor Fax: (20-2) 574-1676 E-mail: Rhindle@worldbank.org Kampala, Uganda E-mail:Mayub@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/ye (postal address: P.O. Box 4463) Web: http://www.worldbank.org/mena Tel: (256-41) 230-094 イラク Fax: (256-41) 230-092 *エチオピア Mr. Faris Hadad-Zervos E-mail: Gyabrudy@worldbank.org Mr. Ishac Diwan 世界銀行イ ラク暫定事務所 (在アンマン) Web: http://www.worldbank.org/afr The World Bank World Bank Interim Iraq Office in Amman Africa Avenue T16 Ahmed Orabi Street ウクライナ Bole Road Shimeisani-Amman, Jordan Mr. Dusan Vujovic Addis Ababa, Ethiopia (Postal Address: P.O. Box 930375 The World Bank (postal address: P.O. Box 5515) Amman, Jordan 11193) 2 Lysenko Street Tel: (251-1) 62 77 00 Tel: (962-6) 568-5060 Kyiv 01034, Ukraine Fax: (251-1) 62 77 17 Fax: (962-6) 568-5067 Tel: (380-44) 490 6671 E-mail: Idiwan@worldbank.org E-mail: Fhadadzervose@worldbank.org Fax: (380-44) 490 6670 Web: http://www.worldbank.org/afr E-mail: Dvujovic@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org.ua/ エリトリア Mr. Florian Fichtl The World Bank 15/17, 173-2-173 Street Zone 03, Subzone 01 Asmara, Eritrea Tel: (291-1) 12 43 02 Fax: (291-1) 12 43 09 E-mail: Ffichtl@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr/er (*印)国別担当局長が配置されている現地事務所。 第6章 世界銀行について 127 *オーストラリア ガボン ギニアビサウ Mr. Xian Zhu Ms. Mehrnaz Teymourian Ms. Carmen Maria Pereira The World Bank Banque Mondiale The World Bank Liaison Office Level 19, 14 Martin Place Quartier Palais de Justice Prédio das Nações Unidas CML Building Section RG—Parcelle No. 222 Rua Rui Djassi, C.P. 179 Sydney NSW 2000, Australia P.O. Box 4027 Bissau Codex 1011 Tel: (61-2) 9235-6522 Libreville, Gabon Bissau, Guiné-Bissau Fax: (61-2) 9223-9903 Tel: (241) 73 81 71 Tel: (245) 20-5904/9 E-mail: Xzhu1@worldbank.org Fax: (241) 73 81 69 Fax: (245) 20-5909 Web: http://www.worldbank.org/eap E-mail: Mteymourian@worldbank.org UNDP Fax: (245) 20-1753 Web: http://www.worldbank.org/afr UNDP Satellite Fax: (1-212) 963-9828 *ガーナ E-mail: cpereira@worldbank.org Mr. Mats Karlsson カメルーン The World Bank Mr. Madani M. Tall キルギス共和国 69 Dr. Isert Road Banque Mondiale Mr. James Christopher Lovelace North Ridge Residential Area rue 1. 792, No. 186 The World Bank Accra, Ghana Yaoundé, Cameroon 214 Moskovskaya Str. (postal address: P.O. Box M. 27) (postal address: B.P. 1128) Bishkek 720010, Kyrgyz Republic Tel: (233-21) 229681 Tel: (237) 220 38 15 Tel: (996-312) 61 06 50 Fax: (233-21) 227887 Fax: (237) 221 07 22 Fax: (996-312) 61 03 56 E-mail: Mkarlsson@worldbank.org E-mail: Mtall@worldbank.org E-mail: Jlovelace@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.org.kg ガイアナ ガンビア グアテマラ Ms. Lucia Hanmer Mr. Nyada Y. Baldeh Mr. Eduardo Somensatto The World Bank Liaison Office The World Bank Liaison Office Banco Mundial UNDP Building c/o UN House, UNDP 13 Calle 3-40 42 Brickdam and UN Place 5 Koffi Annan Street, Cape Point Zona 10, Edificio Atlantis, Piso 14 Stabroek P.O. Box 553 Guatemala City, Guatemala Georgetown, Guyana Banjul, The Gambia Tel: (502) 366-2044 Tel: (592) 223 5036 Tel: (220) 4-49-79-36 Fax: (502) 366-1936 Fax: (592) 225 1384 Fax: (220) 4-49-47-58, 4-49-79-36 E-mail: Esomensatto@worldbank.org E-mail: lhanmer@worldbank.org E-mail: nbaldeh@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/lac Web: http://www.worldbank.org/lac Web: http://www.worldbank.org/afr グルジア *カザフスタン カンボジア Mr.Van Roy Southworth Mr. Dennis N. de Tray Ms. Nisha Agrawal The World Bank The World Bank The World Bank 5A, 1st Drive, Chavchavadze Avenue Central Asia Regional Office 113 Norodom Boulevard Tbilisi, 380079 Georgia 41/A Kazybek bi Street, 4th Floor Phnom Penh, Cambodia Tel: (995-32) 91 30 96 480100 Almaty, Republic of Kazakhstan Tel: (855-23) 213538, 213639 Fax: (995-32) 91 34 78 Tel: (7-3272) 980-580 Fax: (855-23) 210504, 210373 E-mail: Vsouthworth@worldbank.org Fax: (7-3272) 980-581 E-mail: Nagrawal@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/eca E-mail: ddetray@worldbank.org Web: http//www.worldbank.org/kh Web: http://www.worldbank.org.kz/ *クロアチア ギニア Mr. Anand K. Seth, Country Director カザフスタン、アスタナ Mr. Ide Gnandou Ms. Indira Konjhodzic Mr. Loup Brefort Banque Mondiale Country Manager The World Bank Astana Office Immeuble de l’Archevêcé The World Bank Samal Microdistrict, 14th Floor Face Baie des Anges Trg J.F. Kennedya 6b/lll Astana Towers Conakry, Guinée HR-10000 Zagreb, Croatia 473000 Astana, Republic of Kazakhstan (postal address: B.P. 1420) Tel: (385-1) 2357-222 Tel: (7-3272) 980-580 Tel: (224) 412-770 Fax: (385-1) 2357-200 Fax: (7-3272) 980-581 Fax: (224) 415-094 E-mail: Aseth1@worldbank.org E-mail: Lbrefort@worldbank.org E-mail: ignandou@worldbank.org E-mail: Ikonjhodzic@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.hr/ (*印)国別担当局長が配置されている現地事務所。 128 世界銀行 年次報告 2004 *ケニア コンゴ共和国 ジャマイカ Mr. Makhtar Diop Mr. Alassane Diawara Mr. Errol G. Graham The World Bank The World Bank The World Bank Liaison Office Hill Park Building Immeuble BDEAC, 2è étage Island Life Center Upper Hill Boulevard de la Révolution 6 St. Lucia Avenue Nairobi, Kenya P.O. Box 14536 Third Floor (postal address: P.O. Box 30577) Brazzaville, Republic of Congo Kingston 5, Jamaica Tel: (254-20) 322 6000 Tel: (242) 81 33 30 Tel: (876) 960-0459 Fax: (254-20) 322 6382 Fax: (242) 81 53 16 Fax: (876) 960-0463 E-mail: mdiop2@worldbank.org E-mail: Adiawara@worldbank.org E-mail: EGraham@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.org/lac *コートジボワール コンゴ民主共和国 シンガポール Mr. Mamadou Dia Mr. Onno Ruhl Mr. Peter L. Stephens Banque Mondiale The World Bank The World Bank Liaison Office Corner of Booker Washington and avenue Wagenia, no. 4847 10 Shenton Way Jacques Aka Street Kinshasa-Gombe MAS Building #15-08 Cocody, Abidjan 01, Côte d’Ivoire Democratic Republic of the Congo Singapore, 079117 (postal address: B.P. 1850) Tel: (243) 994 90 08 Tel: (65) 6324-4612 Tel: (225) 22 40 04 00 Fax: (243) 880 78 17 Fax: (65) 6324-4615 Fax: (225) 22 40 04 61 E-mail: Oruhl@worldbank.org E-mail: Pstephens1@worldbank.org E-mail:Mdia@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.org/sg Web: http://www.worldbank.org/afr サウジアラビア ジンバブエ コソボ The World Bank Mr. Ohene Owusu Nyanin Mr. Kanthan Shankar UNDP Building, Diplomatic Quarter The World Bank The World Bank Liaison Office (beside American Embassy) Old Lonrho Building Rruga Tirana No. 35 Riyadh, Saudi Arabia 88 Nelson Mandela Avenue Pristina, Kosovo (postal address: P.O. Box 5900, Harare, Zimbabwe Serbia and Montenegro Riyadh 11432, Saudi Arabia) (postal address: P.O. Box 2960) Tel: (381-38) 249 459 Tel: (966-1) 483-4956 Tel: (263-4) 729-611 Fax: (381-38) 249 780 Fax: (966-1) 488-5311 Fax: (263-4) 708-659 E-mail: Kshankar@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/mena E-mail: Onyanin@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/eca Web: http://www.worldbank.org.zw/ ザンビア コロンビア Mr. Ohene Owusu Nyanin *スリランカ Mr. Alberto Chueca Mora The World Bank Mr. Peter C. Harrold Banco Mundial Anglo American Building The World Bank Carrera 7 No. 71-21 74 Independence Avenue, 3rd Floor 1st Floor, DFCC Building Torre A, piso 16 Lusaka, Zambia 10101 73/5, Galle Road Apartado 10229 (postal address: P.O. Box 35410) Colombo 3, Sri Lanka Bogota, Colombia Tel: (260-1) 252-811 (postal address: P.O. Box 1761) Tel: (57-1) 326-3600 Fax: (260-1) 254-283 Tel: (94-11) 2448070/1 Fax: (57-1) 326-3480 E-mail: Onyanin@worldbank.org Fax: (94-11) 2440357 E-mail: Achuecamora@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr E-mail: Pharrold@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/lac Web: http://www.worldbank.org/sar シエラレオネ Mr. James Sackey スロバキア共和国 The World Bank Ms. Ingrid Brockova Africanus House The World Bank 13A Howe Street Europeum Business Center Freetown, Sierra Leone Suche myto 1 Tel: (232-22) 227555 811 03 Bratislava Fax: (232-22) 228555 Slovak Republic E-mail: Jsackey@worldbank.org Tel: (421-2) 57 52 6720 Web: http://www.worldbank.org/afr Fax: (421-2) 57 52 6701 E-mail: ibrockova@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/eca/ (*印)国別担当局長が配置されている現地事務所。 第6章 世界銀行について 129 *セネガル チャド トーゴ Mr. John McIntire Mr. Gregor Binkert Mr. Jean-Michel Happi Banque Mondiale Banque Mondiale Banque Mondiale 3, place de l’indépendance Avenue Charles de Gaulle 169 Boulevard du 13 Janvier Immeuble SDIH 5ème étage et Avenue du Commandant Lamy Immeuble BTCI, 8ème étage Dakar, Sénégal Quartier Bololo Lomé, Togo (postal address: B. P. 3296) N’Djamena, Chad (postal address: Boite Postale 3915) Tel: (221) 849-50-00 (postal address: B.P. 146) Tel: (228) 221 57 77 Fax: (221) 849-50-27 Tel: (235-52) 3247, 3360 Fax: (228) 221 78 56 E-mail: Jmcintire@worldbank.org Fax: (235-52) 4484 E-mail: Jhappi@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr E-mail: Gbinkert@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.org/afr セルビア・モンテネグロ ドミニカ共和国 Ms. Carolyn I. Jungr 中央アフリカ共和国 Ms. Christina Malmberg Calvo The World Bank Mr. Madani M. Tall Banco Mundial Bulevar Kralja Aleksandra 86-90 Banque Mondiale Calle Virgilio Díaz Ordoñz #36 Belgrade, Serbia and Montenegro rue des Missions esq. Gustavo Mejía Ricart Tel: (381-11) 3023-700 Bangui, République Centrafricaine Edificio Mezzo Tempo, Suite 401 Fax: (381-11) 3023-732 (postal address: B.P. 819) 4ta. Planta, Santo Domingo, R.D. E-mail: Cjungr@worldbank.org Tel: (236) 616138 Tel: (809) 566-6815 Web: http://www.worldbank.org/eca Fax: (236) 616087 Fax: (809) 566-7746, 566-7189 E-mail: Mtall@worldbank.org E-mail: Cmalmbergcalvo@worldbank.org *タイ Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.org/lac Mr. Ian C. Porter The World Bank *中国 トルクメニスタン 14th Floor, Diethelm Tower A Mr. David R. Dollar Mr. Serdar Jepbarov 93/1 Wireless Road The World Bank The World Bank Liaison Office Bangkok 10330, Thailand Level 16, China World Tower 2 United Nations Building Tel: (66-2) 256-7792 China World Trade Center Galkynysh Street, 40 Fax: (66-2) 256-7794/5 No. 1 Jian Guo Men Wai Avenue Ashgabat 744000 E-mail: Iporter@worldbank.org Beijing 100004 Turkmenistan Web: http://www.worldbank.or.th People’s Republic of China Tel: (993-12) 350477 (postal address: P.O. Box 100600-9086) Fax: (993-12) 351693 タジキスタン Tel: (86-10) 5861-7600 E-mail: sdjepbarov@worldbank.org Mr. Cevdet A. Denizer Fax: (86-10) 5861-7800 Web: http://www.worldbank.org/eca The World Bank E-mail: DDollar@worldbank.org Shevchenko Str. 91-10 Web: http://www.worldbank.org.cn/ *トルコ Dushanbe, Tajikistan, 734025 Mr. Andrew Vorkink, Country Director Tel: (992-372) 21-07-56 チュニジア Ms. Marie-H. P. Bricknell, Country Fax: (992-372) 51-00-42 Bureau de liaison Banque mondiale Manager E-mail: cdenizer@worldbank.org Banque africaine de développement The World Bank Web: http://www.worldbank.org/eca Bureau 618 Ugur Mumcu Caddesi No.88 13, Avenue du Ghana Kat: 2, 06700 Gaziosmanpasa *タンザニア BP 323 Ankara, Turkey Ms. Judy M. O’Connor 1002 Tunis Belvédère, Tunisia Tel: (90-312) 459 83 00 The World Bank Tel: (216) 71 10 35 78 Fax: (90-312) 446 24 42 50 Mirambo Street Fax: (216) 71 33 29 92 E-mail: Avorkink@worldbank.org Dar-es-Salaam, Tanzania E-mail: l.chelaifa@afdb.org E-mail: Mbricknell@worldbank.org (postal address: P.O. Box 2054) Web: http://www.worldbank.org.tr/ Tel: (255-22) 2114575 Fax: (255-22) 2113039 E-mail: Joconnor1@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/afr (*印)国別担当局長が配置されている現地事務所。 130 世界銀行 年次報告 2004 *ナイジェリア ハイチ 東ティモール Mr. Mark D. Tomlinson Ms. Christina Malmberg Calvo Ms. Elisabeth Huybens The World Bank Banque Mondiale The World Bank Plot 433 Yakubu Gowon Crescent c/o IDB, 389 Route de Bourdon Rua Dos Direitos Humanos Opposite ECOWAS Secretariat Port-au-Prince, Haïti Dili, Timor-Leste Asokoro District Tel: (509) 510-3797/(809) 566-6815 (postal address: World Bank Mission, Abuja, Nigeria Fax: (509) 512-5895/(809) 566-7746 Timor-Leste, GPO Box 3548, Darwin (postal address: P.O. Box 2826, Garki) E-mail: Cmalmbergcalvo@worldbank.org NT 0801, Australia) Tel: (234-9) 314-5269 Web: http://www.worldbank.org/lac Tel: (670) 332-4649, 332-4648 Fax: (234-9) 314-5267 Fax: (670) 332-1178 E-mail: Mtomlinson@worldbank.org *パキスタン (オース トラリアからのみ接続可能) Web: http://www.worldbank.org/afr Mr. John W. Wall E-mail: Ehuybens@worldbank.org The World Bank Web: http://www.worldbank.org/eap ニカラグア 20 A Shahrah-e-Jamhuriyat, Ramna 5, Ms. Amparo Ballivian G-5/1, Islamabad, Pakistan *フィリピン Banco Mundial (postal address: P.O. Box 1025) Mr. Joachim von Amsberg De la Rotonda de la Tel: (92-51) 2279641 The World Bank Centroamerica, 400 mts. abajo Fax: (92-51) 2279648 23/F, The Taipan Place Building Segundo Piso Edificio SYSCOM E-mail: Jwall@worldbank.org Emerald Avenue, Ortigas Center Managua, Nicaragua Web: http://www.worldbank.org/sar Pasig City, Metro Manila, Philippines Tel: (505) 270-0000 Tel: (63-2) 637-5855 Fax: (505) 270-0077 パプアニューギニア Fax: (63-2) 637-5870 E-mail: Aballivian@worldbank.org Mr. Mahesh Sharma E-mail: Jvonamsberg@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/lac The World Bank Web: http://www.worldbank.org.ph 13th Floor, Deloitte Towers ニジェール P.O. Box 1877 *ブラジル Mr.Vincent Turbat Port Moresby Mr.Vinod Thomas Banque Mondiale Papua New Guinea Banco Mundial 187 rue des Dallols Tel: (675) 321-7111 Setor Comercial Norte Quadra 02 B. P. 12402 Fax: (675) 321-7730 Lote A—Edificio Niamey, Niger E-mail: msharma1@worldbank.org Corporate Financial Center Tel: (227) 72 21 88 Web: http://www.worldbank.org/eap Conjuntos 204/303/304, 603 Fax: (227) 73 55 06 70712-900 Brasilia/DF, Brazil E-mail: Vturbat@worldbank.org パラグアイ Tel: (55-61) 329-1000 Web: http://www.worldbank.org/afr Mr. Peter M. Hansen Fax: (55-61) 329-1010 Banco Mundial E-mail: Vthomas@worldbank.org *ネパール Edificio Naciones Unidas Web: http://www.bancomundial.org.br Mr. Kenichi Ohashi Av. Mariscal Lopez y Saravi The World Bank Asunción, Paraguay ブラジル、 レシフェ Yak & Yeti Hotel Complex Tel: (595-21) 664-000 Mr. Luis Coirolo Durbar Marg Fax: (595-21) 664-002 Banco Mundial Kathmandu, Nepal E-mail: Phansen1@worldbank.org Praça João Gonçalves de Souza, s/n° (postal address: P.O. Box 798) Web: http://www.worldbank.org/lac Edificio SUDENE, Sala 13S-021 Tel: (977-1) 4226792 Cidade Universitaria Fax: (977-1) 4225112 *バングラデシュ 50670-900 Recife, PE, Brazil E-mail: Kohashi@worldbank.org Ms. Christine Wallich Tel: (55-81) 3453-1644 Web: http://www.worldbank.org/sar The World Bank Fax: (55-81) 3453-4624 3A, Paribagh E-mail: Lcoirolo@worldbank.org Dhaka 1000, Bangladesh Web: http://www.worldbank.org/lac (postal address: G.P.O. Box 97) Tel: (880-2) 861-1056 Fax: (880-2) 861-3220 E-mail: Cwallich@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/sar (*印)国別担当局長が配置されている現地事務所。 第6章 世界銀行について 131 ブルガリア ベナン ベルギー Mr. Oscar de Bruyn Kops Ms. Diarietou Gaye Mr. Franz H. Kaps The World Bank Banque Mondiale European Commission/World Bank World Trade Center—Interpred Zone Résidentielle de la Radio Special Office for South East Europe 36 Dragan Tsankov Blvd. Cotonou, Bénin Rue du Trone 4 1057 Sofia, Bulgaria (postal address: B.P. 03-2112) 3rd Floor Tel: (359-2) 96 97 229 Tel: (229) 312124 1000, Brussels, Belgium Fax: (359-2) 971 20 45 Fax: (229) 312751, 315839 Tel: (32-2) 504 0990 E-mail: Odebruynkops@worldbank.org E-mail: Dgaye@worldbank.org Fax: (32-2) 504 0999 Web: http://www.worldbank.bg/ Web: http://www.worldbank.org/afr E-mail: Fkaps@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/eca ブルキナファソ ベネズエラ・ボリバル共和国 Mrs. Ellen A. Goldstein Mr. David F. Varela The World Bank Banque Mondiale Banco Mundial EXTEU office 179, Avenue du Président Saye Zerbo Av. Francisco de Miranda Rue Montoyer 10, bte 16 Zone de Ambassades, Koulouba con Av. del Parque B-1000 Brussels, Belgium Ouagadougou 01, Burkina Faso Torre Edicampo, Piso 9, Tel: (32-2) 552 00 52 (postal address: 01 BP 622) Campo Alegre Fax: (32-2) 552 00 25 Tel: (226) 50 30 62 37 Caracas, República Bolivariana de Web: http://www.worldbank.org/eu Fax: (226) 50 30 86 49 Venezuela E-mail: Egoldstein@worldbank.org Tel: (58-212) 267-9943 *ポーランド Web: http://www.worldbank.org/afr Fax: (58-212) 267-9828 Mr. Roger W. Grawe E-mail: Dvarela@worldbank.org The World Bank ブルンジ Web: http://www.bancomundial.org.ve 53, Emilii Plater St. Mr. Alassane Sow Warsaw Financial Center, 9th Floor Banque Mondiale ベラルーシ 00-113 Warsaw, Poland avenue du 18 septembre Mr.Vadim P.Voronin Tel: (48-22) 520 8000 Bujumbura, Burundi The World Bank Fax: (48-22) 520 8001 (postal address: B.P. 2637) 2A Gertsen Street, 2nd Floor E-mail: Rgrawe@worldbank.org Tel: (257-2) 22443, 23269 Minsk, 220030 Web: http://www.worldbank.org.pl/ Fax: (257-2) 26005 Republic of Belarus E-mail: Asow@worldbank.org Tel: (375-17) 226-5284 ボスニア・ヘルツェゴビナ Web: http://www.worldbank.org/afr Fax: (375-17) 211-0314 Mr. Dirk Reinermann E-mail: Vvoronin@worldbank.org The World Bank *ベトナム Web: http://www.worldbank.org/eca UNITIC Tower B Mr. Klaus Rohland Fra Andjela Zvizdovica 1 The World Bank ペルー 71000 Sarajevo 63 Ly Thai To Street, 8th Floor Mr. John Newman Bosnia and Herzegovina Hanoi,Vietnam Banco Mundial Tel: (387-33) 251 500 Tel: (84-4) 934-6600 Avenida Alvarez Calderón 185 Fax: (387-33) 440 108 Fax: (84-4) 934-6597 Piso 7, San Isidro E-mail: Dreinermann@worldbank.org 対外関係部門連絡先電子メール Lima, Peru Web: http://www.worldbank.org.ba/ E-mail: Krohland@worldbank.org Tel: (51-1) 615-0660 Web: http://www.worldbank.org/vn Fax: (51-1) 421-7241 ボリビア E-mail: Jnewman@worldbank.org Ms. Connie Luff Web: http://www.worldbank.org/lac Banco Mundial Edificio Victor, piso 9 Calle Fernando Guachalla #342— Sopocachi La Paz, Bolivia (postal address: Casilla 8692) Tel: (591-2) 215-0685 Fax: (591-2) 215-3305 E-mail: Cluff@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/lac (*印)国別担当局長が配置されている現地事務所。 132 世界銀行 年次報告 2004 ホンジュラス マリ *モザンビーク Mr. Joseph Owen Ms. Judith Press Mr. Michael Baxter Banco Mundial Banque Mondiale The World Bank Centro Financiero BANEXPO, 4to Piso Immeuble SOGEFIH, Avenue Kenneth Kaunda, 1224 Boulevard San Juan Bosco Centre Commercial Rue 32 Maputo, Mozambique Colonia Payaquí Quartier du Fleuve (postal address: Caixa Postal 4053) Apartado Postal 3591 Bamako, Mali Tel: (258-1) 49 28 41 Tegucigalpa, Honduras (postal address: B. P. 1864) Fax: (258-1) 49 28 93 Tel: (504) 239-4551 Tel: (223) 222 22 83 E-mail: Mbaxter@worldbank.org Fax: (504) 239-4555 Fax: (223) 222 66 82 Web: http://www.worldbank.org/afr E-mail: Jowen@worldbank.org E-mail: Jpress@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/lac Web: http://www.worldbank.org/afr モルドバ Mr. Edward K. Brown マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 *南アフリカ The World Bank Ms. Sandra Bloemenkamp The World Bank Sciusev str., 76/6, MD 2012 The World Bank First Floor, Pro Equity Court Chisinau, Republic of Moldova 34 Leninova Street 1250 Pretorius Street Tel: (373-22) 23 27 37 or 23 35 65 1000 Skopje, Republic of Macedonia Hatfield, Pretoria 0083 Fax: (373-22) 23 70 53 Tel: (389-2) 3117-159 Republic of South Africa E-mail: Ebrown1@worldbank.org Fax: (389-2) 3117-627 (postal address: P.O. Box 12629, Web: http://www.worldbank.org/eca E-mail: Sbloemenkamp@worldbank.org Hatfield 0028, Pretoria) Web: http://www.worldbank.org.mk/ Tel: (27-12) 431-3100 モロッコ Fax: (27-12) 431-3134 Mr. Ferid Belhaj *マダガスカル Web: http://www.worldbank.org/afr The World Bank Mr. Hafez Ghanem 7, rue Larbi Ben Abdellah Banque Mondiale *メキシコ Rabat-Souissi, Morocco Rue Andriamifidy L. Ms. Isabel M. Guerrero Tel: (212-37) 63.60.50 Razafimanantsoa, Anosy (près du Banco Mundial Fax: (212-37) 63.60.51 Ministère des Affaires Etrangères) Insurgentes Sur 1605, Piso 24 E-mail: Fbelhaj@worldbank.org Antananarivo 101, Madagascar San Jose Insurgentes Web: http://www.worldbank.org/ma (postal address: B. P. 4140) 03900 Mexico, D. F., Mexico Tel: (261-20) 2256000 Tel: (52-5) 5480-4200 モンゴル Fax: (261-20) 2233338 Fax: (52-5) 5480-4222 Mr. Saha Dhevan Meyanathan E-mail: Hghanem@worldbank.org E-mail: Iguerrero@worldbank.org The World Bank Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.org/lac 11-A Peace Avenue Ulaanbaatar 210648,Mongolia マラウイ モーリタニア Tel: (976-11) 312-647 Mr. Dunstan M.Wai Mr. Yves Duvivier Fax: (976-11) 312-645 The World Bank Banque Mondiale E-mail: Smeyanathan@worldbank.org Development House Villa No. 30, Lot A Web: http://www.worldbank.org.mn Capital City Quartier Socogim Lilongwe 3, Malawi Nouakchott,Mauritanie *ヨルダン川西岸・ガザ地区 (postal address: P.O. Box 30557) (postal address: B. P. 667) Mr. Nigel Roberts Tel: (265-1) 770 611 Tel: (222) 525 10 17 The World Bank Fax: (265-1) 771 158/773 908 Fax: (222) 525 13 34 P.O. Box 54842 E-mail: Dwai@worldbank.org E-mail: Yduvivier@worldbank.org Jerusalem Web: http://www.worldbank.org/afr Web: http://www.worldbank.org/afr Al-Ram Tel: (972-2) 2366500 Al-Ram Fax: (972-2) 2366543 Gaza Tel: (972-8) 2823422 Gaza Fax: (972-8) 2824296 E-mail: Nroberts@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/ps (*印)国別担当局長が配置されている現地事務所。 第6章 世界銀行について 133 ラオス人民民主共和国 リベリア レソト Mr. Enrique O. Crousillat Mr. Luigi Giovine The World Bank Liaison Office The World Bank The World Bank Liaison Office UN House Pathou Xay—Nehru Road c/o UN House, UNDP United Nations Road (P.O. Box 345 code 01004) Mamba Point Maseru, Lesotho Vientiane, Lao PDR Monrovia, Liberia Tel: (266) 22-321-480 Tel: (856-21) 414-209, 450-010 Direct Cell No.: (377) 47 574 420 Fax: (266) 22-310-619 Fax: (856-21) 414-210 Tel: (231) 6 574 420 Web: http://www.worldbank.org/afr E-mail: Ecrousillat@worldbank.org E-mail: lgiovine@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/eap Web: http://www.worldbank.org/afr レバノン Mr. Omar Razzaz ラトビア ルーマニア The World Bank Ms. Dina Grube Mr. Owaise Saadat UN-House The World Bank The World Bank 6th Floor Smilsu Street 8, 5th Floor Boulevard Dacia 83, Sector 2, Riad El Solh Riga, LV 1162, Latvia Bucharest, Romania Beirut 1107 2270, Lebanon Tel: (371-7) 220-744 Tel: (40-21) 210-1804 (postal address: P.O. Box 11-8577) Fax: (371-7) 814-245 Fax: (40-21) 210-2021 Tel: (961-1) 987 800 E-mail: Dgrube@worldbank.org E-mail: Osaadat@worldbank.org Fax: (961-1) 986 800 Web: http://www.worldbank.org.lv/ Web: http://www.worldbank.org.ro/ E-mail: Orazzaz@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org/lb リトアニア ルワンダ Mr.Mantas Nocius Mr.Mohamed Alhousseyni Toure *ロシア連邦 The World Bank The World Bank Ms. Kristalina I. Georgieva Jogailos Str. 4, 5th Floor Blvd. de la Révolution The World Bank 2001 Vilnius, Lithuania SORAS Building Bolshaya Molchanovka 36/1 Tel: (370-5) 210 7680 Kigali, Rwanda Moscow 121069, Russian Federation Fax: (370-5) 210 7681 (postal address: P.O. Box 609) Tel: (7-095) 745-7000 E-mail:Mnocius@worldbank.org Tel: (250) 573135 Fax: (7-095) 745-7002 Web: http://www.worldbank.lt/ Fax: (250) 576385 E-mail: Kgeorgieva@worldbank.org E-mail: Mtoure1@worldbank.org Web: http://www.worldbank.org.ru/eng/ Web: http://www.worldbank.org/afr (*印)国別担当局長が配置されている現地事務所。 134 世界銀行 年次報告 2004 パートI・パートII IDA加盟国リスト パートI IDA加盟国 パートII IDA加盟国 サモア パプアニューギニア アイスラン ド アゼルバイジャン サントメ・プリンシペ パラオ共和国 アイルラン ド アフガニスタン ザンビア パラグアイ アラブ首長国連邦 アルジェリア シエラレオネ バルバドス イタリア アルゼンチン ジブチ ハンガリー 英国 アルバニア シリア・アラブ共和国 バングラデシュ オーストラリア アルメニア シンガポール 東ティモール オーストリア アンゴラ ジンバブエ フィ ジー オランダ イエメン共和国 スーダン フィ リピン カナダ イスラエル スリランカ ブータン ギリシャ イラク スロバキア共和国 ブラジル クウェート イラン・イスラム共和国 スロベニア ブルキナファソ スイス インド スワジラン ド ブルンジ スウェーデン インドネシア 赤道ギニア ベトナム スペイン ウガンダ セネガル ベナン デンマーク ウクライナ セルビア・モンテネグロ ベリーズ ドイツ ウズベキスタン セントクリス トファー・ ペルー 日本 エクアドル ネーヴィス ポーラン ド ニュージーラン ド エジプト・アラブ共和国 セントビンセン トおよびグレ ボスニア・ヘルツェゴビナ ノルウェー エチオピア ナディーン諸島 ボツワナ フィンランド エリトリア セントルシア ボリビア フランス エルサルバドル ソマリア ホンジュラス 米国 オマーン ソロモン諸島 マーシャル諸島 ベルギー ガーナ タイ マケ ドニア旧ユーゴスラビア ポルトガル カーボヴェルデ 大韓民国 共和国 南アフリカ ガイアナ タジキスタン マダガスカル ルクセンブルグ カザフスタン タンザニア マラウイ ロシア連邦 ガボン チェコ共和国 マリ カメルーン チャド マレーシア ガンビア 中央アフリカ共和国 ミクロネシア連邦 カンボジア 中国 ミャンマー ギニア チュニジア メキシコ ギニアビサウ チリ モーリシャス キプロス トーゴ モーリタニア キリバス ドミニカ共和国 モザンビーク キルギス共和国 ドミニカ国 モルディ ブ グアテマラ トリニダー ド・トバゴ モルドバ グルジア トルコ モロッコ グレナダ トンガ モンゴル クロアチア ナイジェリア ヨルダン ケニア ニカラグア ラオス人民民主共和国 コートジボワール ニジェール ラトビア コスタリカ ネパール リビア コモロ ハイチ リベリア コロンビア パキスタン ルワンダ コンゴ共和国 パナマ レソ ト コンゴ民主共和国 バヌアツ レバノン サウジアラビア 注:パートI・パートIIのどちらに属するかは、主に経済状況に基づいて判断される。パートI加盟国のほとんどはIDAドナーであり、 拠出金は兌換 性のある通貨で払い込まれる。パートII加盟国 (一部はIDAドナー) 「IDA加盟国の議決権および出 は拠出金のほとんどを現地通貨で支払っている。 資・拠出状況」 およびその他の情報については、 本年次報告の第2巻 「財務諸表」を参照。 第6章 世界銀行について 135 表6.1 世銀融資適格国 2004年7月1日現在 所得分類および 2003年の一人 所得分類および 2003年の一人 国名 当たりGNI a 国名 当たりGNI a IBRD融資のみの適格国 ロシア連邦 2,610 フィジー 2,360 一人当たりGNIが5,295ドル超 ルーマニア 2,310 大韓民国 12,020 チュニジア 2,240 アンティ グア・バーブーダ 9,160 エルサルバドル 2,200 パラオ 7,500 タイ 2,190 セーシ ェルb 7,480 ペルー 2,150 トリニダー ド・トバゴ 7,260 ブルガリア 2,130 セントク リストファー・ネーヴィス 6,880 ミクロネシア連邦 2,090 チェコ共和国 6,740 ドミニカ共和国 2,070 ハンガリ ー 6,330 イラン ・イスラム共和国 2,000 メキシコ 6,230 マケ ドニア旧ユーゴスラビア共和国 1,980 クロアチア 5,350 グアテマラ 1,910 アルジェリア 1,890 一人当たりGNIが3,036〜5,295ドル ナミビア 1,870 ポーラ ンド 5,270 ヨルダン 1,850 エス トニア 4,960 コロンビア 1,810 スロバキア共和国 4,920 エクア ドル 1,790 リトアニア 4,490 カザフスタン 1,780 チリ 4,390 ベラルーシ 1,590 コスタ リカ 4,280 ベリーズ NA パナマ 4,250 スリナム NA モー リシャス 4,090 ラトビア 4,070 一人当たりGNIが766〜1,465ドル レバノ ン 4,040 エジプト ・ アラブ共和国 1,390 ウルグア イ 3,790 スワジラン ド 1,350 マレーシア 3,780 モロッコ 1,320 アルゼンチン 3,650 シリア ・アラブ共和国 1,160 ガボン 3,580 トルク メニスタン 1,120 ベネズエラ ・ボリバル共和国 3,490 中国 1,100 ボツワナ 3,430 パラグア イ 1,100 フィリピン 1,080 一人当たりGNIが1,466〜3,035ドル ウクラ イナ 970 トルコ 2,790 イラクb NA 南アフリカ 2,780 ジャマイカ 2,760 一人当たりGNIが765ドル以下 ブラジル 2,710 赤道ギニア NA マーシャル諸島 2,710 IBRD融資およびIDA融資のブレンド適格国c 一人当たりGNIが3,036〜5,295ドル 一人当たりGNIが765ドル以下 セントルシアd 4,050 インド 530 グレナ ダd 3,790 パプアニューギニア 510 ドミニカ国d 3,360 パキスタ ン 470 セントビンセン トおよびグレナデ ィーン諸島d 3,300 ウズベキスタ ン 420 ナイジェリア 320 一人当たりGNIが1,466〜3,035ドル ジンバブエb NA セルビア・モンテネグロb 1,910 ボスニア・ヘルツェゴビナ 1,540 一人当たりGNIが766〜1,465ドル ボリビア 890 アゼルバイジャン 810 インドネシア 810 136 世界銀行 年次報告 2004 所得分類および 2003年の一人 所得分類および 2003年の一人 国名 当たりGNI a 国名 当たりGNI a IDA融資のみの適格国c モー リタ ニア 430 東ティ モール 430 一人当たりGNIが1,466〜3,035ドル バングラデシュ 400 モルデ ィ ブd 2,300 ケニア 390 アルバニア 1,740 ハイ チb 380 サモアd 1,600 ザンビア 380 カーボヴ ェルデd 1,490 キルギス共和国 330 トンガ d 1,490 ガーナ 320 ラオス人民民主共和国 320 一人当たりGNIが766〜1,465ドル サント メ・プリ ンシペ 320 バヌアツd 1,180 カンボジア 310 ホンジュラス 970 ガンビア 310 アルメニア 950 トーゴb 310 スリランカ 930 ブルキナフ ァ ソ 300 ジブチ 910 マダガスカル 290 ガイアナ 900 マリ 290 キリバス 880 タンザニア 290 グルジア 830 中央アフ リカ共和国b 260 チャド 250 一人当たりGNIが765ドル以下 ネパール 240 アンゴラ 740 ウガン ダ 240 ニカラグア 730 ルワ ンダ 220 ブータン 660 モザンビーク 210 コートジボワール 660 ニジ ェール 200 カメルーン 640 エリト リア 190 コンゴ共和国 640 タジキスタ ン 190 ソロモン諸島 600 マラウ イ 170 レソト 590 シエラ レオネ 150 モルドバ 590 ギニアビサウ 140 セネガル 550 リベリ アb 130 イエメン共和国 520 ブルンジ 100 モンゴル 480 コンゴ民主共和国 100 ベトナム 480 エチオピア 90 スーダンb 460 アフガニスタ ン NA コモロ 450 ミャンマーb NA ベナン 440 ソマリアb NA ギニア 430 NA 正確な数値が不明。 a.「世界銀行アトラス」 方式:一人当たりGNI(国民総所得。従来のGNP)の数値は2003年の米ドル建て。 b. 2004年6月30日現在、利息が支払われていない融資。融資利息が支払われていない国に関する一般的な情報は、融資信用リスク局 (SFRCR) から発表されている。 c. IDA融資の適格性は(a)相対的貧困度、 および(b)信用力不足の2点から判断される。2005年度のIDA融資条件は、2003年の一人当たり GNI (世界銀行アトラス方式) が895ドル以下であること。IDA融資を受けるためには、 さらにパフォーマンス・テストに合格する必要がある。た だし、GNIが上限を超えており、大規模な構造調整努力も行われているが、IBRD融資に必要な信用力を備えていない国に対しては、暫定的に IDA融資の適格性が認められている。経済規模の小さい諸島国については、 例外的にIDA融資が認められている 。 (脚注d参照) d. 信用力がないために世銀グループの援助をほとんど、 あるいはまったく受けることのできない経済規模の小さい諸島国は、 IDA融資のための 一人当たりGNI基準 (2005年度は895ドル以下)の適用から除外された。こうした国々に対しては、 信用力を高めるためのプロジェクトおよび 構造調整プログラムにIDA融資を行うかどうかがケース・バイ・ケースで検討される。 第6章 世界銀行について 137 表6.2 アフリカ地域に対する世銀の融資承認額、融資実行額、および純移転額 1999–2004年度 (単位:100万ドル) コンゴ民主共和国 エチオピア タンザニア 地域合計 項目 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 IBRDとIDAの承認額 914 1,868 320 1,702 451 1,550 4,116 19,442 未実行残高 1,243 1,243 976 976 944 944 11,565 11,565 実行総額 217 759 422 1,745 337 1,206 3,335 16,093 返済額 25 253 38 149 60 255 928 6,498 純実行額 192 505 385 1,596 277 951 2,407 9,595 金利・諸掛り 14 158 25 97 27 128 425 2,761 純移転額 177 348 360 1,498 250 823 1,982 6,834 注:本表は過去2年度 (2003、2004)において、本地域で融資承認額の最も多かった3カ国を示すものである。数字は四捨五入されている。 HIPC融資を含む。 表6.3 東アジア・大洋州地域に対する世銀の融資承認額、融資実行額、および純移 転額 1999–2004年度 (単位:100万ドル) 中国 ベトナム インドネシア 地域合計 項目 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 IBRDとIDAの承認額 1,218 7,483 706 2,815 322 4,417 2,573 21,373 未実行残高 5,409 5,409 2,483 2,483 1,595 1,595 10,677 10,677 実行総額 1,310 10,780 427 1,739 423 5,102 2,577 24,171 返済額 1,577 7,769 5 13 1,346 5,853 6,628 24,325 純実行額 (268) 3,011 422 1,725 (923) (751) (4,051) (155) 金利・諸掛り 360 3,903 22 64 665 5,068 1,616 14,147 純移転額 (628) (892) 400 1,661 (1,588) (5,820) (5,667) (14,302) 注:本表は過去2年度(2003、2004)において、本地域で融資承認額の最も多かった3カ国を示すものである。数字は四捨五入されている。 138 世界銀行 年次報告 2004 表6.4 南アジア地域に対する世銀の融資承認額、融資実行額、および純移転額 1999–2004年度 (単位:100万ドル) インド バングラデシュ パキスタン 地域合計 項目 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 IBRDとIDAの承認額 1,423 10,545 527 2,875 781 2,693 3,422 17,770 未実行残高 7,669 7,669 1,748 1,748 1,000 1,000 11,517 11,517 実行総額 1,873 10,206 228 2,230 304 3,165 2,727 16,659 返済額 2,295 10,725 137 611 385 1,870 2,885 13,522 純実行額 (422) (518) 91 1,619 (81) 1,295 (158) 3,136 金利・諸掛り 322 3,153 64 310 143 1,113 556 4,721 純移転額 (744) (3,672) 27 1,309 (224) 182 (714) (1,585) 注:本表は過去2年度(2003、2004)において、本地域で融資承認額の最も多かった3カ国を示すものである。数字は四捨五入されている。 表6.5 ヨーロッパ・中央アジア地域に対する世銀の融資承認額、融資実行額、およ び純移転額 1999–2004年度 (単位:100万ドル) トルコ ルーマニア ロシア連邦 地域合計 項目 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 IBRDとIDAの承認額 1,586 8,761 230 1,358 100 3,450 3,559 22,691 未実行残高 3,108 3,108 887 887 1,761 1,761 9,968 9,968 実行総額 855 5,349 105 1,422 220 2,523 2,451 18,057 返済額 499 3,075 152 653 787 2,445 2,495 10,489 純実行額 356 2,274 (47) 768 (566) 78 (44) 7,568 金利・諸掛り 206 1,500 69 517 152 1,832 933 7,084 純移転額 150 774 (116) 251 (719) (1,754) (977) 484 注:本表は過去2年度(2003、2004)において、本地域で融資承認額の最も多かった3カ国を示すものである。数字は四捨五入されている。 第6章 世界銀行について 139 表6.6 ラテンアメリカ・カリブ海地域に対する世銀の融資承認額、融資実行額、 および純移転額 1999–2004年度 (単位:100万ドル) アルゼンチン ブラジル メキシコ 地域合計 項目 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 IBRDとIDAの承認額 1,586 7,385 1,267 8,604 666 6,599 5,320 32,679 未実行残高 2,037 2,037 2,948 2,948 2,357 2,357 10,984 10,984 実行総額 1,178 8,480 1,398 8,943 865 7,024 5,228 34,489 返済額 1,549 6,593 1,863 6,769 1,366 7,947 6,191 28,418 純実行額 (371) 1,887 (465) 2,175 (501) (923) (963) 6,071 金利・諸掛り 295 3,185 334 2,633 568 4,620 1,718 14,393 純移転額 (667) (1,298) (799) (458) (1,068) (5,543) (2,681) (8,322) 注:本表は過去2年度 (2003、2004)において、本地域で融資承認額の最も多かった3カ国を示すものである。数字は四捨五入されている。 HIPC融資を含む。 表6.7 中東・北アフリカ地域に対する世銀の融資承認額、融資実行額、 および純移転額 1999–2004年度 (単位:100万ドル) イラン・イスラム エジプト・アラブ 共和国 共和国 イエメン共和国 地域合計 項目 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 2004 1999–2004 IBRDとIDAの承認額 359 791 341 1,003 145 869 1,091 5,722 未実行残高 732 732 747 747 610 610 3,773 3,773 実行総額 21 308 98 423 93 572 727 4,650 返済額 63 406 116 676 25 104 1,086 5,750 純実行額 (42) (98) (18) (253) 68 468 (359) (1,101) 金利・諸掛り 25 208 33 274 13 57 385 3,296 純移転額 (67) (306) (51) (527) 56 411 (744) (4,397) 注:本表は過去2年度(2003、2004)において、本地域で融資承認額の最も多かった3カ国を示すものである。数字は四捨五入されている。 140 世界銀行 年次報告 2004 表6.8 2004年度に承認された融資 アフリカ地域 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ アフリカ ✧ IDA−「地域HIV/エイズ治療促進グラント」 HDN 6/17/04 n.a. 41.4 59.8 官民セクターとCSOのパー トナーシップを通して、パイロット国 (ブルキナファソ、 ガーナ、モザンビーク)における包括的な治 療プログラムを拡大するもの。 総コス トc:6150万ドル ✧ IDA−「アフリカ西部資本市場開発融資」 FSE 2/26/04 2014/2043 67.0 96.4 アフリカ西部の資本市場を開発し、地域インフラへの官民投資 を促進するもの。 総コス ト:4億870万ドル ✧ IDA−「アビジャン−ラゴス輸送回廊のためのHIV/エイズ HDN 11/13/03 n.a. 12.2 16.6 特別投資グラント」 HIV/エイズの拡大を抑制すると共に、HIV/エイズの蔓延が輸送 回廊周辺の社会と経済に与えている悪影響を緩和するもの。 総コス ト: 1790万ドル IDA−「アフリカ南部電力市場対応プログラム融資」 INF 11/11/03 2013/2043 130.0 178.6 安価で環境に配慮した電力を安定的に供給することにより、ア フリカ南部の経済成長を促進するもの。 総コス ト:2億10万ドル アンゴラ ✧ IDA−「第3次社会行動基金特別投資融資」 HDN 7/29/03 2013/2043 40.5 55.0 より多くの国民が基本的な社会・経済サービスを持続可能な形 で利用できるよう支援すると共に、地方政府や地域社会が開発 結果に責任を負うシステムを支援するもの。 総コス ト:1億2000万ドル ウガンダ ✧ IDA−「鉱物資源の持続可能な管理のための特別投資融資」 INF 12/9/03 2013/2043 17.7 25.0 鉱業セクターの改革を強化し、民間セクターの役割を拡大し、 鉱業地区の開発を促進するもの。 総コス ト:2500万ドル IDA−「第2次経済・財政管理補完融資」 PREM 11/4/03 2014/2043 10.5 14.6 公共支出管理の有効性を高めるもの。 総コス ト:1720万ドル ✧ IDA−「第3次貧困削減支援グラント」 PREM 9/9/03 n.a. 106.0 150.0 貧困撲滅行動計画の実施を支援するもの。このグラントでは 特にサービスの提供範囲の拡大と農村開発に重点が置かれる 予定。 総コス ト:1億5000万ドル エチオピア IDA−「給水・衛生特別投資融資/グラント」 INF 5/11/04 2014/2044 51.1 75.0c 農村・都市部の住民が給水・衛生サービスを持続可能な形で利 n.a. 17.0 25.0g 用できるよう支援するもの。 総コス ト:1億1600万ドル 第6章 世界銀行について 141 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ IDA−「公共セクター・キャパシティ・ビルディング・プログラ PREM 5/11/04 2014/2044 66.9 100.0 ム支援特別投資融資」 中央・地方政府が提供している公共サービスの規模、効率、 お よび即応性をあらゆるレベルで改善し、健全なガバナンスと説 明責任を強化するもの。 総コス ト:3億9780万ドル ✧ IDA−「第1次貧困削減支援グラント」 PSD 2/17/04 n.a. 83.4 120.0 政府の計画・予算策定プロセスを強化し、投資環境の改善を 支援するもの。 総コス ト:1億2000万ドル ガーナ ✧ IDA−「第2次都市環境衛生特別投資融資」 INF 4/29/04 2014/2044 41.6 62.0 都市住民の生活環境 (環境、衛生、下水、ゴミ処理、公共交通 機関) の改善を支援するもの。 総コス ト:8090万ドル ✧ IDA−「教育セクター特別投資融資」 HDN 3/9/04 2014/2044 52.7 78.0 初等・中等教育における質の高さと公平なアクセス、サービス の効率的な提供を促すと共に、就学率の改善を目指すもの(特 に女児の就学率) 。 総コス ト:8800万ドル ✧ IDA−「土地管理特別投資融資」 ESSD 7/31/03 2013/2043 15.1 20.5 分権的で公平かつ効率的な土地管理制度の構築を支援するも の。この制度により、借地制度の信頼性が高まり、土地の保有 が簡略化され、賢明な土地管理が促進される。 総コス ト:5510万ドル カーボヴェルデ ✧ IDA−「社会セクター開発補完特別投資融資」 HDN 12/16/03 2014/2043 2.9 4.0 貧困ラインを下回る生活を送っている人々 (全人口の30%)の 貧困削減を支援すると共に、中央政府の能力を強化し、全国規 模の貧困緩和計画を遂行できるようにするもの。 総コス ト:440万ドル カメルーン ✧ IDA−「地域社会開発プログラム対応プログラム融資」 ESSD 3/18/04 2014/2044 13.6 20.0 農村部の共同体に資金が提供されるようなシステムの構築を支 援するもの。こう した資金により、地域社会自身が必要なイン フラ、 サービス、 および資金を特定・管理できるようになり、健 全なガバナンスが促進される。 総コス ト:8280万ドル ギニアビサウ ✧ IDA−「HIV/エイズ包括的緩和支援対応プログラム・グラ HDN 6/2/04 n.a. 4.7 7.0 ント」 セクター横断的で包括的なHIV/エイズ対策の導入を支援するも の(感染の予防、治療の拡大、 エイズの蔓延が社会と経済に与 える影響の緩和など) 。 総コス ト:700万ドル ケニア IDA−「北方回廊運輸改善特別投資融資」 INF 6/17/04 2014/2044 138.4 207.0 ケニア北部の道路網の改善に重点を置く もの。また、国内の2 つの国際空港を改修し、すべての国際空港への乗り入れを目 指す。 総コス ト:2億7500万ドル 142 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ✧ IDA−「ナイロビ市上下水道制度改革特別投資グラント」 INF 6/17/04 n.a. 10.2 15.0 市民が上下水道サービスを効率的かつ継続的に利用できるよ う支援するもの。 総コス ト:1680万ドル ✧ IDA−「農業生産性対応プログラム融資/グラント」 ESSD 6/17/04 2014/2044 18.0 27.0c 農業セクターの活性化と農民の生計の向上を目指すもの。そ n.a. 8.7 13.0g の施策として、農業技術指導制度を拡大・改革し、 すべての農 民がコス ト効率の高い農業技術を導入できるようにする。 総コス ト:6000万ドル IDA−「ディベロップメント・ラーニング・センター研修・革 HDN 10/17/03 n.a. 2.0 2.7 新グラント」 国民に安価な研修機会を提供し、地方組織の能力を強化し、 地域・国際レベルの政策・戦略対話を促進するもの。 総コス ト:380万ドル コモロ ✧ IDA−「サービス支援融資」 HDN 3/11/04 2014/2044 9.0 13.3 国民の福祉に直結するような、緊急の貧困緩和活動を支援する と共に、地方政府と地域社会の能力を強化するもの。 総コス ト:2200万ドル コンゴ共和国 ✧ IDA−「HIV/エイズおよび保健・医療グラント」 HDN 4/20/04 n.a. 12.8 19.0 政府のHIV/エイズ感染抑制活動を支援し、感染者とHIV/エイズ の影響を受けている人々に対する支援とケアを強化するもの。 総コス ト:2140万ドル コンゴ民主共和国 IDA−「緊急動員解除・社会復帰グラント」 HDN 5/25/04 n.a. 68.1 100.0 元兵士 (推定15万人)の社会復帰を支援し、平和の確立と経済 の安定化を促すもの。 総コス ト:1億ドル ✧ IDA−「マルチセクターHIV/エイズ対応プログラム・グラ ESSD 3/26/04 n.a. 68.4 102.0 ント」 HIVの感染予防活動を拡大し、感染者の生活の質を向上させ、 HIV/エイズが地域社会に与えている影響を緩和するもの。 総コス ト:1億200万ドル IDA−「再統一後経済復興融資」 PREM 2/26/04 2014/2043 135.2 200.0 債務の返済と、公益サービス提供業者への支払いにあてる資 金を提供することにより、政府が現在の債務状況に対応できる よう支援するもの。 総コス ト:2億ドル ✧ IDA−「緊急経済・社会再統一支援融資/グラント」 PREM 9/11/03 2014/2043 35.7 50.0c 政府が経済と社会の再統一を推進し、当面の社会・人道危機 n.a. 117.0 164.0g に対処できるよう支援するもの。 総コス ト:2億1400万ドル ✧ IDA−「民間セクター開発・競争力特別投資融資」 PSD 7/29/03 2013/2043 87.1 120.0 特定セクター (鉱業、運輸、 エネルギー、通信、金融)の主要企 業の競争力を強化し、 こうしたセクターの透明性とガバナンス の健全性を強化するもの。 総コス ト:1億2380万ドル 第6章 世界銀行について 143 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ サントメ・プリンシペ ✧ IDA−「社会セクター支援特別投資融資/グラント」 HDN 5/18/04 2014/2044 3.4 5.0c 基本的な保健・医療と教育サービスの提供を強化するもの。 n.a. 1.1 1.5g 総コス ト:710万ドル ザンビア ✧ IDA−「道路再建・維持融資」 INF 3/9/04 2014/2043 33.5 50.0 公道インフラとその安全性を効率よく、公正に、かつ財政的に 持続可能な方法で管理・維持できるよう支援するもの。 総コス ト:3億8090万ドル シエラレオネ IDA−「制度改革・キャパシティ・ビルディング技術支援グラ PREM 5/11/04 n.a. 16.8 25.1 ント」 包括性、透明性、および説明責任を強化することにより、紛争 後であるこの国の政府が有効な地方ガバナンス制度を構築で きるよう支援するもの。 総コス ト:2890万ドル セネガル IDA−「民間セクター調整融資」 PSD 3/18/04 2014/2043 30.2 45.0 社会・貧困緩和プログラムが間断なく実行されるよう、政府予 算に資金を提供するもの。この資金は償還金を原資とする基 金によってまかなわれる。 総コス ト:4500万ドル タンザニア IDA−「貧困削減支援融資」 PSD 6/29/04 2013/2043 0.1 0.2 IDA融資の継続分。 IDA−「緊急電力供給融資」 INF 6/8/04 2014/2044 30.2 43.8 深刻な電力供給制限を回避するための緊急措置の導入を支援 するもの。長時間にわたる厳しい供給制限は経済活動や社会 サービスの提供を阻害する可能性がある。 総コス ト:1億1080万ドル IDA−「第2次教育開発セクター調整融資/グラント」 HDN 6/8/04 2014/2044 82.7 123.6c 3つの主要課題 (アクセス、質、管理)の解決に取り組み、中等 n.a. 17.7 26.4g 教育の改革を支援するもの。 総コス ト:2億5000万ドル ✧ IDA−「中央輸送回廊特別投資融資」 INF 4/29/04 2014/2043 81.6 122.0 特に道路・鉄道輸送の効率化に重点が置かれる予定。 総コス ト:1億7810万ドル ✧ IDA−「第2次保健・医療セクター開発対応プログラム融 HDN 12/16/03 2014/2043 27.9 40.0c 資/グラント」 n.a. 17.4 25.0g 質の高い保健・医療サービスの提供を促進し、改革を支援し、 関連資源の管理を強化するもの。 総コス ト:9億6300万ドル ✧ IDA−「マルチセクター・エイズ・グラント」 HDN 7/7/03 n.a. 54.1 70.0 HIV/エイズが一般市民に拡大することを防ぐと共に、HIV/エイ ズの蔓延に対する政府の対応能力を強化するもの。 総コス ト:8200万ドル 144 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ チャド ✧ IDA−「農業サービス・生産者組織特別投資融資」 ESSD 12/11/03 2014/2043 14.2 20.0 生産性の向上を目的としたイニシアティブに資金を提供すると 共に、生産者組織、公的機関、および民間支援サービスの制 度・専門能力を強化する。 総コス ト:2460万ドル ナイジェリア IDA−「国家水・都市セクター改革特別投資融資」 INF 6/15/04 2014/2039 81.7 120.0 全国36州のうち3州において、水関連の公益サービスとネット ワークの信頼性と財政面での活力を高めるもの。 総コス ト:1億4000万ドル ✧ IDA−「第2次国家ファダマ開発特別投資融資」 ESSD 12/16/03 2014/2038 69.6 100.0 地域社会が自らの開発アジェンダを特定・管理できるようにす るもの。それと同時に、内紛の終結を支援する。 総コス ト:1億2540万ドル ✧ IDA−「零細・中小企業特別投資融資」 PSD 12/16/03 2014/2038 22.3 32.0 小規模企業に支援を提供している地方の金融・非金融機関を 強化するもの。 総コス ト:6000万ドル ✧ IDA− 「地域社会エンパワーメント・環境管理特別投資融資」 ESSD 7/31/03 2014/2038 52.8 70.0 地方政府の管理能力を強化し、環境と社会に配慮した、セク ター横断的な小規模プロジェク トの実施を支援するもの。 総コス ト:9100万ドル ニジェール IDA−「金融セクター技術支援融資」 FSE 2/19/04 2014/2044 10.9 14.8 金融環境を強化し、金融システムを効率化するもの。 総コス ト:2540万ドル ✧ IDA−「第2次公共支出調整融資」 PREM 10/23/03 2013/2043 47.4 65.0 政府が改革プログラムを継続できるよう支援するもの。この融 資では特に予算管理、社会セクター、 および民間セクター環境 の改革に重点が置かれる予定。 総コス ト:6500万ドル ✧ IDA−「基礎教育プログラム特別投資融資/グラント」 HDN 7/17/03 2013/2043 4.1 5.6c 基礎教育プログラムの就学率と修了率を改善し、教育省の資 n.a. 17.7 24.4g 源管理能力を強化するもの。 総コス ト:3億50万ドル ブルキナファソ ✧ IDA−「第4次貧困削減支援融資」 PREM 5/11/04 2014/2044 40.9 60.0 成長の加速、所得の創出、社会サービスの提供、予算管理とガ バナンスの強化を目的と した政策を支援するもの。 総コス ト:6000万ドル IDA−「国家統計システム構築特別投資融資」 PREM 3/25/04 2014/2043 6.7 10.0 効率的な統計の基盤となる法的・制度フレームワークを構築 し、統計担当者・利用者双方の統計能力を強化するもの。 総コス ト:1310万ドル ✧ IDA−「第3次貧困削減支援グラント」 PREM 7/15/03 n.a. 35.4 50.0 政府の貧困削減プログラムと社会・経済改革プログラムの実施 を支援するもの。 総コス ト:5000万ドル 第6章 世界銀行について 145 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ブルンジ ✧ IDA−「道路セクター投資・維持開発融資」 INF 3/18/04 2014/2044 34.3 51.4 優先道路網の一部を修復し、農村・都市部の貧困層に雇用を 提供すると共に、運輸セクターの制度能力を強化するもの。 総コス ト:5130万ドル IDA−「緊急動員解除・再統合・社会復帰グラント」 ESSD 3/18/04 n.a. 22.2 33.0 兵士の動員解除を支援するもの。このグラン トでは特に社会復 帰の促進に重点が置かれる予定。 総コス ト:7880万ドル ✧ IDA−「経済管理特別投資融資」 PREM 1/29/04 2014/2044 18.1 26.0 政府の経済、財政、 および行政運営を効率化すると共に、幅広 い関係者が参加する、包括的な公共政策管理を促進するもの。 総コス ト:2750万ドル ベナン ✧ IDA−「第1次貧困削減支援融資」 PREM 3/18/04 2014/2043 13.4 20.0 改革アジェンダの実施を支援すると同時に、貧困層に質の高い 基本的サービスを提供するための政府計画に資金を提供する もの。 総コス ト: 2000万ドル マダガスカル ✧ IDA−「第3次環境プログラム支援特別投資グラント」 ESSD 5/11/04 n.a. 26.8 40.0 同国の制度能力を評価し、森林生態系と保護地域を効果的に 管理するためのフレームワークを構築するもの。 総コス ト:1億4890万ドル ✧ IDA−「輸送インフラ投資対応プログラム融資」 INF 12/8/03 2014/2043 104.4 150.0 主要輸送インフラの再建、輸送コス トの削減、および貿易の円 滑化を支援するもの。 総コス ト:8億4250万ドル ✧ IDA−「ガバナンス・制度構築技術支援融資」 PREM 11/18/03 2014/2043 21.9 30.0 政府が国際基準に準拠した調達システムを構築できるよう支援 するもの。 それと同時に、 内部と外部による監督体制を強化し、 説明責任を確立する。 総コス ト:5800万ドル IDA−「第2次地域社会栄養特別投資融資」 HDN 10/28/03 2014/2043 7.3 10.0 3歳未満の子供の慢性的な栄養不良を削減し、学齢児童と妊産 婦および授乳中の母親の栄養状態を改善する政府の取り組み を支援するもの。 総コス ト:1100万ドル マラウイ ✧ IDA−「財政管理・成長加速融資」 PREM 4/13/04 2014/2044 33.8 50.0 政府の構造改革を支援することにより、 農業の生産性が向上し、 HIV/エイズの影響が緩和されるほか、政府の財政管理能力を強 化することにより、成長が促進される。 総コス ト:5000万ドル ✧ IDA−「地域社会密着型農地開発特別投資グラント」 ESSD 4/13/04 n.a. 18.1 27.0 全国各地で地域社会主導の自発的な土地改革を実施すること により、農村部の約1万5000の貧困家庭の所得を向上させる もの。 総コス ト:2980万ドル 146 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ✧ IDA−「ディベロップメント・ラーニング・センター研修・ PREM 3/11/04 2014/2044 2.7 4.0 革新融資」 官民セクターとシビルソサエティの意思決定者の能力を強化す ることにより、社会・経済関連の政策とプログラムの構築を支 援するもの。 総コス ト:530万ドル ✧ IDA−「マルチセクター・エイズ・プロジェクト特別投資グ HDN 7/29/03 n.a. 25.4 35.0 ラント」 HIVの感染を抑制し、感染者の生活の質を向上させ、社会の全 域におよんでいるHIV/エイズの影響を緩和するもの。 総コス ト:2億7470万ドル マリ ✧ IDA−「マルチセクターHIV/エイズ特別投資グラント」 PSD 6/17/04 n.a. 17.6 25.5 政府のHIV/エイズ戦略の実施を支援するもの。このグラン トで は特に予防、検査、 カウンセリング、治療、およびケアに重点 が置かれる予定。 総コス ト:2800万ドル IDA−「ディベロップメント・ラーニング・センター研修・革 HDN 5/21/04 n.a. 1.7 2.5 新グラント」 官民セクターとシビルソサエティの能力を強化し、社会・経済 開発プログラムを管理できるようにするもの。これにより、知 識共有ネッ トワークの一部としての、ディベロップメント・ラーニ ング・センターの有効性と持続可能性が証明される。 総コス ト:350万ドル ✧ IDA−「輸送回廊改善特別投資融資/グラント」 INF 3/11/04 2014/2044 22.2 32.8c 道路インフラの再建を支援し、近隣諸国が年間を通してこれら n.a. 10.8 15.9g のインフラを利用できるようにするもの。 総コス ト:1億3150万ドル IDA−「第3次構造調整融資補完グラント」 PREM 12/11/03 n.a. 10.5 15.0 財政赤字を補填し、同国が改革プログラムを遂行できるよう支 援するもの。 総コス ト:1500万ドル ✧ IDA−「家庭用エネルギー普及特別投資融資」 INF 11/4/03 2014/2043 25.2 35.7 遠隔地の貧しい住民が基本的なエネルギーサービスを利用で きるよう支援すると共に、 エネルギーセクターの改革を強化す るもの。 総コス ト:5340万ドル モーリタニア ✧ IDA−「地域社会密着型農村開発融資」 ESSD 4/20/04 2014/2044 30.1 45.0 農民の所得と基本的サービスへのアクセスを大幅に改善する ことで、村落の生活環境を向上させるもの。 総コス ト:5800万ドル ✧ IDA−「第2次鉱業セクター・キャパシティ・ビルディング INF 7/8/03 2013/2043 13.1 18.0 技術支援融資」 政府が長期にわたって鉱物資源を管理し、鉱業セクターへの民 間投資を促進できるよう、必要な制度・技術能力を構築・強化 するもの。 総コス ト:2620万ドル 第6章 世界銀行について 147 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ✧ IDA−「マルチセクターHIV/エイズ抑制特別投資グラント」 HDN 7/7/03 n.a. 15.3 21.0 政府のHIV/エイズ対策に地域社会密着型のイニシアティ ブを導 入し、 あらゆる政府機関の活動計画にHIV/エイズが盛り込まれ るよう支援するもの。 総コス ト:2340万ドル モザンビーク IDA−「第2次全国水開発補完融資」 INF 2/26/04 2014/2043 10.2 15.0 主要都市の水関連サービスの質、信頼性、および持続可能性 を改善するもの。 総コス ト:1650万ドル ✧ IDA−「分権的計画・資金調達特別投資グラント」 PREM 11/20/03 n.a. 29.9 42.0 地方行政機関の能力を強化し、地域のニーズに合った小規模 なインフラ投資を計画・管理できるようにするもの。 総コス ト:4630万ドル ✧ IDA−「エネルギー改革・アクセス対応プログラム融資」 INF 8/19/03 2014/2043 29.7 40.3 電力の利用を促進し、経済成長と社会サービスに貢献すると 共に、現代的な再生可能エネルギーへのアクセスを改善する ための能力を強化するもの。 総コス ト:8150万ドル ルワンダ ✧ IDA−「分権化・地域社会開発特別投資グラント」 HDN 6/15/04 n.a. 13.7 20.0 地域社会の発展を促すもの。 その施策として、地方分権を進め、 地域社会主導のイニシアティ ブを通して、農村部の貧困を緩和 する。 総コス ト:2000万ドル レソト ✧ IDA−「第2次教育セクター開発対応プログラム融資」 HDN 7/17/03 2013/2043 15.3 21.0 初等・中等教育のアクセス、公平性、および質を改善し、教育 省の能力を強化するもの。 総コス ト:2720万ドル 合計 2,859.0 4,116.0 n.a. 該当なし。 ✧ シビルソサエティ組織が特定、準備、 および評価に参加しており、実行、モニタリング、 および評価にシビルソサエティの参加が意図され ているプロジェクト。 注:端数は四捨五入されているため、合計が合わないことがある。c=IDA融資、g=IDAグラント。 a.  ESSD=環境・社会・持続可能な開発、FSE=金融セクター、HDN=人的開発、INF=インフラ、PREM=貧困削減・経済管理、PSD= 民間セクター開発 b.  IDA融資はSDR(特別引出権)建てで表記されている。SDRの価値は「通貨バスケット」 を使って算出される。米ドルに対するSDRの価 値はその融資またはグラントの交渉が行われた時点の交換レートを反映したもの。 c.  記載金額は当該案件全体の総額であり、IBRD/IDAのシェアはその一部の場合もある。 148 世界銀行 年次報告 2004 表6.9 2004年度に承認された融資 東アジア・大洋州地域 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ インドネシア ✧ IBRD−「第2次インドネシア東部輸送特別投資融資」 INF 6/22/04 2009/2024 n.a. 200.0 戦略的道路網の強化、道路の計画・管理責任の分権化、公共 事業の効率、質、 および透明性の改善を支援するもの。 総コス トc:2億9620万ドル ✧ IBRD/IDA−「珊瑚礁再建・管理対応プログラム融資」d ESSD 5/25/04 2010/2024 n.a. 33.2 政府の珊瑚礁管理システムの構築を支援するもの。その施策 2014/2039 15.7 23.0 として、組織の即応性を高めると共に、沿岸の地域社会へのエ ンパワーメン トを進め、珊瑚礁を共同管理できるようにする。ま た、生態系の保全に対する社会の意識を喚起する。 総コス ト:7460万ドル ✧ IBRD/IDA−「土地管理・政策策定特別投資融資」d ESSD 4/29/04 2009/2024 n.a. 32.8 政府が貧困を削減し、経済成長を達成し、土地資源を長期に 2014/2039 21.9 32.8 わたって最大限に活用できるよう支援するもの。 総コス ト:8760万ドル カンボジア ✧ IDA−「農村電化・送電特別投資融資」 INF 12/16/03 2014/2043 27.9 40.0 電力セクターの効率と信頼性を高め、電力料金を引き下げ、農 村地域への送電量を増やし、電力関連機関を強化するもの。 総コス ト:1億5010万ドル ✧ IDA−「地方・農村インフラ特別投資融資」 INF 9/11/03 2014/2043 14.2 20.0 市場と重要サービスへの持続可能なアクセスを提供するもの。 その施策として、道路を再建・整備し、 キャパシティ・ビルディ ングを実施し、適切な政策を導入する。 総コス ト:2330万ドル サモア ✧ IDA−「サイクロン緊急復興融資/グラント」 INF 4/29/04 2014/2044 1.4 2.1c 政府がサイクロン 「ヘタ」の被害に対処し、今後の自然災害か n.a. 1.6 2.4g らインフラを保護することができるよう支援するもの。 総コス ト:600万ドル ✧ IDA−「第2次インフラ資産管理対応プログラム融資」 INF 12/29/03 2014/2043 9.0 12.8 運輸と沿岸インフラ資産の経済的、環境的、社会的持続可能 性を高めるもの。民間セクターと連携することにより、天然資 源と災害リスクを効果的に管理する。 総コス ト:2260万ドル タイ ✧ IBRD−「高速道路管理特別投資融資」 INF 12/9/03 2009/2021 n.a. 84.3 道路網を効率化し、管理を強化するもの。この融資により、国 道での交通事故と交通事故死亡者が削減され、定期保守が地 区単位で行われるようになる。 総コス ト:1億4640万ドル 中国 ✧ IBRD−「第2次国有鉄道特別投資融資」 INF 6/24/04 2010/2024 n.a. 200.0 中国鉄道の主要路線の整備を強化し、政府のサービス強化を 支援するもの。 総コス ト:18億ドル 第6章 世界銀行について 149 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ✧ IBRD−「湖北十漫高速道路特別投資融資」 INF 6/24/04 2010/2024 n.a. 200.0 他省、特に中国西部へのアクセスを改善し、地方住民の移動性 を高め、省の道路セクターのガバナンスを強化することにより、 社会経済の発展を促進するもの。 総コス ト:5億2900万ドル ✧ IBRD−「広東省珠江デルタ都市環境特別投資融資」 INF 6/8/04 2010/2024 n.a. 128.0 地域が策定した計画に従って、環境サービスの提供を改善・合 理化することにより、珠江デルタの環境問題に対処するもの。 総コス ト:4億2240万ドル ✧ IBRD−「第4次内陸水路特別投資融資」 INF 3/25/04 2009/2024 n.a. 91.0 珠江デルタ地域に注ぎ込む水路へのアクセスを改善すると共 に、水流をクリーンエネルギーの生成に利用するもの。 総コス ト:2億6040万ドル ✧ IBRD−「武漢都市交通特別投資融資」 INF 3/9/04 2009/2024 n.a. 200.0 統合的で、効率的で、持続可能な交通網の構築を支援すること により、投資を促進し、交通戦略を策定し、バス運行システム を改革するもの。 総コス ト:5億9820万ドル ✧ IBRD−「浙江省都市環境特別投資融資」 INF 1/29/04 2009/2024 n.a. 133.0 廃棄物管理を効率化し、 内陸の歴史都市を開発することにより、 文化遺産保全のモデル都市となることを目指すもの。 総コス ト:3億3430万ドル ✧ IBRD−「江西省統合農業近代化特別投資融資」 HDN 11/20/03 2009/2024 n.a. 100.0 包括的で、経済・環境的に持続可能で、市場主導の農業生産シ ステムを構築するもの。 総コス ト:1億5400万ドル ✧ IBRD−「甘粛・新疆牧畜開発特別投資融資」 ESSD 9/9/03 2009/2023 n.a. 66.3 家畜の生産・流通システムを改善することにより、牧畜・農業 従事者の所得を向上させるもの。 総コス ト:1億1160万ドル ✧ IBRD−「中国西部基礎教育特別投資融資」 HDN 9/9/03 2011/2023 n.a. 100.0 安価で質の高い基礎教育へのアクセスを改善し、四川省、甘粛 省、雲南省、および寧夏回族、広西壮族自治区の貧困家庭の 子供たちが学校教育を修了できるよう支援するもの。 総コス ト:1億4730万ドル トンガ ✧ IDA−「保健・医療セクター支援特別投資融資」 HDN 7/24/03 2014/2043 8.0 10.9 保健・医療セクターに適切な融資政策と情報システムを導入 し、保健施設の運営、機能、 および技術力を強化する改革を支 援するもの。 総コス ト:1240万ドル 150 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ 東ティモール IDA−「第2次移行支援構造調整グラント」 PREM 7/22/03 n.a. 2.9 4.0 グッ ドガバナンスを促進するような制度フレームワークを確立 し、司法制度、教育、保健・医療、および農業セクターの効率 化と民間セクター開発を促進するもの。 総コス ト:1140万ドル フィリピン ✧ IBRD−「農業所得多様化・市場開発セクター投資・維持融資」 ESSD 6/22/04 2012/2024 n.a. 60.0 農業局が市場志向のサービスを提供できるよう支援するもの。 この融資により、農業の競争力が高まり、農民の所得が向上 する。 総コス ト:6970万ドル ✧ IBRD−「農村電力対応プログラム融資」 INF 12/4/03 2012/2023 n.a. 10.0 民間セクターと協力して、適切で、安価で、安定したエネル ギーサービスの提供を支援し、農村部の生活の質を改善する もの。 総コス ト:2670万ドル ✧ IBRD−「ラグナ湖制度強化・地域社会参加特別投資融資」 ESSD 12/4/03 2012/2023 n.a. 5.0 ラグナ湖および同じ水系の地区の環境を改善するために、 ラグ ナ湖開発局、地域政府の担当部門、およびその他の関係者の 活動を支援するもの。 総コス ト:1250万ドル ✧ IBRD−「司法改革支援特別投資融資」 PREM 8/19/03 2011/2023 n.a. 21.9 裁判を効率化し、司法制度を整備し、制度能力を強化し、司法 改革に対する関係者の広範な支持を集めるもの。 総コス ト:2440万ドル ベトナム ✧ IDA−「第3次貧困削減支援融資」 PREM 6/22/04 2014/2044 69.0 100.0 政府の競争促進活動を支援すると共に、国有企業と国有商業 銀行の売却を加速させるもの。国家財政の透明性と説明責任 を強化し、教育を通して人的開発を促進する。 総コス ト:1億ドル ✧ IDA−「都市改善プロジェクト特別投資融資」 INF 4/29/04 2014/2044 148.8 222.5 政府が都市貧困層の生活・環境条件を改善できるよう支援する もの。その施策として、 さまざまな利害関係者が計画の立案に 参加できるようにする。 総コス ト:4億1750万ドル ✧ IDA−「ベトナム水資源支援融資」 ESSD 3/30/04 2014/2044 105.7 157.8 灌漑システムを近代化することにより、農業の多様化を推進す るもの。効果的なダム安全管理システムを構築し、環境的に持 続可能な水資源開発を促進する。 総コス ト:1億7620万ドル 第6章 世界銀行について 151 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ✧ IDA−「道路網改善特別投資融資」 INF 12/18/03 2014/2043 156.7 225.3 国道網の質を高めるもの。その施策として、道路の予防整備と 改修にあてる予算を増やし、政府の計画・予算編成能力を強化 する。 総コス ト:3億500万ドル モンゴル ✧ IDA−「第2次ウランバートル市サービス改善特別投資融資」 INF 4/29/04 2014/2044 12.1 18.0 都市貧困層に対する給水の改善を支援するもの。その施策と し て、主要地区の中核ネッ トワークシステムを強化し、節水・漏水 管理を促進し、流水量と水質のモニタリングを拡大する。 総コス ト:2300万ドル ラオス人民民主共和国 ✧ IDA−「道路整備対応プログラム融資」 INF 6/30/04 2014/2044 15.5 22.7 持続可能な道路整備を実現するための融資と管理システムを、 全国18の州・地区に拡大するもの。 総コス ト:7000万ドル ✧ IDA−「第2次教育開発特別投資融資/グラント」 HDN 4/29/04 2014/2043 3.9 5.3c 6つの最貧困州のうち、19の最貧困地区の初等学校就学率と修 n.a. 5.6 7.7g 了率を引き上げるもの。 総コス ト:1350万ドル 合計 615.4 2,572.8 特別融資e 東ティモール 「第3次農業再建特別投資融資」 ESSD 12/29/03 n.a n.a. 3.0 農林水産省と開発パー トナーの能力を強化し、農業生産高と 農民の所得を持続可能な方法で増大させるもの。 総コスト:1140万ドル n.a. 該当なし。 ✧ シビルソサエティ組織が特定、 準備、および評価に参加しており、 実行、モニタリング、 および評価にシビルソサエティの参加が意図されてい るプロジェクト。 注:端数は四捨五入されているため、 合計が合わないことがある。c=IDA融資、g=IDAグラント。 a.  ESSD=環境・社会・持続可能な開発、 FSE=金融セクター、HDN=人的開発、INF=インフラ、PREM=貧困削減・経済管理、PSD=民間 セクター開発 b.  IDA融資はSDR(特別引出権) 建てで表記されている。SDRの価値は 「通貨バスケット」 を使って算出される。米ドルに対するSDRの価値は その融資またはグラントの交渉が行われた時点の交換レートを反映したもの。 c.  記載金額は当該案件全体の総額であり、IBRD/IDAのシェアはその一部の場合もある。 d. 「ブレンド 」 (IBRDとIDA) 融資。 e.  世銀が管理する信託基金による融資。 152 世界銀行 年次報告 2004 表6.10 2004年度に承認された融資 南アジア地域 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ アフガニスタン IDA−「緊急電力再建融資」 INF 6/22/04 2014/2044 72.4 105.0 都市 (カブール市を含む) における電力供給の質と信頼性を改 善するもの。 総コス トc:2億2000万ドル ✧ IDA−「緊急灌漑再建セクター投資融資」 ESSD 12/23/03 2014/2043 27.9 40.0 灌漑用水の安定的な供給、水資源管理の強化、農業生産高の 増大、 および雇用機会の拡大により、農村住民の生計を向上さ せるもの。 総コス ト:4000万ドル IDA−「緊急税関近代化・貿易円滑化緊急復興融資」 INF 12/23/03 2014/2043 21.6 31.0 貿易収入の拡大、汚職の削減、および国境地帯での密輸の予 防を目指すもの。その施策として、効率的な税関制度を構築す るための緊急支援を提供する。 総コス ト:3100万ドル ✧ IDA−「緊急国家連帯特別投資グラント」 ESSD 12/23/03 n.a. 66.1 95.0 地域社会が計画・管理する復興・開発活動にグラントを提供 し、農村の再建を支援するもの。 総コス ト:2億4500万ドル IDA−「緊急通信緊急復興融資」 INF 10/7/03 2013/2043 15.7 22.0 国内の通信網と通信サービスの近代化と急速な発展を目指す もの。 総コス ト:2200万ドル インド ✧ IDA−「ウッタランチャル州分水界開発投資融資」 ESSD 5/20/04 2014/2039 47.4 69.6 天然資源を最大限に活用し、主要分水界の住民の所得を向上 させるもの。このプロジェク トにより、9200の村に便益が提供 される。 総コス ト:8940万ドル ✧ IDA−「初等教育特別投資融資」 HDN 4/20/04 2014/2039 334.9 500.0 インド政府と各州、欧州委員会、 および英国の資金を共同で管 理し、初等教育の完全普及を実現するための国家計画を支援 するもの。 総コス ト:35億ドル ✧ IBRD−「カルナタカ州都市水セクター改善特別投資融資」 INF 4/8/04 2009/2024 n.a. 39.5 給水と下水設備の効率、管理、 および提供を改善することによ り、 カルナタカ州の都市住民に便益を提供するもの。 総コス ト:5150万ドル ✧ IDA−「ラジャスタン州保健・医療システム特別投資融資」 HDN 3/11/04 2014/2039 61.0 89.0 州の保健・医療セクターの改善を支援するもの。その施策とし て、保健・医療サービスを貧困層にも拡大し、ケアの効果と質 を改善する。 総コス ト:1億600万ドル IBRD/IDA−「第2次アンドラ・プラデシュ州経済改革融資」d PREM 2/10/04 2009/2024 n.a. 110.0 州政府が社会経済を強化し、貧困を削減し、経済改革プログ 2014/2028 76.4 110.0 ラムを推進できるよう支援するもの。 総コス ト :2億2000万ドル 第6章 世界銀行について 153 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ IDA−「予防接種強化補完融資」 HDN 12/16/03 2010/2035 59.5 83.4 現行の 「予防接種強化プロジェクト」に追加資金を提供し、ポリ オの撲滅に寄与するもの。 総コス ト:8340万ドル ✧ IBRD−「アラハバード市バイパス特別投資融資」 INF 10/14/03 2009/2023 n.a. 240.0 道路計画、資産、 およびサービスを管理するための制度能力を 強 化 すると 共 に 、国 道 2 号 線 に ア ラハ バ ード 市 を 迂 回 する 84.7kmのバイバスを建設するもの。 総コス ト:3億2020万ドル ✧ IDA−「マハラシュトラ州農村給水・衛生〈Jalswarajya〉 INF 8/26/03 2014/2038 128.8 181.0 特別投資融資」 安全な飲料水と質の高い衛生サービスを農村部に拡大すると 共に、 サービスの分散的な提供を制度化するもの。 総コス ト:2億6860万ドル スリランカ ✧ IDA−「第2次北東部灌漑農業特別投資融資」 ESSD 6/22/04 2014/2044 44.6 64.7 農業生産高を回復させ、農民に所得創出機会を提供することに より、紛争の影響を受けた北東部の地域社会を再建・開発する もの。 総コス ト:8110万ドル ✧ IDA−「保健・医療セクター開発特別投資グラント」 HDN 6/15/04 n.a. 40.2 60.0 地区、州、 および国家レベルの保健・医療システムの効率と質 を改善するもの。その施策として、保健・医療サービスへのア クセスを改善する。 総コス ト:7260万ドル ✧ IDA−「地域社会開発・生計向上 〈Gemi Diriya〉対応プロ ESSD 3/30/04 n.a. 34.2 51.0 グラム・グラント」 意思決定権を地域社会に委譲することにより、村落を強化しエ ンパワーメン トを進める地域社会主導のプロジェク ト。 総コス ト:6980万ドル ネパール ✧ IDA−「貧困緩和基金特別投資グラント」 ESSD 6/1/04 n.a. 10.1 15.0 農村部の貧しい村落に所得創出の機会と基本的サービス/イ ンフラを提供するパイロッ ト・イニシアティブ。 総コス ト:1660万ドル ✧ IDA−「第2次農村給水・衛生特別投資融資」 INF 6/1/04 2014/2044 17.0 25.3 給水・衛生サービスを拡大し、80万人以上の農村部住民に便 益を提供するもの。 総コス ト:4150万ドル ✧ IDA−「金融セクター再建特別投資融資/グラント」 FSE 3/9/04 2014/2044 47.6 68.5c 主要な経済構造改革の一環として進められている金融セクター 4.9 7.0g の強化を支援するもの。 総コス ト:8680万ドル ✧ IDA−「第1次貧困削減支援構造調整融資」 PREM 11/18/03 2014/2043 51.0 70.0 同国が策定した貧困削減戦略文書に従って、経済成長、サービ スの提供、社会的一体性、およびガバナンスの改善を促進す るもの。 総コス ト:7000万ドル 154 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ パキスタン ✧ IDA−「第2次北西辺境州地域社会インフラ特別投資融資」 ESSD 6/22/04 2014/2039 25.3 37.1 農村部と都市の低所得層が基本的インフラとサービスを利用で きるようにするもの。 総コス ト:5330万ドル ✧ IDA−「シンド州農場水源管理特別投資融資」 ESSD 5/20/04 2014/2039 41.0 61.1 水資源と灌漑の管理を強化することにより、貧しい農民が農業 の生産性を改善できるよう支援するもの。 総コス ト:8480万ドル ✧ IDA−「公共セクター・キャパシティ・ビルディング融資」 PREM 5/20/04 2014/2039 36.9 55.0 政府の改革実施能力を強化することにより、現行の経済改革プ ログラムを支援するもの。 総コス ト:6100万ドル ✧ IDA−「第2次北西辺境州構造調整融資」 ESSD 5/20/04 2014/2039 62.1 90.0 州政府の中期的な経済・構造改革計画の次段階を支援するも の。 総コス ト:9000万ドル ✧ IDA−「パンジャブ州教育セクター調整融資」 HDN 2/10/04 2014/2038 69.5 100.0 児童 (特に貧困家庭の児童と少女) の就学率を高め、教育の質 を改善するもの。 総コス ト:7億2000万ドル ✧ IBRD/IDA−「高速道路再建プロジェクト特別投資融資」d INF 12/23/03 2009/2024 n.a. 50.0 生産的で効率的な国道網を持続可能な形で提供することによ 2014/2038 105.9 150.0 り、輸送コス トの削減に寄与するもの。 総コス ト:2億6140万ドル ✧ IDA−「第2次貧困緩和金融仲介融資」 FSE 12/4/03 2014/2038 168.1 238.0 小口融資、研修、 グラント、および社会セクター介入により、低 所得層 (特に女性) に資金とサービスを提供するもの。 総コス ト:3億6800万ドル バングラデシュ IDA−「経済管理技術支援グラント」 PREM 6/22/04 n.a. 13.8 20.0 制度、経済、および公務の管理能力を強化し、公共セクターと 企業セクターの効率を改善するもの。 総コス ト:2500万ドル ✧ IDA−「給水プログラム特別投資グラント」 INF 6/17/04 n.a. 27.6 40.0 水道管の利用を促進することにより、農村部の住民が安全な飲 料水を利用できるようにするもの。 総コス ト:5510万ドル ✧ IDA−「未就学児童支援特別投資グラント」 HDN 6/17/04 n.a. 35.2 51.0 初等教育の完全普及を支援するもの。その施策として、不利な 状況に置かれた数千人の児童に学校教育に参加する機会を提 供すると共に、非公式教育の質と効率を高める。 総コス ト:6280万ドル 第6章 世界銀行について 155 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ✧ IDA−「企業成長・銀行近代化特別投資融資」 PSD 6/8/04 2014/2044 127.3 250.0 産業・金融セクターへの政府の関与を取り除く ことにより、民 間セクターの投資環境を改善し、民間企業の発展を促し、競争 力のある民間銀行制度を構築するもの。 総コス ト:3億8840万ドル IDA−「電力セクター開発技術支援融資/グラント」 INF 6/3/04 2014/2044 4.9 7.1c 電力分野の政策・規制能力を強化すると共に、2件の電力プロ n.a. 5.8 8.4g ジェク トに資金を提供するもの。 総コス ト:2050万ドル ✧ IDA−「初等教育開発特別投資融資」 HDN 2/24/04 2014/2044 104.2 150.0 学校教育への公平なアクセスを実現し、教育の質と修了率の 向上を目指すもの。この融資はアジア開発銀行が中心となっ て進めている開発パー トナーの協調努力の一環として行われ ている。 総コス ト:18億1500万ドル ブータン ✧ IDA−「HIV/エイズ・性感染症予防・抑制特別投資グラント」 HDN 6/17/04 n.a. 4.0 5.8 HIV/エイズに関して現在の低い感染率を維持することを目指す もの。その施策として、安全な性行動 (例:コンドームの利用) を普及させ、性感染症の管理と治療を強化する。 総コス ト:590万ドル ✧ IDA−「教育開発特別投資融資」 HDN 8/21/03 2013/2043 22.0 31.0 初等・中等教育へのアクセスを改善し、 あらゆるレベルの教育 の質を引き上げるもの。 総コス ト:3900万ドル 合計 2,014.9 3,421.5 n.a. 該当なし。 ✧ シビルソサエティ組織が特定、 準備、および評価に参加しており、 実行、モニタリング、 および評価にシビルソサエティの参加が意図されてい るプロジェクト。 注:端数は四捨五入されているため、 合計が合わないことがある。c=IDA融資、g=IDAグラント。 a.  ESSD=環境・社会・持続可能な開発、 FSE=金融セクター、HDN=人的開発、INF=インフラ、PREM=貧困削減・経済管理、PSD=民間 セクター開発 b.  IDA融資はSDR(特別引出権) 建てで表記されている。SDRの価値は 「通貨バスケット」 を使って算出される。米ドルに対するSDRの価値は その融資またはグラントの交渉が行われた時点の交換レートを反映したもの。 c.  記載金額は当該案件全体の総額であり、IBRD/IDAのシェアはその一部の場合もある。 d. 「ブレンド 」 (IBRDとIDA) 融資。 156 世界銀行 年次報告 2004 表6.11 2004年度に承認された融資 ヨーロッパ・中央アジア地域 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ アゼルバイジャン IDA−「年金・社会福祉特別投資融資」 HDN 6/10/04 2014/2039 6.8 10.0 社会保険と社会福祉プログラムの運営を改善するもの。 総コス トc:1300万ドル ✧ IDA−「農村投資融資」 ESSD 6/3/04 2014/2039 10.2 15.0 基本的な自治体サービスを、村落や地方自治体が自らの優先順 位に基づいて提供・管理できるようにするもの。 総コス ト:2110万ドル アルバニア ✧ IDA−「水資源管理融資」 ESSD 6/3/04 2014/2024 10.2 15.0 灌漑などの水資源をよりよく管理することにより、水資源が持 続可能な経済成長に与える影響を強化するもの。 総コス ト:4000万ドル ✧ IDA−「電力セクター・発電・再建特別投資融資」 INF 3/16/04 2014/2024 16.9 25.0 送電・配電システムを再建・強化するもの。 総コス ト:1億1270万ドル ✧ IDA−「第2次貧困削減支援融資」 HDN 7/10/03 2013/2023 13.1 18.0 政府の経済・社会開発戦略に従って、財政的に持続可能な政策 の実施を支援するもの。 総コス ト:1800万ドル アルメニア IDA−「第2次灌漑ダム安全性融資」 ESSD 6/10/04 2014/2044 4.7 6.8 現行の 「ダム安全性プロジェクト」の受益地域を拡大するもの。 総コス ト:750万ドル IDA−「社会的保護管理融資」 HDN 6/10/04 2014/2044 3.6 5.2 公的雇用、年金、および貧困層や弱い立場に置かれた人々に 対する社会福祉サービスの効率、有効性、および質を改善する もの。 総コス ト:570万ドル ✧ IDA−「保健・医療システム近代化融資」 ESSD 6/10/04 2014/2044 13.0 19.0 政府の保健・医療セクター開発プログラムを支援するもの。 総コス ト:2560万ドル IDA−「公共セクター近代化特別投資融資」 PREM 5/4/04 2014/2044 6.8 10.2 革新を促進し、透明性と説明責任を強化することにより、公共 セクター改革プログラムを支援するもの。 総コス ト:1130万ドル IDA−「地方自治体水・排水融資」 INF 5/4/04 2014/2044 15.4 23.0 水・排水サービスを改善するもの。この融資では特に貧困層を 受益者とするサービスに重点が置かれる予定。 総コス ト:2560万ドル IDA−「農業改革支援補完融資」 ESSD 5/4/04 2008/2032 1.2 1.8 2002年12月の壊滅的な霜被害から小規模農家が回復できるよ う支援するもの。 総コス ト:190万ドル 第6章 世界銀行について 157 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ✧ IDA−「教育品質・妥当性対応プログラム融資」 HDN 1/20/04 2014/2043 13.2 19.0 同国の教育システムを変革し、知識経済の課題に対応できるよ うにするもの。 総コス ト:2170万ドル ウクライナ IBRD−「社会・経済的変化のモニタリングのための州統計シ PREM 3/25/04 2009/2024 n.a. 32.0 ステム構築特別投資融資」 統計インフラを整備し、データの収集方法を変更し、データの 処理と提供を改善するために、現在の統計システムを再構築 するもの。 総コス ト:3790万ドル ✧ IBRD−「第2次プログラム的調整融資」 PREM 12/9/03 2009/2023 n.a. 250.0 第1次融資と同様に、財政と金融の規律、規制改革、財産権の 確立と保護、公共セクターの説明責任、および社会・環境リス クの管理を強化するもの。 総コス ト:2億5000万ドル キルギス共和国 IDA−「災害危険緩和特別投資グラント」 ESSD 6/15/04 n.a. 4.7 6.9 老朽化した鉱屑・ ゴミ捨て場を修復し、災害管理・対応の有効 性を強化することにより、災害が発生した場合の死亡者数を減 少させるもの。 総コス ト:1180万ドル IDA−「決済・銀行システム近代化融資」 FSE 3/16/04 2014/2044 6.1 9.0 商業銀行が利用することのできる近代的で包括的な国家決済 システムの導入を支援するもの。 総コス ト:1050万ドル ✧ IDA−「村落特別投資グラント」 ESSD 12/16/03 n.a. 10.5 15.1 重要なインフラ・サービスへのアクセスを改善し、小規模民営 企業の発展を支援することにより、農村の貧困緩和を促進する もの。 総コス ト:1940万ドル グルジア ✧ IDA−「改革支援融資」 PREM 6/24/04 2014/2044 16.6 24.0 財政バランスを回復し、重要な経済・ガバナンス改革を遂行す るための緊急支援を提供するもの。 総コス ト:2400万ドル ✧ IDA−「2次道路・地方道路特別投資融資」 INF 6/24/04 2014/2044 13.8 20.0 2次道路・地方道路を再建することにより、市場の統合を促し、 地方の貧困層がさまざまなサービスにアクセスできるようにす るもの。 総コス ト:2740万ドル IDA−「エネルギー補完融資」 INF 6/24/04 2014/2044 2.5 3.6 「電力市場支援プロジェク ト」を支援するもの。卸電力のメー ターリングや関連システムのアップグレー ドに必要な資金を提 供する。 総コス ト:910万ドル 158 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ クロアチア ✧ IBRD−「沿岸都市汚染抑制融資」 INF 6/1/04 2009/2021 n.a. 47.5 財政的・運用的に持続可能なやり方で、 アドリア海沿岸の水質 浄化に取り組むもの。 総コス ト:9510万ドル ✧ IBRD−「エネルギー効率特別投資融資」 INF 10/7/03 2008/2019 n.a. 5.0 エネルギー供給事業への民間参入を促進し、 エネルギー効率の 高いプロジェク トやサービスへの需要と供給を増大させるもの。 総コス ト:3980万ドル IBRD−「リエカ・ゲートウェイ特別投資融資」 INF 7/8/03 2008/2018 n.a. 156.5 港湾と主要道路の連絡を民営化・近代化することにより、 リエ カ ・ゲートウェイを経由した国際輸送チェーンが強化され、国家 の貿易競争力が強化される。 総コス ト:2億6610万ドル コソボ IDA−「第2次地域社会開発基金特別投資グラント」 HDN 12/2/03 n.a. 2.9 4.0 貧困地域や紛争の影響を受けた地域の住民が地域インフラや サービスを利用できるようにするもの。地域社会および地方自 治体レベルでの制度能力構築を促進する。 総コス ト:440万ドル スロバキア共和国 ✧ IBRD−「保健・医療セクター近代化支援技術支援融資」 HDN 9/11/03 2003/2009 n.a. 12.4 保健・医療システムを改善・効率化するもの。この融資により、 より多くの人々、特に弱い立場に置かれた人々が保健・医療 サービスを利用できるようになる。 総コス ト:1580万ドル ✧ IBRD−「保健・医療セクター近代化支援セクター調整融資」 HDN 9/11/03 2003/2009 n.a. 62.9 保健・医療セクター改革を支援するもの。この改革により、財 政の持続可能性が強化され、質の高い保健・医療サービスと財 政保護が国民に提供される。 総コス ト:6290万ドル セルビア・モンテネグロ ✧ IDA−「保健・医療システム改善特別投資融資」 HDN 6/8/04 2014/2024 4.9 7.0 モンテネグロ共和国の保健・医療システムを改革し、保健・医 療サービスの提供を拡大するもの。 総コス ト:990万ドル IDA−「モンテネグロ共和国年金制度管理特別投資融資」 HDN 6/8/04 2014/2024 3.5 5.0 年金資金と社会負担金の徴収を改善し、主要年金機関の能力 と運営を強化するもの。 総コス ト:650万ドル ✧ IDA−「輸送再建特別投資融資」 INF 5/25/04 2014/2024 37.5 55.0 主要道路区間の定期保守と再建を促進し、輸送機関を強化し、 法規制フレームワークを改善し、道路建設・整備産業を発展さ せるもの。 総コス ト:6130万ドル 第6章 世界銀行について 159 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ✧ IDA−「セルビア共和国のための土地台帳・不動産登記特別 ESSD 5/25/04 2014/2024 20.1 30.0 投資融資」 効率的な不動産市場の構築を促進するもの。 総コス ト:3950万ドル ✧ IDA−「エネルギー効率特別投資融資」 INF 3/16/04 2014/2024 14.1 21.0 暖房に用いられるクリーンエネルギーの料金を引き下げるも の。これにより、持続可能な開発が国家政策に組み込まれ、環 境資源の損失が食い止められる。 総コス ト:2500万ドル ✧ IDA−「モンテネグロ共和国景観保護セクター投資・維持融資」 INF 9/11/03 2014/2023 5.0 7.0 環境的、商業的に持続可能なゴミ回収・処理サービスを導入す ることにより、沿岸地域の衛生と景観を保護するもの。 総コス ト:950万ドル タジキスタン ✧ IDA−「地域社会農業・分水界管理融資/グラント」 ESSD 6/15/04 2014/2044 3.4 5.0c 生産的資産を開発することにより、村落が持続可能な形で生産 n.a. 3.9 5.8g 性を向上させ、脆弱な土地と生態系の劣化を抑制できるように なる。 総コス ト:1680万ドル トルコ IBRD−「第3次プログラム的金融・公共セクター調整融資」 PREM 6/17/04 2008/2021 n.a. 1,000.0 金融・公共セクターを支援すると共に、社会プログラムに十分 な資金が提供されているか、 プログラムが的を絞ったものに なっているかどうかを確認する。 総コス ト:10億ドル ✧ IBRD−「アナトリア分水界再生融資」 ESSD 6/1/04 2008/2021 n.a. 20.0 アナトリアと黒海沿岸の劣化した分水界において、持続可能な 天然資源管理と貧困削減を支援するもの。 総コス ト:3810万ドル IBRD−「保健・医療変革対応プログラム融資」 HDN 5/20/04 2008/2021 n.a. 60.6 保健・医療サービスの質と利用状況を改善するもの。この融資 では特に貧困層と農村部・都市周辺部の住民に重点が置かれ る予定。 総コス ト:7520万ドル ✧ IBRD−「再生可能エネルギー特別投資融資」 INF 3/25/04 2007/2022 n.a. 202.0 再生可能資源を利用した発電の民営化 を促進す (所有と運営) るもの。 総コス ト:5億200万ドル IBRD−「第2次輸出金融仲介融資」 FSE 1/13/04 2010/2020 n.a. 303.1 民間の輸出企業に中長期的な運転資本と投資を提供するもの。 その施策と して、民間金融セクターに金融仲介機関を設置する。 総コス ト:3億310万ドル 160 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ブルガリア ✧ IBRD−「第2次プログラム的調整融資」 PREM 6/10/04 2009/2021 n.a. 150.0 経済成長と貧困削減を目的とした、政府の広範なガバナンス・ アジェンダを支援するもの。 総コス ト:1億5000万ドル ポーランド ✧ IBRD−「無煙炭社会緩和特別投資融資」 INF 3/30/04 2014/2014 n.a. 200.0 無煙炭セクターの収益性と流動性を高めるもの。この融資によ り、手数料と債務の支払いが促進され、業界再編が社会に与 える影響が緩和される。 総コス ト:3億ドル ✧ IBRD−「道路整備・復旧特別投資融資」 INF 3/30/04 2014/2014 n.a. 126.0 国道の復旧・整備システムの有効性を改善するもの。 総コス ト:1億7500万ドル ボスニア・ヘルツェゴビナ ✧ IDA−「第2次社会セクター調整融資」 HDN 6/15/04 2014/2024 34.7 51.0 退役軍人手当、 ソーシャル・セーフティネット、失業対策、およ び障害者対応の分野で、政策改革を促進するもの。 総コス ト:5100万ドル ✧ IDA−「経済管理構造調整融資」 PREM 6/15/04 2014/2024 23.2 34.0 政府の財政改革計画を支援し、紛争後援助に依存した経済か ら、 自律的な成長への移行を支援するもの。 総コス ト:3400万ドル IDA−「第2次雇用支援融資」 HDN 6/15/04 2014/2024 8.2 12.0 雇用サービスを提供すると共に、雇用サービスに対する労働者 と企業の行動変化を促すもの。 総コス ト:1400万ドル マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 ✧ IBRD−「社会的保護実施特別投資融資」 HDN 5/13/04 2009/2021 n.a. 9.8 資源の配分と社会的保護サービスの提供を改善するもの。 総コス ト:1120万ドル IBRD−「公共セクター管理調整融資」 PREM 5/13/04 2009/2021 n.a. 30.0 保健・医療セクターと社会福祉セクターの改革を支援するも の。それと平行して、中央政府の予算策定・実行プロセスの改 革を支援する。 総コス ト:3000万ドル ✧ IBRD−「保健・医療セクター管理特別投資融資」 HDN 5/13/04 2009/2021 n.a. 10.0 「保健・医療セクター移行プロジェク ト」の後継融資。保健・医 療システムのコス ト効率と財政的な持続可能性を改善し、患者 の選択肢を拡大するもの。 総コス ト:1130万ドル IBRD−「教育近代化特別投資融資」 HDN 12/16/03 2009/2020 n.a. 5.0 学習計画と学校運営を強化し、分権化された学校制度の公平 性と効率を改善するもの。 総コス ト:1950万ドル 第6章 世界銀行について 161 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ モルドバ ✧ IDA−「第2次社会投資基金特別投資融資」 HDN 6/17/04 2014/2044 13.8 20.0 貧困層や弱い立場に置かれた人々に対するエンパワーメント として、優先度の高い開発ニーズを自ら管理できるようにする もの。 総コス ト:2920万ドル IDA−「農村投資・サービス補完融資」 ESSD 4/29/04 2014/2043 3.4 5.0 農民や農村企業が金融サービスを利用できるようにするもの。 総コス ト:500万ドル ✧ IDA−「若者の統合のための研修・革新融資」 ESSD 12/29/03 2014/2043 2.1 3.0 農村部や都市部の貧困家庭の子供たちに、若者向けのサービ スと機会を提供することにより、 こうした措置が良好な社会行 動の習得や、高リスク行動の削減につながるかどうかを分析す るもの。 総コス ト:640万ドル ✧ IDA−「第2次エネルギー特別投資融資」 INF 11/25/03 2014/2043 25.7 35.0 送電システムと卸電力供給の安全性と信頼性を高め、電力シ ステムの民営化を促進するもの。 総コス ト:4410万ドル ルーマニア ✧ IBRD−「災害リスク低減・緊急対策特別投資融資」 ESSD 5/20/04 2009/2021 n.a. 150.0 自然災害や汚染物質の漏出事故に対する、環境、社会、 および 経済の脆弱性を低減するもの。 総コス ト:2億370万ドル ✧ IBRD−「灌漑再建・改革特別投資融資」 ESSD 7/31/03 2009/2020 n.a. 80.0 灌漑の経済的な利用を促進し、農業の生産性を向上させるも の。その施策と して、農民と土地造成局の行動変化を促す。 総コス ト:1億300万ドル ロシア連邦 ✧ IBRD−「Eラーニング支援対応プログラム融資」 HDN 3/2/04 2009/2021 n.a. 100.0 一般・初歩レベルの職業教育に対するアクセスを改善すると共 に、教育の質と効率を高めるもの。 総コス ト:1億4540万ドル 合計 375.7 3,559.2 n.a. 該当なし。 ✧ シビルソサエティ組織が特定、 準備、および評価に参加しており、 実行、モニタリング、 および評価にシビルソサエティの参加が意図されてい るプロジェクト。 注:端数は四捨五入されているため、 合計が合わないことがある。c=IDA融資、g=IDAグラント。 a.  ESSD=環境・社会・持続可能な開発、FSE=金融セクター、HDN=人的開発、INF=インフラ、PREM=貧困削減・経済管理、PSD=民間 セクター開発 (特別引出権) b.  IDA融資はSDR 建てで表記されている。SDRの価値は 「通貨バスケット」 を使って算出される。米ドルに対するSDRの価値は その融資またはグラントの交渉が行われた時点の交換レートを反映したもの。 c.  記載金額は当該案件全体の総額であり、IBRD/IDAのシェアはその一部の場合もある。 162 世界銀行 年次報告 2004 表6.12 2004年度に承認された融資 ラテンアメリカ・カリブ海地域 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ アルゼンチン ✧ IBRD−「経済復興支援構造調整融資」 FSE 6/29/04 2007/2019 n.a. 500.0 経済復興の継続を支援すると共に、中期的成長、雇用機会、お よび社会的公正の基盤を整えるもの。 総コス トc:5億ドル IBRD−「国道資産管理対応プログラム融資」 INF 6/29/04 2010/2018 n.a. 200.0 経済復興、生産性、競争力、 および地域の成長統合を促進する ために、政府が推進しているインフラ投資促進計画を支援する もの。 総コス ト:3億810万ドル ✧ IBRD−「妊産婦と子供のための地方保健・医療対応プログ HDN 4/15/04 n.a. n.a. 135.8 ラム融資」 「母子保険プログラム」 の導入を支援するもの。この融資では 特に貧しい母子の保健・医療ニーズに緊急に対応することに重 点が置かれている。 総コス ト:2億8990万ドル ✧ IBRD−「妊産婦と子供のための保健・医療セクター調整融 HDN 10/28/03 2007/2018 n.a. 750.0 資」 保健・医療システムの包括的な再構築を支援するもの。この融 資では特に貧しい母子の保健・医療ニーズに緊急に対応するこ とに重点が置かれている。 総コス ト:4億ドル エクアドル ✧ IBRD−「制度改革特別投資融資」 PREM 6/22/04 2008/2011 n.a. 20.0 税関管理、政府調達、行政事務、 および主要公共機関の効率と 説明責任を強化するための改革を推進するもの。 総コス ト:2400万ドル ✧ IBRD−「第2次先住民族・アフリカ系住民開発特別投資融 ESSD 6/17/04 n.a. n.a. 34.0 資」 先住民族とアフリカ系住民の居住区の開発を促進し、政府が 社会的阻害の問題に対応できるよう支援するもの。 総コス ト:4500万ドル ガイアナ IDA−「HIV/エイズ予防・抑制対応プログラム・グラント」 HDN 3/30/04 n.a. 6.7 10.0 HIV/エイズの予防活動を支援し、感染者に治療とケアを提供 するもの。 総コス ト:1000万ドル カリブ諸国 ✧ IDA−「HIV/エイズ予防・抑制特別投資グラント」 HDN 3/25/04 n.a. 6.1 9.0 カリブ共同体が域内のHIV/エイズ・プログラムを調和させ、プ ログラムの効果を強化することができるよう支援するもの。 総コス ト:940万ドル 第6章 世界銀行について 163 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ コロンビア ✧ IBRD−「第1次平和・開発対応プログラム融資」 ESSD 6/10/04 2015/2015 n.a. 30.0 武力紛争の影響を受けた5つの地域の低所得者と避難民の脆 弱性を低減するもの。 総コス ト:3000万ドル ✧ IBRD−「統合大量輸送システム特別投資融資」 INF 6/10/04 2012/2017 n.a. 250.0 中・大規模都市を対象に、バスを利用した高速交通網を拡大・ 整備し、住民の生活水準を向上させるもの。 総コス ト:4億6400万ドル ✧ IBRD−「第2次プログラム的財政・制度構造調整融資」 PREM 11/20/03 2009/2019 n.a. 150.0 第1次融資 (4カ年) の継続版。税制・予算制度を強化すること により、公共セクターの財政と財政管理を改革するもの。 総コス ト:1億5000万ドル ✧ IBRD−「第1次プログラム的労働改革・社会セクター調整 HDN 9/9/03 2009/2019 n.a. 200.0 融資」 労働市場の改革を継続すると共に、社会開発プロジェク トをさ らに進展させるもの。 総コス ト:2億ドル ✧ IBRD−「クンディナマルカ州教育品質特別投資融資」 HDN 8/19/03 2009/2020 n.a. 15.0 州政府の活動を支援し、労働市場に参入する若者の生産性、 競争力、 および市民性を強化するもの。 総コス ト:2140万ドル セントビンセントおよびグレナディーン諸島 ✧ IBRD/IDA−「OECS教育開発対応プログラム融資」d HDN 6/29/04 2009/2021 n.a. 3.1 あらゆるレベルの教育に対するアクセス、教育内容の妥当性、 2014/2039 2.2 3.1 質、 および効率を改善するもの。 総コス ト:950万ドル セントルシア ✧ IBRD/IDA−「第2次セントルシア災害管理特別投資融資」d INF 6/22/04 2009/2019 n.a. 3.7 自然災害に対する脆弱性を低減するもの。その施策として、災 2014/2039 2.6 3.8 害対策を強化し、被害を最小化するための計画を支援する。 総コス ト:890万ドル チリ ✧ IBRD−「社会的保護技術支援融資」 HDN 12/18/03 2010/2011 n.a. 10.7 政府が 「チリ連帯イニシアティブ」を効果的に実施、モニタリン グ、評価できるよう支援するもの。 総コス ト:1500万ドル ✧ IBRD−「社会的保護セクター調整融資」 HDN 11/25/03 n.a./2008 n.a. 200.0 政府の貧困撲滅プログラム 「チリ連帯イニシアティブ」の一環 として、国内の最貧困層に社会サービスを提供するもの。 総コス ト:2億ドル 164 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ドミニカ共和国 IBRD−「金融セクター技術支援融資」 FSE 2/12/04 2009/2020 n.a. 12.5 金融セクターの規制と主要官庁の監督能力の強化を支援する もの。 総コス ト:1450万ドル IBRD−「電力セクター技術支援融資」 INF 2/12/04 2009/2020 n.a. 7.3 規制と消費者保護の強化、政策策定とポー トフォリオ管理の改 善、貧困層に提供される電力の質の向上を支援するもの。 総コス ト:1100万ドル IBRD−「社会危機対応調整融資」 HDN 2/12/04 2009/2020 n.a. 100.0 電力セクターと社会セクターにおいて、経済・社会危機が社会 に与える影響を軽減するもの。 総コス ト:1億ドル ドミニカ国 ✧ IBRD/IDA−「経済復興支援プロジェクト融資」 PREM 1/29/04 2014/2038 2.1 3.0 経済成長の回復と財政バランスの立て直しを支援するもの。 総コス ト:300万ドル ニカラグア IDA−「金融サービス普及技術支援融資」 PSD 5/18/04 2014/2044 4.8 7.0 金融システムの融資能力を強化し、労働者や零細・小規模企業 が融資を受ける機会を拡大するもの。 総コス ト:750万ドル ✧ IDA−「公共セクター技術支援融資」 PREM 3/25/04 2014/2044 15.8 23.5 公共セクターの効率、生産性、および透明性を改善するもの。 総コス ト:2950万ドル IDA−「貧困削減支援融資」 PREM 1/22/04 2014/2043 49.0 70.0 政府が貧困削減イニシアティブや受託者責任の改革を推進で きるよう支援するもの。 総コス ト:7000万ドル パラグアイ ✧ IBRD−「経済復興構造調整融資」 PREM 12/16/03 2009/2026 n.a. 30.0 国別援助戦略 (2004 – 2007年)に従って、公共セクター管理と 財政の持続可能性の改善を支援するもの。 総コス ト:3000万ドル ✧ IBRD−「教育改革対応プログラム融資」 HDN 7/31/03 2008/2026 n.a. 24.0 教育制度の管理を強化すると共に、中等教育の成果と公平な 機会を拡大するもの。 総コス ト:2650万ドル 第6章 世界銀行について 165 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ブラジル ✧ IBRD−「家族基金第1次対応プログラム融資」 HDN 6/17/04 2009/2021 n.a. 572.2 政府の 「家族基金 (Bolsa Familia)を支援するもの。 」 「家族基金」 は貧困世帯に条件付きで資金を提供するグラン ト・プログラム。 総コス ト:62億ドル ✧ IBRD−「第2次疾病監視・抑制対応プログラム融資」 HDN 5/18/04 2009/2020 n.a. 100.0 保健・医療管理の地方分権化を支援すると共に、弱い立場に 置かれた農村部住民 (先住民族やアフリカ系住民)に対する保 健・医療サービスを改善するもの。 総コス ト:2億ドル ✧ IBRD−「マラニョン州統合貧困削減特別投資融資」 ESSD 5/18/04 2009/2021 n.a. 30.0 州政府が人的開発指標と農村部の貧困削減を大幅に進展させ ることができるよう支援するもの。 総コス ト:4000万ドル ✧ IBRD−「持続可能で公正な成長のためのプログラム的融資」 PSD 2/19/04 2004/2017 n.a. 505.1 持続可能で包括的な成長を促進し、雇用を創出し、貧困を削 減するためのミクロ経済施策と制度改革を強化するもの。 総コス ト:5億510万ドル ✧ IBRD−「トカンティンス州持続可能な地域開発セクター投 INF 12/9/03 2010/2018 n.a. 60.0 資・維持融資」 州政府、利害関係者、 および受益者の対話を促進し、政府の農 村開発計画を補完・拡大する方法を模索するもの。 総コス ト:1億ドル ペルー ✧ IBRD−「司法サービス改善技術支援融資」 PREM 3/4/04 2012/2018 n.a. 12.0 司法サービスの提供を改善し、関連機関を強化し、司法制度 に対する国民の信頼を高めるもの。 総コス ト:1500万ドル ✧ IBRD−「リマ都市交通融資」 INF 12/9/03 2009/2023 n.a. 45.0 貧しいリマ市民の移動性を向上させるもの。その施策として、 公共交通機関の効率、信頼性、衛生状態、および安全性を改 善する。 総コス ト:1億4230万ドル ✧ IBRD−「プログラム的分権化・競争力構造調整融資」 HDN 12/2/03 2012/2017 n.a. 150.0 政府の野心的で革新的な分権化プログラムを支援し、政府が 市民のニーズにより迅速に対応できるよう支援するもの。 総コス ト:1億5000万ドル ✧ IBRD−「第3次プログラム的社会改革構造調整融資」 HDN 11/11/03 2012/2017 n.a. 150.0 人口の大半を占める貧困層に焦点を当てた、 さまざまな教育、 保健・医療、 および地域社会支援プログラムを強化し、こうした サービスへのアクセスを改善するもの。 総コス ト:1億5000万ドル 166 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ボリビア ✧ IDA−「プログラム的社会セクター構造調整融資」 HDN 6/29/04 2014/2024 17.2 25.0 社会セクター改革の継続を支援すると共に、貧困層が基本的 サービスと社会的保護を利用できるよう支援するもの。 総コス ト:3450万ドル IBRD/IDA−「銀行・企業セクター再建プログラムのための第 FSE 2/10/04 2009/2026 n.a. 15.0 1次プログラム的調整融資」 d 2014/2023 10.5 15.0 金融セクターと企業セクターを強化すると共に、 システミック・ リスクと危機が発生する可能性を最小限に抑え、経済成長を 促進するもの。 総コス ト :3000万ドル IDA−「緊急経済復興融資」 PREM 12/16/03 2014/2023 9.8 14.0 経済復興を支援するための緊急資金を提供すると共に、社会 経済的危機の影響を緩和するもの。 総コス ト:1400万ドル ホンジュラス IDA−「貧困削減支援融資」 PREM 6/24/04 2014/2044 40.5 58.8 貧困層に配慮した成長、人的開発、社会的保護プログラム、お よび公共セクター管理と環境保護を支援するもの。 総コス ト:5880万ドル ✧ IDA−「貧困削減支援技術支援融資」 PREM 6/24/04 2014/2044 5.6 8.0 政府の能力を強化し、貧困削減戦略を効果的に策定、管理、 モニタリング、 および評価できるようにするもの。 総コス ト:1290万ドル ✧ IDA−「森林・農村生産性特別投資融資」 ESSD 6/24/04 2014/2044 13.4 20.0 農村部の所得機会を拡大し、貧困を削減すると共に、天然資 源の持続可能な管理を促進するもの。 総コス ト:3270万ドル ✧ IDA−「Nuestras Raicesプログラム特別投資融資」 HDN 5/4/04 2014/2043 10.1 15.0 先住民族とアフリカ系住民に便益をもたらすような地域社会開 発プロジェク トを支援するもの。 総コス ト:1670万ドル ✧ IDA−「土地管理対応プログラム融資」 ESSD 2/26/04 2014/2043 16.9 25.0 政府の土地管理サービスに対するアクセスを改善し、包括的で 地方分権的な土地管理制度を確立するもの。 総コス ト:3890万ドル IDA−「貿易円滑化・生産性改善特別投資融資」 PSD 10/21/03 2014/2043 20.5 28.1 同国の投資環境を改善し、企業の生産性と輸出能力を高める もの。この融資により、経済成長と貧困削減が促進され、不公 正が緩和される。 総コス ト:3380万ドル 第6章 世界銀行について 167 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ メキシコ ✧ IBRD−「貯蓄・地方金融 (BANSEFI)第2フェーズ特別投 ESSD 6/29/04 2009/2019 n.a. 75.5 資融資」 国内 (辺境地を含む) の貯蓄・金融機関を強化し、 より多くの貧 困層が金融サービスを利用できるようにするもの。 総コス ト:1億6010万ドル ✧ IBRD−「分権的インフラ改革・開発融資」 INF 6/8/04 2006/2024 n.a. 108.0 道路、 水、および衛生サービスを改善するための資金を提供し、 グアナフア ト州の低所得者に住宅を提供するもの。 総コス ト:2億9080万ドル IBRD−「低価格住宅・都市貧困セクター調整融資」 INF 6/8/04 2009/2019 n.a. 100.0 低・中所得世帯の生活環境を改善し、低価格住宅を供給する 政府の取り組みを支援するもの。 総コス ト:1億ドル ✧ IBRD−「第2次地域社会森林特別投資融資」 ESSD 12/9/03 2009/2018 n.a. 21.3 先住民族の居住地とエヒ ドス(共有大農地)における森林資源 の管理と保全を強化するもの。 総コス ト:2890万ドル ✧ IBRD−「統合灌漑近代化特別投資融資」 ESSD 12/9/03 2009/2018 n.a. 303.0 灌漑農業の競争力を高め、灌漑用水の利用を効率化する。 総コス ト:5億2800万ドル ✧ IBRD−「Eビジネスによる小規模企業開発・セクター投 PSD 7/31/03 2008/2018 n.a. 58.4 資・維持融資」 電子商取引の利用を促進することにより、都市の低所得地区の 零細・小規模企業の競争力と成長力を強化するもの。 総コス ト:1億80万ドル 合計 233.8 5,319.9 n.a. 該当なし。 ✧ シビルソサエティ組織が特定、 準備、および評価に参加しており、 実行、モニタリング、 および評価にシビルソサエティの参加が意図されてい るプロジェクト。 注:端数は四捨五入されているため、 合計が合わないことがある。c=IDA融資、g=IDAグラント。 a.  ESSD=環境・社会・持続可能な開発、 FSE=金融セクター、HDN=人的開発、INF=インフラ、PREM=貧困削減・経済管理、PSD=民間 セクター開発 b.  IDA融資はSDR(特別引出権) 建てで表記されている。SDRの価値は 「通貨バスケット」 を使って算出される。米ドルに対するSDRの価値は その融資またはグラントの交渉が行われた時点の交換レートを反映したもの。 c.  記載金額は当該案件全体の総額であり、IBRD/IDAのシェアはその一部の場合もある。 d.「ブレンド 」 (IBRDとIDA) 融資。 168 世界銀行 年次報告 2004 表6.13 2004年度に承認された融資 中東・北アフリカ地域 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ イエメン共和国 ✧ IDA−「地下水・土壌保全特別投資融資」 ESSD 2/26/04 2014/2043 27.1 40.0 灌漑の改善、分水界の再生、地下水管理の強化などを通して、 地下水問題の解決を試みるもの。 総コス トc:5330万ドル ✧ IDA−「第3次開発社会基金特別投資融資」 HDN 2/26/04 2014/2043 41.7 60.0 特定分野 (教育、 インフラ、保健・医療、小口金融、制度構築) のプロジェク トに資金を提供するもの。 総コス ト:4億ドル ✧ IDA−「第3次公共事業特別投資融資」 INF 2/26/04 2014/2043 31.3 45.0 基本的なインフラサービス (保健・医療、教育、水、道路、灌漑 など) 、技術支援、 および短期の雇用機会を提供するもの。 総コス ト:5200万ドル イラン・イスラム共和国 ✧ IBRD−「アフワーズ市/シーラーズ市給水・衛生特別投資 INF 5/25/04 2010/2021 n.a. 279.0 融資」 両都市 (特に貧困地域) における水と衛生設備へのアクセスを 改善し、水関連企業の能力を強化するもの。 総コス ト:4億6980万ドル ✧ IBRD−「都市改善・住居改革対応プログラム融資」 INF 5/25/04 2010/2021 n.a. 80.0 システム、能力、および規制基盤を強化することにより、都市 住民の生活環境を改善し、市場主導の住居セクター開発を促 進するもの。 総コス ト:1億ドル エジプト・アラブ共和国 IBRD−「空港開発特別投資融資」 INF 3/30/04 2009/2021 n.a. 335.0 航空機運航のボトルネックを排除し、サービスの質を高め、空 港運営への民間参入を促進するもの。 総コス ト:5億7400万ドル ✧ IBRD−「エジプト能力開発特別投資融資」 HDN 7/31/03 2008/2020 n.a. 5.5 従業員教育に対する民間の需要を喚起するパイロッ ト・プログ ラム。このプログラムにより、企業の競争力と労働者の生産性 が高まることが期待されている。 総コス ト:1250万ドル チュニジア IBRD−「チュニジア第2次輸出開発特別投資融資」 PSD 6/29/04 2009/2020 n.a. 36.0 第1次融資の継続版。輸出を促進する環境を構築し、通関手続 きを効率化する。 総コス ト:5550万ドル 第6章 世界銀行について 169 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ ✧ IBRD−「チュニジア教育品質向上対応プログラム融資」 HDN 3/8/04 2008/2021 n.a. 130.3 基礎教育修了のほぼ完全な達成を目指すもの。この融資によ り、中等学校に進学する児童が増え、教育セクターの近代化が 促進される。 総コス ト:2億9090万ドル モロッコ IBRD−「モロッコ農村道路プロジェクト融資」 INF 6/29/04 2010/2024 n.a. 36.9 農村部の住民が道路を利用できるようにするもの。その施策と して、約625kmの農村道路を再建し、制度能力を強化する。 総コス ト:4370万ドル ヨルダン ✧ IBRD−「ヨルダン・アンマン開発回廊特別投資融資」 INF 6/3/04 n.a. n.a. 38.0 運輸・ロジスティクスサービスの効率化を支援するもの。その 施策として、 インフラ輸送の主要ボトルネックを排除し、低価格 の土地を投資や都市開発に利用できるようにする。 総コス ト:1億6100万ドル レバノン IBRD−「レバノン共和国所得向上・財政管理技術支援補完融 PREM 8/26/03 2009/2018 n.a. 5.3 資」 土地台帳・土地登記制度を再建・近代化するもの。この融資に より、民間投資が促進され、固定資産税の徴収が改善される。 総コス ト:570万ドル 合計 100.1 1,091.0 特別融資e イラク 「特別融資:緊急教科書提供プロジェクト・グラント」 HDN 5/14/04 n.a. n.a. 40.0 初等・中等学校に緊急に教科書を提供することにより、基本的 な学習教材の慢性的な不足を改善するもの。 総コスト:5500万ドル ヨルダン川西岸・ガザ地区 「 特別融資:ヨルダン川西岸・ガザ地区ソーシャル・セーフ HDN 6/3/04 n.a. n.a. 10.0 ティネット改革特別投資グラント」 社会・経済危機が貧困層に与えている影響を緩和すると共に、 保健・医療、栄養、および教育を通して、将来の人的資源を確 保するもの。 総コスト:8250万ドル 170 世界銀行 年次報告 2004 元本金額 (100万ドル) 国名/プロジェクト名 ネットワークa 承認日 返済期間 SDRb US$ 「特別融資:ヨルダン川西岸・ガザ地区財政管理改革構造調整 PREM 6/3/04 n.a. n.a. 20.0 業務グラント」 パレスチナ当局が当面の経済・財政危機に対処できるよう、必 要な予算支援を提供し、 ヨルダン川西岸・ガザ地区の経済復興 を支援するもの。 総コスト:2000万ドル 「特別融資:ヨルダン川西岸・ガザ地区第2次緊急サービス支 HDN 12/2/03 n.a. n.a. 15.0 援プロジェクト補完グラント」 日用品や基本的サービスの提供を維持する資金を提供するこ とにより、経済危機に起因する教育、保健・医療、および社会 福祉サービスの劣化を抑制するもの。 総コスト:1500万ドル ✧ 「特別融資:ヨルダン川西岸・ガザ地区緊急水グラント」 INF 7/29/03 n.a. n.a. 12.5 安全な水の慢性的な不足に対処すると共に、漏水を防ぎ、水の 価格を引き下げ、衛生面のリスクを削減するもの。 総コス ト:1340万ドル n.a. 該当なし。 ✧ シビルソサエティ組織が特定、 準備、および評価に参加しており、 実行、モニタリング、 および評価にシビルソサエティの参加が意図されてい るプロジェクト。 注:端数は四捨五入されているため、 合計が合わないことがある。c=IDA融資、g=IDAグラント。 a.  ESSD=環境・社会・持続可能な開発、 FSE=金融セクター、HDN=人的開発、INF=インフラ、PREM=貧困削減・経済管理、PSD=民間 セクター開発 b.  IDA融資はSDR(特別引出権) 建てで表記されている。SDRの価値は 「通貨バスケット」 を使って算出される。米ドルに対するSDRの価値は その融資またはグラントの交渉が行われた時点の交換レートを反映したもの。 c.  記載金額は当該案件全体の総額であり、IBRD/IDAのシェアはその一部の場合もある。 d.「ブレンド 」 (IBRDとIDA) 融資。 e. 世銀が管理する信託基金による融資。 第6章 世界銀行について 171 表6.14 2004年度に承認されたIBRD・IDA融資(地域別) 2003年7月1日–2004年6月30日 (単位:100万ドル) IBRD融資 IDA融資 合計 国名 件数 金額 件数 金額 件数 金額 アフリカ地域 アフリカ 4.0 351.4 4.0 351.4 アンゴラ 1.0 55.0 1.0 55.0 ウガンダ 2.0 189.6 2.0 189.6 エチオピア 3.0 320.0 3.0 320.0 ガーナ 3.0 160.5 3.0 160.5 カーボヴェルデ 4.0 4.0 カメルーン 1.0 20.0 1.0 20.0 ギニアビサウ 1.0 7.0 1.0 7.0 ケニア 4.0 264.7 4.0 264.7 コモロ 1.0 13.3 1.0 13.3 コンゴ共和国 1.0 19.0 1.0 19.0 コンゴ民主共和国 5.0 736.0 5.0 736.0 サントメ・プリンシペ 1.0 6.5 1.0 6.5 ザンビア 1.0 50.0 1.0 50.0 シエラレオネ 1.0 25.1 1.0 25.1 セネガル 1.0 45.0 1.0 45.0 タンザニア 5.0 451.0 5.0 451.0 チャド 1.0 20.0 1.0 20.0 ナイジェリア 4.0 322.0 4.0 322.0 ニジェール 3.0 109.8 3.0 109.8 ブルキナファソ 3.0 120.0 3.0 120.0 ブルンジ 3.0 110.4 3.0 110.4 ベナン 1.0 20.0 1.0 20.0 マダガスカル 3.0 230.0 3.0 230.0 マラウイ 4.0 116.0 4.0 116.0 マリ 4.0 127.4 4.0 127.4 モーリタニア 3.0 84.0 3.0 84.0 モザンビーク 2.0 97.3 2.0 97.3 ルワンダ 1.0 20.0 1.0 20.0 レソト 1.0 21.0 1.0 21.0 合計 68.0 4,115.9 68.0 4,115.9 東アジア・大洋州地域 インドネシア 3.0 266.0 55.8 3.0 321.8 カンボジア 2.0 60.0 2.0 60.0 サモア 2.0 17.3 2.0 17.3 タイ 1.0 84.3 1.0 84.3 中国 9.0 1,218.3 9.0 1,218.3 トンガ 1.0 10.9 1.0 10.9 東ティモール 1.0 4.0 1.0 4.0 フィリピン 4.0 96.9 4.0 96.9 ベトナム 4.0 705.5 4.0 705.5 モンゴル 1.0 18.0 1.0 18.0 ラオス人民民主共和国 2.0 35.7 2.0 35.7 合計 17.0 1,665.5 13.0 907.2 30.0 2,572.7 172 世界銀行 年次報告 2004 IBRD融資 IDA融資 合計 国名 件数 金額 件数 金額 件数 金額 ヨーロッパ・中央アジア地域 アゼルバイジャン 2.0 25.0 2.0 25.0 アルバニア 3.0 58.0 3.0 58.0 アルメニア 6.0 84.8 6.0 84.8 ウクライナ 2.0 282.0 2.0 282.0 キルギス共和国 3.0 31.0 3.0 31.0 グルジア 2.0 47.6 2.0 47.6 クロアチア 3.0 209.0 3.0 209.0 コソボ 1.0 4.0 1.0 4.0 スロバキア共和国 2.0 75.3 2.0 75.3 セルビア・モンテネグロ 6.0 125.0 6.0 125.0 タジキスタン 1.0 10.8 1.0 10.8 トルコ 5.0 1,585.7 5.0 1,585.7 ブルガリア 1.0 150.0 1.0 150.0 ポーランド 2.0 326.0 2.0 326.0 ボスニア・ヘルツェゴビナ 3.0 97.0 3.0 97.0 マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 4.0 54.8 4.0 54.8 モルドバ 3.0 63.0 3.0 63.0 ルーマニア 2.0 230.0 2.0 230.0 ロシア連邦 1.0 100.0 1.0 100.0 合計 22.0 3,012.9 30.0 546.2 52.0 3,559.1 ラテンアメリカ・カリブ海地域 アルゼンチン 4.0 1,585.8 4.0 1,585.8 エクアドル 2.0 54.0 2.0 54.0 ガイアナ 1.0 10.0 1.0 10.0 カリブ諸国 1.0 9.0 1.0 9.0 コロンビア 5.0 645.0 5.0 645.0 セントビンセントおよび グレナディーン諸島 1.0 3.1 3.1 1.0 6.2 セントルシア 1.0 3.7 3.8 1.0 7.5 チリ 2.0 210.7 2.0 210.7 ドミニカ共和国 3.0 119.8 3.0 119.8 ドミニカ国 1.0 3.0 1.0 3.0 ニカラグア 3.0 100.5 3.0 100.5 パラグアイ 2.0 54.0 2.0 54.0 ブラジル 5.0 1,267.3 5.0 1,267.3 ペルー 4.0 357.0 4.0 357.0 ボリビア 1.0 15.0 2.0 54.0 3.0 69.0 ホンジュラス 6.0 154.9 6.0 154.9 メキシコ 6.0 666.2 6.0 666.2 合計 36.0 4,981.6 14.0 338.2 50.0 5,319.8 第6章 世界銀行について 173 IBRD融資 IDA融資 合計 国名 件数 金額 件数 金額 件数 金額 中東・北アフリカ地域 イエメン共和国 3.0 145.0 3.0 145.0 イラン・イスラム共和国 2.0 359.0 2.0 359.0 エジプト・アラブ共和国 2.0 340.5 2.0 340.5 チュニジア 2.0 166.3 2.0 166.3 モロッコ 1.0 36.9 1.0 36.9 ヨルダン 1.0 38.0 1.0 38.0 レバノン 5.3 5.3 合計 8.0 946.0 3.0 145.0 11.0 1,091.0 南アジア地域 アフガニスタン 5.0 293.0 5.0 293.0 インド 3.0 389.5 4.0 1,033.0 7.0 1,422.5 スリランカ 3.0 175.7 3.0 175.7 ネパール 4.0 185.8 4.0 185.8 パキスタン 1.0 50.0 6.0 731.2 7.0 781.2 バングラデシュ 6.0 526.5 6.0 526.5 ブータン 2.0 36.8 2.0 36.8 合計 4.0 439.5 30.0 2,982.1 34.0 3,421.6 総合計 87.0 11,045.4 158.0 9,034.6 245.0 20,080.1 注:補完融資は独立した融資として計上するのではなく、 もとの融資の金額を増額した。IBRDとIDAが共同で提供した融資は、IBRD融資として 計算し、IDA融資には含めていない。端数は四捨五入されているため、合計が合わないことがある。 174 世界銀行 年次報告 2004 表6.15 2004年度に承認されたIBRD・IDA融資(ネットワーク別) 2003年7月1日–2004年6月30日 (単位:100万ドル) ネットワーク/国名 IBRD IDA 合計 環境・社会・持続可能な開発 アゼルバイジャン 0.0 15.0 15 アフガニスタン 0.0 135.0 135 アルバニア 0.0 15.0 15 アルメニア 0.0 8.5 9 イエメン共和国 0.0 40.0 40 インド 0.0 69.6 70 インドネシア 66.0 55.8 122 エクアドル 34.0 0.0 34 ガーナ 0.0 20.5 21 カメルーン 0.0 20.0 20 キルギス共和国 0.0 22.0 22 ケニア 0.0 40.0 40 コロンビア 30.0 0.0 30 コンゴ民主共和国 0.0 102.0 102 スリランカ 0.0 115.7 116 セルビア・モンテネグロ 0.0 30.0 30 タジキスタン 0.0 10.8 11 チャド 0.0 20.0 20 中国 166.3 0.0 166 トルコ 20.0 0.0 20 ナイジェリア 0.0 170.0 170 ネパール 0.0 15.0 15 パキスタン 0.0 98.2 98 フィリピン 65.0 0.0 65 ブラジル 30.0 0.0 30 ブルンジ 0.0 33.0 33 ベトナム 0.0 157.8 158 ホンジュラス 0.0 45.0 45 マダガスカル 0.0 40.0 40 マラウイ 0.0 27.0 27 メキシコ 399.8 0.0 400 モーリタニア 0.0 45.0 45 モルドバ 0.0 8.0 8 ルーマニア 230.0 0.0 230 合計 1,041.1 1,359.0 2,400 金融セクター アフリカ 0.0 96.4 96 アルゼンチン 500.0 0.0 500 キルギス共和国 0.0 9.0 9 ドミニカ共和国 12.5 0.0 13 トルコ 303.1 0.0 303 ニジェール 0.0 14.8 15 ネパール 0.0 75.5 76 パキスタン 0.0 238.0 238 ボリビア 15.0 15.0 30 合計 830.6 448.7 1,279 第6章 世界銀行について 175 ネットワーク/国名 IBRD IDA 合計 人的開発 アゼルバイジャン 0.0 10.0 10 アフリカ 0.0 76.4 76 アルゼンチン 885.8 0.0 886 アルバニア 0.0 18.0 18 アルメニア 0.0 43.2 43 アンゴラ 0.0 55.0 55 イエメン共和国 0.0 60.0 60 インド 0.0 672.4 672 エジプト・アラブ共和国 5.5 0.0 6 ガーナ 0.0 78.0 78 カーボヴェルデ 0.0 4.0 4 ガイアナ 0.0 10.0 10 カリブ諸国 0.0 9.0 9 ギニアビサウ 0.0 7.0 7 ケニア 0.0 2.7 3 コソボ 0.0 4.0 4 コモロ 0.0 13.3 13 コロンビア 215.0 0.0 215 コンゴ共和国 0.0 19.0 19 コンゴ民主共和国 0.0 100.0 100 サントメ・プリンシペ 0.0 6.5 7 スリランカ 0.0 60.0 60 スロバキア共和国 75.3 0.0 75 セルビア・モンテネグロ 0.0 12.0 12 セントビンセントおよびグレナディーン諸島 3.1 3.1 6 タンザニア 0.0 285.0 285 中国 100.0 0.0 100 チュニジア 130.3 0.0 130 チリ 210.7 0.0 211 ドミニカ共和国 100.0 0.0 100 トルコ 60.6 0.0 61 トンガ 0.0 10.9 11 ニジェール 0.0 30.0 30 パキスタン 0.0 100.0 100 パラグアイ 24.0 0.0 24 バングラデシュ 0.0 201.0 201 ブータン 0.0 36.8 37 ブラジル 672.2 0.0 672 ペルー 150.0 0.0 150 ボスニア・ヘルツェゴビナ 0.0 63.0 63 ボリビア 0.0 25.0 25 ホンジュラス 0.0 15.0 15 マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 24.8 0.0 25 マダガスカル 0.0 10.0 10 マラウイ 0.0 35.0 35 マリ 0.0 2.5 3 モーリタニア 0.0 21.0 21 モルドバ 0.0 20.0 20 ラオス人民民主共和国 0.0 13.0 13 ルワンダ 0.0 20.0 20 レソト 0.0 21.0 21 ロシア連邦 100.0 0.0 100 合計 2,757.4 2,172.8 4,930 176 世界銀行 年次報告 2004 ネットワーク/国名 IBRD IDA 合計 インフラ アフガニスタン 0.0 158.0 158 アフリカ 0.0 178.6 179 アルゼンチン 200.0 0.0 200 アルバニア 0.0 25.0 25 アルメニア 0.0 23.0 23 イエメン共和国 0.0 45.0 45 イラン・イスラム共和国 359.0 0.0 359 インド 279.5 181.0 461 インドネシア 200.0 0.0 200 ウガンダ 0.0 25.0 25 エジプト・アラブ共和国 335.0 0.0 335 エチオピア 0.0 100.0 100 ガーナ 0.0 62.0 62 カンボジア 0.0 60.0 60 グルジア 0.0 23.6 24 クロアチア 209.0 0.0 209 ケニア 0.0 222.0 222 コロンビア 250.0 0.0 250 サモア 0.0 17.3 17 ザンビア 0.0 50.0 50 セルビア・モンテネグロ 0.0 83.0 83 セントルシア 3.7 3.8 7 タイ 84.3 0.0 84 タンザニア 0.0 165.8 166 中国 952.0 0.0 952 ドミニカ共和国 7.3 0.0 7 トルコ 202.0 0.0 202 ナイジェリア 0.0 120.0 120 ネパール 0.0 25.3 25 パキスタン 50.0 150.0 200 バングラデシュ 0.0 55.5 56 フィリピン 10.0 0.0 10 ブラジル 60.0 0.0 60 ブルンジ 0.0 51.4 51 ベトナム 0.0 447.7 448 ペルー 45.0 0.0 45 ポーランド 326.0 0.0 326 マダガスカル 0.0 150.0 150 マリ 0.0 84.4 84 メキシコ 208.0 0.0 208 モーリタニア 0.0 18.0 18 モザンビーク 0.0 55.3 55 モルドバ 0.0 35.0 35 モロッコ 36.9 0.0 37 モンゴル 0.0 18.0 18 ヨルダン 38.0 0.0 38 ラオス人民民主共和国 0.0 22.7 23 合計 3,855.7 2,656.3 6,512 貧困削減・経済管理 アルメニア 0.0 10.2 10 インド 110.0 110.0 220 ウガンダ 0.0 164.6 165 ウクライナ 282.0 0.0 282 エクアドル 20.0 0.0 20 エチオピア 0.0 100.0 100 グルジア 0.0 24.0 24 コロンビア 150.0 0.0 150 コンゴ民主共和国 0.0 414.0 414 第6章 世界銀行について 177 ネットワーク/国名 IBRD IDA 合計 シエラレオネ 0.0 25.1 25 ドミニカ国 0.0 3.0 3 トルコ 1,000.0 0.0 1,000 ニカラグア 0.0 93.5 94 ニジェール 0.0 65.0 65 ネパール 0.0 70.0 70 パキスタン 0.0 145.0 145 パラグアイ 30.0 0.0 30 バングラデシュ 0.0 20.0 20 東ティモール 0.0 4.0 4 フィリピン 21.9 0.0 22 ブルガリア 150.0 0.0 150 ブルキナファソ 0.0 120.0 120 ブルンジ 0.0 26.0 26 ベトナム 0.0 100.0 100 ベナン 0.0 20.0 20 ペルー 162.0 0.0 162 ボスニア・ヘルツェゴビナ 0.0 34.0 34 ボリビア 0.0 14.0 14 ホンジュラス 0.0 66.8 67 マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 30.0 0.0 30 マダガスカル 0.0 30.0 30 マラウイ 0.0 54.0 54 マリ 0.0 15.0 15 モザンビーク 0.0 42.0 42 レバノン 5.3 0.0 5 合計 1,961.2 1,770.2 3,731 民間セクター開発 エチオピア 0.0 120.0 120 コンゴ民主共和国 0.0 120.0 120 セネガル 0.0 45.0 45 タンザニア 0.0 0.2 + チュニジア 36.0 0.0 36 ナイジェリア 0.0 32.0 32 ニカラグア 0.0 7.0 7 バングラデシュ 0.0 250.0 250 ブラジル 505.1 0.0 505 ホンジュラス 0.0 28.1 28 マリ 0.0 25.5 26 メキシコ 58.4 0.0 58 合計 599.5 627.8 1,227 総合計 11,045.4 9,034.6 20,080 + 50万ドル未満の融資。 注:補完融資は独立した融資として計上するのではなく、 もとの融資の金額を増額した。IBRDとIDAが共同で提供した融資は、IBRD融資として 計算し、 IDA融資には含めていない。端数は四捨五入されているため、合計が合わないことがある。 178 世界銀行 年次報告 2004 表6.16 1990年度以降に承認されたIBRD・IDA融資の累計 (セクター・テーマおよび地域別) 2004年6月30日 (単位:100万ドル) IBRD融資(地域別)a ヨーロッパ ラテン 東アジア・ ・中央 アメリカ 中東・ 目的 アフリカ 大洋州 アジア カリブ海 北アフリカ 南アジア 合計 環境・天然資源管理 499.86 10,257.13 3,827.64 5,450.97 1,807.16 2,298.53 24,141.29 金融・民間セクター開発 464.87 20,831.92 19,236.87 17,597.63 4,281.91 7,008.42 69,421.60 経済管理 212.30 711.40 5,104.04 7,737.72 644.21 322.85 14,732.52 公共セクター運営 452.90 4,114.96 5,719.29 10,165.44 1,139.17 832.34 22,424.10 社会開発・ジェンダー・参加 74.86 1,487.54 557.91 3,051.97 443.12 348.26 5,963.65 社会的保護・リスク管理 56.85 2,088.80 3,843.87 7,861.73 749.75 260.02 14,861.02 人的開発 230.09 3,019.81 2,583.71 8,651.46 1,554.90 409.41 16,449.38 都市開発 459.29 6,675.59 2,911.60 6,000.39 1,747.77 2,550.05 20,344.69 農村開発 351.33 6,649.32 3,453.60 6,454.40 1,860.95 1,454.44 20,224.02 貿易・統合 250.35 2,208.90 3,092.86 2,519.87 890.29 995.66 9,957.92 法規 23.87 475.28 1,062.46 1,400.03 370.74 331.30 3,663.68 テーマ合計 3,076.56 58,520.63 51,393.85 76,891.60 15,489.97 16,811.27 222,183.87 運輸 185.33 12,167.42 4,599.02 9,930.96 1,681.42 4,457.83 33,021.99 エネルギー ・鉱業 597.23 11,636.90 8,851.30 3,683.67 1,094.35 6,583.29 32,446.73 給水・衛生・治水 550.82 5,342.05 1,655.14 5,019.13 1,728.72 822.30 15,118.16 教育 143.83 3,496.93 1,741.20 6,998.71 1,219.27 104.68 13,704.61 金融 104.15 7,619.16 6,672.41 10,847.56 1,997.45 1,358.30 28,599.02 産業・貿易 356.42 5,422.42 8,933.13 3,354.99 2,513.67 1,261.99 21,842.61 情報・通信 221.57 1,631.61 716.66 478.22 251.61 72.23 3,371.88 農業・漁業・林業 276.88 3,772.67 2,632.77 4,221.53 1,986.37 581.51 13,471.74 法律・司法・行政 479.79 5,316.87 11,829.78 22,226.39 1,943.98 1,300.76 43,097.56 保健・その他の社会サービス 160.55 2,114.59 3,762.45 10,130.44 1,073.14 268.40 17,509.57 セクター合計 3,076.56 58,520.63 51,393.85 76,891.60 15,489.97 16,811.27 222,183.87 IDA loans to borrowers, by regiona 第6章 世界銀行について 179 IDA融資(地域別)a ヨーロッパ ラテン 東アジア・ ・中央 アメリカ 中東・ 目的 アフリカ 大洋州 アジア カリブ海 北アフリカ 南アジア 合計 環境・天然資源管理 2,558.86 2,112.21 361.67 264.80 341.05 2,724.00 8,362.56 金融・民間セクター開発 8,770.12 1,754.55 1,944.02 900.22 412.19 3,516.81 17,297.90 経済管理 2,439.67 248.72 402.21 408.90 32.20 912.46 4,444.09 公共セクター運営 6,575.09 662.05 702.79 570.46 151.06 2,500.63 11,162.08 社会開発・ジェンダー・参加 3,334.06 934.60 349.60 341.41 436.83 4,485.34 9,881.84 社会的保護・リスク管理 2,171.93 960.99 525.05 434.01 214.26 1,878.92 6,185.16 人的開発 5,463.81 1,636.74 423.87 411.12 322.42 5,706.97 13,964.93 都市開発 4,040.80 1,393.69 482.56 297.51 230.54 1,344.11 7,789.18 農村開発 4,659.95 3,827.41 558.65 629.28 471.69 4,836.94 14,983.88 貿易・統合 2,175.50 260.04 158.81 199.43 11.62 578.97 3,384.35 法規 504.49 159.05 246.46 136.18 6.52 181.67 1,234.36 テーマ合計 42,694.27 13,950.05 6,155.68 4,593.33 2,630.37 28,666.83 98,690.52 運輸 6,396.45 1,664.81 469.56 722.32 199.38 2,528.84 11,981.36 エネルギー ・鉱業 3,748.83 1,316.98 681.47 175.95 66.62 1,820.99 7,810.85 給水・衛生・治水 2,781.74 1,463.98 382.10 245.25 328.16 1,938.05 7,139.26 教育 4,096.35 1,364.21 221.01 484.80 413.57 4,537.35 11,117.30 金融 2,443.28 900.89 657.99 266.74 193.41 1,533.92 5,996.20 産業・貿易 3,765.30 1,014.35 970.22 312.77 194.11 1,768.99 8,025.73 情報・通信 386.75 59.48 25.01 40.38 3.64 241.24 756.49 農業・漁業・林業 3,015.65 3,184.42 523.14 363.26 385.27 4,236.87 11,708.57 法律・司法・行政 10,535.75 1,517.78 1,582.53 1,345.22 367.72 4,202.50 19,551.38 保健・その他の社会サービス 5,524.17 1,463.14 642.64 636.64 478.49 5,858.08 14,603.17 セクター合計 42,694.27 13,950.05 6,155.68 4,593.33 2,630.37 28,666.83 98,690.52 注:表内の数字は新しいセクター・テーマ分類システムが適用された1990年度からの累計。端数は四捨五入されているため、合計が合わないこ とがある。 a. 承認後の契約解除は考慮されていない。IFCに対するIBRD融資は含まれていない。 180 世界銀行 年次報告 2004 表6.17 IBRD・IDA融資の累計(国別) 2004年6月30日 (単位:100万ドル) IBRD融資 IDA融資 合計 国名 件数 金額 件数 金額 件数 金額 OECS(東カリブ海諸国機構) 2 10.4 7.1 2 18 加盟国 アイスラン ド 10 47.1 10 47 アイルラン ド 8 152.5 8 153 アゼルバイジャン 22 622.0 22 622 アフガニスタン 33 838.3 33 838 アフリカ 11 259.8 8 425.8 19 686 アフリカ西部 1 6.1 3 52.5 4 59 アフリカ東部 1 45.0 1 45 アルジェリア 72 5,911.8 72 5,912 アルゼンチン 120 21,633.2 120 21,633 アルバニア 52 757.9 52 758 アルメニア 1 12.0 34 808.7 35 821 アンゴラ 14 415.4 14 415 イエメン共和国 131 2,318.3 131 2,318 イスラエル 11 284.5 11 285 イタリア 8 399.6 8 400 イラク 6 156.2 6 156 イラン・イスラム共和国 45 2,849.1 45 2,849 イン ド 192 30,915.9 256 30,564.3 448 61,480 イン ドネシア 256 28,276.8 49 1,668.9 305 29,946 ウガンダ 1 9.1 88 3,997.5 89 4,007 ウクライナ 28 3,804.9 28 3,805 ウズベキスタン 13 554.1 45.0 13 599 ウルグアイ 53 2,370.7 53 2,371 エクアドル 76 2,877.2 5 36.9 81 2,914 エジプト ・アラブ共和国 67 4,900.4 41 1,984.0 108 6,884 エス トニア 8 150.7 8 151 エチオピア 12 108.6 78 4,503.5 90 4,612 エリ トリア 12 445.4 12 445 エルサルバドル 34 981.4 2 25.6 36 1,007 オース トラリア 7 417.7 7 418 オース トリア 9 106.4 9 106 オマーン 11 157.1 11 157 オランダ 8 244.0 8 244 ガーナ 9 207.0 107 4,396.5 116 4,603 カーボヴェルデ 18 197.9 18 198 ガイアナ 12 80.0 20 334.4 32 414 カザフスタン 23 1,924.0 23 1,924 ガボン 14 227.0 14 227 カメルーン 45 1,347.8 30 1,227.0 75 2,575 カリブ諸国 4 83.0 3 52.0 7 135 ガンビア 28 259.2 28 259 カンボジア 24 607.2 24 607 ギニア 3 75.2 58 1,318.5 61 1,394 ギニアビサウ 24 292.9 24 293 キプロス 30 418.8 30 419 旧ユーゴスラビア 89 6,090.7 89 6,091 ギリシャ 17 490.8 17 491 キルギス共和国 30 680.2 30 680 グアテマラ 40 1,404.8 40 1,405 グルジア 34 772.8 34 773 グレナダ 5 17.0 1 23.5 6 41 クロアチア 23 1,245.7 23 1,246 ケニア 45 1,200.7 86 3,612.7 131 4,813 コー トジボワール 62 2,887.9 25 2,042.5 87 4,930 コスタリカ 40 938.5 5.5 40 944 コソボ 4 15.0 4 15 コモロ 19 132.4 19 132 第6章 世界銀行について 181 IBRD融資 IDA融資 合計 国名 件数 金額 件数 金額 件数 金額 コロンビア 175 12,049.1 19.5 175 12,069 コンゴ共和国 10 216.7 16 333.3 26 550 コンゴ民主共和国 7 330.0 67 2,841.5 74 3,172 サモア 13 87.8 13 88 サントメ・プリンシペ 11 75.4 11 75 ザンビア 27 679.1 55 2,691.8 82 3,371 シエラレオネ 4 18.7 31 667.4 35 686 ジブチ 16 148.6 16 149 ジャマイカ 69 1,660.8 69 1,661 シリア・アラブ共和国 17 613.2 3 47.3 20 661 シンガポール 14 181.3 14 181 ジンバブエ 24 983.2 12 662.0 36 1,645 スーダン 8 166.0 47 1,352.9 55 1,519 スペイン 12 478.7 12 479 スリランカ 12 210.7 85 2,837.1 97 3,048 スロバキア共和国 7 416.6 7 417 スロベニア 5 177.7 5 178 スワジラン ド 12 104.8 2 7.8 14 113 セーシェル 2 10.7 2 11 赤道ギニア 9 45.0 9 45 セネガル 19 164.9 83 2,253.9 102 2,419 セルビア・モンテネグロ 18 522.0 18 522 セントクリス トファー・ネーヴィス 5 29.0 7.0 5 36 セントビンセン トおよび 4 8.5 1 14.7 5 23 グレナディーン諸島 セントルシア 8 22.9 28.2 8 51 ソマリア 39 492.1 39 492 ソロモン諸島 8 49.9 8 50 タイ 119 8,063.4 6 125.1 125 8,188 大韓民国 114 15,647.0 6 110.8 120 15,758 台湾 14 329.4 4 15.3 18 345 タジキスタン 19 332.9 19 333 タンザニア 17 318.9 111 4,612.0 128 4,931 チェコ共和国 3 776.0 3 776 チャド 1 39.5 45 993.6 46 1,033 中央アフリカ共和国 27 448.5 27 449 中国 183 28,492.5 71 9,946.7 254 38,439 チュニジア 119 5,232.9 5 74.6 124 5,307 チリ 66 3,920.9 19.0 66 3,940 デンマーク 3 85.0 3 85 トーゴ 1 20.0 41 733.5 42 754 ドミニカ共和国 36 1,088.5 3 22.0 39 1,111 ドミニカ国 2 4.0 4 19.3 6 23 トリニダー ド・トバゴ 22 333.6 22 334 トルクメニスタン 3 89.5 3 90 トルコ 141 22,003.7 10 178.5 151 22,182 トンガ 4 21.8 4 22 ナイジェリア 84 6,248.2 30 2,136.2 114 8,384 ニカラグア 27 233.6 36 1,217.7 63 1,451 ニジェール 55 1,200.7 55 1,201 日本 31 862.9 31 863 ニュージーラン ド 6 126.8 6 127 ネパール 79 1,916.9 79 1,917 ノルウェー 6 145.0 6 145 ハイチ 1 2.6 36 626.5 37 629 パキスタン 85 6,664.2 125 7,670.9 210 14,335 パナマ 45 1,273.2 45 1,273 バヌアツ 5 18.9 5 19 バハマ 5 42.8 5 43 パプアニューギニア 35 786.6 9 113.2 44 900 パラグアイ 39 870.9 6 45.5 45 916 182 世界銀行 年次報告 2004 IBRD融資 IDA融資 合計 国名 件数 金額 件数 金額 件数 金額 バルバドス 12 118.4 12 118 ハンガリー 40 4,333.6 40 4,334 バングラデシュ 1 46.1 184 10,994.6 185 11,041 東ティモール 1 4.0 1 4 フィジー 12 152.9 12 153 フィリピン 164 11,419.2 5 294.2 169 11,713 フィンラン ド 18 316.8 18 317 ブータン 11 101.1 11 101 ブラジル 291 34,450.1 291 34,450 フランス 1 250.0 1 250 ブルガリア 31 1,951.5 31 1,951 ブルキナファソ 1.9 63 1,465.6 63 1,468 ブルンジ 1 4.8 55 1,012.6 56 1,017 ベトナム 43 4,861.1 43 4,861 ベナン 54 814.5 54 815 ベネズエラ ・ボリバル共和国 40 3,328.4 40 3,328 ベラルーシ 4 192.8 4 193 ベリーズ 9 86.2 9 86 ペルー 96 5,897.7 96 5,898 ベルギー 4 76.0 4 76 ポーラン ド 39 5,710.8 39 5,711 ボスニア・ヘルツェゴビナ 45 931.3 45 931 ボツワナ 19 280.7 6 15.8 25 297 ボリビア 15 314.3 70 1,886.2 85 2,200 ポルトガル 32 1,338.8 32 1,339 ホンジュラス 33 717.3 38 1,435.3 71 2,153 マケドニア旧ユーゴスラビア共和国 15 330.8 15 378.7 30 709 マダガスカル 5 32.9 87 2,556.5 92 2,589 マラウイ 9 124.1 77 2,209.5 86 2,334 マリ 1.9 69 1,692.7 69 1,695 マルタ 1 7.5 1 8 マレーシア 88 4,150.6 88 4,151 南アフリカ 13 302.8 13 303 ミャンマー 3 33.4 30 804.0 33 837 メキシコ 192 35,659.0 192 35,659 モーリシャス 33 459.7 4 20.2 37 480 モーリタニア 3 146.0 52 820.7 55 967 モザンビーク 47 2,560.0 47 2,560 モルディ ブ 7 64.9 7 65 モルドバ 9 302.8 15 289.2 24 592 モロッコ 132 8,658.1 3 50.8 135 8,709 モンゴル 19 325.9 19 326 ヨルダン 56 2,319.7 15 85.3 71 2,405 ラオス人民民主共和国 36 722.9 36 723 ラトビア 19 416.0 19 416 リトアニア 17 490.9 17 491 リベリア 19 156.0 14 114.5 33 271 ルーマニア 73 6,214.0 73 6,214 ルクセンブルク 1 12.0 1 12 ルワンダ 57 1,208.5 57 1,209 レソト 2 155.0 30 352.8 32 508 レバノン 21 1,085.4 21 1,085 ロシア連邦 57 13,241.1 57 13,241 総合計 4,810 393,748.0 3,745 151,390.6 8,555 545,139 注:IBRDとIDAが共同で提供した融資は、IBRD融資として計算されている。単一のプロジェクトに複数の融資が行われた場合は、融資件数は1 件と計算されている。端数は四捨五入されているため、 合計が合わないことがある。 第6章 世界銀行について 183 表6.18 構造調整融資 2004年度  国名 プロジェクト IBRD IDA 合計 貧困削減支援融資 アルバニア P077739 第2次貧困削減支援融資 18 18 ウガンダ P074081 第3次貧困削減支援融資 150 150 エチオピア P074014 貧困削減支援融資 120 120 タンザニア P074072 貧困削減支援融資(IDA融資の継続分) + + ニカラグア P082885 貧困削減支援融資 70 70 ネパール P074685 貧困削減支援融資 70 70 ブルキナファソ P076908 第3次貧困削減支援プロジェクト(3) 50 50 ブルキナファソ P078994 第4次貧困削減支援融資 60 60 ベトナム P082759 第3次貧困削減支援融資 100 100 ベナン P072003 貧困削減支援融資 20 20 ホンジュラス P074758 貧困削減支援融資 59 59 プログラム的構造調整融資 ウクライナ P074972 第2次プログラム的調整融資プロジェクト 250 250 コロンビア P079060 プログラム的労働改革・社会構造調整融資 200 200 コロンビア P083905 第2次プログラム的財政・制度構造調整融資 150 150 トルコ P082996 第3次プログラム的金融・公共セクター調整融資 1,000 1,000 ブラジル P080827 ブラジル持続可能で公正な成長のための 505 505 第1次プログラム的融資 ブルガリア P081637 第2次プログラム的調整融資 150 150 ペルー P078951 第3次プログラム的社会改革構造調整融資 150 150 ペルー P082871 プログラム的分権化・競争力構造調整融資 150 150 ボリビア P087841 プログラム的社会セクター構造調整融資 25 25 セクター調整融資 アルゼンチン P072637 妊産婦と子供のための地方保健・医療セク ター調整融資 750 750 アルゼンチン P083982 経済復興支援構造調整融資 500 500 スロバキア共和国 P065954 保健・医療セク ター近代化支援セクター調整融資 63 63 セネガル P080013 民間セクター調整融資 45 45 タンザニア P083080 中等教育開発プログラム調整融資 150 150 チリ P078088 社会的保護セク ター調整融資 200 200 パキスタン P083228 教育セクター調整融資 100 100 ボスニア・ヘルツェゴビナ P070992 第2次社会セクター調整融資 51 51 ボスニア・ヘルツェゴビナ P071039 経済管理構造調整融資 34 34 ボリビア P082781 銀行・企業再建プログラムのためのプログラム的調整融資 15 15 30 メキシコ P070371 住宅・都市貧困に関するプログラム的セク ター調整融資 100 100 構造調整融資 インド P075191 第2次アンドラ・ プラデシュ州経済改革融資 110 110 220 グルジア P057814 改革支援融資 24 24 コンゴ民主共和国 P082443 第2次統一後経済復興融資 200 200 ドミニカ共和国 P085433 社会危機対応調整融資 100 100 ドミニカ国 P078841 経済復興支援調整融資 3 3 ニジェール P069570 第2次公共支出調整融資 65 65 パキスタン P079635 第2次北西辺境州構造調整融資 90 90 パラグアイ P086543 経済復興構造調整融資 30 30 東ティモール P082190 第2次移行支援プログラム ・グラント 4 4 マケドニア旧ユーゴ P074893 第2次公共セク ター管理調整融資 30 30 スラビア共和国 マラウイ P072395 財政管理・成長加速プログラム融資 50 50 マリ P085634 第3次構造調整融資(補完グラント) 15 15 合計 4,453  1,698  6,151 + 50万ドル未満の調整融資。 184 世界銀行 年次報告 2004 表6.19 プログラム別支出 2000–2004年度 (単位:100万ドル) 実績経費 プログラム 2000年度 2001年度 2002年度a 2003年度a 2004年度a 地域 778.7 707.8 774.6 815.6 895.0 ネットワーク 124.1 119.3 146.8 159.3 175.8 その他の融資プログラム 18.5 23.2 22.7 28.3 30.6 開発経済・世界銀行研究所 87.4 93.2 97.4 109.5 120.0 財務 76.0 84.4 85.9 92.9 101.8 管理 147.3 155.1 163.2 181.8 198.7 組織運営・サービス 109.5 118.6 128.7 139.2 156.3 諸経費・各種手当・臨時費 31.1 28.7 (12.1) (15.6) (51.1) 一般管理費支出 1,372.6 1,330.2 1,407.0 1,510.9 1,627.1 (以下を除く) 返済金・手数料収入 (117.8) (136.0) (154.8) (177.5) (195.2) 一般管理費支出(純額) 1,254.7 1,194.3 1,252.2 1,333.3 1,431.8 職員退職金口座b 8.2 13.8 20.7 63.1 150.6 開発グラントファシリティ 126.1 147.4 176.1 156.2 179.2 事務局 61.8 64.9 63.2 72.8 78.7 業務評価 18.5 19.2 19.8 20.3 21.6 (以下を除く) 返済金・手数料収入 (1.5) (9.9) (0.1) (0.9) (0.7) 一般管理費支出合計 1,467.9 1,429.5 1,531.8 1,644.8 1,861.1 注:端数は四捨五入しているため、 合計が合わないことがある。 a. 2002年予算改革を反映。 b. 職員退職金制度 (SRP)、補完SRP、および退職者向け福利厚生負担金を含む。 第6章 世界銀行について 185 開発委員会コミュニケ 2004年度 ては、IMFと協調して、さまざまな政策オプション(国 2003年9月 際的な融資ファシリティなど)の利点を分析し、途上 1. 前回の開発委員会会合は、2000年9月8日の国 国が開発結果を達成し、MDGsに向けた進捗を加速 連総会で国家元首および加盟国代表が採択した国連 するための追加的な中期資金を動員することを求め ミレニアム宣言で打ち出されたミレニアム開発目標 ます。途上国や新興市場諸国と緊密な協議を行うこ (MDGs)の達成、特に貧困を削減するため世界規 とも不可欠です。われわれは2004年春期会合で、こ 模で努力していくことへのわれわれの決意を強く再 の問題に関する報告を行うよう世銀に要請しました。 確認するものでした。本日、決意を新たにしたわれ われは、ドーハ、モンテレー、およびヨハネスブル 4. 援助の提供方法も、ローマで開催された調和化 グで合意された戦略、パートナーシップ、および行 ハイレベルフォーラムの内容をふまえて変更する必要 動を実現するための方策を引き続き検討しました。 があります。手続きを合理化し、取引コストを削減す るだけでなく、途上国のニーズ、優先項目、およびプ 2. 「途上国の健全な政策を十分かつ適切な資金で ロセスとの整合性を高めることも必要です。援助は測 支援すること」をテーマとする報告書と、その国別ア 定可能な結果を達成することのできる途上国に、その プローチを歓迎しました。また、MDGsを達成するた 能力を強化するような形で提供されなければなりませ めには現在の取り組みを強化することが急務である ん。また、援助は予測可能な形で、長期にわたって こと、そのためには途上国、先進国、および国際機 行われるべきであり、MDGsを達成するための資金 関が協調的な行動を拡大する必要があることに合意 ニーズを充足するものであるべきです。長期の債務 しました。途上国は政策とガバナンスの強化を継続 持続可能性などの観点から見て適切と思われる場合 すると共に、国内資源、民間資金、および援助を成 はグラントの比率を高め、一定の条件下では、経常 長の加速、サービス提供の改善、および貧困削減に 費用の支払いにも充当できるようにするべきです。 効果的に活用していく必要があります。一方、先進国 は援助の量と質を高め、途上国の債務を救済し、市 5. われわれはこれまで通り、成長、貧困削減、お 場アクセスを改善することによって、途上国の努力を よびMDGsに向けた歩みを前進させるためには、ドー より精力的に支援していく必要があります。 ハ開発アジェンダの成功が不可欠だと考えています。 従って、第5回WTO閣僚会議の多国間貿易交渉が不 3. こうしたパートナーシップを実現し、MDGsを達 首尾に終わったことは遺憾であり、すべての参加者 成するためには、計画的な行動を通して、貧困削減 に対し、これまでの進捗を有効に活用して、可能な 戦略とMDGsの長期目標を密接に関連づけ、MDGs 限り早期にプロセスを軌道に戻すことを強く要請し の達成を促すような行動を特定・導入し、合意され ます。われわれは世銀とIMFが先日、貿易体制の自 た戦略を実施するための資金量と援助の形態を明確 由化を進め、途上国にさらなる便益をもたらす意思 にする必要があります。本会合では、MDGsの達成 を明らかにしたことを歓迎します。また、世銀が途上 に必要な行動の良循環を作り上げるためには、十分 国の貿易イニシアティブを支援するような形で融資を かつ時宜を得た、予測可能な資金を確保すること、 提供し、分析・診断結果を効果的なプロジェクトの開 政策・制度改革を通して、途上国の援助吸収能力を 発につなげる努力を継続することを強く要請します。 高めることの双方が必要であることが合意されまし た。われわれは2006年までに追加資金を提供すると 6. モンテレー国連開発資金会議の要請に応えて、 いう公約を実現するために、各国が速やかに具体的 われわれは引き続き、世銀とIMFの活動と意思決定 な措置を取ることを強く要請します。また世銀に対し に対する途上国と移行経済国の発言権と参加機会を 186 世界銀行 年次報告 2004 拡大するための、革新的で現実的な方法を検討しま および実施を確実に行うという決意を再確認しまし した。これは一足飛びに達成されるものではなく、長 た。また、完了時点に到達した途上国の債務をさら 期にわたって、広範な問題に取り組んでいく必要が に削減することは、現在の指針のもとでもケースバイ あります。貧困削減戦略アプローチの導入は、ブレト ケースで可能であるという認識を確認しました。また、 ンウッズ機関の援助を途上国が主体的に策定した戦 トッピングアップ手法をめぐる継続中の議論に留意 略と優先項目に沿って提供するための一歩となるも し、この問題についてさらなる検討を行うことを要請 のでした。この観点から、われわれは世銀とIMFが しました。一部のHIPCはまだ決定時点に到達してい あらゆる分野で開放性、透明性、分権化、および職 ないことをふまえ、この分野で進められている努力を 員の多様化を進めていることを歓迎し、こうした努力 奨励しま 「切迫した状況にある低所得国に関す した。 をさらに強化することを両機関に強く要請します。 る世銀タスクフォース報告書」で提唱されたアプロー チの導入は、そうした努力の一例です。われわれは 7. われわれは途上国と移行経済国の理事室の能 すべての債権者がHIPCイニシアティブに参加するこ 力と資金力を強化するために、理事会が必要な施策 との重要性を再確認し、まだイニシアティブに参加し の検討を行ったことを歓迎しました。また、サハラ以 ていないすべての公的・民間債権者に対して、改め 南のアフリカ諸国の理事が開発問題に関する独立調 てイニシアティブへの参加を要請しました。また、非 査・分析を行うための資金源と 「分析信頼基金」 パリ して、 ・クラブ債権者(インドとリビア)がイニシアティブ を設置するという提案も歓迎しました。人材の派遣 への参加を決定したことを歓迎しました。われわれ など、途上国の理事室の能力を強化するための方策 は次回会合で、世銀とIMFが作成を進めている低所 についても、さらなる検討を行うよう要請しました。 得国の債務持続可能性に関する新しいフレームワー 春期会合までに具体的な措置が取られることを期待 クを検討できることを期待しています。また、商品市 しています。 場や気候変動といった外因性の衝撃に対するHIPC の脆弱性を軽減する方法について、世銀とIMFがさ 8. IDA13の中間評価とIDA14交渉は、IDA増資プ らなる検討を行うことを奨励しました。 ロセスと理事会の意思決定に対する借入国の参加を 拡大するための時宜を得た機会となっています。わ 11. PRSPアプローチは勇気づけられる進捗を達成 れわれはIDA増資に参加することによって、途上国は しつつあります。われわれは、すべての利害関係者 議決権の合計数を大幅に引き上げることができるこ との政策対話がより開放的なものになっていること、 とを指摘し、途上国がこの点で必要な行動を取るこ 成長要因、投資環境、および貧困削減とMDGsの達 とを奨励しました。これらの問題に関しては、さらに 成を目的とした政策に重点が置かれるようになってい 検討を重ね前進するよう強く要請しました。 ること、現実性と優先順位付けが強化されているこ と、貧困層に配慮した公共支出が増大していること、 9. 議決構造と理事会構成は容易に変更できるもの 公共支出管理が強化され、開発戦略の内容が各国の ではなく、政治的合意が形成されるまでには多くの 予算に統合されつつあることを歓迎します。その一 時間と労力が必要です。しかし、われわれはそのた 方で、PRSPには複数の、時には矛盾する目的がある めの努力を継続していかなければなりません。われ ことも確認しました。今後の課題はドナー援助を調 われは2004年の年次総会で発言権問題に関する包 和させ、途上国の国家戦略との整合性を高めること 括的な報告を行うことを理事会に求めました。来春 によって、PRSPを確実に実施していくことです。また、 の開発委員会会合では、今後の手順と次の措置が検 貧困・社会影響分析 を実施し、必要に応じて (PSIA) 討される予定です。 開発計画を見直している途上国に、世銀とIMFが必 要な援助を速やかに提供することを求めました。 10. われわれはHIPCイニシアティブの状況を検討 し、本イニシアティブの目的を達成し、資金の確保、 第6章 世界銀行について 187 12. 本会合では、サービス関連のMDGsの進捗と開 政策アジェンダの主要課題と優先項目の進捗状況を 発結果を改善する必要性も強調されました。その施 戦略的に俯瞰することを可能にするものであり、説明 「万人のための教育ファースト 策の一つが、 ・トラッ 責任を強化するものです。われわれは次回会合で第 ク・イニシアティブ(FTI)」です。われわれは世銀に対 1回の完全な報告書が提出されることを期待してい し、次回会合でFTIの資金状況と、これまでの活動の ます。 教訓を報告するよう求めました。 15. 最後に、われわれは本会合の開催地域が直面し 13. われわれは世銀グループがインフラに再び焦点 ている困難に留意しました。われわれはヨルダン川 を当てるようになったことを支持しました。これはイ 西岸・ガザ地区において、世銀がパレスチナ人の緊 ンフラが低・中所得国の投資環境を改善し、開発の 急の経済・社会的ニーズを満たすために積極的な役 条件を整え、持続可能な経済成長とMDGsの達成に 割を果たしていることを歓迎しました。また、世銀が 大きく貢献していることをふまえたものです。われわ この地域の経済・インフラ協力の促進に貢献してい 「水施設へ れはインフラ行動計画に関する報告書と、 ることも歓迎しました。われわれはブレトンウッズ機 の資金調達に関する世界パネル」の提言のフォロー 関がその他の国際機関と共に、イラク人と密接に連 アップを歓迎すると共に、世銀グループが加盟国と 携しながら、イラク人主導の経済発展に向けて、同 連携して、各国の開発戦略にインフラ行動計画を速 国の復興と開発に建設的な役割を果たしていること やかに統合することを求めました。特に、われわれは に留意しました。われわれは来るイラク・ドナー会議 包括的な開発アプローチに従って投資を拡大するこ に期待しています。この会議はイラクの経済復興を との重要性と、この分野で国際金融機関が果たし得 軌道に乗せるための資金の動員に、きわめて重要な る触媒の役割について留意しました。持続可能なイ 役割を果たすものとなる予定です。この地域と世界 ンフラ投資を実現するためには、健全な政策環境、 が安定と発展を確保するためには、ヨルダン川西 制度能力、および整備能力が不可欠であることも強 岸・ガザ地区とイラクでの取り組みを成功させること 調しました。われわれは世銀グループが国別分析の が、困難な課題ではあるものの、不可欠の条件と 結果に基づいてインフラ・プロジェクトを支援し、そ なっています。 の国際的優位性、専門能力、および確立された政策 を活用する努力を強化したことに満足しています。ま 16. アラブ首長国連邦の当局と国民のすばらしいホ た、われわれは貿易アジェンダとの関連性から、世銀 スピタリティと施設に感謝を申し上げます。 グループが複数の国にまたがる投資に関与すること を強く要請しました。世銀、IFC、およびMIGAに対 17. 南アフリカのトレヴァー・マニュエル財務大臣の しては、共通の援助手段の利用を円滑化・促進する 議長再任が承認されたことを歓迎します。 イニシアティブの推進を継続すること、その施策とし て地方自治体レベルの活動・保証を行うことを奨励 18. 次回の開発委員会会合は2004年4月25日にワシ しました。最後に、次回会合までに実施状況に関す ントンDCで開催される予定です。 る最新データが世銀理事会に提供され、今後の会合 で改めて検討が行われることに留意しました。 2004年4月 14. MDGsおよび関連する開発目標を達成するため 1. ドーハ、モンテレー、およびヨハネスブルグで合 には、本会合で議論されなかったものも含めて、あ 意された戦略と決定事項は、貧困と闘い、国際的に らゆる分野で進捗が達成されることが不可欠です。 合意されたミレニアム宣言の目標を達成するためのフ この観点から、われわれはMDGsを達成するための レームワークを提供するものでした。このフレーム 政策と行動に関するグローバル・モニタリングの実施 ワークは途上国が健全な政策とガバナンスを推進す 報告を歓迎しました。こうした情報は開発委員会が ること、先進国が協調と支援を強化することを前提と 188 世界銀行 年次報告 2004 しています。本日、われわれは第1回の「グローバ 世銀が途上国の投資環境の改善に取り組んでいるこ ル・モニタリング・レポート」に基づいて、各国の進捗 とを歓迎しました。次回会合では、民間セクターのビ 状況を評価しました。われわれは年1回の進捗評価 ジネス環境の改善状況が議論される予定です。前述 の優れた基盤となる本報告書の完成を歓迎しまし の通り、健全な政策環境のもとで実施されるインフラ た。今後は説明責任を強化し、開発パートナー間の 投資は、経済成長とMDGsの達成を根本から支援す 協力を拡大するために、優先分野の行動のモニタリ るものとなります。理事会ではインフラ行動計画の導 ングに焦点が当てられる予定です。 入状況が検討されました。次回の開発委員会会合で は、本計画の進捗状況に関する議論が行われること 2. 途上国では重要な改革が実施され、所得貧困が を期待しています。 大幅に削減されるなど、多くの分野で進捗が見られ ました。しかし、現在の状況が変わらないならば、ほ 5. 先進国は公約を果たすことによって、進捗が加 とんどの途上国、特にサハラ以南のアフリカの国々 速されるよう貢献しなければなりません。グローバル は、ほとんどのミレニアム開発目標(MDGs)1 を達成 経済を安定させ、公平で力強い経済成長を維持する できない可能性があることをわれわれは大いに憂慮 ことは前提条件です。世界的な成長を実現し、途上 しています。すべての関係者(途上国、先進国、国際 国の経済展望を好転させるためには、ドーハ開発ア 機関)は協調して努力を緊急に拡大し、MDGsに向け ジェンダを成功に導き、開発を促進する、時宜を得 た進捗を加速させなければなりません。 た結果を達成することが不可欠です。われわれは多 国間貿易交渉を前進させるための、建設的で確固と 3. 多くの途上国は、持続可能で包括的な成長を加 した努力に対するコミットメントを強調しました。また、 速する必要に迫られています。そのための施策とし 先進国が市場を自由化し、途上国にとって特に重要 ては、民間セクターのビジネス環境の改善、公的機 な農業、繊維、衣料品といった市場で、貿易歪曲的 関における改革、能力、および結果重視志向の強化、 な補助金を排除する努力を強化することの重要性を ガバナンスの質の向上、効果的なインフラ投資の拡 改めて強調しました。一方、途上国が貿易を円滑 大、保健・医療や教育をはじめとする基本的社会 化・自由化することの重要性も強調しました。われわ サービスへのアクセスの確保、HIV/エイズの蔓延防 れは世銀が引き続き貿易円滑化と統合フレームワー 止などがあります1。 クの促進に努めていることを歓迎すると共に、IMFが 「貿易統合メカニズム」を導入したことを歓迎しました。 4.  開発の優先順位は途上国が主体的に作成した、 このメカニズムは世界貿易体制への統合を進めてい モニタリング可能な開発戦略に基づいて、国ごとに る途上国にさらなる支援と安心を提供するものとな 決定されなければなりません。こうした戦略は低所得 る 予 定 で す。また 、わ れ わ れ は 世 銀 が 引き続き、 国の場合は「貧困削減戦略文書(PRSP)」に、中所得 キャパシティ・ビルディングや途上国の貿易イニシア 国(MIC)の場合は国家の戦略フレームワークに組み ティブを支援する形で融資を提供することを強く要請 込まれています。世銀はMIC支援を拡大しており、 しました。われわれは移住とそれに伴う労働者送金 開発委員会会合でも、いずれこの分野の進捗を検討 の重要性が高まっていることに留意し、さらなる活動 できることを期待しています。MDGsに向けた進捗を を通して、決定要因の分析と、開発効果を拡大する 加速するためには、経済成長のスピードと公平性を ような環境の整備を進めることを求めました。 改善することが重要です。このことから、われわれは 6. 援助を増額することも必要です。援助は予測可 1ミレニアム開発目標 :極度の貧困と飢餓の撲滅、初 (MDGs) 能で、時宜を得た、長期にわたる、より効果的なもの 等教育の完全普及、 ジェンダーの平等と女性のエンパワーメン であるべきです。われわれはODA拠出目標(GNPの ト、子供の死亡率の削減、妊産婦の健康の改善、HIV/エイズ、 を達成していない先進国に対し、 0.7%) 目標の達成 マラリアなどの疾病の蔓延防止、持続可能な環境作り、 グロー バルな開発パートナーシップの構築。 に向けた具体的な努力を行うよう強く要請しました。 第6章 世界銀行について 189 IDA第14次増資を実質的で時宜を得た合意に導くこ MDGアジェンダを拡大すること、特に適切な政策と とは、最貧国におけるパートナー機関の力強い、結 プログラムに信頼性の高い、効果的で、予測可能な 果志向の行動を支援するために、われわれが必要な 資金を提供することの可能性と課題が浮き彫りにな 資金の動員に全力で取り組んでいることを示す重要 りました。これまでの経験から、FTIが効果を発揮す な機会となります。 るためには、FTIを各国の貧困削減戦略に沿ったも のにする必要があることが分かっています。われわ 7. われわれは融資モダリティの進捗報告に留意し れは先進国と途上国の双方が、FTIを成功させるた ました。次回会合では援助の有効性、途上国の資金 めにさらなる努力を重ねるよう強く要請すると共に、 活用能力、結果重視の測定メカニズム、政策オプショ FTIの進捗状況を引き続きモニタリングするよう世銀 ン、 (国際的な融資 および追加資金の動員メカニズム 理事会に求めました。 ファシリテ に関する報告が行われるこ ィ、国際税など) とを期待しています。追加援助を確保するためには、 10. われわれはHIPCイニシアティブの実施状況を検 援助がプラスの結果をもたらしていることを証明しな 討し、本イニシアティブ成功のためには、すべての債 ければなりません。そのためにはローマで開催され 権者の参加が必要であることを再確認しました。これ た調和化ハイレベルフォーラムとマラケシュ合意の基 までに13カ国が完了時点に到達しているほか、14カ 本原則(途上国の結果重視マネジメント能力の強化な 国が決定時点に到達し、完了時点に向かっています。 ど)の実施努力を強化する必要があります。われわれ しかし、決定時点に到達していない、あるいはIMF は国際社会が合意した政策と、業務手続きや国レベ のプログラムのもとでトラック・レコード(実績記録)の ルの慣行の細部との乖離という問題に対処するため 積み上げを開始していない国も11カ国存在します。 に、OECD開発援助委員会(OECD/DAC)が他の開発 ここには紛争の影響を受けている国、長期にわたっ パートナーと共同で進めている活動を支持します。 て延滞債務を抱えている国も含まれます。われわれ は世銀とIMFに対し、こうした国々が現在の問題を解 8. 国際金融機関(IFIs)はモンテレー合意の実施に 決した暁には、債務救済を速やかに受けることがで 貢献する責任を負っているという認識も、本会合で きるよう支援することを強く要請しました。また、われ 再確認されました。IFIsに求められている主な活動 われは2004年末を期限とするHIPCサンセット条項の 分野としては、調和化、結果重視マネジメント、きめ オプションについても、慎重な検討がなされるよう強 細かな借入国対応などがあります。われわれは途上 く要請しました。 国のニーズを明らかにし、それに応えるべくさらに努 力を重ねるようIFIsに強く要請しました。途上国が置 11. 低所得国の債務持続可能性のフレームワーク案 かれている厳しい財政状況を勘案し、われわれは世 については、基本原則をおおむね支持すると共に、 銀が受託者責任とセーフガード基準を尊重しつつも、 その形式や実施による影響を明確化する必要性を指 事業コストを削減するために、新たな融資手段を検 摘しました。われわれは低所得国に対する資金が適 討し、組織を効率化し、融資手続きを簡略化するこ 切な条件(譲許性の程度、グラントの比率など)で提 とを奨励しました。 供されるようにするためには、借入国、債権者、およ びドナーが一貫性のある協調的なアプローチを採用 9. 2002年4月の開発委員会会合では、2015年まで する必要があることを強調しました。そのためには に初等教育を完全普及させ、2005年までに初等・中 HIPCイニシアティブを完全な形で実施することが不 等学校におけるジェンダーの平等を達成するために、 可欠です。また、われわれは低所得国が外因性の衝 「ファースト・トラック・イニシアティブ(FTI)」の導入が 撃に対処できるようにするための施策と手段をIMFと 承認されま 「万人のための教育」 世銀が検討していることを歓迎し、両機関が密接に した。FTIの目的は、 の達成を阻んでいるデータ、政策、能力、および資金 連携しながら、理事会において早期に議論するよう のギャップに対処することです。FTIの導入によって、 強く要請しました。 190 世界銀行 年次報告 2004 12. ブレトンウッズ機関の活動と意思決定に対する途 す。われわれはこの問題のあらゆる側面について世 上国と移行経済国の発言権と参加機会を拡大するこ 銀とIMFの理事会が報告を行い、2004年の年次総会 とは、引き続き大きな課題となっています。われわれ でさらなる議論を行うことを期待しています。 は前回の会合以降、特にキャパシティ・ビルディングの 分野で進捗があったことを歓迎しました。具体的には、 13. 次回の開発委員会会合は2004年10月3日にワシ アフリカ諸国の議長を支援するための「分析信託基 ントンDCで開催される予定です。 金」や、世銀の人材派遣プログラムなどが挙げられま 第6章 世界銀行について 191 囲み、図および表のリスト 囲み 図2.12 中東・北アフリカ地域:IBRDとIDAのセクター別 融資 2004年度 55 囲み1.1 開発経験の共有 17 図3.1 規制と労働生産性の相関関係 73 囲み2.1 HIV/エイズと戦うアフリカ 28 図3.2 途上国への長期資金流入額 (純額) 囲み2.2 カン トリー ・イ ノベーション・デー 34 1993–2003年 74 囲み2.3 PRSPプロセスの効果 39 図4.1 モニタリング:途上国の政策 89 囲み2.4 非融資活動に対する世銀のプログラム的アプ 図4.2 モニタリング:先進国の政策 89 ローチ 41 図4.3 モニタリング:開発機関の支援 90 囲み2.5 ホンジュラスの小さな農村を支援する道路プロ 図4.4 実施中のプロジェク ト(地域別) 2004年6月30 ジェク ト 48 日現在 91 囲み2.6 CSOと協力してヨルダン川西岸・ガザ地区に雇 図4.5 実施中のプロジェク ト(テーマ別) 2004年6月 用を創出する 53 30日現在 91 囲み3.1 貿易:国レベルの成果 60 図4.6 実施中のプロジェク ト(セクター別) 2004年6月 囲み3.2 根本的問題と しての障害 64 30日現在 91 囲み3.3 開発におけるカーボン・ ファイナンスの有効性 図4.7 プロジェク ト結果の満足度 1974–2004年度 67 92 囲み3.4 インフラサービス提供の革新的なアプローチ 図5.1 一人当たり国内総生産 (GDP)指標 71 1993–2003年度 99 囲み3.5 事業環境分析プロジェク ト2004 73 図5.2 IBRDとIDAの地域別融資 2004年度 103 囲み3.6 電子金融のリスク 77 図5.3 IBRDとIDAのテーマ別融資 2004年度 103 囲み3.7 イラクの法環境の改善 80 図5.4 IBRDとIDAのセクター別融資 2004年度 103 囲み4.1 結果重視型CAS 85 図5.5 IBRDの地域別融資 2004年度 105 囲み5.1 国別ニーズへの対応 102 図5.6 IBRDのテーマ別融資 2004年度 105 図5.7 IBRDのセクター別融資 2004年度 105 図 図5.8 資産利益率 (ROA) 推移 106 図1.1 1日1ドル未満、2ドル未満で生活する人々の割合 図5.9 資本/貸出比率 2004年6月30日現在 107 16 図5.10 借入金および投資額 2004年6月30日現在 図1.2 援助額は増加傾向にあるが、必要額にははるか 107 に満たない 17 図5.11 2004年度の純営業利益16億7500万ドルの配分 図1.3 途上国のビジネス環境は改善傾向 17 案 108 図1.4 途上国住民の参画機会は拡大傾向 18 図5.12 IDAの地域別融資承認額 2004年度 109 図2.1 アフリカ地域:IBRDとIDAのテーマ別融資 図5.13 IDAのテーマ別融資承認額 2004年度 109 2004年度 31 図5.14 IDAのセクター別融資承認額 2004年度 109 図2.2 アフリカ地域:IBRDとIDAのセクター別融資 図5.15 IDAの資金源 110 2004年度 31 図5.16 社会セクターに対するIDA援助の増大 110 図2.3 東アジア・大洋州地域:IBRDとIDAのテーマ別 図5.17 重債務貧困国 (HIPC)に対する債務救済:債務 融資 2004年度 36 額の削減と債務返済比率の改善 111 図2.4 東アジア・大洋州地域:IBRDとIDAのセクター 図5.18 重債務貧困国イニシアティ ブの実施前と実施後 別融資 2004年度 36 の貧困削減支出の推移 111 図2.5 南アジア地域:IBRDとIDAのテーマ別融資 図5.19 信託基金に対する拠出額と融資実行額 2004年度 40 2000–04年度 113 図2.6 南アジア地域:IBRDとIDAのセクター別融資 2004年度 40 表 図2.7 ヨーロッパ・中央アジア地域:IBRDとIDAのテー 表2.1 アフリカ地域に対するテーマ別、 セクター別融資 マ別融資 2004年度 45 1995–2004年度 31 図2.8 ヨーロッパ・中央アジア地域:IBRDとIDAのセク 表2.2 東アジア・大洋州地域に対するテーマ別、 セク ター別融資 2004年度 45 ター別融資 1995–2004年度 36 図2.9 ラテンアメ リカ ・カリブ海地域:IBRDとIDAの 表2.3 南アジア地域に対するテーマ別、 セクター別融 テーマ別融資 2004年度 50 資 1995–2004年度 40 図2.10 ラテンアメ リカ ・カリブ海地域:IBRDとIDAのセ 表2.4 ヨーロッパ・中央アジア地域に対するテーマ別、 クター別融資 2004年度 50 セクター別融資 1995–2004年度 45 図2.11 中東・北アフリカ地域:IBRDとIDAのテーマ別 表2.5 ラテンアメ リカ・カリブ海地域に対するテーマ別、 融資 2004年度 55 192 世界銀行 年次報告 2004 略語 セクター別融資 1995–2004年度 50 AML/CFT マネーロンダリング防止・テロ資金対策 表2.6 中東・北アフリカ地域に対するテーマ別、 セク CAS 国別援助戦略 ター別融資 1995–2004年度 55 CIS 独立国家共同体 表4.1 MDGs関連の世銀融資 2004年度 90 CODE 開発効果委員会 表5.1 経済・セクター調査 (ESW)の成果物 COGAM 統治・理事行政管理委員会 2003–2004年度 101 CSO シビルソサエティ組織 表5.2 世界銀行によるテーマ別、 セクター別の融資 ESW 経済・セクター調査 1995-2004年度 104 FIAS 外国投資助言サービス 表5.3 世界銀行による構造調整融資承認額 GDP 国内総生産 2001–2004年度 106 GEF 地球環境ファシリティ 表5.4 IBRDの財務データの概要 107 GFATM 世界エイズ・結核・マラリア対策基金 表5.5 信託基金ドナーの上位10カ国・機関 113 GNI 国民総所得 表6.1 世銀融資適格国 136 HIPC 重債務貧困国 表6.2 アフリカ地域に対する世銀の融資承認額、融資 HIV/AIDS ヒ ト免疫不全ウィルス/後天性免疫不全症 実行額、 および純移転額 1999–2004年度 候群 138 IBRD 国際復興開発銀行 表6.3 東アジア・大洋州地域に対する世銀の融資承認 ICSID 投資紛争解決国際センター 額、融資実行額、 および純移転額 1999–2004 IDA 国際開発協会 年度 138 IDA14 IDA第14次増資 表6.4 南アジア地域に対する世銀の融資承認額、融資 IFC 国際金融公社 実行額、 および純移転額 1999–2004年度 IMF 国際通貨基金 139 I-PRSP 暫定貧困削減戦略文書 表6.5 ヨーロッパ・中央アジア地域に対する世銀の融 ITF イラク信託基金 資承認額、融資実行額、 および純移転額 LDC 後発開発途上国 1999–2004年度 139 LICUS 切迫した状況にある低所得国 表6.6 ラテンアメ リカ・カリブ海地域に対する世銀の融 MAP 多国間エイズ・ プログラム 資承認額、融資実行額、 および純移転額 MDGs ミ レニアム開発目標 1999–2004年度 140 MIGA 多数国間投資保証機関 表6.7 中東・北アフリカ地域に対する世銀の融資承認 NEPAD アフリカ開発のための新パー トナーシップ 額、融資実行額、 および純移転額 1999–2004 OECD 経済協力開発機構 年度 140 OED 業務評価局 表6.8 2004年度に承認された融資 アフリカ地域 PRSP 貧困削減戦略文書 141 PSIA 貧困・社会影響分析 表6.9 2004年度に承認された融資 東アジア・大洋州 SARS 重症急性呼吸器症候群 地域 149 SDRs 特別引出権 表6.10 2004年度に承認された融資 南アジア地域 SWAps セクターワイ ドアプローチ 153 TSS 移行支援戦略 表6.11 2004年度に承認された融資 ヨーロッパ・中央 UNAIDS 国連合同エイズ計画 アジア地域 157 WBI 世界銀行研究所 表6.12 2004年度に承認された融資 ラテンアメ リカ ・ WTO 世界貿易機関 カリブ海地域 163 表6.13 2004年度に承認された融資 中東・北アフリカ 地域 169 表6.14 2004年度に承認されたIBRD・IDA融資 (地域別) 172 表6.15 2004年度に承認されたIBRD・IDA融資 (ネット ワーク別) 175 表6.16 1990年度以降に承認されたIBRD・IDA融資の累 計(セクター ・テーマおよび地域別) 2004年6月 30日 179 表6.17 IBRD・IDA融資の累計 (国別) 2004年6月30日 181 表6.18 構造調整融資 2004年度 184 表6.19 プログラム別支出 2000–2004年度 185 世界銀行 年次報告 2004 193 索引 A‑Z 欧州連合(EU) , 12, 41, 42, 93  CODE (開発効果委員会) , 5, 6  オーストラリア, 73  COGAM (統治・理事行政管理委員会) , 5, 6  汚職問題, 81  G‑20(途上国グループ) , 78  オランダ, 24, 59, 67, 73  GDLN (グローバル・デ ィベロップメ ン ト・ ラーニング・ネットワーク)セ ンター, 35, 102  か HIV/エイズ, 4, 12, 14, 62, 63 ガーナ, 19, 28, 62, 64, 75, 81, 94, 112 IDAの役割, 108–109 カーボヴェルデ, 60  教育問題, 61 カーボン ・ ファ イナンス事業, 67  ジェン ダー問題, 59 ガイアナ, 47, 112  地域別報告, 28, 30, 35, 39, 43, 49, 54 外国投資助言サービス (FIAS) , 73, 75  若者と開発, 64  開発アジェン ダ, 14–23 SARS (重症急性呼吸器症候群) , 35  PRSP, 20 国別援助戦略 (CAS) , 18, 19 あ グローバル・パー トナーシップとグローバル・ プログラム, 22–23 アジア開発銀行, 33, 39  情報の共有と普及, 23 アジア太平洋経済協力会議, 35  進捗のモニタリ ング, 15–16 アゼルバイジャン, 42  切迫した状況にある低所得国 (LICUS) イニシアテ ィ ブ, 20–21 アフガニスタン, 37–39, 102, 113  中所得国, 21–22 アフリカ, 16, 27, 28, 31, 62, 63, 65, 73, 74, 87, 95, 98, 101, 110, 112, 低所得国, 19–21 114  貧困削減, 17–18 アフリカ開発会議 (東京) , 28  ミレニア ム開発目標(MDGs) , 14 –16 アフリカ開発のための新パー トナーシップ (NEPAD) , 28  開発委員会, 6, 186–191 アフリカのための戦略的パー トナーシップ, 28  開発グラン ト ・ファシリテ ィ, ii, 7  アラブ首長国連邦, 52  開発合意融資, 59  アルゼンチン, 19, 46, 47, 48, 64, 100  開発の有効性, 84 –95 アルバニア, 42, 43, 73  CODE (開発効果委員会) , 5, 6 アルメニア, 19, 42, 93  結果重視マネジメ ン ト, 84 –86 アンゴラ, 21, 73  政策・手続きの簡略化と調和化, 86 –87  ミレニア ム開発目標 (MDGs) , 84, 87–90 い 開発への参加, 18, 29, 33–34, 38–39, 43, 48, 53–54 委員会, 5  カザフスタン, 42  イエメ ン共和国, 54, 60, 83  河川盲目症 (回旋糸状虫症) , 1  イスラム開発銀行, 93  カナダ, 73 イタリア, 44, 67  ガバナンス (「政治、 ガバナンス、 および戦争」 の項を参照) イノベーショ ン・デー, 34  ガバナンスに関するヒルズ・ プログラム, 33  イラク, 12–13, 19, 51–52, 80, 114  カメルーン, 19, 94  イラン・ イスラム共和国, 52, 54, 58, 67  カリブ諸国 (「ラテンア メ リカ ・ カリブ海地域」 の項を参照) インド,  23, 25, 37, 38, 39, 56, 59, 63, 64, 66, 76, 78, 95, 100, 101, 109 環境問題 インドネシア, 32, 35, 60, 73, 100  GEF(地球環境ファシリテ ィ) , 113 インフラ, 69–71,( 「水と衛生」 の項も参照) 環境ネ ットワーク, 101 インフラ行動計画, 13, 69, 70 気候変動のための後発開発途上国 (LDC) 基金, 114 地域別報告, 29, 33, 37, 38, 44, 48, 52, 54 持続可能な開発, 65– 68 農村開発, 65–66 地域別報告, 35, 44, 49 弱い立場にある人々の保護, 64  水と衛生, 38, 39, 44, 47, 53, 54, 66, 88  韓国, 33  う 監査委員会, 5–6, 7  ウガン ダ, 14, 23, 60, 66, 75, 101, 112  カンボジア, 34, 35, 60, 64, 66, 71, 73, 80  ウクライナ, 19, 42, 43, 60, 94  ウズベキスタン, 42 き ウルグア イ, 46  企業ガバナンスに関する国際会議, 75  運輸(「インフラ」 の項を参照) 気候変動のための後発開発途上国 (LDC)基金, 114  技術支援プログラム, 47, 51, 74 –75, 78 え 規制の負担, 73  英国, 35, 41, 57, 114  北アフリカ (「中東・北アフリカ地域」 の項を参照) エイズ( 「HIV/エイズ」 の項を参照) ギニア, 56, 60  栄養, 63  キプロス, 12, 41  エクア ドル, 48, 60, 100  教育問題, 61–63 エジプト ・ アラブ共和国, 23, 52, 83  HIV/エイズ, 61 エストニア, 12, 41  MDGs, 87, 90 エチオピア, 23, 24, 60, 64, 66, 112  WBIの活動, 102  エネルギー (「環境問題」 「インフラ」 の項を参照) 地域別報告, 29, 34–35, 37–39, 43, 48, 51– 54 エリトリア, 59  万人のための教育 (EFA) ファース ト・トラック ・イニシアティブ, 43, エルサルバドル, 48  61, 113 協調融資, 114  お 業務評価局 (OED) , 5, 19, 91– 94  欧州委員会, 114  キルギス共和国, 42, 43  欧州復興開発銀行, 73  金融(「経済・ ビジネス環境」 の項を参照) 欧州ユースフ ォーラム, 13  金融セク ター学習プログラム, 76, 77  194 世界銀行 年次報告 2004 く 国際貧困撲滅会議 (上海) , 4, 12, 17, 102  グアテマラ, 48, 49, 81  国際復興開発銀行 (IBRD) , ii, 8, 103–108 クウェート, 51, 52  開発委員会, 6 国別援助戦略 (CAS) , 4, 7, 18, 19, 22;  グローバル・ プログラムとグローバル・パー トナーシップ, 7 結果重視マネジメ ン ト, 85 地域別の融資承認額, 29, 31, 33, 36, 38, 40, 42, 45, 47, 50, 52, 55  ジェン ダー問題, 59 理事会の責任, 5 地域別報告, 32, 37, 42, 46  国際労働機関 (ILO) , 81  評価, 93 国内総生産 (GDP) , 28, 30, 37, 46, 70, 98, 99  国別政策・制度評価, 21  国連 クリントン財団, 4, 12, 62  安全保障理事会でのジェームズ・D・ ウォルフェンソン総裁の グルジア, 43, 100  演説, 12 グレナダ, 48  結果重視型の移行フレームワーク とドナー ・パートナーシップ, 21  クロアチア, 41, 44, 93  合同イラクニーズ・ アセスメ ン ト, 12, 51 グローバル・モニタリ ング・ レポー ト, 3, 6, 12, 15, 84, 87–90  国連合同エイズ計画 (UNAIDS) , 43, 62 国連児童基金 (UNICEF) , 4, 12, 62 け ジェン ダー問題, 59, 81 経済協力開発機構 (OECD) , 21, 22, 29, 41 先住民族, 68 インフラ, 70 パートナーシップ, 22 簡略化と調和化の努力, 87  ポリオ撲滅プログラム, 113 政治とガバナンス, 59 コスタリカ, 19, 46, 81  民間セク ター開発, 75 コソボ, 6, 19, 42, 43  経済・セク ター調査 (ESW) , 51, 72, 91, 98, 100–101 コロンビア, 23, 46, 47, 48, 66, 76, 95, 97  経済・ ビジネス環境, 17–18, 22, 60 コンゴ共和国, 19  インフラ, 69 –70 コンゴ民主共和国, 19, 109  財政改革, 58 –59 地域別報告, 29, 32, 35, 37, 38, 41–43, 46, 47, 51–53  さ 途上国の金融システムの構築, 76–78 採掘産業レビュー, 95  ミクロ経済要因, 38, 47, 72 債務救済, 4, 6( 「重債務貧困国 (HIPC) イニシアティブ」の項も 民間セク ター開発, 17–18, 22, 72–75 参照) 結核, 4, 12, 35, 59, 62  債務の持続可能性, 110 –112  結果重視型の移行フレームワーク, 21  サウジアラビア, 51, 52  結果、測定、 およびモニタリ ング 査閲パネル, 94  MDGsに向けた進捗, 87, 90 サモア, 6, 33  OED(業務評価局) , 5, 19, 91– 93  ザンビア, 19, 64, 82, 94  外部評価, 95 結果重視マネジメ ン ト, 84 – 85 し 査閲パネル, 94 ジェームズ・D・ ウォルフェンソン, ii, 2–4, 12, 13  世銀内部の質保証プロセス, 90 – 94 シエラレオネ, 23, 59  ケニア, 19, 29, 59, 60, 66, 81, 82  ジェン ダー問題, 39, 51, 59, 81, 87  研究活動, 72–74, 98–100  事業環境分析プロジェク ト2004, 72, 75  資金流入額, 3, 16, 17 こ 自然災害後の救援, 33, 52, 77  合同イラクニーズ・ アセスメ ン ト, 12, 51 持続可能な開発, 65–68  合同プロジェク ト, 7, 22–23, 86, 114  質保証グループ, 90 – 91 高齢者 (弱い立場にある人々) , 64  児童と若者, 2, 3, 13, 47, 54, 64  コー トジボワール, 13  シビルソサエテ ィ組織 (CSO) , 6, 14, 22;  国際開発協会 (IDA) , ii, 8, 103, 108 –10 ABCDEヨーロッパ会議, 12 PRSPに沿った援助, 19, 20 CAS(国別援助戦略) , 19 援助額の引き上げ, 4 地域別報告, 28, 34, 35, 53, 54  譲許的融資, 20 ジブチ, 54, 59, 60, 101  第14次増資, 13, 20, 86 司法制度の近代化, 79 – 81, 87  地域別の融資承認額, 29, 31, 33, 36, 38, 40, 42, 45, 47, 50, 52, 55, 社会開発, 67– 68  109  ジャマイカ, 47, 82  貧困削減戦略文書, 4 重債務貧困国 (HIPC) イニシアテ ィ ブ, 4, 6, 20, 111–112 民間開発プログラム, 74 HIV/エイズ, 62 理事会の責任, 5 IBRDの支援, 108 国際協力銀行, 33  地域別報告, 30, 47  国際金融公社 (IFC) , ii, 9, 22, 74, 75, 95  準拠ア ドバイザー ・ オンブズマン, 95  国際送金, 77  障害, 64  国際通貨基金 (IMF) 譲許的融資, 20 アプローチの共通化, 93 情報公開センター, 23, 35  グローバル・モニタリ ング・ レポー ト, 3, 6, 12, 15 情報の共有と普及, 23  国家金融システム開発, 78 助言サービス, 74–75, 78, 98, 102  財政の管理, 59  女性, 51, 59, 81, 87  低所得国における長期的債務持続性, 7 処方薬に対するグローバルなアクセス, 4, 12  年次総会, 2 シンガポール, 33, 57, 73  パー トナーシップ, 22 人口問題, 3, 63  法律制度の近代化, 79–80 人事委員会, 5, 6  ヨーロッパ・ 中央アジア地域における金融セク ター評価 信託基金, 112–114 プログラム, 42 世界銀行 年次報告 2004 195 す て スウェーデン, 24 低所得国, 19–21, 88  スーダン, 19, 21  ディベロップメ ント・マーケットプレース, 13  スリランカ, 19, 37, 38, 39, 60, 87  テロ, 78  スロバキア共和国, 12, 19, 41, 42  電子金融, 77  スロベニア, 2, 12, 41  と せ ドイツ, 57, 80  政治、 ガバナンス、 および戦争, 58–59 東京プロジェク ト, 35  汚職問題, 81 統計能力育成プログラム, 12  規制の負担, 73 統合フレームワーク (IF) イニシアテ ィ ブ, 60  社会開発, 67  投資紛争解決国際センター (ICSID) , ii, 9  地域別報告, 30, 37, 41, 42, 51, 53 東南アジア諸国連合 (ASEAN) , 35  法律・司法制度の近代化, 79 –80, 87 ドーハ開発アジ ェ ン ダ, 13, 15, 59  セイラ ・ プログラム, 34  独立国家共同体 (CIS) , 41, 42  セーシェル, 60  ドミニカ共和国, 19, 60  世界エイズ・結核・マラリア対策基金 (GFATM) , 4, 12, 62, 113  トルコ, 19, 41, 42, 43, 44, 66, 75, 77, 96, 97  「世界開発報告」 , 98, 100  世界銀行開発経済年次会議 (ABCDE) , 12  な 世界銀行グループの組織・機関, 8– 9  ナイジェリア, 25, 60, 64, 75, 81, 102  世界銀行研究所 (WBI) , 101–102  世界銀行の歴史 に 2004年度の概観, 12–13 ニカラグア, 47, 99, 112  年表 (1940–現在) , 10–11, 24 –25, 56–57, 82–83, 96–97, 115–117 西アフリカ経済通貨同盟, 78  世界スカウ ト機構, 13  ニジェール, 112  世界貿易機関 (WTO) , 22, 35, 60  日本, 24, 33, 35, 56, 57, 82, 112  世界保健機関 (WHO) , 12  世銀協定, 5  ね 世銀組織の評価, 92  ネパール, 37–39, 60  世銀融資適格国 (地域別) , 28, 32, 37, 41, 46, 51  年次総会(ドバイ) , 2, 13  セク ターワ イドアプローチ (SWAps) の採用, 110  年次報告の作成, ii, 5  切迫した状況にある低所得国 (LICUS) , 4, 13, 18, 19, 20, 21  セネガル, 60, 75, 112 の セルビア ・モンテネグロ, 6, 19, 42, 44  農業, 65–67  先住民族, 48, 68  農村開発, 65–67, 70  先進国と途上国の責任, 4  ノルウェー, 59  戦争 (「政治、 ガバナンス、 および戦争」 の項を参照) セン トビンセン トおよびグレナデ ィ ーン諸島, 49  は セン トルシア, 49  バーゼル合意, 76, 77  戦略フレームワーク, 6  パートナーシップ, 7, 22–23, 86, 114  バーレーン, 51  そ ハイチ, 13, 21  総務会, 5, 118–120 パキスタン, 19, 25, 37, 38, 39, 56, 60, 64, 83, 100, 109  ソマリア, 13, 21  はしか, 64  パプアニューギニア, 57  た パラグア イ, 19, 46, 48  タイ, 14, 25, 66  パレスチナ, 19, 52, 53, 113  大洋州 (「東アジア ・大洋州地域」 の項を参照) 汎アメリカ保健機構, 81  台湾, 33  ハンガリー, 12, 41  多国間エイズ・ (MAP) プログラム , 28, 62  バングラデシュ, 37, 38, 39, 66, 109  タジキスタン, 42, 43, 59, 60  多数国間投資保証機関 (MIGA), ii, 9, 22, 71, 95  ひ タンザニア, 63, 75, 112  東アジア ・大洋州地域, 16, 27, 32–36, 73, 87, 88, 95, 98, 101, 109  東テ ィモール, 21  ち ビジネス (「経済・ ビジネス環境」 の項を参照) チェコ共和国, 12, 41  貧困削減支援融資, 20, 37, 39, 41, 43, 47  地球環境ファシリテ (GEF) ィ , 113  貧困削減戦略文書 (PRSP) , 4, 6, 7, 20, 58 知識サービス, 22, 42, 51, 52, 76–78, 98–103  HIV/エイズ, 62 チャド, 19, 59  MDGs, 63 中央アフリカ共和国, 21  ジェン ダー問題, 59 中央ア メ リカ自由貿易協定, 60  地域別報告, 28, 39, 42, 54  中国, 32–35, 56, 64, 75, 93, 96, 97, 98, 100, 102  貧困・社会影響分析 (PSIA) , 58  中所得国, 12, 21, 88  貧困と貧困削減, 2– 4, 6 –7, 14, 17–18  中東・北アフリカ地域, 16, 27, 51–55, 87, 98, 101, 102  中東・北アフリカ地域の失業問題, 51, 53  チュニジア, 19, 53, 56, 60, 76, 82, 93  チリ, 11, 46, 48, 81  196 世界銀行 年次報告 2004 ふ 中所得国に対する支援, 21–22 フィリピン, 34, 35, 60, 66, 95, 100 リスト, 15 フィンランド, 24, 83  ミレニア ム・サミ ット(ニューヨーク、2000年) , 3  ブータン, 38, 39  ミレニア ム・サミ ットのレビュー、2005年, 17 プエルト リコ, 73  民間セク ター開発, 17–18, 22, 72–75  ブラジル, 13, 14, 19, 46– 49, 59, 67, 73, 74, 75, 76, 83, 94, 100  フランス, 11, 57  め ブルガリア, 41  メキシコ, 19, 46, 47, 48, 76, 81, 87, 95, 100  ブルキナファソ, 28, 62, 112  ブルンジ, 60  も 紛争後基金, 13, 30, 68 モーリタニア, 60, 79, 80, 112  紛争後進展指標, 21  モザンビーク, 13, 19, 28, 62, 94, 112  紛争後地域のための移行支援戦略, 19  モルドバ, 42, 43, 44  紛争の削減 (「政治、 ガバナンス、 および戦争」 「紛争後〜」 の項を参 モロッコ, 54, 79, 86  照) モンゴル, 19, 32, 34  モンテレー合意, 4, 15, 16, 23, 88, 89  へ 米国, 57, 73  ゆ 米州開発銀行, 47, 114  ユーゴスラビア, 24  米州機構 (OAS) , 81  融資 (「債務救済」 の項も参照) 米州サミ ッ ト, 73  2004年度における活動, 103 ベトナム, 6, 19, 23, 32, 34, 35, 109  2004年度の新たな試み, 110 ベナン, 19, 112  MDG関連, 90 ベネズエラ ・ボリバル共和国, 46, 81  環境, 66 ペルー, 25, 46, 47, 48, 74, 81  譲許的融資, 20 地域別報告, 31, 32, 36, 37, 40–41, 45, 46, 50, 51, 55 ほ テーマ・セク ター別融資 (1995–2004年) , 31, 36, 40, 45, 50, 55, 104  ボアオ ・アジア ・ フ ォーラム, 35  途上国の金融システムの構築, 78 貿易交渉, 3, 13, 59–60  民間セク ター開発, 74–75 貿易促進イニシアテ ィ ブ, 60  融資政策の簡素化と近代化, 12 法制度の整備, 79–81, 87  輸送と貿易のための貿易円滑化パー トナーシップ, 60  ポーラン ド, 12, 41, 42, 43, 87, 101  保健・医療問題, 63–64( 「HIV/エイズ」 の項も参照) よ MDGs, 87–88 ヨーロッパ・ 中央アジア地域, 16, 27, 41–45, 63, 71, 98, 101  世界保健機関 (WHO) , 12 予算, ii, 7  地域別報告, 35, 38, 49, 54 予算委員会, 5, 6  ボスニア ・ヘルツ ェゴビナ, 6, 93  ヨハネスブルグ会議, 12, 15  ポリオ撲滅プログラム, 113  ヨルダン川西岸・ ガザ地区, 19, 52, 53, 113  ボリビア, 19, 23, 46, 49, 112  弱い立場にある人々の保護, 64  香港, 33  ホンジュラス, 47, 48, 56, 59, 81  ら ラオス人民民主共和国, 6, 34, 35, 59  ま ラテンア メ リカ・カリブ海地域, 16, 26, 46–50, 60, 62, 63, 73, 76, 81, 95, マケドニア旧ユーゴスラビア共和国, 19, 42  98, 114  マダガスカル, 19, 60, 102  ラトビア, 12, 23, 43  マネーロン ダリ ング防止・テロ資金対策(AML/CFT), 78  マラウイ, 60  り マラリア, 4, 12, 59, 62  理事会, ii, 5–7, 121–122 マリ, 19, 60, 63, 66, 112  理事会の受託者責任, 7  マルタ, 12, 41  リトアニア, 12, 41, 42  マレーシア, 32, 60, 76  リベリア, 13, 19, 21  み る ミクロ経済要因, 38, 47, 72  ルーマニア, 41, 42, 44  水と衛生, 38, 39, 44, 47, 53, 54, 66, 88  ルワンダ, 66, 93  南アジア地域, 16, 27, 37–40, 65, 73, 87, 95, 98, 109, 110, 114  南アフリカ, 24, 71, 76  れ 南ア メリカ( 「ラテンア メ リカ ・ カリブ海地域」 の項を参照) レソト, 60  ミレニア ム開発目標 (MDGs) , 3–4, 12, 15–16, 61;  レバノ ン, 53  IDAの役割, 108 MDGsを達成する費用, 90 ろ PRSP, 20, 63 ロシア連邦, 41, 42, 43, 60, 94  インフラ, 69 ロマ族, 42, 43  「開発におけるパー トナーシップ」 , 23 核心を成す保健・医療サービス, 63 わ グローバル・モニタリ ング・ レポー ト, 6, 87, 90 若者と開発に関する問題, 3, 13, 47, 54, 64 結果重視マネジメ ント, 84 債務救済, 111–112 社会開発, 67–68 地域別報告, 28, 37, 41, 43, 44, 49 世界銀行 年次報告 2004 197 世界銀行の 「インフォショップ」 は、開発経済関連の文献 写真提供者 表紙−Giacomo Pirozzi, Panos を幅広く揃えたブックス トアであると同時に、世銀のプロ 1頁−Patricia Hord, Patricia Hord Graphik Design ジェクトに関する情報センターでもあります。インフォショ ッ 2頁−世界銀行/Damian Sean Milverton プには世界銀行、国際機関、NGOなど、 さまざまな組織が 3頁−Jean-Yves Zana, Studio de Chaillot, Paris 5頁−世界銀行/Frank Vincent 発行する出版物 (6000種類以上)のほか、世銀の情報公開 8頁−Alex Baluyut 政策に基づいて公開されている文書、およびビデオ、CD‑ 8頁−Ed Kashi, A Day in the Life of Africa ROM、ギフトなども揃っています。また、 インフォショップで 9頁−Anvar Ilyasov, Panos 9頁−世界銀行/Judith Pearce は定期的に出版物関連のイベン ト、展示会、セミナー、およ 9頁−世界銀行フォ トライブラリ びレセプションを開催しています。インフォショップに設置 10頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ 11頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ されたコンピュータ 「インフォステーション」 を使って、世界 13頁−世界銀行/Mittpheap You 銀行のウェブサイ トにアクセスすることも可能です。身体障 14頁−世界銀行フォ トライブラリ 害者の方にもご利用いただけるよう、 インフォステーション 15頁−世界銀行フォ トライブラリ 18頁−世界銀行フォ トライブラリ には各種の支援ソフ トウェアがインス トールされています。 18頁−世界銀行フォ トライブラリ 情報の一部は世界各地の現地事務所に設置された情報公 19頁−世界銀行フォ トライブラリ 開センター(PIC)および図書館からも入手することができま 19頁−世界銀行フォ トライブラリ 20頁−世界銀行フォ トライブラリ す。ウェブサイトでは常時、 出版物の検索や注文が可能です。 20頁−世界銀行フォ トライブラリ 21頁−世界銀行フォ トライブラリ 21頁−世界銀行フォ トライブラリ インターネット:www.worldbank.org/infoshop 22頁−世界銀行フォ トライブラリ 電子書店 (e‑bookstore) :www.worldbankinfoshop.org 23頁−世界銀行フォ トライブラリ 住  所: 701 18th St., NW Washington, D.C. 20433 23頁−世界銀行フォ トライブラリ 24頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ (18th St.とPennsylvania Ave.の角、 25頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ 月〜金の午前9時〜午後5時) 29頁−世界銀行グループアーカイブ Eメール: infoshop@worldbank.org(ご注文) 、 30頁−世界銀行/Arne Hoel 33頁−世界銀行グループアーカイブ (お問い合わせ) pic@worldbank.org 34頁−世界銀行 (マニラ) 電  話: 202‑458‑4500 (午前9時30分〜午後3時30分) 38頁−世界銀行グループアーカイブ 39頁−世界銀行フォ トライブラリ ファックス: 202‑522‑1500 42頁− Jaroslav Cucak 43頁− Stan Constantio PICヨーロッパ 44頁−世界銀行グループアーカイブ 47頁− Programa de Caminos Rurales, Peru 66 Avenue d’lena 48頁−世界銀行グループアーカイブ 75116 Paris, France 49頁− Scott B. Wallace 電  話:40.69.30.26 52頁− Curt Carnemark 53頁− Tomas Sennett ファ ックス:40.69.30.69 56頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ E メール:pparis@worldbank.org 57頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ 58頁−世界銀行グループアーカイブ 59頁−世界銀行フォ トライブラリ PIC東京 61頁−世界銀行フォ トライブラリ 〒100‑0011 63頁−世界銀行グループアーカイブ 65頁−世界銀行フォ トライブラリ 東京都千代田区内幸町2‑2‑2 富国生命ビル1階 66頁−世界銀行グループアーカイブ 電  話: 03‑3597‑6650 69頁−世界銀行フォ トライブラリ ファ ックス: 03‑3597‑6695 70頁−世界銀行グループアーカイブ 72頁−世界銀行フォ トライブラリ E メール: ptokyo@worldbank.org 74頁−世界銀行グループアーカイブ 76頁−世界銀行グループアーカイブ 77頁− Ed Kashi, A Day in the Life of Africa © 2004年 79頁− Monika Pottgiesser The International Bank for Reconstruction and  80頁−世界銀行フォ トライブラリ Development / THE WORLD BANK 82頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ 83頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ 1818 H Street, NW 85頁−世界銀行フォ トライブラリ Washington, D.C. 20433 USA 86頁−世界銀行フォ トライブラリ 87頁− Curt Carnemark 88頁−世界銀行フォ トライブラリ すべての権利は留保されています。 89頁−世界銀行フォ トライブラリ 92頁−世界銀行フォ トライブラリ 93頁− Quintalhano dos Santos, A Day in the Life of Africa 本書中の地図に示されている国境、色、名称などの情報は、 94頁− Ed Kashi, A Day in the Life of Africa それぞれの地域の法的地位に対する世銀グループの意見 96頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ や、こうした国境に対する支持あるいは承認を示すものでは 97頁−(すべて) 世界銀行グループアーカイブ 99頁−世界銀行/Aquiles Almansi ありません。 100頁−世界銀行フォ トライブラリ 101頁−世界銀行フォ トライブラリ 102頁−世界銀行/Michael Foley 権利、 ライセンス、 および認可に関するお問い合わせは下 111頁− Shehzad Noorani 記へお送り ください。 112頁−世界銀行フォ トライブラリ World Bank 115頁−(ブータン部分) 世界銀行フォ トライブラリ 115頁−(その他) 世界銀行グループアーカイブ Office of the Publisher 116頁−(左上から時計回り) 世界銀行グループアーカイブ、Jean-Yves 1818 H Street NW Zana, Studio de Chaillot, Paris、世界銀行フォ トライブラリ、世 Washington, D.C. 20433 界銀行フォ トライブラリ、Simone D. McCourtie 117頁−(左上から時計回り) 世界銀行フォ トライブラリ、世界銀行フォ Fax: 202‑522‑2422 トライブラリ、Michele Iannacci、Michele Iannacci、世界銀行 E メール: pubrights@worldbank.org フォ トライブラリ 編集長: 付録CD‑ROMのご利用方法 Cathy L. Gagnet、世界銀行出版部 CD‑ROMの起動: 「世界銀行年報2004 日本語版」 CD‑ROMをCD‑ROMドライブに挿入するとタイ トル 副編集長 が自動的に起動します。起動しない場合は 「マイコンピュータ」 からCD‑ROMアイ Caroline L. Banton、世界銀行出版部 コン「About the World」を開き「WB Annual Report 2004.pdf」 をダブルクリックして T. Scott Brown、世界銀行出版部 起動してく ださい。ご使用の環境にAdobe Readerがインス トールされていない場合は、 アドビシステムズ社のサイ ト(http://www.adobe.co.jp/)よりAdobe Readerをダウン 寄稿編集者 ロードし、 インス トールしてください。 Barbara S. Karni 表示エリアのサイズ変更: 制作 「しおり」 カーソルを タブの右側にある垂直方向のバーに合わせます。カーソルが矢印 Cindy A. Fisher、世界銀行出版部 マークに変わったら、マウスをクリックしたまま、希望の方向 に動かします。 (右か左) Monika D. Lynde、世界銀行出版部 表タイトルの全文表示: Melissa Edeburn、世界銀行出版部 「しおり」タブで当該タイトルの上にカーソルを合わせると、タイトルの全文がポップ アップ表示されます。 プロジェクト・アシスタント Cesar A. Gordillo エクセルファイルの開き方: 「しおり」タブ上の青色のリンクをクリックします。あるいはPDFの画面上で表のタイ トルをクリックします。 編集コンサルタント Martha V. Gottron エクセルファイルの閉じ方: Grammarians, Inc. 「ファイル」 現在、開いている表を閉じる場合は、 メニューの「閉じる」を選択します。 Mertes Editorial Services 「ファイル」 エクセルを終了したい場合は、 メニューの「終了」を選択します。 印刷: デザイン 「ファイル」メニューの「印刷」を選択します。 Patricia Hord.Graphik Design Interactive Composition Corporation CD‑ROMの終了: 「ファイル」 メニューの「終了」を選択します。 動作環境 本体:Intel Pentiumプロセッサの搭載されたコンピュータ メモリ:64MB以上 OS:Windows98またはそれ以降 ソフトウェア:Adobe Reader (Adobe Reader 6.0) (Excel 97またはそれ以降) 、Excel • Adobe PDF、Adobe AcrobatおよびAdobe Readerは、Adobe Systems Incorporatedの商標または登録商標です。 • Microsoft、Windows、およびMicrosoft Excelは米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における商標 または登録商標です。 • その他、記載されているシステム名、製品名は、一般に各社の登録商標もしく は商標です。 世界銀行の使命 長期的な結果を追求し、熱意とプロフェッショナリズムを持って貧困削減に取り組みます。 資源の提供、知識の共有、キャパシティ・ビルディング、公共・民間セクターにおけるパートナー シップの推進を通じて、人々の自助努力とその環境作りを支援します。 人を引きつけ、活力を与え、また耳を傾け、学ぶ姿勢を持った優れた職員を育てることがで きる援助機関を目指しています。 世界銀行 (ワシントン本部) 世界銀行東京事務所 1818 H Street, NW 〒100‑0011 Washington, DC 20433 USA 東京都千代田区内幸町2‑2‑2 電   話:202‑473‑1000 富国生命ビル10F フ ァック ス:202‑477‑6391 電   話:03‑3597‑6650 (代) ホームページ:www.worldbank.org フ ァック ス:03‑3597‑6695 E メ ー ル:feedback@worldbank.org ホームページ:www.worldbank.or.jp PIC東京(世界銀行情報センター) 世界銀行情報センター は、世界銀行の業務や政策、開発問題に関する情報窓口です。 (Public Information Center, 通称PIC) PIC東京では、世銀の出版物や資料に関する情報サービスを行う とともに、世界銀行の途上国支援の取り組みについて、皆 様にご理解いただく ことを目的と し、 どなたでも気軽にご参加頂ける様々なプログラム及びイベン トを開催しています。 開館日:月曜日〜金曜日 午前10時−午後7時 休館日:土日、祝祭日、年末年始 (臨時休館させていただく場合があります) 連絡先:〒100‑0011 千代田区内幸町2‑2‑2 富国生命ビル1F 電 話:03‑3597‑6650 Eメール:ptokyo@worldbank.org